バイエルンについて
ブンデスリーガで28試合を消化し、現在60ポインツで2位。
トップをひた走るレヴァークーゼンには、なんと16ポインツもの差がつけられている。もうそろそろ彼らのリーグタイトルが決まるとかなんとか。
アーセナル界隈でも、グラニト・ジャカの圧倒的パフォーマンスを示すスタッツがしばしば共有されていたり、レヴァークーゼンの快進撃については、目にする機会も多い。現在41戦無敗とかで、ドイツのインヴィンシブルズ。
バイエルンの今年のタイトルチャンスはもうCLを残すのみ。最後にトロフィなしで終わったシーズンは2010-11シーズンだということ。笑えるのが、それがちょうどHarry Kaneがトトナムデビューしたシーズンだそうで、彼とはなにかと縁があるという。
KaneはKaneで、ドイツに行ってやっとメジャートロフィを取れると思ったら、これ。アーセナルはジャカをレヴァークーゼンに譲って、Kaneのトロフィを阻止。ウケる。彼には、このまま無冠の帝王としてキャリアを終えていただきたい。そして伝説へ。
バイエルンといえば、Joshua Kimmich(29)の代理人がつぎの移籍先としてビッグクラブに売り込んでいるようで、アーセナルもそのうちのひとつとしばらく前に話題になっていた。ぼくは彼が有名選手というくらいしか知らないが、高齢でもあり、アーセナルファンのあいだでは賛否両論ある模様。彼がこの試合でプレイするなら注目しておこう。
ゴールは決めている。問題は……
ここまでバイエルンの不調ばかりにフォーカスしてしまっているが、もちろん侮れない相手である。
これだけ不振と騒がれながらも、まだリーグ2位なのだし(※3位のシュツットガルトとはポインツで並ぶ)、CLにおいては経験豊富なクラブであることにかわりはない。2000年以降、2度CLを勝ってもいる(12-13、19-20)。スター選手もたくさんいるし、腐ってもFCハリウッド。
それと、リーグにおけるゴールもかなり多い。現時点での彼らのG80はリーグベスト(※PLのリーグベストであるアーセナルのゴールは75)。ここはリーグを独占してきた例年に劣らない。
いっぽう彼らの問題は守備で、失点が現在36ある。トップのレヴァークーゼンが19しか失点していないので、ほぼ2倍(※PLのリーグベストであるアーセナルの失点は24)。これはリーグ5位タイ。
彼らの直近6シーズンのリーグでの平均失点が35。ということは、シーズンのこの時期にすでにそれを上回るゴールを失っていることになる。1月からのクリンシートもなし。
攻撃も好調のアーセナルとしては、付け入るスキがある。
フォーム:シーズン後半に失速
リーグでの直近6試合が、WDWWLL。2連敗中。
直近はホームでも敗けているが、アウェイフォームがわりとひどい。リーグアウェイ直近6試合が、WLLDWL。まったく安定しない。
シーズンを通して彼らのフォームで注目すべきは時期。
12月にリーグで最初の敗けをやるまでは、ポインツを落としたのは2試合のドロウのみ。いつもどおりの彼らだった。だが今年に入ってからもう5敗。つまり、後半に入ってから不振に陥っている。Eric Dierが移籍したからかもしれない。
チームニュース:ケガ危機?
Sacha Boey、Bouna Sarr、Tarek Buchmann、Noel Aseko-Nkiliがアウト。
この試合について、彼らのキープレイヤーにかなりケガ人が出ていると注目されていたが、どうもわれらが期待したほどではないようだ。
Manuel Neuer、Leroy Sane、Kingsley Coman、Noussair Mazraoui、Aleksandar Pavlovicのダウトだった5人が、全員ロンドンへの遠征スクワッドに含まれた。
前回の試合でアウトだった彼らが、この試合でスタートするほどフィットしているのかは不明ながら、今回のアーセナル戦のために、すでに望みがなくなったリーグでは温存したという説もある。
ミケルが云うように、彼らはベストで来ると思ったほうがよさそう。
キープレイヤーズ
バイエルンほどになると、ほとんどすべてのエリアでキープレイヤーが揃っている。
まずはもちろんHarry Kane。キャリア終盤でトロフィを求めドイツへ。今シーズンここまでのブンデスリーガでG32 A9という際立つ数字。しかしチームとしては不調で、彼もこんなはずじゃなかったと思っているかも。アーセナルの天敵でもある。※もっともPLの直近8試合で彼はエミレーツで勝っていないのだとか
もうひとりのスター選手は、Jamal Musiala。現在21才にしてドイツ代表でも27キャプス。この試合でもNo.10としてのプレイが予想されている。
彼の現在のMVが€110mで、PLで云うところのサカやFodenのクラスのアタッカー。チェルシーユースにいたこともあるそうなので、ロンドンは知らない土地でもないようだ。
これひとりひとり名前を挙げてたらキリがないな。
Manuel Neuer(38)やThomas Müller(34)といったヴェテランもいまだ健在。彼らはアーセナルに大勝した以前のスクワッドにも当然いた、当時をおぼえているだろう選手たち。
Mullerは、ヴェンゲルさんがかなり高く評価していたことを思い出す。
Head to head
フレンドリーを除くバイエルンとの直近6試合。アーセナルのW1 D1 L4。この間のアグリゲイトスコアは、18 v 6。
2014: Arsenal 0-2 Bayern Munich
2014: Bayern Munich 1-1 Arsenal (Bayern won 3-1 on aggregate)
2015: Arsenal 2-0 Bayern Munich (group stage)
2015: Bayern Munich 5-1 Arsenal (group stage)
2017: Bayern Munich 5-1 Arsenal
2017: Arsenal 1-5 Bayern Munich (Bayern won 10-2 on aggregate)
3試合連続で5-1敗けという衝撃。
23-24 UCL QFドロウ。アーセナルがバイエルンをひく | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
ところで、戦術エキスパートのマイケル・コックスが、こんなtwをしていた。
I watched back Arsenal’s three (!) 5-1 defeats to Bayern ahead of tomorrow and it’s funny how on each occasion they collapsed without Koscielny. (a) pulled out just before, (b) off injured, (c) sent off. 2-1 to Arsenal with him, 14-1 to Bayern without! https://t.co/dBkQmMxUnZ
— Michael Cox (@Zonal_Marking) April 8, 2024
アーセナルが3度5-1敗けした試合を見返したところ、どの試合もローラン・コシエルニの不在があったという。アグリゲイトスコアは、彼がいたときは2-1、いないときは14-1。なんてこった。
しかし、この事実がありがたいのは、いまのアーセナルにはコシエルニ以上に信頼できるDFがいるということ。吉兆と思いたい。
Thomas Tuchelの試合前コメント「アーセナルは現時点でPLのベストチーム」
BMボスの会見コメント。
TT:アーセナルは現時点でPLのベストチームだ。すべてのスタッツがそれを示している。彼らは素晴らしいフォームでもある。
われわれも今シーズンのCLではここまでいいパフォームがある。すでに最低限の目標は達成している。クウォーターファイナルには多くのチームがたどり着けるわけではないから。
ここからは、ちょっとした幸運にもかかってくるし、試合はその日に決まる。もしかしたら、ひとつかふたつのレフリーの判定すらありえる。
われわれはセミファイナルに行きたい。そのためには、ふたつのトップパフォーマンスが必要だ。
Leroy Saneの試合前コメント「ミケルにはとても感謝」
会見に同席したSaneのコメント。彼はシティでアルテタといっしょに働いていた間柄。
LS:(シティでのアルテタとのワーク)グレイトだった。彼といっしょにワークするのはとても楽しかった。シティではすごく助けられたから。個人でどこを改善できるかについて、彼とはかなり話もした。ぼくの弱みや強みについて。
彼を通してぼくはクイックになったし、彼が与えてくれたアイディアのおかげでかなりの成長があった。そのことはまだおぼえている。ポジショニングについても、ある状況でどう振る舞うべきかとか。とても感謝している。
(ファン不在のエミレーツ)もちろん腹立たしいし、不満だ。ファンにはいてほしかった。
明日は違う状況だ。彼らはそこにいない。でも、それでもベストを尽くすよ。いいプレイをして、仮にそこにいなくてもファンにお返しする。
セルジ・グナブリの試合前コメント「アーセナルは強い」
唯一の元ガナーということもあってか、バイエルン公式サイトが彼のインタビューを掲載していた。
(アーセナルでは17才でPLデビュー。2011年に移籍してから初めてアーセナルと対戦……)
SG:とても楽しみにしてる。ドロウのときも、これは起きそうだと云っていたんだ。ほぼ8年ぶりにまたあそこに行けるのがものすごくうれしい。
(アーセナルでは当時のCL最年少選手で、その後ウェストブロムにローン。当時を振り返って?……)
すごく大きなインパクトのある時期だった。16で家族の元を離れるのは大きなステップだった。
あのときアーセナルみたいなクラブでプレイしたことはすごい特権だ。もちろん、浮き沈みはあった。でもそのときを楽しんだし、たくさんの素晴らしい人たちとも知り合えた。結局は、正しい決断だった。
(2014CLではミュニックでのR16のセカンドレグで、キミはアルテタに交代してプレイした。いま彼はガナーズのヘッドコーチ。彼について?……)
いま彼は完全にコーチとしての役割をこなしていて、とても戦略的だと思う。ぼくがいたころも、彼はもう経験豊富な選手だった。彼はキャプテンであり、みんなに話すリーダーであり。ぼくら若い選手のこともすごく助けてくれた。
彼がぼくらのチームをつくり、いつもいい助言をくれて、いつも導こうとしてくれた。そのおかげでぼくらは集中して全力を出せたんだ。
(当時のアーセナルにはドイツ人のメルテザッカー、ポドルスキ、エジルがいた。メルテザッカーはいまユース部門のヘッドだ。彼とはいまもやりとりがある?……)
ドロウのあとは連絡は取ってない。でも、しばらく前には彼を訪ねたんだ。また試合で会うけどね。クラブのバックルームスタッフとか知り合いに会うのが楽しみだよ。でももちろんメインは勝つことだ。
(アーセナルはいまテーブルのトップでシティやリヴァプールとタイトルを競っている。カイ・ハヴァーツと仲間たちはどれほど強いと思う?……)
アーセナルは、クリスマスからとてもよいフォームだ。いずれにせよ、PLタイトルを競っているチームを悪く云うことなんてできやしない。彼らは強い。いいフィニッシャーがいて、ポゼッションをキープしようとする。ファンが後押しするホームステディアムでもかなり強い。
難しいタスクになるね。ふたつの強いチームがお互いと対戦する。
(ドロウのあとCEOがいまのガナーズはかつて5-1で倒したチームじゃないと述べた。どちらが有利だと?……)
アーセナルはもう長いことトップにいるだけのことはある。チームは間違いなく強い。オッズは、50/50かな。
<攻略>
サンキュー、アロンソアンドグラニト。
ついにこの日がきましたね。
プレミアとはまた違う緊張感。
ここにきてアベマが見やすくしてくれした。
ぜひ勝ってほしい。
COYG