おひさしぶり。暑い。
さて、数日前に正式にオープンした夏の移籍ウィンドウ。CLもある来シーズンに向けて、例年以上の予算を費やすと観られているアーセナルは、報道によればかなり活発に動いているようだ。ファンも毎日の情報を追いかけるだけでけっこう忙しい。
このブログも休んでいるあいだにすっかりいろいろなことが起きている。6月なかば現時点での夏ウィンドウの進捗状況をまとめておきたい。
アーセナル2023夏の移籍ウィンドウ進捗状況(16 June)
この一週間あたりでアーセナル界隈で報じられたメジャーなニュースをまとめると。
- デクラン・ライスへの最初のオファーはWHUに断られる(総額£80mとロマーノ)。アーセナルは即座に二度目のオファーを用意。アドオン含め£100m~が予想される
- モイゼス・カイセドがチェルシー移籍に近づく。ただしBHAは£100mを要求の報道も
- カイセドの代替に、サウサンプトンのRoméo Lavia(ロメオ・ラヴィア)
- アーセナルのメインターゲットにカイ・ハヴァーツ(チェルシーの要求£75m)が浮上。ファンベイスでは賛否両論の議論に(笑)
- アーセナルとリンクされていたレスターのFB、Timothy Castagneはユヴェントスへ?
こんなところか。
夏のCM補強はライスとあとひとり?
まずは、ライス。日本人は白いごはんが大好き。おれも好き。
ここまでのもろもろの報道を観ていても、アーセナルがライス獲得レイスのフロントランナーであることは変わりなく、なにか大事件でも起きないかぎりは、この取引は成立しそうに思える。WHUをリスペクトしてECLファイナルを待ってから、すでに最初のオファーもした。時間の問題?
唯一気になる動きは、シティ。アーセナルの最初のオファーが断られた日、「シティがライスへのアプローチを探っている」とオーンステインが伝えていた。というか、そんなことより彼らには早く特大の罰則をぶちかましてほしいのだが。
🚨 EXCL: Arsenal have made opening offer to sign Declan Rice from West Ham. Tim Lewis & Karren Brady held talks at PL AGM (though Edu + Richard Garlick leading process). Man City now actively exploring own approach for 24yo @TheAthleticFC #WHUFC #AFC #MCFC https://t.co/pAYw3zTU7t
— David Ornstein (@David_Ornstein) June 15, 2023
ただ、バイエルンとのリンクのときにも云われていたことは、ライス本人はロンドンでのフットボールライフを希望していること。彼には、バイエルンでもシティでもなくアーセナルを選ぶ理由がある。サカともラムズデイルともなかよし。
続報を待とう。
この取引が完了するまで、ジャカのレヴァークーゼン移籍が待たされていたりするようで、この案件が片付くと、いろいろなことが動き出しそうだ。
そして、アーセナルにとりもうひとりのCMターゲットだったブライトンのカイセド。
結局彼はBHAが安売りはしない姿勢を見せていて、チェルシーも参戦で、アーセナルは獲得レイスから後退しているという。このあたりは、ここ数年のほかのターゲッツと同じ挙動に思える。クラブとして評価し設定した以上のコストはかけない(カイセドには冬に£70m、夏には£80m?)。それ以上になるようなら、潔く撤退。入札競争はしない。代替案もある。
一説にはブライトンはカイセドに£100mを要求するという報道まであり、それがほんとうならPLでたった半年しかプレイしていない21才に、いくらなんでも法外な要求をしている。そんな要求に応えられるクラブはチェルシーしかいない。チェルシーは、この取引にBHAが望むコーナー・ギャラガーを加えるプランもあるそうで、BHAにとってはけっこう悪くなさげ。パレスのギャラガーはいい選手だったもんなあ。ブライトンでもブレイクしそう。
ちなみに、昨日BBC Sport、Sky Sportsが揃って「アーセナルはカイセドへの興味を失っていない」と報じていたのが興味深かった。これは、つまりチェルシーがBHAの要求に応えられず、カイセド本人に夏の移籍を許可しているブライトンが、結局もっと安値で彼を売ることになるきざしがあるのかもしれない。しらんけど。ここからアーセナルがカイセドに戻ったら、アツい展開。
まあ、もともとパーティやジョルジーニョ、エルネニーまでいるなか、この夏にライスとカイセドの守備マインドのCMをふたり同時に、しかも巨額で取ることには議論もあったので、カイセドがよそに移籍しても大きな驚きはない。残念だけど。
ところでBHAの選手とのリンクで毎回思うのは、もうBHAのリクルーティングを横取りしたほうが話が早いんじゃないかという。これ前にも書いたかも。ここ数年の彼らのリクルーティングを観ても、その慧眼は明白に見える。
2019年に€5mで買ったAlexis Mac Allisterがリヴァプールに€43m。彼にはリリースクロウスが設定されていて、実際の予想にくらべてリヴァプールにはかなり割安感があった。
そして2021年に€20mで買ったMarc Cucurella。チェルシーに€65m。ミトマも€3mで買って、現在のMVが€22m。いま実際に彼が取引されるなら、彼らはその倍は要求するだろう。彼は間違いなく22-23EPLの注目選手のひとりだった。カイセドは、エクアドルのクラブから買った金額は、たったの€5mである。錬金術かな?
もちろん、そうしたマイナー選手を実際の試合で起用できる程度の規模のクラブというのも大きいが(ビッグクラブには真似ができない)、いずれにせよヒット率が極めて高いように見える。うまくやっている。
アーセナルは、カイセドのプランBとして、降格したサウサンプトンのロメオ・ラヴィアという19才DMの名前が浮上している。わし名前も初耳だった。マンシティユース出身のベルジャン。
* Arsenal targeting Southampton’s Roméo Lavia as part of midfield rebuild
* Chelsea talks over Caicedo moving slowly with Brighton
* Chelsea bid for Gabri Veiga could arrive soon; progress on Nico Jackson deal #afc #cfc https://t.co/74tJSos0Qy— Jacob Steinberg (@JacobSteinberg) June 16, 2023
パーティもジョルジーニョも、年齢的にアーセナルでの時間はもう長くないため、このタイミングで19才のプロスペクトが入るというのは悪くないという気がする。新シーズンはチームへの適応期間でパーティやジョルジーニョとともにプレイし、うまくいけばそのあとのシーズンからレギュラーでプレイしていくというのは理想的かもしれない。カイセドなら即レギュラー候補であり、現状でCMがあまる感じはあった。パーティかジョルジーニョのどちらかは売却されたかも。
ただ、彼の移籍金が£45mあたりが見込まれるということで、これが「カイセドの半分で済む」という見方には賛成しかねる。19才に£45mですと? いくらインフレした市場でも、さすがに高額ではないだろうか。ぼくは彼がどれほどのクオリティの選手か知らないが、一年のPL経験ありとはいえさすがに高い。Macbook Airのいちばん安いのが20万円。もうそういう時代なんだろうか。あ・それは円安なだけか。ちなみに彼はサウサンプトンが2022年マンシティから€2mで買った選手である。
ふたりのCM補強がどうなるか。まずはライス。この数日に大きな動きがあるか、緊張感をもって注視してゆこう。
Premier League’s best midfield ball retainers.
Lavia is pretty close to Caicedo here.
But Caicedo probably costs twice the fee for recently relegated Lavia, and then there’s the wages, etc. pic.twitter.com/xntKzy2eeR
— Gilles 🇳🇬🏴 (@_Grimanditweets) June 16, 2023
優秀。
カイ・ハヴァーツは、アーセナルにとっていい補強なのか、悪い補強なのか
🚨 Arsenal have made proposal to sign Kai Havertz. Pursuit ramped up in recent days; contact with Chelsea & 24yo. #FCBayern also keen. 2yrs left so #CFC ideally renew/sell
➕ #AFC planning formal offer to West Ham for Declan Rice soon @TheAthleticFC #WHUFC https://t.co/kV4wznmT5e— David Ornstein (@David_Ornstein) June 14, 2023
Arsenal are in talks to sign Kai Havertz after positive contacts on player side — he’s keen on the move. 🚨⚪️🔴 #AFC
Chelsea want around £75m for Havertz now, Arsenal will not pay that amount.
⛔️ Real Madrid talks currently off.
⏳ Arsenal priority: bid for Declan Rice soon. pic.twitter.com/M6xrKfwMtJ
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) June 14, 2023
これはアーセナルファン界隈で非常に大きな議論に。まあ、正直チェルシーでの印象は悪いからなあ。
その後、実際のオファーもしているようだ。ひとまずチェルシーからはお断り。
Kai Havertz deal situation ⚪️🔴 #AFC
◉ Arsenal opening bid rejected but it’s not over at all;
◉ Talks Arsenal-Chelsea will continue, same as for Rice deal;
◉ FC Bayern, informed/interested but no bid yet as Arsenal leading;
◉ Chelsea always expected 2/3 clubs in the race. pic.twitter.com/7e4jesYiFE
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) June 16, 2023
ここ数年のチェルシーのチームに問題があったことはたしかだろうが、個人的にはハヴァーツは悪いチェルシーの代表的な選手のようにも観えた。しばらくプレイしていたCF(フォルス9?)もあまり合っているようには観えず。アーセナルファンのあいだでつよい拒否反応があるのは、理解できる。
ただ、いっぽうではアルテタの「タレントID(才能の特定)」を認めようという気運もあって、アルテタが信じるなら大丈夫と感じるひとも多くいるようだ。最近は、ファンのあいだで「アルテタが認めるならおれも認める」的な心理が生まれつつあるのをけっこう興味深く観ている。
たしかに、ここ数年のアルテタが深く関与した(求めた)獲得を観れば、まあだいたい当たっている。当初懐疑的に観られた選手たちもいまやアルテタのチームで主力になっている。数年前、レアルでブレイクする前のヴィニシウスJRにアルテタが興味を持っているみたいな当時のtwまで発掘されていた。彼の眼は信頼できる。
実際にアーセナルでハヴァーツがプレイするポジションは、左8が有力候補のようだ。ジャカのリプレイスメント。ヴァーサティリティがかなりあるとはいえ、もともと彼の適性ポジションはストライカーの後ろ(No.10)で、左8にも攻撃マインドがほしい(オーデガードとの“twin 10”)というチームの要求に応えるのがハヴァーツだと。あるいは、RWでもプレイできるのでサカのオプションにもなれる。フロントラインでありがたいヴァーサティリティ。アルテタが望むもの。
それと、193cmの長身というのも歓迎ポインツのひとつ。彼のゴールの30%だかがヘッダーによるものだとか。ぼくは、彼がそんなに大きいとは知らなかった。長身でストライカーとしてもプレイできるのは、かなりいい。
この案件で大きな問題だと個人的に思っているのは、やはりコスト。
チェルシーが求めているのが£75mで、アーセナルは£60m程度で決着すると観ているとか。ちなみに彼を狙っていたレアル・マドリッドは£50m以上は出す気なしという報道もあった。
あのハヴァーツに£60m? いや、本来の彼はそれくらいの価値なのかもしれないが。もっと値切れないのかね。ちなみに彼はニコラ・ぺぺと同時期にチェルシーに加入して、移籍金もぺぺとほぼ同じ€81m。もし、彼がアーセナルの選手だったら、あのプレイぶりでいま£60mで売れるだろうか?
選手は残り2年契約で契約延長のきざしなし、チェルシーは当然この夏に売りたい。もっと足元を観て、時間がかかっても値切るべき案件に思える。チームに合流がするのが多少遅くなったとしても、チェルシーからアーセナルなら環境適応の心配も最小限で済む。
それと彼のサラリーが£250kpwで(※現状は£150kpw説あり)、アーセナルはそれを気前よく支払うつもりがあるのだとか。選手サイドは移籍に乗り気だというが、それがほんとうなら、そりゃ当然だろう。これだけ賛否両論がありながら、チームに加入すればメインメンのひとりに。
まあ、いまさら反対もしないけども。
できれば、獲得するにしてもできるだけ有利な条件でお願いしたいというのが正直なところ。そして、彼が来てアーセナルで大活躍したら、みんないっしょに彼にごめんねを云おうね。
フルバック:KTはどうなる
しばらく話題になっていたレスターのTimothy Castagneは、ユヴェントス移籍に向かっているようだ。ディ・マルツィオによると、本人もセリエAに復帰希望。€15m。
彼は27才でPL経験豊富で左右のフルバックでプレイできるということで、NEWセドリックのような、便利なオプションではあった。
フルバックといえば、最近ちょっと気になっているのが、ティアニー。
本人にとってもかなり不本意な22-23シーズンを送った彼は、この夏の移籍不可避のように観られていたが、意外にもシーズン終了後も彼の周辺は静か。最近彼のニュースはとくに観ていない。ニューカッスルの状況はチェックしていないが、彼らはまだKTに興味を持っているのだろうか。あるいは、一時期うわさになっていたレアル・マドリッドは?
もし、KTがアーセナルに残るのなら、フルバック補強の優先順位はけっこう下がるかもしれない。
左はジンチェンコとKTとトミヤスがいて、右はホワイト、トミヤス、パーティもここに加わる。とくに、パーティについては、CMでメジャーな補強がある場合、RBでプレイする機会が増える可能性はある。22-23シーズン終盤には、その伏線もあった。
いまのところ、フルバックの補強で大きな動きはない。ヌーノはどうするんだろう?
ウィリアム・サリバがアーセナルの新契約に合意の報道
2027年までの4年契約に+1年オプション。本人が休暇から戻ったらサインと、ロマーノがhere we goした。
Documents approved, details fixed — William Saliba will sign new long term deal at Arsenal as expected after final talks revealed last weekend, here we go ⚪️🔴🏁 #AFC
Understand Saliba will put pen to paper when he returns from holidays. New deal: June 2027 with option 2028. pic.twitter.com/2dsoOD9pUB
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) June 16, 2023
アーセナルFCにとり、間違いなくこの夏最大のサインのひとつ。既存のヤングアーセナルのなかでももっともやっかいだと云われていた案件が片付いた。
オーデガードとの交渉も進んでいるようだし。
われわれは、もはやセリングクラブではない!
AMNがアーセナルを退団。マット・スミスも
6月で既存契約が完了。AFCに19年?いたとか。いろいろあったなあ。泣ける。
Wishing you all the best for your next chapter, @MaitlandNiles ❤️
Once a Gunner, always a Gunner. pic.twitter.com/SNx1xC1rIg
— Arsenal (@Arsenal) June 16, 2023
@MaitlandNiles steps up to the spot…
…you know the rest 🥶 pic.twitter.com/CfZZRDK6g6
— Arsenal (@Arsenal) June 16, 2023
来年アーセナルがPLタイトル取ったら、ちょうどAMNがクラブにいた時期とクラブの無冠の時期がぴったり重なることに。
彼の今後の活躍を祈念する!
そしてこの夏、ひっそりマット・スミスも退団。。Mr. FAカップウィナーの将来に幸あれ。
おまけ:アレクシス・サンチェスがアーセナル復帰を希望
🇨🇱 Alexis Sánchez personally called Mikel Arteta and asked if he could re-sign him at Arsenal. Mikel Arteta straight up said no pic.twitter.com/dvanJbPcl7
— Gooner Chris (@ArsenalN7) June 16, 2023
アレクシス・サンチェスが、アーセナルに復帰できないかどうか、こっそりとミケル・アルテタに電話。アルテタは即座にノーを伝えた。
ウケる。もう34才。
10年前のキミならなあ。
おわり
ラヴィアはとてもいい選手。45mの価値はあると思います。カイセドのように化けてはいないけど、若いパーティみたいな感じです。
ハヴァーツはアルテタの中で左利き版トロサールみたいな位置付けなのかなと思います。監督がいい時期(トゥヘル)はとてもよかったので期待したい。60m高いというのは同意見ですが。
自分もナイテタさんと同意見ですね。
ラヴィアは馬力があってパスも出せる。19歳であれだけやれるんだったら大化けする可能性あり。45m払っても取る価値あると思いますね。
ハヴァーツもトゥヘルの時はよかった。CFでよくボール納めてましたし、攻撃の起点にもなれる良い選手という印象です。ドイツにいた時もネクストエジルと呼ばれてましたし、実力は確かだと思います。それにまだ23とか24のはず。プレミアの経験も豊富ですし、私は60mで取れるならバーゲンだと思いますね。
ラヴィアはまだまだという印象です。
まだ体が出来ておらず、ボールコントロールも正確ではない。
この位ならガナの若手と大きくは変わらないでしょう。
二年後にカイセドクラスになる可能性は高くないと思われます。
マネーゲームに持ち込まれたら仕方ないですが、
頑張ってライス、ラヴィアよりもカイセドを買った方がいいような気がします。
ハヴァーツに関しては色々安ければ買いですが、
バロガン以外にも前線の誰かがあぶれてしまいそうですね。