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【Welcome】アーセナルがラヒーム・スターリングの獲得を発表【to The Arsenal】

BHAの試合プレビューに取り掛かろうと思ったら、アーセナル公式からラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)獲得のお知らせが来ていた。チェルシーからの一年ローン。

この移籍は本人が熱望していたとあり、さすがにうれしそうである。

PLのビッグ6クラブはこれで4チームめという、稀有なキャリアをもつ漢。PLでの実績は十分の超即戦力。アーセナルのタイトルにどれほど貢献してくれるか。

ひとまず、Welcome to Arsenal, Raheem!



アーセナルFCがラヒーム・スターリングの獲得を発表

Raheem Sterling signs for Arsenal on loan

AFC公式サイトより。

ラヒーム・スターリングがチェルシーから一年ローンでアーセナルに加入

この29才ウィンガーは、あらゆる国内オナーを勝ち取ってこのクラブにやってきた。4つのPLタイトル、5つのリーグカップ。彼はトップフライトで379試合のプレイ経験があり、123のゴールと63のアシストを記録している。

ラヒームは、ユースキャリアをQPRから始めた。そしてリヴァプールアカデミーへ。2012年にはそこでシニアデビューし、ファーストチーム選手に。また同じ年に最初のイングランドNTへの招集もあった。

そして彼は2015年にはマンシティへ。彼のすべてのPLタイトルはこの7年間のあいだのものであり、2022年にチェルシーに移籍するまで、EFLカップを5回、FAカップとコミュニティ・シールドで勝っている。

ラヒームの個人的オナーズには、18/19シーズンのFWA Footballer of the Yearが含まれ、そして同じ年にはPFA’s Team of the Yearのひとりにも選ばれた。

ラヒームはイングランドでは82キャプス。メンズチームでそれより多いのは16人しかいない。そして、2位でフィニッシュしたEuro2020ではキーマンとして活躍した。

アーセナルの全員がラヒームをクラブに歓迎している。

この案件が完了したのが、イングランドの夜であり、いまイングランドは真夜中。インタビューなどのコンテンツはまだないようだ。

ラヒーム・スターリングの移籍金と契約内容

契約は一年ローン。その場をしのぎたいアーセナルにはちょうどいい契約だった。ローンフィ(移籍金)はなし。一部の給与負担だけ。

もちろん、チェルシーは彼の重い給与負担もあり(£325kpwの3年契約・年俸計およそ£51m)、完全に売却を目指していただろうが、29才の高給取りはそんなかんたんには売れない。

それと、もろもろ伝えられていたとおり、本人がアルテタのいるアーセナルを希望していたことが大きいだろう。彼の取る道は、アーセナル移籍かチェルシー残留の二択とも云われていて、戦力外の彼をどうしても売りたいチェルシーはアーセナルに譲歩するよりなかった。

気になる彼の給与負担の割合については、アーセナルとチェルシーで50/50の負担という説と、チェルシーが半分以上負担という説の両方がある。いずれにせよ、アーセナルが全額、あるいは大半を負担するような契約ではなかったのは大きい。

実際の条件はいまのところ不明。

本人がアーセナル移籍に際してペイカットに合意しているというニュースもあるので、仮にそれが£300kならアーセナルの負担は£150kかそれ以下。£200kなら£100kかそれ以下となる。いまのアーセナルのスクワッド全体の給与水準からすると、£200kあたりは現実味がある。スターリングにも大幅カットを受け入れる動機はあった。アーセナルが納得できる条件にしなきゃ、この契約は成立しなかったのだから。

入れ替わりでフラムへローンで行くネルソンのサラリーが£100kpwだったため、仮に彼のそれがフラムの全額負担なら、アーセナルはほんの少し負担が増えるくらい、かあるいは同等でスターリングを手に入れたことになる。一年限りとはいえ、いまのネルソンからスターリングなら戦力としては大幅なアップグレイドだろう。

アーセナルとしては、願ってもない好条件での取り引き成立となった。またあなたなのですか、エドゥ?

なぜスターリングの契約は期限ギリギリの取り引きになったのか?

ところで、先ほどアップしたデッドラインデイのエントリでの時系列の状況を見るに、アーセナルがスターリングの交渉に本腰を入れたのは、わりとデッドラインのギリギリだった。だいたいクローズの3時間前といったところ。もし、FAXが壊れるトラブルでも発生したら危ないほどには。

そこで情勢が変わるまでは、アーセナルはスターリングにあまり積極的に働きかけていなかったのはなぜなのか気になるところだ。こうなってしまえば、彼のローン獲得はクラブにとって非常に理にかなっているように見えるだけに。

これはもしかしたら後日、交渉の舞台裏が明かされるかもしれないので、それ待ちだが、ひとつ考えられるのはネルソンの交渉。

誰かウィンガーを連れてくるにはネルソンの放出が先だった。その可能性はある。正直、アーセナルのスクワッドデプスからすると、スターリングが来ても、ネルソンくらい置いておいて害はないように思えるが、この夏のアーセナルは、ESRとカラフィオーリ、ヴィエラとメリーノなど、ひとり放出してひとり買うみたいなことをやっている。チェルシーでは考えられないようなこと。そのわりには、エンケティアを放出して代替のFWは取っていないのが解せないが。

それと、もうひとつ可能性は、秘密裏にべつのターゲットに向かっていたとか。オーンステインは、この日のウィンドウクローズ間近のアーセナルの動きについて把握していなかったように、彼も全能ではない。もしかしたらエドゥは、Nico WilliamsやRaphinhaとこっそり交渉していたかもしれない。しらんけど。

答え合わせはそのうちあれば、またこのブログで紹介しよう。

ラヒーム・スターリングのプロファイルとキャリア

プロファイルは、いいか。みんなだいたい基本的なことは知ってるだろうし。なんならわたしよりあなたのほうが詳しい。左右のウィングでプレイできる170cm(小さい)。キングストン生まれのジャイメイカン・イングリッシュ。

くわしくはTMをご覧あれ。

彼のキャリアを俯瞰するに、PLで最初にブレイクしてきころの彼といえば、やっぱりリヴァプールの3Sみたいなやつを思い出す。スアレス、スタリッジ、スターリング。あの破壊力でなぜかタイトルを取れなかったリヴァプール。

そしてもちろんグアルディオラのチームで、アシスタントコーチであるミケルの薫陶を受けたシティ時代。この時代、一時MVが€160mまで高騰している(知らなかったびっくり)。それもこれもミケルのおかげ。今回の移籍の大きな動機にもなっただろう。このときの、シティの戦術的基礎はいまのアーセナルにも受け継がれているから、スターリングもいまのチームにはすんなり溶け込めそうである。

チェルシーに移籍してからの2年間は、最後はこうして戦力外になってしまうなど彼にとってはあまり期待したようなものではなかったはずで、だからこそ最大の理解者のひとりであるアルテタの下に来たがったのかもしれない。

今回の移籍で、彼も再生を誓っている。

あの素晴らしいファインフォームをもう一度。まだ29才なので老いてる年齢じゃない。

年齢によって心配されている性能低下については、云うほど顕著に悪くなってはいないようだ。むしろ全然いい。

たとえば、昨シーズンのスターリングは、PLのxG+xA(P90)で平均0.49を記録しているが、マルティネリは同スタットが0.48、その前年が0.46だったという。ネリはスタッツを観るといつも見た目より実際の生産性が高いと感じるが、それと同等かやや上くらいのアウトプットがある。

 

さて、スターリング。

ぼくは、つねづね彼のことは嫌な選手だと思っていた。だって彼が活躍してきたリヴァプール、シティ、チェルシーって全部アーセナルの敵だし。その中心選手となれば、ふつうに嫌いになるだろ。それに、やっぱり優秀なウィンガーで、いつも脅威ではあったから。彼は、もう10年以上もアーセナルと対戦してきている。

彼とアーセナルとの個人成績では、PL21試合で、W11 D4 L6。この間、G8 A1を記録している。アーセナル戦でプレイした試合の半分以上は彼が勝って、ゴールもそれなりの頻度で決めてきたわけだ。

いっぽうでは、とくにチェルシー時代(GAなし)の近年は、名前負けしていると思うようなことが多々あった。だから、これまで何度もアーセナル移籍の噂があっても、実現してほしくないなあとは思っていた。もう29才でキャリアのピークか、あるいはそれを過ぎていると思われているわけで。

しかし、今回のような状況と条件なら話はまったく違う。29才の彼と高給&長期契約するみたいなことではなく、なんなら今年一年で終われる関係。サカのバックアップを受け入れられる選手であり、一定以上のクオリティも期待できる。チーム事情に完全にフィットしていると思える。アルテタの下でさらなる進化を始めるようなら、それはすごいことだ。

だから、ぼくはこれからはスターリングの大ファンになるつもりである。彼のアーセナルのプレイも観ていないのに気が早いけど。でも、アーセナルに来たがっていたというだけで、評価100倍でしょう! これまでのことは全部許す!

 

ブライトンでベンチ入りくらいはあるだろうか。

 

おわり



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