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ファビオ・ヴィエラがアーセナルにもたらすもの

アーセナル/イングランドでの課題:フィジカリティとインテンシティ

さて。ここまでファビオ・ヴィエラのパフォーマンスについてポジティヴ面ばかりにフォーカスしてきたが、当然課題もある。

最大の懸案は、やはりフィジカリティ。

彼は170cmと、フットボーラーとしてはかなり小柄で(※セドリック・ソアレスですら公称172cm)、PL基準からするとやせっぽちに見えるのは否めない。

178cmで、いまや筋肉をつけてきているサカですら、毎試合でタフなチャレンジに悩まされていて、もしヴィエラがあのエリアで存在感を見せるなら、相手チームの屈強なDFには格好のターゲットになるに違いない。とくにPLのミッドテーブル~ボトムチームは、そういう戦い方がデフォルトであり、そのプレイには慣れる必要があるだろう。

同じようにジュエルも課題になるはず。

スタッツからすると、ポルトでは、タックルやプレッシャーのようなアグレッシヴ守備は免除されていた?様子もあるが(コンセイソンはシメオネタイプのマネジャーで、だからヴィエラはなかなか使ってもらえなかったという話も)、アーセナルでのオーデガードを観れば、アルテタは攻撃の選手にも高いエリアでかなりインテンスな守備を求める。

逆にいうと、そこでマネジャーを納得させられないと、レギュラーポジションを奪えないかもしれない。すくなくとも、オーデガードは同じクリエイタータイプの選手として、ひとつの基準にはなりそうだ。彼のワークレイトを兼ね備えたクリエイター系の選手もなかなかいないだろうが、そこからあまりにも見劣りするようなら、アルテタからどう観えるかは想像がつく。

ヴィエラのスピードやスタミナを課題に挙げるひともいる。

アーセナルがハイラインで相手を押し込んで支配的にプレイしているとき、そこからのトランジションで、一転してこちらが後ろから相手を追いかけることになるシーンは実際の試合のなかでもしばしば観られる光景だ。とくに試合終盤の攻防は重要である。

ヴィエラがどの程度のスピード、あるいはスタミナかはプレイを観てみないとなんとも云えないが、そこでチームを助けられないのはツラい。とくにPLは、MFに90分間激しくピッチの上下動を要求するリーグだろう。とくにオーデガードはチームのなかでも驚異的なスタミナで、彼が競争相手だとすると、ヴィエラにとってハードルは低くない。

もっとも、フィジカリティについては、本人も自覚的のようだ。アーセナルでのファーストインタヴューでも「自分が今後取り組むべき課題はフィジカル面」と述べているし、また去年も「自分は守備のポジショニングが進歩した」と述べていたということ。自分がこの先もっと選手として成長するために、得意な攻撃以外の面での進歩の必要性についてもちゃんと気にしているのはポジティヴである。

身体的に世界一タフと云われるPLへのチャレンジは、彼のようなタイプの選手にとって云うほどかんたんではないはず。

ファンとしてしばらくは、落ち着いて彼の適応を待ちたいものだ。じっくり、慌てずアルテタのやりかた、PLのやりかたに慣れていってもらいたい。

 

さてファビオ・ヴィエラ。

去年のアーセナルの大きな課題のひとつは、ゴール不足。ヴィエラのような特別な才能をもった選手がフロントに加わって、かつてのアーセナルのようなチャンスを量産するチームになってくれたら、どんなにうれしいか。彼の場合は、プレイが「スタイリッシュ」とも形容されるほどなので、やっぱり純粋に観ていて楽しい、美しいプレイを期待したい。

アーセナルはそうじゃないと。

 

おわり



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One Commnet on “ファビオ・ヴィエラがアーセナルにもたらすもの

  1. 来季から交代枠が五人になることを考えると、ヴィエラのような危険なエリアにチャレンジングなパスを出せる選手は貴重に思うし、出てくるチャンスは全然ありそう。

    先制された相手を覆せないって課題にも効きそうな特徴。ワクワクしますね。

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