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アーセナル夏の移籍ウィンドウ展望【2023夏】さらなる進化とデプスを求めて

どうも。先週PLが終わって、フットボールのない週末が終わって。

退屈な日々になるかなあと思ったけど、今年はやることがいっぱいでむしろ忙しいな。ゼルダとか。

さて、アーセナル。ぼくも毎日情報はチェックしている。クラブ記録の予算をつかうという説もあるなか、いまのところ、まだ大きな動きはないようだ。

今回のエントリでは、23-24の新シーズンに向けて、アーセナルがどのような課題や問題意識をもってチームビルディングをしていくのか、これから本格的に動いていく2023夏の移籍ウィンドウの展望をしてみよう。



アーセナル2023夏ウィンドウのテーマは、チーム進化とデプス強化

アルテタやエドゥらで主導する「プロジェクト」の流れのなかで、今回のアーセナルのウィンドウを展望するならば、テーマは「チームの進化とデプスの強化」といったところか。

振り返ると、この数年のアーセナルの移籍ウィンドウにおける動きはこんな感じだった。

まずはターニングポイントになったであろう2021夏。

総額で£150mと大きな資金をつかって獲得したホワイトやラムズデイル、トミヤスといった選手たちは、当初メディアでも懐疑的な目で観られたものだった。彼らはとてもアーセナルを強化する選手たちではないと。しかし、あとになってみて彼らのクオリティがわかり、アルテタが彼らでチームの土台を築こうという意図を持っていたことに、多くのひとたちが気づいた。

そして去年2022夏。

アルテタの元クラブであるマンシティから、ジェズースとジンチェンコがやってきたのが決定的な影響となり、チームは劇的に進化を始めた。

ジェズースのより洗練されたフォルス9、Inverted FBロールのジンチェンコによるゲイムメイキングで、アルテタがほんとうにやりたかったチームプレイ像がピッチ上にはっきりと見えるようになって、みるみるうちに結果も改善。終盤に失速するまで、シーズンのほとんどをトップで過ごし、最終的に2位でフィニッシュするという大躍進のシーズンとなった。

ということで、それ以前の状況とくらべても、現状のスクワッドにシリアスな問題はなく、とくにチームビルディングの方向性の正しさは22-23シーズンに証明されたと云っても過言ではない。

したがって、今回のウィンドウの課題は、トップを競えるようにクオリティある選手を補強し、さらにスクワッドを強化すること。そして、シーズン50試合を競争力あるチームで戦えるデプスの改善。22-23シーズン終盤に、われらがトップのポジションをキープできなかったのは、スクワッドデプスが大きな理由だったのは明白だろう。ジェズースの代替はできたが、サリバの代替はできなかったみたいなこともよく云われた。

現状のスクワッドデプス

現状のデプスをあらためて確認しておこう。※ジャカやバロガンなど、すでに移籍が濃厚な選手は外してある。ローンから戻るセドリックは残留希望らしいが……

ざっとこんなものか。

図のなかで、MF(Left8とNo.6)のファーストチョイスが抜けているのは、そこがこの夏のアーセナルの最大プライオリティと云われているからである。

2023夏アーセナルの補強ポインツとうわさの選手たち

どのポジションで補強が必要か整理しつつ、現在うわさになっている選手について。

CF

ジェズースのメインに、エンケティアのバックアップ。ここは、いちおう22-23シーズンもなんとかなった。エディは相変わらずアーセナルのファンには信頼されていないというか、あまり人気がないが、ジェズース不在時に彼はよくやったと思う。

サードについては、トロサールもマルティネリもESR(?)もいるので、クラブとして補強のプレッシャーはあまりなさそう。

しかし、のっけからなんだが、CFは議論なポジションだろう。今後チームが進化していくうえでも。

ジェズースは、シティ時代からひきつづきゴールが遠いし(以前にも書いたが彼はウィングが素晴らしい)、今後も同じ役割でプレイしていくだろうなかで、それが改善されるかどうかは不明。22-23も、ケガ期間を挟んでPL8試合でゴールなしをやってしまった。10月から4月までおよそ半年という長期。

それと、アルテタが望んでいるので当然だが、ジェズースもエンケティアも大雑把に分ければわりと似たプロファイルであり。ファンのなかに根強くある、チームのなかに長身のターゲットマンがいてほしいという気持ちは理解できる。

ぼくは昨シーズン終盤、よくアデバイヨルのことを思い出していた。もちろん彼は性格は最悪だったが、純粋にFWとしてはいまのチームにかなりほしいプロファイルだなと。おっと、ものを投げるのはやめてくれないか。

まあ、ジェズースの立場が盤石なCFで補強プライオリティは現状では低そうだ。プロスペクトを取る可能性はあるか。

CFのうわさとしては、モンペリエのElye Wahiという20才ストライカーがいる。フランスU-21の184cm。22-23リーグ・アンでG19 A6と立派な数字。モナコと競合。現在のMVは€25m。

LW/RW

ネルソンが契約延長間近ということで、人数は左右にふたりづついる。

ただし、とくにRWでサカのバックアップがネルソンでいいのかどうかは微妙か。新シーズンに彼が突然にサカとポジションを競えるほどよくなっていると期待していいのかどうか。理想的なのはLWのネリとトロサールくらいのクオリティバランスだろう。どちらをスタートさせるか迷うほどの。

それとLWもこのふたりでは心もとない。トロサールがあまりにもヴァーサタイルなために、彼をほかのポジションで起用していてLWで使えないときもあるかもしれない。

そうしたことを総合的に考えると、やはりウィンガーの補強は必要だろう。理想はサカとクオリティ差がそこまでない選手。補強はしたが信頼できず、結局サカを休ませられなかったでは意味がない。

ここはやはり左でも右でも中央でもフロントラインならどこでもプレイできるというような、トロサール的プロファイルのアタッカーが理想だ。

そういう意味で、かなり興味深いのがPSVのXavi Simons。われらがELでPSVとプレイしたときも、なかなかいいプレイをしていて印象に残っている。

彼は典型的ヴァーサタイルなアタッカーで、左右中央どこでもプレイできるという。

オランダメディアが彼とアーセナルのリンクを報じている。

そして、このうわさがほかのゴシップとちょっと違うのは、彼が最近代理人を変えて、それが誰あろうDarren Deinという、アーセナルの元ヴァイスチェアマン、デイヴィッド・ディーン(デイン)の息子という。ディーンといえば、ヴェンゲルさんの片腕的存在でAFCとはかなりゆかりが深い人物であり、クラブともつながりやすいはず。

これは、どうなるか観てみよう。個人的には期待が大きい。

No.8/No.6

左8に、22-23式ジャカに匹敵する選手が必要。ジャカはPLで37試合でプレイしてG7 A7。守備と攻撃に大きく貢献した彼が抜ける穴は、あまりに大きい。

それと、シーズン終盤にパーティの急速なおとろえがよく指摘されるようになり、CDM(6)も補強ポイント。バックアップがジョルジーニョやエルネニーなので、いずれにせよ近い将来には刷新されるポジション。

この左8と6が、この夏のアーセナルの最大の補強ポイントだと云われているのは、ご存知のとおり。もちろんWHUのデクラン・ライス(彼は6でプレイするかもしれないが)がNo.1ターゲットということ。

それと冬ウィンドウからひきつづき、ブライトンのカイセドも。彼は冬はクラブに慰留されたが、夏の退団は許すという約束があるとか。

ぼくの観測範囲では、アーセナルがふたりとも取ることはないという説と、両方行くという説と両方ある。両方行くなら総額で£170mとか? 狂ってるなあ。この夏は選手の売却益も見込めるので、予算的には問題はないのだろうが。

このRicedo(ライスとカイセドでライセド)の獲得については、両方に強力なライヴァルがいると各所で伝えられている。

まずライスは、最近バイエルンがよくニュースになっていた。トゥークルが彼にお熱で総額£95mのオファーとか。それとマンUとシティ。ライス自身はロンドンを離れたくないためアーセナルを希望しており、いまのところはアーセナルがポールポジションと云われていることが多い。

アーセナルは、WHUのECLファイナル(今週6月8日)を待って、彼に正式なオファーをする予定ということ。

カイセドについては、チェルシーも熱望しているという。彼らはFFPは大丈夫なのか。エクアドルメディアは、カイセドのアーセナル行きを支持していて、こちらもどうなるか。

ちまたの報道を観ていると、カイセドはともかく、ライスは期待できそうな雲行きではあるが、アーセナル的には冬にそのような状況がひっくり返ったばかり。あまり期待しすぎないようにしておこう。

それと、シティと契約が切れるギュンドアンもアルテタが強い興味を持っているという報道があったが、昨日の時点でのシティ方面からの情報だと彼は契約延長するようだ。

カンセロ?もそうだし、正直、アルテタはシティの選手に執着しすぎに思える。

LB/RB

アルテタの戦術にフィットしたジンチェンコの圧倒的存在感で、KTの存在感がめっきりなくなってしまった22-23。

現時点では、KTが移籍濃厚だと云われているため、LBのカヴァは必要。トミヤスはケガがちであまり信頼できず、最後の数試合でLBで試されたキヴィオールが、今後オプションになるかは不透明に思える。

RBについては、パーティのRBロールも興味深かった。じつはサリバの背中のケガが思ったより深刻という説があり、彼が新シーズンに間に合わないときのためにアルテタはベンジャミンをRCBに戻すつもりかもしれない。そのためのパーティのRB。

トミヤスのフィットネスが心配なRBについて、ここしばらくはガラタサライのSacha Boeyという選手がよく話題になっている。

ロマーノの最新情報でもこの交渉にとくに進捗はないようだ。

彼のハイライト動画を観たかぎりでは、ヌーノ・タヴァーレスとどこが違うのかよくわからなかった(笑)。ワークレイトのあるヌーノ? すくなくとも、ジンチェンコ的プロファイルは観えなかったので、アーセナルが彼の獲得を検討しているというのは、ちょっと信じがたい。

CB

LCBは、ガブリエルとキヴィオールで大丈夫そう。

問題はRCBで、ホールディングの去就が不透明で(いずれにせよ彼はクオリティが足りていないことがあらためて露呈した昨シーズンだった)、サリバの復帰時期も未定。アルテタは、プリシーズンには間に合ってほしいとは云っていたが。

ベンジャミンはRCBでなにも問題はないが、そのときはRBが問題になる。ここでDFを取るならば、RCBとRBと両方でプレイできるベンジャミン的プロファイルの選手が理想。

この夏、アーセナルがCBの獲得を目指しているという報道はあまりない。

強いて云えば、以前から何度かアーセナルとリンクされているレヴァークーゼンのEdmond Tapsoba(24)は、最近もすこし話題になっていた。レヴァークーゼンとはジャカとの取引があるため、交渉はしやすい状況ではある。彼はToTのターゲットでもあり。

GK

ラムズデイルのファースト。問題はセカンド。

マット・ターナーは、メディアのシーズン終了後の選手評価でも、軒並み低評価だった。とくに足元の技術があやしいといわれがち。けっこういいプレイをしていた試合もあると思うのだけど。

いまのところアルテタが愛想をつかすほどではないにせよ、長期的にはラムズデイルとポジションを競えるセカンドGKが必要になりそう。

ちなみに、サードのポジションをカール・ハインと競っていたアーサー・オコンコは、22-23はSturm Grazで充実したローンを過ごし、英国やドイツのクラブから興味を持たれているという。残り契約1年で去就が注目される。

2023夏ウィンドウの予算は?

さいごに気になるお金について。

先月くらいに話題になっていたのは、「アーセナルの夏の予算は£150m~」というもの。信ぴょう性はさだかではないものの、ここ2年につかってきた金額やCLを思えば、それはかなり現実味のある数字だろう。

それが選手の売却益を含めたものという説と、そうじゃないという説があるが、もしRicedoに行くなら、それだけで£150mでは足りないので、当然£150mよりもっと多くなるはず。

売却益については、売却のうわさのある選手たちでMV(€)を参考にして、ちょっとだけ皮算用をやってみよう。※AMNなどフリーエイジェントになる選手は除く

  • Folarin Balogun: 30m
  • Kieran Tierney: 30m
  • Rob Holding: 15m
  • Albert Sambi Lokonga: 15m
  • Charlie Patino: 15m
  • Granit Xhaka: 13m
  • Auston Trusty: 10m
  • Nuno Tavares: 8m
  • Pablo Marí: 7m(※決定)
  • Nicolas Pépé: XXX
  • Rúnar Alex Rúnarsson: 0m

これで合計€143m。150+143で293m。まじか。ていうかぺぺは売れないのかあ。そうだよなあ。

この予算で、これを買う。

  • Declan Rice: 100m
  • Moises Caicedo: 70m
  • Xavi Simons: 25m
  • (RB): 30m

合計 €225m。

よしお釣りがくる。

 

おわり



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

3 Comments on “アーセナル夏の移籍ウィンドウ展望【2023夏】さらなる進化とデプスを求めて

  1. ホールディングやロコンガは10mいけば良いとこなんじゃないかなぁと思います。

  2. CF人材高騰の予感から、バログンを高く売りたいっすね says:

    プレミアから出す方は足元見られて50%がいいところだと思います。。
    下手すりゃ契約解除からのフリーもあるかも。

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