試合の論点
マンシティ vs アーセナルのトーキングポインツ。
Digging deep to pick up a point 💪
Watch the highlights of today’s draw with Manchester City now 👇 pic.twitter.com/agvcchoyk0
— Arsenal (@Arsenal) March 31, 2024
最強シティをシャットダウン。ベスト守備チームの強さ
試合結果は、スコアレスドロウ。
ときにバック6も厭わないような、アーセナルのプラグマティックなアプローチもあって、正直、観ていて最高に楽しい試合ではなかったが、なにより結果を得たことが大事。これは、そういう試合だった。仮にここで敗けていたと想像すると、やはりなにより敗けないことが重要だった。リヴァプールが勝ってしまったのは、しょうがない。
そして、この試合結果にもっとも貢献したのが、アーセナルの堅い守備。ポゼッションで圧倒されても、肝心の場所への侵入は許さない。
今シーズンのアーセナルは、PLだけでなく、トップ5リーグでもベストというくらいの守備クオリティで、それをあらためて証明してしまった。エティハドのグラウンドは、彼らが今回記録を止められるまで885日もゴールを続けたという、訪れるチームがいくらクリンシーツを目指しても、それはなかなか達成できない場所だったのだから。
アーセナルは、アウェイチームとしてそれだけ難しいことをやってのけた。
しかも、彼らを守備で封じたのは今回だけじゃない。前回エミレーツでも彼らのSoTは1だった。今回も1で計2。しかも、どちらもセットピースからだったということで、オープンプレイからはひとつもSoTを喫していない。どれだけアーセナルの中央の守備が固いかを物語る。
また、彼らのエースであるHaalandに今回も仕事をさせなかったのは大きい。さすがに今回はショッツゼロとまではいかなかったものの、それでも彼の今回のショッツは2。ビッグガビとビッグウィリーのどでかい功績。
Erling Haaland has accumulated 0.24(xG) against Arsenal in his last three appearances against them.
— The xG Philosophy (@xGPhilosophy) March 31, 2024
守備の堅牢さ。それはタイトルに必要なもの。
世界最強チームをアウェイで倒すという目標は、リヴァプールにつづいてまた一旦お預けとなったが、われわれはいずれそれを必ず達成する。一歩づつ正しい歩行へ進んでいるし、登り続ければいつかはたどり着く。
それにしても、このチームは気がつけばこの高みにいるというのが、あらためて驚く。ペップもクロップも、彼らのチームも世界ベストだとミケルはいつも話しているが、もうほとんど彼らと互角にプレイできる。
ところで、今回の極端なロウブロックなどアーセナルの守備的アプローチについては、ライヴァルクラブのファンなどから一部批判的な声もあるようである。そんなのしらんがな。
もちろん、アーセナルのようなクラブの理想のスタイルとしてはあまり褒められたものではないだろうが、ただ、これをより消極的な<プランB>のように呼ぶのもちょっと違うような気はしている。もちろん強いチームへのリスペクトはあるし、チームセレクションなどでそういう特別な相手に合わせた要素はある程度は含まれるにせよ。
というのも、アルテタのチームは、どんな相手でも守るときは全員が引いて守るチームであり、とくに全体的にプランを変えたということではないから。シティのようなボールを持って支配的にプレイする相手では、必然的にそうなるという。なんならつぎのルートン、そのつぎのブライトンだって、似たように守る時間があってもおかしくはない。
いっぽうで、プレスから高い位置でボールを奪うようなことは回数は少なくても、今回もやっていた。
今シーズンここまでの最多ゴールと最少失点が示しているように、アルテタのアーセナルは、試合で結果を出すためにつねにベストなやりかたでプレイしようとするし、いまそれができるようになってきた。それだけのことなんじゃないか。
ヴェンゲルさんのように理想主義的すぎないし、エメリ氏のように現実主義的すぎない。それがミケル・アルテタというコーチ。アーセナルFCの弁証法。なんつって。
トップ3テーブルではアーセナルの勝利
今回のMCIARSで、今年のタイトルを争うトップ3の直接対戦はすべて終わった。その結果がこちらである。
- アーセナル:W2 D2 L0
- マンシティ:W0 D3 L1
- リヴァプール:W0 D3 L1
シティもリヴァプールもトップ3チームとの試合ではひとつも勝てず。いっぽうアーセナルはホームではどちらも勝利。
われらがタイトルにふさわしいのでは?
これで、今シーズンのアーセナルはマンシティとリヴァプールのどちらにも勝ち、どちらにも敗けていない。
今回の試合もまた、アーセナルがトップレヴェルのタイトル争いに加わるクオリティが十分にあることを、あらためて証明したであろう。
過去最大に熾烈なPLのタイトル争いは、これからもつづく。
この試合は、終わったあとがなんだか気持ちよかったな。試合中にあれだけやりあっていたビッグガビとHaalandが称え合う姿はよかった。ジェズースも元チームメイトたちと談笑。こういう試合では、終わってからも選手同士で揉めたりすることも多いが、このように後味がいいのはちょっとめずらしい。
Arsenal are the first side to keep a Premier League clean sheet at the Etihad in 𝟖𝟖𝟐 𝐃𝐀𝐘𝐒 🤯 pic.twitter.com/iceIMtVbrr
— Football on TNT Sports (@footballontnt) March 31, 2024
この試合については以上