アーセナルにとっては、この夏の最初のサイン。かねてより噂されていた、若きブラジル人ウィンガーのアーセナル加入が昨日発表されていた。
Marquinhos joins from Sao Paulo
ファンとしては、待たされて、ようやく発表という感じである。
マルキーニョスについてエドゥ「彼は将来の選手」。Nextガビ・マルティネリ?
ブラジルリーグ、サン・パウロからの移籍で、各所で報じられている彼の移籍金は、およそ£3M。
このオフシーズンも忙しく働いているであろう、エドゥのコメントがオフィシャルサイトで伝えられている。
エドゥ:サン・パウロと取引完了できたことをうれしく思う。マルキーニョスはわれわれがしばらく注視していた選手。彼は19才とまだだいぶ若いので、われわれにとっては将来の選手だ。
彼はプリシーズンに加わることになると期待している。ここを彼のホームにし、ひきつづきわれわれと成長・発展していくことを願う。
今回もテンプレコメントながら、エドゥは彼についてファンに暗に期待しすぎないよう釘を刺したのか、わざわざ彼のことを“player for the future”のように述べている。つまり、いきなりファーストチームに入るようなことは期待しないでくれと。
彼は新シーズンは別のクラブにローンか、あるいはU-23でプレイすることになると思われている。
が、われわれが、「若いブラジル人」「player for the future(one for the future)」「プリシーズンで様子を観る」と云われ、ピンときてしまうのが、19-20シーズンにブラジル4部リーグのItuanoからやってきたガブリエル・マルティネーリ。
彼もまた、今回のマルキーニョスのように、加入したシーズンは当初U-23でプレイする予定だったのが、プリシーズンでコーチたちに強い印象を与え、予定変更でファーストチームへ。。そのシーズンにG10を記録するという衝撃のデビューに。その後の活躍は云うまでもなく。ユルゲン・クロップが彼を「世紀のタレント」と評するほど。
もちろん、そんなにつぎからつぎへと最高のタレントが現れるはずもないので、彼にそこまで大きな期待はしないほうがよいだろうが、いずれにせよ、プリシーズンでの彼のプレイには注目せざるを得ない。
エドゥ以降、ブラジル化が進むアーセナル
エドゥがテクニカルダイレクターとしてアーセナルに来て以来では、これが5人めのブラジリアン加入となった(マルティネリ、ダヴィド・ルイス、ガブリエル、ウィリアン)。
そして、もちろんこの夏のウィンドウにおけるわれわれのNo.1ターゲット、あるいはほかのブラジル人選手もクラブとリンクされており、アーセナルはエドゥのリードで着々とブラジル化を進めているように見える。まるでビッグクラブみたいである。
ブラジルといえば、この世界では良質な選手をつぎつぎに輩出する一大産地。多くの成功しているチームがそうしているように、アーセナルがブラジル人選手を増やそうとしていることを歓迎しないファンもさほど多くないように思う。
現在ブラジルNTには、アーセナルからふたりのガブリエルがすでに入っていて、今後それがされに増えていくようなら、「ブラジリアン・アーセナル」と呼ばれるような時代に突入するかもしれない。つよそう。
マルキーニョスのプロファイル
マルキーニョス(Marquinhos)は英国では無名ながら、去年の7月に18才にしてサン・パウロのファーストチームでデビューし、33試合でプレイ(※おもにサブからだったよう)。ブラジルでは期待の新星のひとりという。サン・パウロも、彼の慰留にはかなり熱心だったようだ。
ここで彼のプロファイルをおさらいしよう。
本名は、Marcus Vinicius Oliveira Alencar。キーニョス?
TMによると。
- 誕生日:Apr 7, 2003
- 出身地:São Paulo Brazil
- 年齢:19
- 身長:1,75 m
- 国籍:Brazil
- ポジション:attack – Right Winger
- 利き足:left
175cmは若干小柄である。左足の右ウィンガーということは、サカやぺぺと同じ。
ナショナルチームは、ブラジルのU-16とU-17でプレイ経験がある。
現時点でのMVは£6.3M。アーセナルがサン・パウロに支払う£3Mは、 彼の市場価値の約半分といったところ。
マルキーニョスのプレイスタイル
基本的には、ウィンガー。しかし中央でもプレイできる。
また左足ながら、左右両方のウィングでプレイできる。彼自身は右ワイドでのプレイを好んでいて、右からカットインサイドして左足を使いたいひと。
YouTubeでいちばん再生回数が多そうなのを選んだ。最初に彼が話題になったときにシェアされていたハイライト動画と印象違う。
スピードがあって、DFをぶっちぎるシーンがいくつか。左サイドでのプレイも多い。
なんだかジョエル・キャンベルを思い出した。すでに懐かしい。
マルキーニョス獲得が夏のウィンガー補強に与える影響?
ファンのなかには、マルキーニョスを取ったことでアーセナルのウィンガー補強の熱が冷めるんじゃないかと危惧する声もあるが、まあさすがにそんなことはないだろうと思われる。
エドゥも述べているように、クラブにとってマルキーニョスの獲得は将来への投資の意味が大きいだろうから、彼の獲得が今年の夏のリクルート方針に直接的な影響を及ぼすことはないはず。あっても、いわゆる軽微なやつ。プリシーズンでよほどのことがなければ……
アーセナルにとっては、よりリスクの低い投資であり、移籍金を考えれば、なんなら失敗したってさほど痛くはない。£3Mは、ぺぺにした投資の1/24にすぎない。
したがって、マルキーニョスが来たからといって、アーセナルがぺぺを放出したいのは変わらないし、ラフィーニャやコーディ・ガクポのようなシニアのウィンガーを狙っているのも変わらないはず。
ウォルヴズの訴訟の件は?
そういえばアレはどうなったのか。マルキーニョスとプリ契約をしていたウォルヴズが、約束を反故にされて選手サイドを訴えるという件。
アーセナル移籍目前にして「マルキーニョスとはプリコントラクトがあった」とウォルヴズが訴訟を準備 | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
まだ解決したわけではないようだ。The Athleticのウォルヴズ担当によると。
Young Brazilian forward Marquinhos has joined Arsenal.
A deal for Wolves to sign him was thought to be so far down the line that a loan to Grasshoppers was already being lined up for next season. Club has sought legal advice.
— Tim Spiers (@TimSpiers) June 13, 2022
ヤングブラジリアンFWのマルキーニョスがアーセナルに加入した。ウォルヴズはマルキーニョスとサインし、来シーズンは彼をGrasshoppers(※スイスリーグ?)にローンをするつもりだったが、それも遠のいたと思われる。クラブは法的なアドヴァイスを求めている。
まあ、状況をみると難しいでしょうな。
この件のエントリにも書いたように、アーセナルFCが問題になりそうな案件にわざわざ首を突っ込むはずもないと思う。事前に調査をして勝算があると踏んだからの決断だろうし、この件はアーセナルが選手の獲得を発表した時点でほぼ終わりのように思える。
これでアーセナル(サン・パウロ)とウォルヴズとの関係がやや悪くなったというだけ(笑い)。
マルキーニョスには、数年後モリニューで盛大にアウェイ勝利を祝ってもらいたいね。それこそタイトルを取ったみたいに。そのころルーベン・ネヴェスがまだいればいんだけど。
ということで、マルキーニョス。ひとまずはWelcome to the Arsenal!
DFチギっている場面もあるんですけど走り方なのかそこまで速そうには見えないですね。将来に期待です。