これは、またまた奇妙な試合だった。
結局オールド・トラフォードでの対戦は、アーセナルの勝利。“1-0 to the Arsenal”というクラシックなスコアラインはともかく、いちおうはこの結果は試合前の大方の予想どおりだったとは云える。だがしかし、あのアーセナルのほとんどシーズンワーストのような悪いパフォーマンスには少し驚かされた。あれはいったいなんだったんだ。みんなふだんやらないような雑なパスを繰り返した。
そして、いっぽうホームのマンUはそれを上回るダメっぷりという。あのパフォーマンスは、彼らの今シーズンを象徴していたんじゃないか。
あのチームに対し、8ゴールできなかったアーセナルにはたいそう不満ながら、3ポインツのためには1ゴールでも十分だったという。
ともあれ、アーセナルとしてはお仕事完了である。鬼門のOTでもちゃんと勝ち、タイトル争いに望みをつないだ。
試合を振り返ろう。
Premier League LIVE: Manchester United v Arsenal – radio commentary & text updates
BBC Sportの試合レビューのページがリニューアルされている。
アルテタの試合後コメント「PLで27勝は進歩ではなく歴史である」
試合直後のアルテタのインタヴュー。AFC公式サイトより。
アルテタ:この結果は、シーズン最後の日に開くさらなる箱、さらなる窓になった。その日、われわれは仲間の目の前でPLを戦う。われわれの家族もそこにいる。最終日は、いまをともに生きる素晴らしい日になるだろう。
わたしはそこに生きることが楽しみでならない。それについては昨日も話したとおりで、さあドアを開けましょうと。
フットボールとは、この瞬間であり、この旅を楽しむことであり、今回の最終日はこれから何度こういうときがあるのかわからない日になる。だから、楽しもう。何が起きるかに備えよう。そして、素晴らしい結果が起きることを願う。
(PL5連勝、OTでは17試合で2勝め)とても大きな勝ちだ。われわれの歴史は、この試合に向けてはとくにポジティヴではなかったし、いまのわれわれにかかっているものからしても、自分たちがなにと対処せねばならないかはわかっていた。プレッシャーや要求。
わたしは試合の始め方はとてもよかったと思う。素晴らしいゴールも決め、でもそのあとはそうだね、試合のコンテクストとスコアラインがチームに影響を与えた。とくに、ボールを奪うためにしなきゃならないことについては。われわれは、あまりにフラットで、あまりに遅く、あまりに予想できた。
しかし、そうなればわれわれは自分たちの守備の義務に頼らねばならなくなる。そこは今日も素晴らしかったと思う。ほとんどなにもやられなかった。だから、これは大きな大きな勝ちだ。
(最終日に20年ぶりのタイトルの可能性)それは歴史に残るし、選手、スタッフがやっていることへの大いなる称賛だ。われわれの長い歴史とともにそれを達成することは、クオリティによるところが大きい。しかし、同時にこのチームの決意とメンタリティだ。彼らがどれほど勝利を欲していて、結果を得るためにどれほどのものをそそいできたか。
試合後の記者会見。AFC公式サイトより。
(チームのパフォーマンスについて……)
アルテタ:とてもとても満足している。もちろんすべてがかかっていた。1月からはエラーする余地はなかった。勝ちつづけねばならなかったし、どんな状況でも勝つ必要があった。
そして今日、われわれは非常に特別な場所でプレイせねばならなかった。ここで起きえたことについて、われわれの歴史からしてもとても楽観的ではなかったが、われわれは勝つ道を見つけた。それは、このチームがどれほど欲していたかを物語る。
(結果が出るまでは緊張した?……)
イエス。なぜなら最後には、ドロウもあるかもしれなかったから。そこにいて、どうしても勝利がほしいとなればそうなるし、わたしは試合前のチームはとてもいいと感じていた。
始まりはよかった。ゴールも取った。だが、あのゴールがなにかに触れたと思う。とくにこの責務、どちらのポゼッションでもやらねばならないことがあった。
そして、われわれはあまりに安全にプレイし始めてしまった。ストラクチャを尊重せず、自分たちの意図を理解せず、わたしはそれは好きではなかった。だから、それは変える必要があったし、それを変えたいときは、それに苦しんでいるということだ。
しかし、試合のなかでより支配的に、より前に出ていくための試合の要素を持たないのなら、守備面での競い合いにふつう以上でいなければならない。そして、結局その面ではわれわれはとてもエクセレントだった。
(トトナムはマンシティに対し結果を得られる?……)
わたしの20年にわたるこのリーグでの経験では、どんなチームもどんなチームを倒せる。そして、わたしは最終日については複数のシナリオを考えている。それが多くはなくとも、多くのチームの必要性があり、全員が注ぎ込む正直さと尊重はすごいものだ。
われわれも自分たちに結果が必要だとわかっているし、最後の試合ではまだやるべきことがある。しかし、今日われわれはどうしてもドアをノックしたいし、夢の箱を開けたかった。シーズン最終日にわれわれの人たちの前でPLを勝つ機会を残しておくために。それが、われわれがみんなといっしょに行うことになることだ。わたしも、そうした選手やスタッフたちといっしょにいられることがとてもうれしい。
(最終日にかかっていること……)
彼らはみんな興奮している。われわれはほんとうにその瞬間を生きたい。だからこう云う。Ok、われわれは最終日にそこへ行くための権利を得なければならない。そのときを生きるのだと。
それはわれわれの旅の一部であり、PLを勝つ大きなチャンスがあり、それを経験する。われわれは、毎週やっているような普段の準備をするだろう。エヴァトンを倒すためにベストになる。そうしてそうした機会に生きるのである。
(年をまたいでからのアーセナルの際立つ記録……)
それがさらなる勝利の励みになっていると思う。よりよい道具で準備され、いろいろな状況でも勝つ自信になり、いろいろなやりかたで結果をもたらす。
PLで27勝だ。われわれのクラブの130年の歴史でも最多。これは進歩ではなく、歴史だ。それを行うことはとてもとても難しい。とくにいまわれわれがプレイしているこのリーグでは。すべての選手とスタッフがやってきたことの大きな功績。
(タイトル争いがGDで決まることにも備えている?……)
ノー。われわれがこれからの一週間で備えるのは、試合だ。その日に直面する可能性あうすべてのシナリオについて備える。
(火曜はトットナムを応援する?……)
それが必要だとわれわれもわかっている。彼らは対戦するにはじつにやっかいな相手だ。われわれもしばらく前に対戦して苦しめられたばかり。だから、彼らがそうできることを願っている。
(ブカヨ・サカは大丈夫?……)
彼は大丈夫だろう。
(マンシティはプレッシャーを感じている?……)
わからない。それは彼らへの質問だ。われわれは自分たちのことをやり待つ。
(今シーズンPLでのゴールとポインツの記録を破ったことが誇らしい……)
わからない。われわれはいまもその最中だから。集中は、自分たちのやるべきことにある。終わったらシーズンを分析するだろう。すべての情報をまとめて、どうしてそれが起きたのかの理解に務める。もっとよくなるために。
以上。短い。
試合直後ながら、すでに試合内容についての興味はメディアもなくなっているという感じ。
ウィリアム・サリバの試合後コメント「全員で守った」
MOTMパフォーマンス。あのタックルはゴールに匹敵するプレイだったな! AFC公式サイトより。
サリバ:今日は楽じゃなかった。相手はいいチームだし、ここで3ポインツ取るのはとても難しい。
ぼくらも大いに苦しめられた。いつもみたいにプレイしていなかったし、でもぼくらはベストでなくても力強くいなければならなかった。敗けも引き分けもいやだったし、だから最終的にはチームはとてもよくやった。3ポインツ取れた。
守備では、チームのさらなる力強いパフォーマンスだった。DFだけでなく全員だ。MFもアタッカーたちも。みんなで守り、クリンシートも喜ばなきゃならない。彼らがここでゴールしないのは毎回じゃないからね。ぼくらはとても満足している。これを継続していく必要がある。
ぼくは、今日うまくやれたことは誇らしく思う。チームメイトたちのおかげでもある。彼らが毎回ぼくを助けてくれるから、このチームでプレイするのは楽だ。これを続けたいし、進歩を続けたい。これからもベストを尽くす。
(シティがポインツを落とすこと)ぼくらにいい週になることを願ってる。お祈りしないと。信じなきゃいけない。それにエヴァトンにも勝たないといけない。火曜の試合は観なければ。トテナムで何が起きるのか。
William Saliba 🥶 pic.twitter.com/PK1oLyTP4e
— Renato (@orehnato) May 12, 2024
今シーズンは、アンフィールド、エティハド、OTでMOTMというビッグウィリー。ロールス・ロイス。
カイ・ハヴァーツとレアンドロ・トロサールの試合後コメント「何が起きてもおかしくない」
またやってくれた。ハヴァーツのカットバック&レオのタップインという黄金のパターン。Sky Sportsのカメラによる試合後インタビュー。via BBC Sport
ハヴァーツ:ぼくらはいい試合の準備をしていた。ベストゲイムとはいかなかったけど、必要だった3ポインツは取れた。だからぼくらは喜んでいい。シティにプレッシャーをかけつづけるためには、ぼくらも毎試合で勝たねばならない。
タイトル争いにいるというのはナイスなものだ。毎週ベストでプレイしなくちゃいけない。それをやるなら、気分はよくなる。残り1試合、クラブ全体でやる必要がある。なんでも起きる。
トロサール:マンUはそれでもいいチームであり、いろいろなやりかたで相手を苦しめることもできる。だから、よく守ったのは選手たちのおかげだ。
もちろん、ぼくらにはリーグを勝つというひとつも目標しかない。今日は自分たちの仕事をやって、あとは最後の試合だ。
来週なにかを祝えるといいね。どうなるかなんて誰にもわからない。ぼくらにできるのは願うだけ。
ハヴァーツ:火曜にはぼくもトトナムファンになっちゃうね。みんなそうなるはず!
なっちゃうよなあ。
ふたりのゴールについては、TVで観ていても、まずハヴァーツのオンサイドが信じられなかった。が、彼らのディフェンスラインにはラインを上げることを怠ったCasemiroが。アレはさすがにひどかった。
トロサールのゴールについては、かつてのフレディ・ユングバーグとの相似も指摘されている。ビッグ6との対戦でもゴール貢献が多く、ビッグゲイムにめっぽう強い。頂点を極めるチームには、こういう選手も必要。
OK, hear me out…
2002: Ljungberg stars in title race. 17 goals all comps, 12 in league
2024: Trossard stars in title race. 17 goals all comps, 12 in league
2002: Last two games — United (a), Everton (h)
2024: Last two games — United (a), Everton (h)https://t.co/hncPK9XOd5
— Sam Dean (@SamJDean) May 13, 2024