こんにちは! 暑いね!
さて、ここ1-2日のあいだに、アーセナル界隈ではボローニャのCB/LB、Riccardo Calafiori(リカルド・カラフィオーリ)獲得の話題がずいぶんと盛り上がっている。
彼の名前が、アーセナルのターゲットとして報じられたのが約一週間ほど前のことで、このブログでもEURO2024でわれらが注目すべき選手リストのなかにもいれたが、正直個人的にはあまり信憑性があるような噂には観えなかった。それが、ここへ来て急に動いているという感じがある。
ロマーノ「アーセナルとチェルシーがひきつづきRiccardo Calafioriの取引を模索」
🚨🇮🇹 Arsenal and Chelsea remain both interested in Riccardo Calafiori, as revealed last week.
Both clubs have explored conditions of the deal, expensive as Basel will get almost 50% of the fee.
↪️ Calafiori gave green light to Juventus but Bologna preference is to sell abroad. pic.twitter.com/D2MAJvaxoo
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) July 2, 2024
ディ・マルツィオ「アーセナルが€50mでCalafioriの獲得に近づく」
Riccardo #Calafiori sempre più vicino all’@Arsenal: operazione da 50 milioni
— Gianluca Di Marzio (@DiMarzio) July 3, 2024
ディ・マルツィオは、イタリア以外ではアーセナルがもっとも彼に確固な関心を持っているとも云っていた。
左足のDF(LB)は、この夏のアーセナルの優先ターゲットと云われており、彼がその解決策になるのか。
このニュース、アーセナル的には近年あまりいいイメージがないイタリアがらみということで、いまだに信じていないアーセナルファンも少なくない。いまの状況をざっと整理してみよう。
アーセナルがRiccardo Calafioriへオファー
信頼と実績のイタリアンメディア『Corriere dello Sport』。昨日7月3日づけの記事から引用しよう。
Bologna, per Calafiori super offerta dell’Arsenal
PLがボローニャの宝石に傾倒している。
アーセナルは、すでにRiccardo Calafioriに€47mのオファーを準備。しかしボローニャは22才のDFを手放すにはより多くの金額を求めている。彼はボローニャでCLシーズンを過ごし、ナショナルチームでもデビュー。サスペンションだったスイス戦を除き、EUROではスターターとしてプレイしている。
チェルシーもCalafioriをほしがっている。
昨日の『The Telegraph』より。
アーセナルがRiccardo Calafioriの状況を注視。彼の獲得競争に参入すべきか検討しているところだ。
ボローニャで素晴らしいシーズンを過ごしたCalafioriについて、TDのGiovanni Sartoriは、彼をキープする意思はあるが、失うおそれもあるということも認めた。
「ユヴェントスやほかの多くのチームとの交渉がある。いまはわれわれは彼を引き留めようとしている。大きな引き合いがあれば、こちらも考慮せねばならないだろう。彼を売却するつもりだとは云わないが、確実に値付けはしていく。
彼はユヴェントスへは行かないと思う。違うリーグかもしれない。だが繰り返すようにわれわれは彼を引き留めたい」
もしアーセナルがCalafioriに動くようなら、ヤコブ・キヴィオールのクラブでの将来には疑いがかけられることになるだろう。
一部メディアによれば、アルテタには、現在EUROスクワッドでいっしょにいるジョルジーニョから「彼の獲得を真剣に検討すべき」という推薦があったのだとか。
ファブリツィオ・ロマーノもこのニュースを積極的に報じているひとり。
彼によれば本人サイドはすでにユヴェントス移籍で合意しているが、ボローニャはできれば国内ではなく海外へ売りたい意向があるという。
それと、Calafioriには去年まで彼が在籍したFCバーゼルが50%のセルオンクローズを持っており(※sell-on:移籍金の%を受け取る契約)、ボローニャは安く売れない状況があるということ。
ニュースの信憑性??
本人は、ユヴェントスに行きたい(イタリアを離れたくない)。所属クラブは安売りしたくない。選手はイタリア人。こういう展開は何度も観てきたような。。
ちなみに、ユヴェントスは今年からThiago Mottaがマネジャーになっており、彼はボローニャのマネジャーでもあった。つまり、ボローニャでブレイクさせたCalafioriを転職先にぶっこ抜こうという強い動機がある。本人も恩師について行きたい。というような関係性らしい。
こういう事情もあるので、アーセナルはボローニャとは比較的良好な関係であるにせよ、オーンステインが報じるまで信じないというアーセナルファンがいてもしょうがない。
Riccardo Calafioriのプロファイル
Club | Bologna |
Position | CB, LB |
Foot | Left |
Height | 188cm |
Age | 22 |
Cotract | -2027 |
wage | €14kpw |
MV | €30m |
あらためて、Riccardo Calafioriのプロファイルをおさらいしておこう。
CBとLBでプレイできるDF。長身、左足、若い。2002年生まれの22才はアーセナルのファーストチームではほぼ最年少。彼より若いのはカール・ハインだけ。
ローマ出身で、経歴をみると2020年にユースからファーストチームに上がったもののすぐにローン。2022年には€2.6mでFCバーゼルに売却されている。
そして去年€4mでボローニャへ。このときに50%のセルオンをぶっこまれたのだな。もし彼が50mで取引されるならバーゼルは25mの丸儲け。商売上手。
NT(シニア)は今年6月にデビュー。EUROで大抜擢という感じである。ユースNTは、U15からU21まで、各年代のほとんどでプレイしている。ローマではファーストチームに定着できず放出されてしまってはいるものの、なかなかのエリート。
Riccardo Calafioriのプレイスタイル
なかなかアグレッシヴなDF。ライスっぽくボールをもって前に運べる推進力もあるみたいだ。アルテタが新シーズンのLBにどのような役割を求めるのかわからないが、なかなか期待できそうな雰囲気。
サンプルサイズが少ないという注意はあるが。けっこうよさそうなスタッツ。
Riccardo Calafiori – Italy, European Championship
SMALL SAMPLE SIZE WARNING pic.twitter.com/ehrxTNOCi3
— Scott Willis (@scottjwillis) July 3, 2024
FBRef。ただし、これはあんまり鵜呑みにしちゃいけないのは「CBテンプレート」だから。FBテンプレートなら、違う印象のグラフになっている可能性はある。
今朝みかけたredditのあるユーザのコメントによると、彼はもしAkeや Gvardiolがいなければ、シティが確実に向かっていた選手だとという。ほんとうだろうか?
24-25シーズンのアーセナルのDFライン。トミヤスの将来に暗雲?
23-24シーズンのアーセナルは、ティンバーがシーズン始めの試合でいきなりケガをしてしまったし、ジンチェンコやトミヤスもケガがちだったこともあり、レフトバックは最後まで安定しなかっただろう。ホワイト、サリバ、ガブリエルというあの盤石なバックラインからすると、LBエリアはあきらかに改善の余地はあった。
個人的には、ティンバーがフィットしていさえすれば、新シーズンのLBも彼がプレイするものだとばかり思っていたが、アルテタはどうしても左足にこだわりたいのかもしれない。ティンバーは右足で、本来はライトバックかRCBの選手。ホワイトやサリバの過負荷を考えれば、ティンバーとある程度プレイ時間をシェアできるようになれば健全ではある。
仮にCalafioriが加入するとして、新シーズンのアーセナルのバックラインのデプスは以下のようになる。
RB ホワイト、ティンバー、トミヤス
RCB サリバ、ホワイト、ティンバー、トミヤス
LCB ガブリエル、(Calafiori)、トミヤス、キヴィオール
LB (Calafiori)、ジンチェンコ、トミヤス、キヴィオール
なんならCBはライスもいる。
Calafioriの噂においては、なにかとキヴィオールの立場が指摘されがちである。実際にこうしてみると余剰戦力にこそなれ、本人がもっと期待しているであろうプレイ時間についてはさらに減る可能性だってある。
そしてキヴィオールだけでなく、じつはトミヤスもかなり大きな影響を受けそうだ。Calafioriの獲得によって、DFの各ポジションでセカンドチョイスにもなれなくなる恐れがある。
もっとも、トミーの場合は守備に特化した特殊な役割もあるので、彼が生き残る道はあるだろうが、前回の短い契約延長のこともあわせて考えると、残念ながら彼にアーセナルでのとても明るい未来があるようには観えない。
Riccardo Calafiori。イタリアの選手は国内を出たがらないしユヴェントスに行きたがるしで、アーセナルとしてはLocatelliやVlahovićなどの例を思い返すに、結局クラブがメディアを使ってアーセナルの名前を使って取引のだしにされるみたいな、いい思い出は全然ないのだが、はたして今回はどうなるか。
本人がすでにユヴェントスと合意しているということは、あとから首を突っ込んできたアーセナルに翻意するなら、それはよほど魅力を感じたときなのだろうし、ユヴェントスを蹴ってきましたとなれば、わたしたちとしては推さずにはいられませんね。
どうなるか観てみよう。
おわり