試合の論点
マンU vs アーセナルのトーキングポインツ。
🎶 One-nil to The Arsenal 🎶
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— Arsenal (@Arsenal) May 12, 2024
OTで順当勝ち。今シーズンのアーセナルを象徴する守備の勝利。クラブ記録も更新。ビッグ6に敗けなし
今回のレビューは、試合内容はもういいか。ここまででだいぶ触れた。
きっとこのあともたいして記憶に残らない試合だろう。マンUのバッドフォームもあって、それなりにイージーに勝つと思われていたアーセナルにしては、1点を守るだけの“win ugly”と云われるくらいの塩辛い試合だったし、あまり語りがいもない。もし記憶に残るとすれば、シティがこのあとスリップして、アーセナルがタイトルを取ったとき。自分たちのダメさよりも、マンUのダメさを思い出すのかもしれない。
しかし、そんな試合でも、この難しい場所で勝てたことはほんとうに大きかった。なにせ、アーセナルはなかなか勝てていない場所だったのだから。17年で2勝めというのは、尋常じゃない。
その勝利に大きく貢献したのは、やはり守備。この試合もアーセナルが守備の硬さをあらためて示して見せた。マンUは、いくらボールを持っても、ゴールの匂いはあまりしなかった。彼らは、あの強固なファイナルサード守備の攻略に終始手こずり、中途半端なクロスを入れるぐらいしか打つ手がないようだった。
そしてそれに苦労したのは、彼らだけじゃない。
リーグ最小失点(※現時点で28。2位のシティより5も少ない)の成績からもわかるように、優秀な守備は今シーズンのアーセナルがここまで来た重要な理由だ。今回の試合は、ある意味でアーセナルの今シーズンを象徴していたように感じた。
そして、今回の試合でもまた記録を続々更新している。
アーセナルはこの試合でシーズンの勝利を27に伸ばした。これは、PL時代では03/04のインヴィンシブルシーズンの勝ち26を上回り記録をつくったことに。PL以前だと70/71シーズンに29勝をやっているらしい。
さらにゴール。今回1点を追加して89に。22/23シーズンに更新した記録88を、試合をひとつ残して超えた。
今回到達した86ポインツについては、03/04の90、01/02の87につぐクラブでは歴代3位の成績。最終日のエヴァトンに勝つと89ポインツで、歴代2位になる。90ポインツまであとちょっと。
ちなみに、近年のPLではシティやリヴァプールの存在で感覚が麻痺しているところもあるが、そもそもふつうに90ポインツ以上でタイトルを争うほうが異常であり。今回アーセナルの到達した86ポインツは、アレックス・ファーガソンがマンUでリーグタイトルを取った過去13シーズンのうちの7シーズンを上回っているということ。70ポインツ台でタイトルを取ったシーズンすらある。場合によっては、われらがタイトルでも全然おかしくなかった。
とはいえ、そこが現在のリーグの難しいところだろう。<PLのかつてないほどの競争力>とは、ミケルが繰り返し述べていることだ。それをここまで牽引してきたのが、PepのシティやKloppのリヴァプール。彼らが90ポインツ以上でタイトルを争うようになり、アーセナルもいつかそのような高みまで行けるのだろうかと案じたこともあった。そしてそれが、いまほとんど実現しかけている。
それと、今回の試合におけるアーセナルの大きなアチーヴメンツのひとつは、今シーズンのアーセナルはビッグ6にひとつも敗けなかったこと。すでにビッグ6というカテゴリ自体が形骸化しているところもあるとはいえ、それはそれとして。
今シーズンのビッグ6との計10試合で、アーセナルはW6 D4 L0。ホーム・アウェイでダブルをかましたのはマンUだけとはいえ、勝てなかったチームもひとつもない。われらは、なんという競争力を身に着けたのか。
10試合のうち、今回を含めてアーセナルは4つでクリンシートをキープ。これもまた硬い守備が重要な試合でカギになっているよい例だと云える。失点さえ許さなければ、最小ゴールで試合に勝てる。
これを忘れてた。今回は今年最後のアウェイ試合だったので、このアウェイキットもこれにて最後だったという。なんだかんだ人気だったんじゃないの。アイコニック。カルトクラシック。今シーズンのアーセナルのアウェイでの勝負強さを支えてくれたとも云える。この試合のことは思い出さなくても、このキットのことはいつまでも忘れない。
A cult classic 🤩
Wearing our 23/24 away kit for the final time this season 💛 pic.twitter.com/EbOEHNuvlS
— Arsenal (@Arsenal) May 12, 2024
この試合については以上