試合の論点
アーセナル vs スポルティングCPのトーキングポインツ。
スポルティングは強かった
試合後には、この試合の感想をいろいろ見かけたが、ぼくは単純にアーセナルよりもスポルティングのほうが強かったんじゃないかと思ってしまった。あるいは相性が悪かった。
彼らはファイナルサードでのクオリティだけは欠いていたという印象はあったが、それ以外の、ボールを持ったときのビルドアップ、それとボールを持っていないときのハイプレス、このふたつはあきらかに優秀だったのではなかろうか。もちろん、それはどちらもアーセナルでもとくに秀でた部分だが、彼らはそれにまったく見劣りしなかった。
ビルドアップでは、アーセナルのハイプレスをゆうゆうとかいくぐる。マークのついていない選手を見つけてパスを出すのが上手で、それとバックラインからのドリブルにも躊躇がないので、アーセナルはプレスに行くのに、毎回かわされるという。頻度で云えば、アーセナルがPLで相手チームにハイプレスからボールを奪うよりずっと少なかったように観えた。ボールをなかなか奪えないので、プレスのエナジーがどんどん削られていく。
ミドルサードでボールを受けるMFたちの技術もかなり高い。Francisco Trincãoっちゅう選手は目立ってよかったな。23才で元バルサ、元ウォルヴズ? 名前も初めて聞いた。彼くらいのクオリティなら、もっといいクラブへ行くんじゃないの。
それとハイプレス。かなりオーガナイズされていて超優秀。もちろんアーセナルにもプレス耐性はあるので簡単にはやられないが、それでも何度も繰り返しプレスでハメた。後半スタートから20分間ほどのアーセナルは観ていてほんとうにつらかった。あんなふうにハイプレスにハメられて高いポジションでボールを奪われまくるアーセナルを観るのは久しぶり。
ぼくのメモによると、アウェイチームの優勢は、およそ前半の15分間、前半終わりの10分、そして後半開始からの20分間。それはアタッキングモメンタムのグラフにも観てはっきりわかるくらいに表れている。このあたりの時間は、はっきりアーセナルは劣勢に観えていた。弱いほうのチームだった。どっちがホームかわからん状態。
HTには、ジンチェンコが上がった裏が何度もスポルティングに狙われているというような解説をTVでやっていたように、スポルティングのやりかたを観ていると、やっぱりかなりアーセナルを研究していたように思える。
彼らが試合のなかのある時間帯にアーセナルより強く観えたからといって、彼らがPLでタイトルを取れるとはまったく思わないが、ことアーセナルとの対戦においてはホーム・アウェイでこれほどやったというのは、事前にかなり研究をしていたからだろうし、その点でアーセナルはその分だけ分が悪かったかもしれない。
今回アーセナルが敗けたのは、PLにくらべてELに集中していないからとか、本気じゃないからとか、そういう見方もあるようだけれど、あの試合内容を観たら、スポルティングが強かっただけという気がしてならない。アーセナルだってレギュラーチームに近いチームでスタートして、最初からちゃんと本気で勝とうとしてプレイしているように観えたし。それでも相手はちゃんと強かった。
だから、これは教訓だなと。
最近は大逆転を何度かやったりフラムでの完勝もあって、チームはかなりいいムードではあった。しかし、そもそも大逆転しているということは、その前にはダメダメの前段があったわけで、その部分を忘れてあんまり浮かれちゃいけない。
まだまだシーズンは終わらない。今後のために、アーセナルはここで痛い目を観てよかったのかもしれないよ。
ELは敗退してよかった? PLタイトル争いに恩恵あるのは事実
どうだろう。
ファンとして試合に敗けてうれしいことはひとつもないので、やっぱり悔しいし、非レギュラーメンのプレイする機会が少なくなってしまったのがいちばん残念に思う。この試合をESR、KT、キヴィオール、ターナーらはどう観ていただろう。
こんなことなら、やっぱりこの試合は素直にローテイションすべきだったんじゃないかと思わないでもない。まあそれもあとづけでしかないか。勝っていれば、結果オーライで、やっぱり強いチームを選んでよかったですねとなっただろうから。
心配なのは、120分プレイしたレギュラー選手たち。そうとうに疲労したのは間違いない。マルティネリ・ジャカ・ジンチェンコと120分プレイした選手が左に偏っているので、パレスでなにか影響がなければいいのだが。
いっぽうで、EL敗退して試合が減ることで、その恩恵があるのも事実ではある。
直接的に好影響があるのが、重要な4月のフィクスチャ。今回勝ってラウンドを進んでいれば、それはこんな感じだった。
- 土曜:PLリーズ(H)
- 日曜:PLリヴァプール(A)
- 木曜:EL QF1st(H)
- 日曜:PL WHU(A)
- 木曜:EL QF2nd(A)
- 金曜:PLサウサンプトン(H)
- 水曜:PLシティ(A)
- 日曜:PLチェルシー(H)
ミドウィークの試合がないだけでだいぶ違うだろう。※これカレンダー観て書いたけど木曜ELのあと金曜PLなんてスケジュールがあるのか
4月はとにかくシティとのエティハドでの試合が、タイトルを決める試合になりかねない。そこまでに最高のチーム状態、もちろんポジションも理想的でありたい。
今週末のパレスに勝ってリセット&バウンスバックし、IBで休める選手は休んで、4月をなんとか乗り切る。もし4月をなんとかできたら、このチームはほんとにタイトルのことを考えてよいと思う。
まずはパレスに勝つこと。そうすれば一時的にシティと8ポインツ差になる。きっと、そのときは誰もこの試合のことも思い出さない。
試合については以上。
つぎの試合は日曜のPLクリスタル・パレス(H)。
ところで、このエントリを書いているときに気づいたニュース。
Crystal Palace Football Club can confirm that Patrick Vieira has left his post as First Team Manager.#CPFC
— Crystal Palace F.C. (@CPFC) March 17, 2023
なんとパトリック・ヴィエラが解任されちゃったよ。一時はあんなにすごいマネジャーだともてはやされていたのに。。
アーセナルにとって、いいのか悪いのか。それがわかるのは日曜である!
ではまたプレヴューで。
COYG
ターナー使えよ、KT使えよ。
ここらへんのアルテタの頭ん中はいつまでも意味わからんすね。
ヴィエラまじか‥エバトン戦の解任ブースト再びはやめてくれー