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【マッチレビュー】24/25 EPL アーセナル vs ウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズ(17/Aug/2024)初戦でお仕事完了

試合の論点

アーセナル vs ウォルヴズのトーキングポインツ。

英国のグーナー首相もエミレーツに来ていた。

初戦の難しさ

けっこうゆっくりした試合の入りかただなと思って、試合を観始めた。正直あんまり集中力を感じないというか。それでも、序盤に勢いをつかんで24分という理想的な時間にゴール。しかもあんな。だから、たまに逆襲をされつつも、順当に勝つんだろうと思っていた。

ところがとんでもなかった。ウォルヴズはキープレイヤーを欠いて、てっきりノッティンガム・フォレストに毛がはえたくらいのクオリティだと思いこんでいたら、ふつうに強かった。もし35分のビッグチャンスでラヤが奇跡的セイヴをやらなかったら、1-1になって、もっともっと厳しい試合だっただろう。

とくに60分あたりからの10-15分ほどは、かなり一方的にプッシュされた。それは攻撃モメンタムのチャートにも現れている。

ホームであんな試合をやってはいけませんねえ。しかも最小得点差で。

しかし、そんな時間帯にあのサカのズドン。開いた口が塞がらない。相手DFは、サカの左を切るなんてことは基本的なことだろうに。

そして、2-0になった残り20分の時点で、試合はほぼ終了した。ふう。試合に勝てたことはもちろんよかったけど、チームが低調でも個人で勝ってしまうことには少し複雑な気分はある。まあミケルも云うように、トップチームはそうやってポインツを稼ぐのだけども。

さて、これを初戦の(心理的な)難しさだけで片付けていいのかぼくにはよくわからないが、まああと確実に云えるのは、フィットネス理由はあるだろう。ライスが足をつってしまったように、準備が整っていない選手がいる。サリバも? 実戦のリズムに身体も気持ちもついていっていない。そこは、試合やトレイニングを通して徐々に戻していくしかない。

そういったところは時間が解決できる部分だとして、あとはもともと議論のある部分はどうだったか。

トーマス・パーティは大丈夫?

このチームのなかでもっとも悪い意味で注目されていたであろうパーティは、この試合で4回オウンハーフでボールを失ったという。そのうちのひとつは、相手のショットにつながるエラーで、わりと致命傷になるところだった。攻撃的かつチャレンジングなパスが成功しないならまだしも、あれはいけません。

彼の試合全体でのパス成功率は89%で、それが死ぬほど悪いというわけではないものの、連続してなんでもないところでパスミスをやったり今回もまた悪目立ちしている感はあった。ちなみにオーデガードのそれは88%であり、彼の攻撃的なポジションを考えると、やはりパーティのポジションならさらなるプレイの確実性が求められるだろう。

ちなみに、一部報道によれば、パーティはいまもアーセナルがこの夏に放出したがっている選手だという。もちろん彼の契約は残り1年なので、この夏に現金化したいのは当然ではある。しかしそのような状況なら、6の代替選手についていまあまり話題にもなっていないのはどうしてだろう。Merinoの獲得が近づいているようなので、ライスを6に戻すつもりなのかどうか。まさかのMLS? 気になるなあ。

パーティはこの先でなにか大きなエラーでもやらかすと、批判は一気に噴出しそうな気配がある。早く解決策を見つけねば。

ジンチェンコもパーティと同じように、昨今は悪い意味で注目を集めているが、この試合ではとくに悪目立ちはしてなかったかな。ただ、ポゼッションロストが11と数字はあまりよろしくない。オーデガードが10、ライスとパーティが6である。

こちらの解決策はすでにあるので、6ほど深刻ではない。

ハヴァーツとサカとラヤが輝く

予想どおり新シーズンCFとしてスタートしたハヴァーツと、まだ100%フィットではないであろうRWのサカ。この生産性コンビがまた期待に応えてくれた。

ハヴァーツのゴールはまったくもって9のゴールでしたな。

彼のストライカーぶりにはフラストレイションを感じることも多いし、ゴールもいつもなんだか誰かのどこかに当たって入ったとか、気持ちいいタイプのゴールがあんまりない気がしていたから、このゴールにはけっこうしびれた。あんなにきれいに決まった。ゴールにあとからVARで物言いがつくことも珍しくなくなった昨今、誰にも文句を云わせないファインゴール。

サカの完璧な精度のクロスに、ハヴァーツも完璧に合わせた。長身という彼の強みを十二分に生かした。

ちなみに、ハヴァーツは2024年に入ってから(つまりCFでプレイを始めてから)14試合で15のゴール貢献(※G+A)をしているということで、ここでもチェルシーが涙目になっているという。この期間の彼のゴール貢献が91.5分ごとで、それ以前は228分ごとだったらしいので、いろいろ物足りなさがありつつも9としてのハヴァーツは大成功と云わざるを得ないのだった。

この期間PLで彼よりゴール貢献で優秀な選手は、Isak、サカ、Haalandしかいない。

そして、あのクロス。サカをあんなふうにフリーにしちゃいけないってことが今回も証明されたかたちである。

いっぽうサカのゴールについては、いちおうハヴァーツにアシスト記録がついたが、ほぼソロゴールであろう。あのポジションでボールを持ったサカに仕事をさせないためには、基本的にふたりでつくこと、それとカットインサイドさせないよう左を切ることがDFの守備のやりかたの鉄則になっているだろうが、今回はその左からまんまとやられた。

彼の場合は、最近は右深くに侵入してカットバックのオプションも見せているため、DFが彼を止めることはますます難しくなっているのは確か。

試合後のアルテタはメッシの名前を出したが、ファンのあいだでは最近はよくロッベンの名前を見かけるようになった。彼が何をやってくるか完全にわかっているが、それでも止められない選手。サカもその領域に足を踏み入れつつある。まったく、ありえん選手である。ロッベンだけに(これが云いたいだけ)。

それと、ラヤのセイヴ。あれはすごかった。あれが入ると入らないでは違う試合になっていたかもしれなかった。試合を決めた決定的なプレイ。

ちょうどやや後ろ方向からの完璧なクロスに合わせたヘッダーということで、ハヴァーツのゴールに似ていたショットだったが、こちらはラヤが片手でセイヴ。あれは、コメンタリも云っていたように、ラヤがアーセナルで見せたセイヴのなかではベストのひとつだったと思う。

シーズン終了時のゴールデングローブ(※最多クリンシートGK)は、チームのクオリティによるところが大きい賞だとつねづね感じているが、ああいうプレイを観るとそれだけじゃないと実感する。あれは、タイトルを勝ち取るチームに必要なセイヴだった。

ウォルヴズのレッドカード疑惑

さて、そういうことで全体的にはあまり印象に残らない内容の試合だったと思うが、それでもあとで思い出しそうなのがウォルヴズの選手たちが行ったいくつかの事案。

ひとつは、もちろんこれ。

ふたりがボールを競ってもつれたとき、ハヴァーツの腕が相手にからんでしまったのも事実ながら、ふたりが倒れたときYerson Mosqueraがハヴァーツの首元に手をやり地面に抑えつけた。チョーク。スロウの映像を観ると、まるでハヴァーツの身体を手で地面にたたきつけているようですらある。この明白な暴力行為がおとがめなしとはこれいかに。いと信じがたし。これがもしジャカだったら、すぐさまレッドカードで3試合バンである。

それと、試合終了間際のジェズースがカードをもらった件。これは非常に親しい間柄(意味深)でもなければ、触れてはいけないゾーンですねえ。絶対わざと怒らせようとしただろ。てかこの14番ハヴァーツのときと同じ選手じゃねえか。

Yerson Mosquera。これは名前をおぼえておかねばなるまい。そしてすぐ忘れる。

 

この試合については以上。

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