さて昨日、AFCからカイ・ハヴァーツ獲得の発表があった。
We keep moving forward.
Kai Havertz is a Gunner ❤️ pic.twitter.com/76j5BStw9e
— Arsenal (@Arsenal) June 28, 2023
Welcome to The Arsenal, Kai Havertz 🤩
— Arsenal (@Arsenal) June 28, 2023
知ってたやつ。
この夏アーセナルのメインターゲッツのひとりと云われていたチェルシーのハヴァーツが、公式には2023夏のアーセナルの最初のサインとなった。
めでたし。
そしてそして、本命のデクラン・ライスについては、今週大きな進展があった。
マンシティがアーセナルとのライス獲得争いから撤退し、アーセナルとウェスト・ハムが移籍金で合意、条件を詰める段階に入っているという複数報道が。
さらに、ジュリアン・ティンバーもアーセナルとアヤックスで口頭合意したとの報道が。
夏の移籍ウィンドウがオープンしてからまだ2週間たらず。7月になる前に、メインターゲッツをつぎつぎに決めてしまった。なんという理想の展開なのか。
ちょっと怖いくらいである。
今回はそれらメジャーなニュースとあとはほかのアーセナル関連の移籍ニュースもいくつかをまとめておこう。
アーセナルがチェルシーからカイ・ハヴァーツの獲得を発表
Kai Havertz joins on long-term contract
24才の193cm。ドイツ人。長身で若く経験豊富で複数ポジションでプレイできてケガをしないひと。
えらい人たちのコメンツ。
エドゥ:われわれはカイをクラブに連れてこられてワクワクしている。この取り引きを成立させようとがんばったみんなのグレイトなワークのおかげだ。カイはわれわれのスクワッドの素晴らしい補強になる。彼は、グレイトな攻撃クオリティとヴァーサティリティをもたらしてくれるだろう。
経験ある24才であり、彼の獲得は、いまのアーセナルのタレントたちのヤングコアを強化するさらなるステップだ。カイとともにワークできることを楽しみにしている。
アルテタ:カイはトップクオリティの選手。彼には素晴らしいヴァーサティリティがあり、賢い選手だ。彼はわれわれのミドフィールドを極めて強化し、われわれのプレイに多様性をもたらす。
われわれは、カイと彼の家族をアーセナルFCに歓迎しよう。すぐに始まるプリシーズントレイニングで彼とワークを始められるのを、全員がとても楽しみにしている。
本人のコメント。
ハヴァーツ:このアメイズィングなクラブに来れて、アーセナルファミリーの一部になれることにめっちゃ興奮しているよ。このクラブには、とても大きな歴史があり、これからたくさんのことを達成したい。
アーセナルのスクワッドにあるメンタリティはとても高い。それを感じることができる。最近のアーセナルと対戦するときにかなりハードなのは、それが理由のひとつだった。
目標はトロフィを取ることと、ぼくもサポーターやクラブのみんなのために全力を尽くすつもり。プリシーズンのために戻ってきたとき、選手のみんなやスタッフたちにも会えるのが楽しみだ。
ひとまず、一件落着。
ハヴァーツ獲得の条件:£65m、5年契約
しばらくの交渉があって、結局アーセナルはチェルシーに£65mの移籍金を支払うことになったようだ(62m保証+3mアドオン)。
当初のチェルシーの選手への要求が£75mと云われていたので、まあ着地点としてはそんなものか。
そして本人との契約は2028までの5年契約。
彼のサラリーについては諸説あるが、オーンステインが彼はアーセナルで£200kpwあたりを受け取ると述べているようだ。それがほんとうなら、スクワッドのなかでもっとも高給を受け取る選手のひとりに。
先日もアーセナルが移籍市場で大きな金を使える理由として、給与総額の削減を含めたコストコントロールの話題があったが、選手の新規獲得と既存契約の更新で、このあたりはかなり上がっているし、チームが成功していけば今後も上がりつづけるに違いない。
ハヴァーツはMF?
今回とても注目されていることは、アーセナル(アルテタ)がやはり彼をミドフィールダーとして観ているということ。
彼のヴァーサティリティゆえに、アーセナルでどのポジションでプレイすることになるかは、ファンのあいだでもさまざまな議論があった。もちろん、チェルシーでCFとしてプレイしていたのはご存知のとおりで、ふつうに考えれば、彼はアーセナルでもFWのひとりとして数えられていた可能性が高かっただろう。
ところが、アルテタは彼の獲得についてのコメントのなかで「彼はわれわれのミドフィールドを極めて強化し、われわれのプレイに多様性をもたらす」と述べている。これは図らずも、彼がメインでプレイするポジションを示唆しているように受け取れる。
Arteta on Havertz: “Kai is a player of top quality. He has great versatility and is an intelligent player. He will bring a huge amount of extra strength to our midfield and variety to our play.”
Interesting focus on ‘midfield’ there in that quote. pic.twitter.com/v3NWXzJMnf
— Charles Watts (@charles_watts) June 28, 2023
すでに反映されているAFCのウェブサイトのスクワッドリストでも、彼はミドフィールダーに入っている。
ということは?
やはり彼はMF、それも「レフト8」つまり22-23年式のジャカのポジションでプレイすることが想定されているようだ。
ハヴァーツとオーデガードの“Twin 10”のうしろに、ライスの6。
ジャカとパーティの代替は、総額£170m。なんてこった。
それはともかく、カイ、Welcome to the Arsenal!だっ。さっそく、@kaihavertz29 をArsenal Playersのtwリストに登録したぞい。
アーセナルがWHUとデクラン・ライスの移籍金で合意と報道される。あとは支払い条件のみ
AFCがハヴァーツ獲得を発表した日。デクラン・ライスでもビッグニュースが。
🚨 Arsenal have agreed a fee with West Ham to sign Declan Rice. #AFC made £100m + £5m add-ons offer for 24yo England midfielder last night & that has been accepted. Record for British player. Clubs now working to resolve payment terms @TheAthleticFC #WHUFC https://t.co/pVl7o7MXhC
— David Ornstein (@David_Ornstein) June 28, 2023
オーンステイン:アーセナルがウェスト・ハムとデクラン・ライスのフィで合意した。アーセナルは前夜にライスに対して£100mに5mのアドオンをオファーし、それが受け入れられた。英国選手では記録。両クラブは、支払い条件を解決するために現在取り組み中。
More after agreement on fee between Arsenal & West Ham for Declan Rice.
Documents are being prepared to be checked in the next 24 hours between the two clubs. ⚪️🔴✅ #AFC
Personal terms agreed weeks ago.
Final green light on payment terms is expected soon then… here we go. pic.twitter.com/vI6J2ES7Lo
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) June 28, 2023
ロマーノ:アーセナルとウェスト・ハムが合意したデクラン・ライス続報。
書類はすでに用意され、この24時間でお互いのクラブで確認される。個人条件は数週間前に合意済み。
支払い条件で最終的なグリーンライトが灯るのももうすぐ…… here we go.
ほぼ決まり(死亡フラグ)。
この前日には、シティがライスから手を引いたという報道があり(彼らは二度目のオファーは出さなかったという)、その時点でライヴァルのいなくなったアーセナルが彼の獲得を決めるのは既定路線だっただろう。ハムも誰も待つ必要はなくなった。
なお、この案件については彼がいまのアーセナルのチームに加わる期待と興奮と同じくらい、「ライスに大金を使いすぎ」問題についてファンに語られている。まあ、たしかに残り契約1年の選手に総額£105mの移籍金に加えて、支払い条件でもWHUの要求に譲歩するとなれば、ハヴァーツの移籍金と同様、いくらナンバーワンターゲットといえど譲りすぎの感はなきにしもあらず。
ただ、今回については、選手の市場価値がどうこうというよりも(※ちなみに彼の現在のMVは€90m)、アーセナルFCとして彼に対する絶対的な評価があったということなんだろう。シティが参戦した時点で、これまでのアーセナルのあきらめ案件と同じように、どこかの時点でアーセナルがみずから身を引くこともあったのかもしれないが、今回に限っては最後までそのような姿勢には見えなかった。それくらい「絶対獲る」雰囲気が漂っていた。本気だった。たぶん。だって、アーセナルがほんとに£100m以上を払うなんて、想像もできなかった。なんなら、このあと仮にシティと入札競争があっても、それに対応したかもしれない。そんな気さえする。
(追記:オーンステインによれば、ギュンドアンを失ったシティはライスに本気だったが、アーセナルはシティのオファーを上回るオファーを用意していたということ)
アルテタが、どうしてもほしかった選手と思えば、いんじゃないか。
そういえば、WHUがじつは彼の契約に1年の延長オプションを持っていたという事実もあるようだ。つまり彼の契約は実質残り2年だった。おれは知らなかった。それならいいか!
ジュリアン・ティンバーもアヤックスと合意報道。こちらはリーズナボー?
オランダのジャーナリストがブレイキング。アーセナルとアヤックスが、ティンバーの移籍で口頭で合意したという。
BREAKING: Jurriën #Timber kan zijn 🧳 pakken. #Ajax en #Arsenal mondeling akkoord over transfersom van 42 miljoen euro vast, met bonussen oplopend tot maximaal 47 miljoen euro.https://t.co/ZvDldKMzjr
— Mike Verweij (@MikeVerweij) June 29, 2023
Understand Arsenal and Ajax are now entering in the final stages of talks for Jurrien Timber! 🚨🔴⚪️ #AFC
Deal progressing after €45/48m bid submitted on Monday. Parties are now getting closer but still some points to be discussed.
More to follow. pic.twitter.com/tJJvyrW0D0
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) June 29, 2023
移籍金については、ニュースによって小さな差はあるが、オランダのひとは€42m保証の5mアドオン(総額€47m)の移籍金になると述べている。
パウンズにすると、£36m~40mという金額。最初にアヤックスに断られたアーセナルのオファーが£30mだったということで、なかなかよき着地点に見える。ブライトン相手ならこうはいかない。
アーセナルファンのあいだでは、リサンドロ・マルティネス(€57m)よりだいぶ安い、よくやった!と盛り上がっていた。しかも3才若い。
ライスやハヴァーツで、若干地味なニュースになってしまっているが、本来はこれもビッグニュース。エジルとほとんど変わらない移籍金ですぞ?
祝杯をあげないといけません。
ここ数日のメジャーなニュースはこのあたりだった。
ロメオ・ラヴィアとパーティ残留?
サウサンプトンのロメオ・ラヴィアについては、最近は報道が一段落しているのは、もしかしたらパーティ残留のうわさと関係があるかもしれない。
しばらくサウジクラブやユヴェントスとリンクされていたトーマス・パーティは、最近アーセナルに残る意向だというニュースをいくつか観た。
プリシーズンを控えて、休暇中にアーセナルのシャツを着てトレイニングを行う彼の動画も。
Thomas Partey 🇬🇭 trains with renowned Ghanaian fitness coach Jordan Daitey at Legon campus 🔥 pic.twitter.com/oTJzunGHUJ
— Bill Eshun (@Bill_Eshun) June 29, 2023
ラヴィアは、優秀な選手なら当然アーセナルに来てもらいたいが、パーティがチームに残るなら、いま来たらたしかに過剰ではある。ハヴァーツが8でプレイし、ライスが6ならなおさら。ジョルジーニョも最近アーセナルライフにポジティヴなコメントを残していたばかり。
パーティ本人の視点から考えれば、いまサウジクラブに行けば、いくら金をもらえても、フットボーラーとしてはほとんどリタイヤ同然だということはわかっているだろうし、なんならいま急ぐ必要もない。
劣悪な条件でしかオファーできないユヴェントスはアーセナルが許可しない。いやしらんけど。
総合的に考えても、いまはまだアーセナルでプレイしたほうがいいという判断は合理的に思える。彼だって、チームのこれからに手応えを感じているはずだし。
パーティが残るとなれば、けして安くはないラヴィアの獲得は、やはりないかもしれない。
※ちなみに、ぼくは完全に忘れてたんだけど、このまえ気まぐれに自分でこのブログに書いたサウサンプトン戦のレヴューエントリを読んでたら、「ロメオ・ラヴィアって19才選手がよかった」とわざわざ書いてた。おれも観る目あるな!
補強のニュースは以上。
Ethan Nwaneri(16)がアーセナルとプロ契約へ
今年の夏ウィンドウのアーセナルは、ポジティヴなニュースばかりつづいているが、これもそのひとつ。
ビッグクラブからのぶっこ抜きが危ぶまれた「15才でPLデビュー」のNwaneriが、結局アーセナルとプロ契約を結ぶことになったという。
🚨 Ethan Nwaneri has committed future to Arsenal by signing scholarship terms + agreeing pro deal when turns 17. Major interest from other clubs but 16yo never wanted to leave – lifelong #AFC fan & Islington born/bred. Huge boost for Gunners @TheAthleticFC https://t.co/RJuw0qrJRK
— David Ornstein (@David_Ornstein) June 29, 2023
オーンステイン:Ethan Nwaneriがアーセナルへ将来をコミットする。スカラシップ契約を結び、17才になったときプロ契約を締結することに同意。ほかのクラブからも興味を持たれていたが、16才がクラブをさりたがることはなかった。生まれながらのAFCファンであり、生粋のイズリントン子。
Nwaneriは、アーセナルに残るためにほかクラブからの財政的により魅力的なオファーを断った。この英国ユース代表は、エミレーツステディアムからほど近い場所で育ち、つねにそこでのキャリア継続を求めていた。
Understand Arsenal now increasingly confident to keep 2007 born gem Ethan Nwaneri at the club — new deal almost agreed despite top clubs interest. 🚨⚪️🔴 #AFC
Club sources confirm plan to get it done soon, talks advancing and progressing well waiting to have it signed. pic.twitter.com/D1cPmtZpvL
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) June 29, 2023
ロマーノ:アーセナルは、2007生まれのEthan Nwaneriをクラブにキープすることにますます自信を観せている。トップクラブからの関心もありながら、新契約にほぼ合意した。
早急にこれを済ませるつもりだとクラブのソースも認めていて、交渉はよく進んでいる。
いやあ、このヴォーイがアーセナルを去ることになったら、アルテタがせっかくPLでプレイさせたあれも水の泡だなあと思っていたところだった。
これまでの数々の報道からすると、彼はかなり退団に傾いていたようだったが(彼に関心を持っていたのはチェルシーやシティ)、オーンステインはこの調子である。まるで、ほかのクラブへ行くことなど最初から念頭になかったみたいな。
こうした結論に至るまでに、彼のサイドが実際はどういう揺れ動きをしていたのかを考えるに、本人の意向はどうあれ、この年齢だとまずは親だなと。中高生の親の意向が、子どもの進路に大きく影響しないわけがない。だが、アーセナルも魅力的な条件の契約をオファーしているというし、結局ひとまずはもっとも安心できる信じられる道を選んだということなんだろう。
なにはともあれ、よかった。彼にここで「チェルシーを選びました」なんて云われたら心底がっかりするところだった。
AFCユースエキスパートのジョージ・バードによれば、今年の7月1日からスカラシップ契約、来年の3月21日(17才の誕生日?)にプロ契約らしい。
なお、同氏によればこのNwaneriともうひとりのプロスペクトLewis-Skellyは、これからユースらしくない小さなシャツナンバーが与えられるようだという。それを着けてカップ戦に出たり、ファーストチームのトレイニングに参加したり。優秀なアカデミーが揃うなかでも、とくに特別なふたり。
サカが注目されだしたのが17才のとき。あと数年で彼らがもっと注目を浴びる存在になるかもしれない。楽しみ。
ヌーノ・タヴァーレスにウェスト・ハムが興味
この夏にアーセナルが売りたがっている選手はすくなくないだろうなかで。
West Ham target Arsenal’s Nuno Tavares in £8m cut-price deal after selling Declan Rice
デイヴィッド・モイーズが彼に強い興味を持っているとか。
彼とリンクされているクラブとして、ガラタサライもある。
アーセナルとの契約はあと2年で、£8mでオファーを受け入れる意向という。彼を買った金額とだいたい同じくらい。
ほんとにWHUが彼を買うと、タイミング的にライスの取り引きと一部スワップになるんだろうか。
いずれにせよ、今年ヌーノにアーセナルでの居場所はないだろう。残念ながら。
去年はジンチェンコがLBのInvertedロールで大ブレイクし、今年はティンバーがRBのInvertedロールでブレイク予定。
的確な補強がつづいている近年のアーセナルでは、なんで彼を取った??と云わざるを得ない選手だった。
好きだけども。理由:おもしろいから。
続報を待とう。
おわり
更新お疲れさまです。
ライスが決まったら、ジャカの移籍も正式発表されますね。
今年はチームに上乗せして強化していくタイミングじゃないかと思うので、パーティーは残ってほしいです。