PL is back!
異例の冬ワールドカップのおかげで、一ヶ月半も中断していた国内リーグが、12月26日のボクシングデイ(※クリスマスの翌日)から再開される。待ったなあ。
フランスとアルゼンチンの劇的なファイナルなど、今回のワールドカップもそれなりに盛り上がったが、あくまでクラブフットボールがこの世界の本番すよね。
昨日のカラバオカップのシティ v リヴァプールで、クラブフットボールの魅力を再認識したみたいな声を見かけて、なるほどと思ったものだった。
さて、PL & アーセナル。
アーセナル的にも、ほかのトップチーム的にも、PLリスタートでもっとも気になっているのは、選手の復帰だろうか。トップチームの選手はワールドカップでも、先へ進んでいることも多く、ファイナルでプレイしたような選手は、ボクシングデイでの復帰はまさにギリギリであり(※FIFAのルールで選手はプレイした後一週間の休養が必要らしい)。
今回は長いブレイク後のリスタートということもあってか、各クラブのマネジャーが早めに試合前プレスコンファレンスを行っているようで、アルテタも昨日(木曜)それを行っていた。
試合プレヴューエントリは試合がもっと近づいてからまとめて書くとして、先にアルテタの記者会見だけお伝えしよう。
Every word from Mikel’s pre-West Ham presser
アルテタの試合前記者会見「(冬ウィンドウ)われわれは活発に動く」
オフィシャルサイトのトランスクリプトより。
WHU戦について
(PLに復帰です……)
アルテタ:ワールドカップのために、ふだんはない期間だった。だが、われわれはこの期間を有意義に使って、必要なトレインをし、NTに参加していない選手たちと時間を過ごした。これで、サリーバ以外は全員戻っていて、彼は明日戻る予定になっている。
シーズンの後半はおもしろくなるだろうし、激しくなるだろう。われわれもとても楽しみにしている。
(あらためて勢いをつくっていく……)
それをピッチのうえでやる必要がある。それについてはみんなでよく話しているし、再び力強く始めることの重要性もわかっている。ホームでの試合であり、歴史的にもPLにとってもとても特別な日。フットボールをプレイする、とても特別な家族の日なんだ。(ボクシングデイは)すばらしい雰囲気だし、それを最大限利用したい。
(あなたがエヴァトンでプレイしていたときのデイヴィッド・モイーズのインパクト……)
かなりのインパクトだった。まずは彼がわたしに示してくれた信頼に感謝したい。フィールドのオンとオフで、わたしが彼からどれだけ学んだか。チームのつくりかた、希望のチームにするためにどう正しいキャラクターを入れるか。彼はいつでも極めて協力的で、彼といっしょに行ったすべてのことが、わたしにはすばらしい思い出になっている。わたしたちは、ともにとても成功したときを過ごしたから。
(ウェスト・ハムが相手のテスト……)
とても危険だ。彼(モイーズ)がチームを引き継いでから、間違いなくとてもハードに取り組んでいることはわかっている。彼は完全にチームの可能性を最大化するひとで、違うレヴェルにつれていく。わたしが彼のチームにいたころにずっとやっていたようなハードワークを、いまもやっているに違いない。とても難しいコンテストになる。
(今シーズンのわれわれのなかで、もっとも感心していることは?……)
おそらくは、このレヴェルで観せているレヴェルと一貫性。われわれのチームの年齢からすれば、それは簡単なことではない。
われわれはある時間には、本物の成熟をみせる。とくに大きな相手のときに。そして、毎日欠かさずもっといいプレイをしようと集中している。個人でも集団でも成長をつづけるよう、試合に勝ちつづけられるよう。それがわれわれが望めるすべてだ。フットボールはとてもトリッキーなゲイムなのだ。
チームニュース
(スクワッドに戻ってくる選手たち……)
彼らはいい感じ。もちろん、WCでガブリエル・ジェズースに起きたことはかなり大きな打撃で、不在の影響はあるだろう。だが、シーズンはチャレンジだ。乗り越えるべきチャレンジなのだ。
もしトップにいたいのなら、そうした類のチャレンジにも向き合うことになるのを知っておかねばならない。
(ほかのWCの選手たちは?……)
全員問題ない。彼らはいいスピリットで戻ってきた。何人かは思っていたより早く戻ってきたが、彼らもすぐ復帰してチームの一員になっている。ここにはいいエナジーがあると感じているし、望まれるリズムにもすんなり入っていった。
(試合のある)月曜までにはまだ数日あるが、いい感じである。
(サリーバ以外は全員いる?……)
イエス。全員いる。
(ケガのニュースは?……)
ガビーは復帰へのタイムラインを設定するのはとても難しい。重症だし、彼のことをわかっていればこそ、彼にはその予定日を与えないほうがいいと思う。
リースについては、残念ながらユヴェントスの試合でケガをしてしまった。彼もしばらくアウトになるはず。
エミールは復帰に近い。彼はまたトレインを始めている。小さなセットバックはあったが、いまはいい状態だ。
ネルソンのケガ
(リース・ネルソンは長期の離脱になる?……)
わたしが話しているのは何週間かだ。何日間というのでもないが、数週間(a few weeks)になる。彼がこのあと数日でどうリアクションするかを観てみよう。だが、彼もスプリントしてすぐにそれがケガだと感じたし、それはいいきざしではない。
ジェズースの復帰時期
(ジェズースは2月までアウトかもしれない?……)
ノー。いま、わたしはどんな日程も伝えるつもりはない。わたしが云っているのは、わからないということ。しばらく時間がかかるのは間違いないが。
もちろん、彼は手術を行った。つまりそれがケガの程度だ。われわれはマーケットにいる。いつでもアクティヴである。それがわたしが述べていることであり、最大の機会を観ていく。
スミス・ロウのフィットネス
(スミス・ロウはケガからの復帰をつづけている……)
われわれもエミールにはたくさんのことをやってきた。ときに(復帰に)かなり近づき、またときに違う状態になる。しかし、彼の姿勢はずっとグレイトだった。
これはどんなキャリア、どんな成長期間にとってもその一部だ。長期のケガをしたりして、彼はそれにリアクトする必要がある。
彼はすべてのサポートを得ている。彼には大きな才能があるし、シーズン後半にはチームは彼のベストが必要だ。彼の貢献がチームにとってカギになるから。
(スミス・ロウが不在の期間、彼にはどんな環境があった?……)
いろいろな種類のものだ。いろいろなスポーツ、場所、彼がインスパイヤされる人々。それに、彼の状況についてある見立ても与えることができる。彼はそこからたくさんのものを得ていると思う。
サリバは試合に間に合う?
(ウィリアム・サリーバはウェストハム戦に加わる?……)
どうなるか観てみよう。彼が戻ったときにどの程度かにもよる。彼がトレイニングで行っているデータは持っているし、彼があまりプレイしていないときのものもある。だが、彼にとって大きな経験でもあった。どうだろう。彼が戻ったら、決断する。
(ウィリアムとはどれくらいコンタクトしていた?……)
かなり連絡は取り合っていた。しかし、もちろん電話で話すのと、対面で話すのでは違う。このあと、彼と直接話して、トレイニングの様子を観て、彼のフィーリングを観て、彼にリズムを取り戻させる。
冬の移籍ウィンドウについて
(ジェズースのケガで移籍活動が活発になる?……)
われわれは活発になるだろう。活発というのはつねにチームを強化しようとしているということ。
このスクワッドは、どのウィンドウでもまだ最高の贅沢はしていないし、それはしなければならない。なぜならとても重要なことだから。
正しいプロファイル、正しい選手、ほんとうにチームにインパクトを与える選手、チームをつぎのレヴェルに連れて行ってくれる選手の情報を得たい。
(ガブリエル・マルティネリとの新契約について……)
ニュースはない。われわれは彼に完璧に満足している。彼もブラジルNTですばらしい経験をした。今後しばらくこの質問をしても構わないよ!
(WCブレイク期間にしたコーチングおよぶマネイジングの適応について……)
それについてはたくさんのワークを行ったが、わたしが考えるに、シーズンの後半はとても違う期間になるはず。トレインする時間の余裕があった期間、それと試合がかなり早くやってくる期間。
われわれはとても過密した期間を迎えるので、チームがどれだけ健康でいられるかがとても重要になる。どれだけフィットしているか。そして、望むレヴェルを維持するために、ローテイションがどれだけ貢献するか。
(WC後の1月の移籍ウィンドウは大きなチャレンジになる……)
おそらくは。だが、どうなるかはわからない。たくさんのチームが新しいコーチ、新しいオーナーで、それがおそらくこのウィンドウで、これまで経験したこともないようなものになるかもしれない。
われわれもそのことには気づいているので、それにアクティヴでいなければならない。
(USにはオーナーに会いに行った?……)
われわれはつねにつながっている。思うに、この関係はますます強化されている。彼らも何度もこちらに来ているし、われわれも何度かあちらを訪れている。いま、われわれには特別な関係性があり、われわれも彼らのスポーツへの考え方などを理解するようになった。彼らがやってきたほかのスポーツやフランチャイズについて聞いたり。
野心はそこにある。連携もたしかにそこにある。だから、ともにときを過ごすことはとてもポジティヴだ。
(移籍ウィンドウが開く前のそのミーティングは重要だった?……)
それは、時間の余裕があったからでもあり、そのあいだのMTGはみんなにとってとても役立つものだった。
(フルハムがセドリックに興味を持っているという報道について……)
スクワッドに関しては、自分たちの現在位置はわかっているし、人数もわかっている。したがって、このウィンドウでわれわれが行うことについては、かなり注意深くするつもり。
その他
(クラブワールドカップの変更の提案について……)
現時点で、わたしに意見はない。まだとても荒削りなものだと思うし、われわれはいまやらねばならないことに集中している。どっちにしても、われわれの意見がなにか助けになるとも思わないがね!
以上。さすがに長い。
アルテタ「冬ウィンドウでアクティヴになる」
今回の会見で、もっともインパクトのあった発言はこれだろうか。
離脱中のジェズースの話の流れで、アルテタは「われわれは1月の移籍ウィンドウで活発に動くだろう」とあらためて冬の補強への意欲を示したという。
やっぱりNo.9を取るんだろうか。だとしたら、誰なのか。。
あるいは、これまで云われているようにシャフタールのムドリクのようなウィンガーを取って、マルティネリをCFで使ったり?
マルティネリについては、フォルス9をやれるスキルセットがあるとか、いやいや彼はワイドからプレイしたほうが脅威になれるとか、アーセナルでのNo.9適性については最近もさまざまな議論があって興味深い。
そんな議論のなかで、アーセナルでのデビューシーズンである3年前のマルティネリ(18)が、ストライカーとしてプレイしたELスタンダール・リエージュ戦のTV解説の動画がシェアされていた。キーオンとオーウェン?
G.Martinelli at ST vs Standard Liege (H) 19/20 💭pic.twitter.com/1fwu2Zo34b
— Phantomn AFC (@PhantomnAFC) December 22, 2022
これを観ると、ふつうにCFやれそうだなと思いつつ、このときは相手もマルティネリなんて誰も知らないから、全然マークもされてない。ワールドカップでもプチブレイク?したいまだと、試合のなかでも彼は相手DFにばっちりマークされて、まったく違う難しさになりそうではある。
チームのニュース
今回の会見は、選手に関する質問も多かった。ワールドカップもあったしで、やっぱり選手のフィットネスがカギになるなと。
まず、金曜にチームに戻ってくるというサリバが、月曜の試合でプレイできるかどうか。
彼はWCでもほとんどプレイしていなかったから、肉体的に疲労しているということはなさそうだが、結局トーナメントの最後まで行った精神的な疲労はありそう。彼がプレイできないなら、ユヴェントスでベンチにもいなかったRBトミヤスが微妙なことを考えると、ベンジャミンのRBは維持したい。ここは、多少無理をしてもサリバをCBで使いたいところ。
ジェズースは、ひとまずこれまでどおりの情報しかない。復帰時期未定。さすがに、メディカルチームには目処はついているのだろうが。
本人からのメッセージ。まだ、右足はがっちり固定されているようで痛々しい。
Progressing 🙏🏾🙌🏾💪🏾 pic.twitter.com/uzRNwB07E1
— Gabriel Jesus (@gabrieljesus9) December 22, 2022
そういえば、ジェズースといえば、ペップ・グアルディオラも先日彼のケガについて言及していた。気の毒だし、アーセナルにはかなりの打撃だろうと。ふたりの弟子が心配なんだな。
ネルソンの離脱は、今回「数週間」ということが明かされた。「数ヶ月の単位ではない」という意味でそう云ってるだけかもしれないが、ジェズースより長引くということはなさそう。そこはよかった。
それとESR。彼については「また小さなセットバックがあった」と云っている。それも成長痛なのか。なかなか根深い。彼はしばらくプレイをしていないので、まだ時間はかかるのかもしれない。
ジンチェンコとトミヤスについても訊いてほしかったなあ。とくにトミヤスがプレイできるなら、サリバの復帰を急がなくてもいいわけで。
試合までにはなにかしら情報があるかもしれない。そのときは試合プレヴューエントリで触れよう。
つづいて、この試合とは直接関係ないが、アルテタがSkyのTV番組に出ていたので、そちらについて少し。