試合の論点
アーセナル vs ボーンマスのトーキングポインツ。
All three points ✊
Watch the highlights from this afternoon’s 3-0 success over Bournemouth 👇 pic.twitter.com/ci1CAPsaWf
— Arsenal (@Arsenal) May 4, 2024
つくったチャンスは2分じゃ全然たりない。
PL4連勝でマンシティにプレッシャーをかけつづけるアーセナル
4月半ばにホームでアストン・ヴィラに敗けてから、アーセナルはこれでPL4連勝。
ウォルヴズ(A)、チェルシー(H)、トトナム(A)、ボーンマス(H)と、この4試合の対戦相手を考えれば、12/12ポインツは上出来の結果だろう。今回だってボーンマスは好調だったとはいえ、予想以上にタフだった。
アーセナルは20年ぶりのPLタイトルに向けて、絶対にポインツを落とすことができないプレッシャーのなかで達成した4連勝なので、さらに尊い。この間も、若いチームは毎試合で得難い経験を積んでいるのがプライスレス。
ただし、シティもこの日、この試合のあとにホームでウォルヴズに勝っているため、彼らが1試合分有利な状況は変わらず。4ポインツクリアと離していたのは数時間だけで、すぐに1ポイント差に戻っている。彼らがこれからの残りの3試合でポインツを落としてくれることを祈るよりない。
ところで、プレッシャーに関しては、もしアーセナルが自分たち次第の状況だったら、いまと同じ心境でいられたかをつい考えてしまう。もしかしたら「残りX試合、全勝ならタイトル」という状況のほうが、重いプレッシャーだったんじゃないかとも思える。いまは、テーブルでの位置こそアーセナルがシティより上だが、実質は追う立場。そのほうが、心理的な負担はいくらか軽いんじゃないか。
アーセナルは、もしそんなちょっとしたことでも有利があるとすれば、それも利用して粛々と自分たちのやるべきことをやっていくしかない。
今回も議論な判定。ホームアドヴァンテッジ?のVAR判定に助けられた後ろめたさ
それにしても、今回の試合は3-0というスコアラインは、もっと違うものになりえたという点で、先日のNLDのように奇妙な感じがする。
いや、この試合のアーセナルのパフォーマンスは素晴らしかったので、ボーンマスのボスも認めるように結果はふさわしいものだろうと思う。だが、違う結果、スコアになっている可能性はかなりあった。
もし今回の議論になっている微妙な判定が、アーセナルに不利な判定になっていれば、3-0ではなかったかもしれないし、最悪ポインツを落としていた可能性さえ否定できない。
今回も議論な判定は複数ある。順番に。
まずは、10分のサカが相手選手にスネを足裏で蹴られた件。レッドカード疑惑。痛みでひっくり返ったサカのスネは血がにじみ、ひどい接触があったことは明白。しかしながら、カードはおろかファウルもなし。サカは、毎回あんなことがつづけば足を引きずってしまうのも道理である。
アーセナルでは、最近対戦相手によるこの手のバッドタックルが見逃される事案が連続しており、このようなことがこのまま放置されれば、いずれ誰かが大怪我をしてしまいかねない。
もしこの試合でこの早い時間に退場者が出ていれば、それもまたまったく違う試合になっていただろう。
つづいて、41分のハヴァーツのVAR事案。オーデガードのスルーボールに抜け出したハヴァーツが、ボックス内で相手GKに接触し転倒。ペナルティ。VARレビューでもオンフィールドの判定は覆らず。サカがこれを冷静に決めて1-0に。
ここは、個人的にはこの試合のなかでもっとも議論な場面だと思っている。何度リプレイ映像を観ても、ハヴァーツはGKに倒されたというよりは、自らペナルティをもらいにいっている。基本的にはいつだって身内びいきをするわたしだけど、そこは認めざるを得ないだろう。
アルテタには申し訳ないが、ハヴァーツはアーセナルにいる短い時間でもボックス内でこれをやるのは初めてではないので、「彼はダイヴをやるようなひとじゃない」という評価は、正直ダウトである。
最近のアーセナルでは、CLバイエルンでもサカで似たような事案があった。そのときはペナルティを取ってもらえず。試合後にはダイヴじゃないかとだいぶ議論になった。ボールを持ってボックスに侵入するという絶好のチャンスで、自ら足を相手GKにひっかけようとした意図は、あのときの状況と似ているといえば似ている。
そして72分のVARによって取り消されたボーンマスのゴール。一度バーにヒットしたショットが改めて押し込まれるという危ないシーンだった。こちらは、ゴールの直前にボールをパンチしたラヤと相手選手との接触がファウルと認定されたようだ。試合を観ていたひとなら、誰もが思っただろうがかなりソフトな接触だった。PL基準で、あれでファウルを取ってもらえるのは幸運と感じる。
それと、このゴールにつながる一連のプレイでは、ボーンマス側からガブリエルが選手を引っ張って倒したというクレイムもあったが、そちらもおとがめなしとされた。
ということで、サカに対するレッドカード事案以外、ゴールに直結する微妙なVAR判定はすべてホームチームに有利な決断をされたことになる。
もし、これらの微妙な判定がアーセナルに有利な判定になっていなかったら、この試合はどうなっていただろうと考える。
まず前半終了間際のペナルティがないので、0-0でHTへ。必ずゴールが必要なアーセナルには、後半に向けてプレッシャーがかかったはず。ハヴァーツには、シミュレイションでカードが出たかもしれない。
後半に入ると、71分にトロサールが決めて1-0。その直後に、ボーンマスのゴールが認められて1-1。残り20分たらずで、どうしてももう1点必要という極度のプレッシャーがアーセナルにかかる。
そしてライスのゴールが97分なので、もしそれがウィナーになっていたら、去年のエミレーツとほとんど同じ展開である。エンタテインメントとしては、それはそれでだいぶ盛り上がったろうが……
当然、試合の状態はスコアラインにもよるので、たられば状況でゴールだけ同じくカウントすることに意味はないが、それでもVARに助けられなければだいぶ危なかったのは間違いない。VARによるちょっとした判定の違いで、タイトル争いが終わっている可能性は十分にあった。そんな試合。
勝ったとはいえ、なんという複雑な心境なのか。
もちろん、愛するアーセナルが恩恵を受けたので、何も困ることはない。おかげで大事な試合に勝ちタイトル争いにも残った。
そもそも、相手選手がボールを持ってボックスに突っ込んできている状況で、あんなふうに足を出したGKが間抜けだし、ラヤのクリアが中途半端なパンチしかできなかったのは、相手に不当に邪魔をされたから。どちらの判定もまったくもって問題なし。
そうやって、正当化というか自分のこころをどうにかして納得させようと思うのだけど、どうにもモヤモヤがなくならない。
HTや試合後のアーセナル界隈の反応を観ても、これには複雑な心境という感じがありありと感じられた。
試合後のアルテタ。これはほとんど議論な、あるいは不当な判定だと認めているようなものだ。ヴェンゲルさんの「わたしは観ていなかった」の現代版。
アルテタ:正直、わたしはその事案を観ていないんだ。だって、どうせ訊かれると思ったから! アナリストからそれを観たいか訊かれても、わたしは断る。なぜなら、そうなればわたしは真実がわかってしまうし、だから観ないんだ!
イアン・ライト。「あれはたぶんペナルティじゃなかったし、ボーンマスのゴールも認められるべきだった。3ポインツのお仕事完了」。We don’t care.
Didn’t think it was a penalty. Bournemouth’s goal should have stood. Job done three points 😎 Declan 🤌🏾🤌🏾🤌🏾
— Ian Wright (@IanWright0) May 4, 2024
— Ian Wright (@IanWright0) May 4, 2024
Arseblog。「アーセナルが勝利にふさわしくなかったとは云い難いが、もっと接戦になってたかも! だがクソ喰らえだ。勝たなきゃいけない試合で勝った」。
Hard to argue we didn’t deserve the win, but there were some moments in this game which could have made it a bit closer!
But fuck it. We had to win, we won. Saka so good, Odegaard fantastic, Havertz strong up top again, and Rice making that run late on to score was just 🔥
— arseblog (@arseblog) May 4, 2024
いつもは批判的なトーンで追求することも多いVARに、今回は助けられてしまって、ちゃっかり勝ってしまった後ろめたさみたいなもの。バツの悪さ。感じる。
まあ、損をすることもあれば得をすることもあるというだけで、今回はありがたく得を頂戴して、深く考えなければいいだけかもしれないが。
だが、今回のようなことを甘んじて受け入れることに抵抗を感じてしまうのは、逆の立場なら絶対に許さないことをわかっているからだろう。もし、今回アーセナルがボーンマスの立場なら、ファンはスキャンダラスとかdesgracia(笑)とか、強いことばを使ってVAR批判、あるいはダイヴァー撲滅の一大キャンペーンを張るくらいには激怒していたはず。
でも、ほんとうは不当だと思っている判定でも、マイチームに恩恵があればだんまり。あるいは(苦しい)擁護。そういうことをやっていると、ふだん何かを語っても説得力がなくなってしまうんじゃないかと、ブログ者としては思ってしまった。まあ、これまでもこういうアーセナルがラッキーな判定をしてもらったときは、ぼくも開き直っていたのだけど。つい先日のNLDでも。でも今回のはハヴァーツのは、ちょっとなあと。よくアレでペナルティもらえたな。買収してるのでは?
誰かからalways cheatingなんて後ろ指さされたくない。
だから、わしとしては、今回のとくにハヴァーツがペナルティをもらったプレイについては、あまり受け入れたくないと表明しておこう。それで勝った部分もあるから複雑だけど。
やるなら、せめてダイヴだと誰にもわからないくらいもっとうまくやってもらいたい。彼はチートがあんまりうまくないよね。それも、彼の人がら?
ちなみに、上のライティのtwには、そんなに正直にならなくても、ネヴィル、キャラガー、ファーディナンドらのパンディットたちのバイアスたっぷりなところをアーセナルOBも見習うべきというリプライがついていて、多くの支持を集めていた。
8にコンヴァートされ攻撃の才能を開花させるライス
G1 A1。生産性。これで今シーズンのPLでは、G7 A9を記録。
PLでのアシストは3試合連続で、彼のキャリア初という。2024年に入ってからのPLでの彼のアシストは7で、これより多いのはKDB(8)だけというモンスターぶり。
ライスといえば、WHU時代から守備に定評あるMF(6)としてここまで来た選手ながら、アーセナルではアルテタの下No.8とという新境地であらたな才能を開花させつつあるという。
もちろん、アーセナルでも6でプレイしてきた試合もあるので、今後も彼が8でプレイをつづけるかわからないが、そのポジションでここまで生産性を発揮している以上、今後もアルテタは彼の8での成長を促す取り組みをつづけていくのだろう。
MFのゴール貢献というと、アーセナルではアーロン・ラムジーを思い出さずにいられない。彼がもっとも輝いたシーズンのようなゴール貢献にはまだまだ足りないが、8でプレイをつづけるかぎり、そこに近づいていくことも期待できるのではないだろうか。
今回のゴールも、あのダイアゴナルのレイトラン、フィニッシュ、彼のフットボールセンスが凝縮したようなゴールだった。
トロサールのアシストも、時間も空間もない場所で瞬時の判断で、ブーツの外側でのパス。
まったく優秀な選手は、どのポジションでも優秀ということをあらためて思わせるような、最近の彼の活躍ぶりである。
95:43 v Man Utd
96:23 v Luton
96:21 v Bournemouth3 of Declan Rice’s 7 Premier League goals this season have been scored in 2nd half stoppage time, the most by an #Arsenal player in a single Premier League campaign since Alexis Sánchez in 2016-17 (also 3).
— Harvey Downes (@HarveyDownes92) May 4, 2024
ライスの今シーズンのPLでのG7のうち3つは後半の追加時間に決まったもの。勝負強さ。
今年のPL Golden Gloveはダヴィド・ラヤ
Congratulations to @Arsenal’s David Raya on winning the 2023-24 @Castrol Golden Glove! 🧤🔥 pic.twitter.com/ktSDIy8UC9
— Premier League USA (@PLinUSA) May 4, 2024
よかったよかった。
この試合については以上
来シーズンはシティに制裁があるかもしれない事を考えると、ガチンコで勝てるのは今シーズンが最後の可能性もある。
なので気持ち的に何としても今シーズン優勝してほしい。
ジェズス放出の噂があり、
サカのバックアップ獲得の必要性がずっと叫ばれている。
スーパーサブとして、ジェズスで良いのでは?
前線ならどこでも高いレベルでこなせるし、彼の上位互換での選手なんて、そう簡単に獲得できない。
マルティネッリやスミスロウの信頼性が上がらないなら、ジェズス!
今夏のお金は、2ndキーパー等の違うところで。