アーセナル移籍を熱烈に希望していたMudrykがどうして??
これはまあ、£200kpwあたりのオファーがほんとうなら、彼も断れなかったのかもしれない。7年という長期契約も。アーセナルのオファーには諸説あるが、給与は2倍以上の可能性もある。
具体的にサラリーはどうなるか。仮に£200kpwのサラリーで7年契約とすると。
- 年俸 £200k * 52 weeks = £14m
- 7年契約の総額 * 7 years = £72.8m
£72.8mはいまのレイトだと、日本円でおよそ113億円。アーセナルと契約するとこの半分以下だったはず。7年契約も提示しないだろうし。アーセナルは、けっしてそういう意味で気前のいいクラブではない。
この決断について彼だけを責められないと思うのは、選手本人の意向が重要とはいえ、この規模の金が動く移籍で22才の青年がひとりで決断できるはずもないから。
家族や周囲のひとたちのことを考えたら、できるだけ金は稼がねばならない。ましてや、いまウクライナは戦時中である。彼だけでなく一族にとって、金は何よりも重要だろう。親戚全員で戦地を脱出できる。
だから、いままで彼はさんざんInstagramなどで、アーセナルファンにアピールしてきたのだから、この裏切りには、アーセナルファンたちは激怒しているだろうが、ぼくは正直しかたないんじゃないかと思う部分もある。
もっとも苦しんでいるのは、彼かもしれないし。ソーシャルメディアでの仕返しがどれほど激しいものになるか、彼だって想像できるだろう。万単位のサポーターが、一夜にして万単位の敵になったみたいなもの。ジンチェンコ夫婦にはInstagramのフォロウを外されたという(これはデマかも)。
気軽にオンラインAbuseをやっちゃうような気性のひとは、まじで冷静になってもらいたいっすね。
なんて云いながら、彼がノリノリでチェルシー移籍を喜んでるのを観たら、さすがに腹は立つな。
「彼はそもそもアーセナルを熱烈に愛していたわけじゃなくて、単に移籍を熱烈にしたかっただけでは?」とつぶやいているひとがいて、それもそうかもなとは思った。
ちなみに、今回の件でジェズースのアーセナル移籍のことも思い出されている。
Freddie Paxton:ジェズースのエイジェントが云っていた。「チェルシーも彼のアーセナル移籍をハイジャックしてようとしていたクラブのひとつだった。彼らは最終日にかなりハードにトライしていたが、そのときはすでにわれわれはもう新しいプロジェクトを選んでいたんだ」
アーセナルとすでに個人条件では合意していたと云われるMudryk。が、札束で翻意。
いっぽう、(おそらく)アーセナルよりもいい条件をチェルシーから提示されても、心が動かなかったジェズース。
姿勢をつらぬいたアーセナルと無計画?なチェルシー
伝えられているアーセナルの最終オファーと、チェルシーがシャフタールと合意したというオファーでは、結局€5m程度しか差がなかったことに首をかしげているひともいるかもしれない。
その程度なら、アーセナルはもうちょっとがんばってもよかったんじゃないかと。
だが、だいぶ以前から云われていたことは「アーセナルは入札競争(bidding war)はする気はない」ということ。「アーセナルは、あくまでも、自分たちが正しいと考える金額・条件でしか動かない」とロマーノも云っていた。
だから、金額差はたぶん問題ではなかった。自分たちが決めた金額、それを相手が受け入れるかどうかが問題。こういうアーセナルの姿勢は、これまでも何度か観てきた。
今回のハイジャックについて、ぼくがredditやtwitterなどでファン反応を観ていたかぎりでは、失望もあるにはあったが、概ねアーセナルの姿勢は支持されているように観えた。
アーセナルの最終オファーにしても、ちょっと金を出しすぎていたという感じはあったし、リスキーな動きだと思っているひとも少なくなかった。ぼくも正直そこはそう思っていた。
逆に、今回ハイジャックして希望のターゲットを得たはずのチェルシーのほうが、ノープランぶりをひたすらバカにされている感がある。あいつらはアーセナルのターゲットなら誰でもいいのか。
チェルシーファンでさえ、この動きに困惑しているというのでちょっと探してみたらこんなのが。
I’m so confused, so can we afford Felix in the summer now? What happens to Thuram and Madueke? Why Mudryk before a big money move for Caicedo or a right back? Ownership confuses me.
— Pys (@CFCPys) January 14, 2023
(チェルシーファン):すごく混乱してる。で、このあとFelixは夏に買えるのか? ThuramとMaduekeはどうなる? Caicedoとかライトバックに金を使う前になんでMudryk? オーナーシップはワケワカメ。
補強の優先順位を無視して金を使ってるということか。まあ湯水のごとく使えばいいんじゃないかと。そして大丈夫だと軽んじていたFFPに足元をすくわれてほしい。
アーセナルのプランBはラフィーニャ? トロサール?
こうなった以上、いまアーセナルファンの最大の関心事は、つぎに誰に行くかだろう。
ファンのあいだでは何人かの名前が出ているが、すでに夏のターゲットだったラフィーニャに向かっているという報道がある。エドゥがすでに代理人のデコと交渉を開始しているとか。
ラフィーニャはバルセロナ移籍以降は、そこまでプレイタイムに恵まれておらず、あいかわらず財政難(給与総額)のバルサがオファーを受け入れるという憶測もある。
ほかに、ファンのあいだで名前が出ているウィンガーは、フェラン・トーレス、ザハ、ミトマ、トロサールなど。
興味深いのは、ちょうどトロサールがいまブライトン(マネジャー)と決裂していて、移籍を余儀なくされているらしいこと。アルテタも彼を気に入っているとか。
Official statement by Leandro Trossard agent Josy Comhair after Belgian star excluded for next game by Roberto de Zerbi 🔵🇧🇪 #BHAFC
“The manager humiliated Leandro in the group — also he indicated that a transfer is the best solution” ⤵️ pic.twitter.com/iVhbjKp04j
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) January 13, 2023
個人的にトロサールは、ずっといい選手だと思っていたのでアリじゃないかと思っている。
ミトマもアーセナルのファンには人気があるが、すでにブライトンでLWのプライオリティになっている彼を1月に手放すはずもなく。
いずれにせよ、Mudrykの予算があればいろいろなオプションがありそう。ここでラフィーニャが決まれば最高では? 災い転じて福となす。9Dチェス。
とにかく早く動きたい。
ぼくの雑な感想
これまでのブログエントリの端々に出てしまっていたかもだけど、わしはこの案件にはやや後ろ向きだったのだよね。
もちろんいい選手なんだろうし、近い将来に彼がネイマールになっている可能性はあるが、シャフタールの要求はいくらなんでも法外だと思っていた。それに応じようとしていたアーセナルのオファーも。
PL provenでもなんでもない彼が100mで取引されるなら、たとえばブカヨ・サカはいったいいくらになってしまうんだと。300m? 相場感覚が完全に麻痺している。まあ、買いたいひとと売りたいひと次第でどうとでもなるのが市場というものなんだろうが。
だから、こうなった以上はほかのターゲットに向かってほしい。そして最高の選手を連れてきてほしい。
リサンドロ・マルティネスを逃して、ジンチェンコが来たみたいなやつを希望。
Mudryk個人に関しては、もうアーセナルとは関係ないのでどうでもいいのだが、できれば金に物を言わせるチェルシーには天罰を下してほしいので、彼にはぜひともにPLで落第していただきたいね。
そういう意味ではFelixのデビューはもう完璧だった。デビュー戦いきなりレッドカードで3試合バン。それまで彼がいいプレイをしてたのは事実だけど。
ファンと決裂するという展開もいいな。チェルシーのファンはFelixのデビュー戦で「He hates Arsenal」みたいなチャントをうたっていたらしいが、Mudrykはライヴァルクラブへの愛情をずっと表明していた選手。クラブへの忠誠心は試される。高給で、しかも7年という長期契約を恨むような事案が起きてほしい。
おっと、重要なNLDのまえにネガティヴなことばかり書いてしまった。
もちろん、アーセナルがかなり切実に望んでいたターゲットを逃したのは残念ではあるが、いいこともきっとある。おかげであらたな機会が生まれる。おかげでESRが大ブレイクもあるかも。
ここは前向きになろう。
Arsenal didn’t get Vlahovic. Arsenal didn’t get Raphinha. Arsenal didn’t get Lisandro Martinez. Hell, Arsenal didn’t get Douglas Luiz.
Arsenal are top.
— gunnerblog (@gunnerblog) January 14, 2023
おわり
最近のアーセナルの交渉移籍のスピード感が遅く感じててめちゃめちゃ不安です。
方向も間違えてなさそうで、良く言えば丁寧なのですが…
クロンキへの当てつけかってくらい、Chelseaの moveはナゾっすね。
浮いた金でパーティと競える或いは凌駕できるMFをとってほしいです。去年パーティの控えがいなくてあれだけ苦しんだんだからそっちを優先して欲しい。
むしろ金をセーブできてよかった。アーセナルはひとつのポジションに100m費やせるほどスカッドが盤石ではないから、その金で2人くらい連れてくればいい。ラム爺さんの言う通り中盤はひとりほしい。
結果ジェズス二人獲得できる金額でPL実績もない以上、撤退は妥当かと思いました。ハイライト限りではそれはもう魅力的な選手ですが、ペペ然りサンチョ然り裏切ってくる例も数知れずの時代ですし、ツイートにあるように現に逃した(らしい)魚たちがいながら首位ですしね。フロントの判断を信じたいところです。
ただシティが思いの外取りこぼし始めているのでここでもうワンプッシュして欲しい気も、、
いやー残念です。
てか、チェルシー更に嫌いになりました!
ムドリクマジでサンチョ路線かぺぺ路線でお願いします!
レアルで控えやるくらいならアーセナルで先発がいいとか言ってた時点から、図々しいガキだなと思ってたので飴行ってくれておk
神経の図太さはさすがネイマールと言われるだけはあるなと
補強のプライオリティが最も高いポジションではないと思われるので、撤退は賛成。
サカのバックアップができるRWやトーマスのバックアップならプッシュしてても理解できる。LWは絶好調のマルティネリいるし、スミスロウやネルソンも考えられる分、運命じゃなかったと納得できる結末。そりゃ驚いたけども。
ウィンガー獲るなら、Armand Laurienté が面白そうです
(プレイ動画で見た限りですが)足元はmudryk より巧いです
前から思っていたことですが、まだ市場価値が上がりきっていない有望株を狙うほうがアーセナルらしいやりかたのような気がします…(それはもう昔の話なのかな?)
例えこの先、ムドリクが結果的に無双しようとも、
最重要事項でもなかったので、1億ユーロ使わなくてよかったと思います。
一番大事なのパーティとサカの控え。
それ以外は無理して欲しくありませんね。
ザハ、トロサール、ラフィーニャ。誰きてもクセ強ですね。
ノーロン見ながら思い出したのは、たしかクルゼフスキはグーナーだったはず。彼をシットホールから救い出すのも手かと。ソルキャンベルのよおに。
いや全く。リース、スミスロウがいるのにそこじゃないだろう、と。デクランライス、か、ベンホワイトのアンカー起用、か。いまティーレマンスがきても、ジャカがあまりにも良いだけに、サンビの上位互換ぐらいのイメージしかないですもんね。ならエンケティアかバログンをサカのポジションで使う方がよっぽど合理的。そろそろパティーノも使いたいですしね。それが我ららしさ。ジェズースのように、金じゃなくてアルテタプロジェクトに参加したい漢だけ取ればよい。