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アーセナル2024夏の移籍ウィンドウまとめ

アーセナルが2024夏に放出した選手

今年のファーストチームの選手売却益は、€82.9m(およそ£70m)。この金額こそ過去最高でないものの、アカデミー出身の重要な選手を売却し大きな利益を得るという、ようやくアーセナルが売却ビジネスでも並のクラブになったともっぱらの評判。

以下、金額順。※移籍金はすべてTMより

  • Emile Smith Rowe to Fulham(€31.80m)
  • Eddie Nketiah to Crystal Palace(€29.70m)
  • Aaron Ramsdale to Southampton(€21.40m)
  • Mohamed Elneny to Al-Jazira Club(free transfer)
  • Arthur Okonkwo to Wrexham(free transfer)
  • Albert Sambi Lokonga to Sevilla(loan transfer)
  • Nuno Tavares to Lazio(loan transfer)
  • Karl Hein to Real Valladolid(loan transfer)
  • Fábio Vieira to FC Porto(loan transfer)
  • Reiss Nelson to Fulham(loan transfer)
  • Cédric Soares ※現在クラブなし

主要なアカデミー選手の移籍は以下。全然知らなかった案件もあるな。

  • Mika Biereth to Sturm Graz(€4.70m)
  • Brooke Norton-Cuffy to Genoa(€2.00m)
  • Charlie Patiño to to Deportivo de La Coruña(€1.20m)
  • Reuell Walters to Luton Town(free transfer)
  • Amario Cozier-Duberry to Brighton(free transfer)
  • Cătălin Cîrjan to FC Dinamo(free transfer)
  • Charles Sagoe Jr to Shrewsbury Town(loan transfer)
  • Jack Henry-Francis to Sligo Rovers(loan transfer)
  • Omar Rekik ※契約解除
  • Tyreece John-Jules ※契約満了
  • Kido Taylor-Hart ※契約満了

ノートン・カフィは、けっこう期待されてたのになあ。もちろんパティーノも。

アカデミー部門は、移籍金が発生していてもかなり金額が低いが、どれもセルオン(将来の移籍金%を得る権利)を含めた契約になっているようだ。とくに£1mで移籍したパティーノは一説によると50%のセルオンがあるということ。ラ・リーガでブレイクしようものなら、ウハウハである。

いままでありがとうエミール

この夏の移籍ウィンドウで、アーセナルファン界隈における最大の出来事はやっぱりESRの売却。全アーセナルファンが泣いた。むせび泣いた。

アーセナルアカデミーの期待のプロスペクトとして注目を浴びたのが、彼が17才のとき。あれからもう7年ものときがたち、その間終始ケガに苦しまされたここまでのキャリアながら、ファーストチームでブレイクしたり、イングランド代表に招集されたり、アーセナルでNo.10シャツをもらったりと、いろいろなことがあった。ファンにはたいそう愛された。

サカとともに、彼のアーセナルでの将来を期待しなかったアーセナルファンはいなかったと思うが、しかしながら、彼がケガをしているあいだにチームはどんどん進化し、戻ってきたときにはチームに彼の居場所がなくなってしまっていたことも事実だった。せっかく手術してケガの憂いはなくなったというのに残酷なものだ。

この夏は彼にとり、このままアーセナルでベンチウォーマーとしてまた一年くすぶるか、あるいは心機一転移籍するかの二択だった。アーセナルも彼を積極的に売却しようとはしていなかったと云われる。今回、フラムがクラブ記録というあれだけの好条件でオファーをしたことは、彼の決心に大きな後押しになったに違いない。

ここまでのフラムでのESRは好調なようで、彼がはつらつとプレイする姿を見るのは、うれしくもありさびしくもあり。レノやイウォビがいるチームに、今度はネルソンまで加わることになり、彼らのアーセナル濃度はますます高まっている。ぜひ、彼らがアーセナルのライバルチームの足を引っ張ってくれたら幸いである。

エンケティアとネルソン、アカデミー選手でビジネスすること

このふたりもついに行った。ユースレヴェルでは、ふたりともそれこそ神童のように活躍をしていたけれど、トップレヴェルではここまでだいぶ苦しんだ。

前にもどこかで書いたように、彼らはぼくがこのブログを始めたころにちょうど台頭してきたユースタレントで、なんだか思い入れがあったのだ。とくに、エディはなんだかあまりファンには人気がなかったが(ESRと比べると顕著)、ぼくはそういう理由もあってずっと彼らを応援していた。だから、結局彼らがアーセナルで大成できなかったことはちょっと悔しい思いがある。

こういう話の流れから、こういうことを書くのはアレだけど、今回移籍が決まったエンケティアについて「もともとパレスの選手っぽかった」と云ってるひとがいて、すごく笑ってしまった。パレスっぽい(笑)。たしかにな。

今回、ESRとエディ、ふたりの移籍金をあわせて稼いだ金はおよそ€60m。これはけっこうな金額になった。とくにESRはアドオンを考えると、アーセナルのこれまでの記録であるチェンバレン(€38m)に匹敵するという。

ユース選手の売却ビジネスでは、チェルシーがかなり先行しているイメージがあるが、アーセナルもやっとそれで資金を稼げるようになってきたのかもしれない。ESR、エディ、ネルソンのアカデミー出身の3人を同時に整理するとは、だいぶ思い切ったクラブの決断だったと思う。だが、チェルシーなどはそういうことを戦略としてやっている。ファーストチームで使うつもりもないユース選手を大量に青田買いしてローンに出し、そのなかから何人か活躍すれば売却し、十分ペイするみたいなビジネス。

ぼくは、アーセナルにそういう選手を商品みたいに扱う下品なやりかたは真似してほしくはないが、選手にときに冷酷にならなければいけないという点では見習うところはあると思う。

 

アーセナルの2024夏ウィンドウについて雑感

さて、今年の夏は、アーセナルにとってはライスが来た去年や、ジェズースとジンチェンコが来た一昨年ほどは思い通りにはいかなかっただろう。

早々にBenjamin Seskoを逃したのは痛かった。それと、Nico Williamsも。後者は可能性はだいぶ低かったとはいえ、彼らはこの夏のわれらのトップターゲットだったと云われている。

MFも、満点の補強とは云いがたいように思える。年齢などのプロファイルからしても、最初からメリーノがアーセナルの重要なターゲットだったとは考えにくい。ライスは8に定着してきたのに、パーティやジョルジーニョの代替6は取れず。パーティは残り契約1年で売りたかったはずが結局売れなかった。1月に売らなければ、来年夏にフリーエイジェント。

ただ、この夏はアーセナルのチームにふさわしい、アルテタがほしがるような、それでいて獲得可能なターゲットが市場にいなかったというのも事実なのかもしれない。Bruno GのようなMFに、2年連続で£100m以上ぶっこむようなことはできなかった。

もうひとつ、満足な補強ができなかったエリアはGKで、セカンドGKはメインターゲットを逃し、プランBに行くことを強いられ、またサードGKは代替を取ること自体に失敗した。セカンドはともかく、サードはやはりセットフォードが務めるのか。わざわざシニアのサードを探していたということは、彼がサードを務めねばならない状況は理想的ではなさそうだが。

アルテタは「アーロンとカールの代替は取る」と述べていたので、それができなかった以上、GKには問題が残った。

今年の補強からなにかわかりやすい傾向を読み取ることはできるだろうか。

カラフィオーリとメリーノが来たことで、今年もさらにチームのフィジカル化を進めようというスクワッドビルディングの方針は観えた気はする。

これが偶然ではないと思われるのは、なぜならこの夏は同時にヴィエラやパティーノのようなMFがチームを去っているから。彼らは、とくにフィジカリティに難ありの選手たちで、どんな才能があっても、まずはPLの肉弾戦に勝てなければ生き残れないという厳しい現実を突きつけられたかたちにも見える。

アーセナルはローン含めてこの夏に11人を放出、いっぽう獲得はラヤを含めて5人にとどまった。アルテタは、つねづねスクワッドに人数が足りないと述べているが、逆にさらに減ってしまった。もちろん、放出したのはほどんどはレギュラー以外の、アルテタが信頼していなかった、あるは前年もローンでいなかった選手であるため、見た目の人数ほど大きな影響はない。

だが、今年はCLの新フォーマットもあり、どのトロフィも狙っていくと公言しているようなシーズンでどうしても試合数も増える。安心してシーズンを過ごすには、むしろ今年こそ、もっと余裕あるスクワッドであるべきだったかもしれない。

メリーノがいきなりケガをして、ライスもプレイできないつぎのNLDでは、いきなりスクワッドデプスの不安が露呈している。

すでにウィンドウは閉じてしまったので、もちろん後戻りはできないが、このあとさらなるケガ人が出るなどして、今回のやや楽観的にみえる移籍ウィンドウを後悔するようなことがないことを祈るばかり。

 

※追記:トロサールにサウジクラブがオファー

この件を書くのをすっかり忘れてた。

サウジクラブのAl Ittihadが、UKのデッドラインが終わったあと?トロサールにオファーをしたという。サウジは移籍ウィンドウがまだ開いている。彼らのオファーは、ロマーノは総額で€35m、オースティンは€5mローン+€20-25mの買取義務と報じている。当然お断り。

こんなギリギリのスクワッド状況で、よりによってトロサールのような選手を売るわけがないでしょうに。すでにウィンドウは閉じていて代替も取れないのだし。このばかちんが。

 

おわり



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One Commnet on “アーセナル2024夏の移籍ウィンドウまとめ

  1. チェンさんもこのエントリ内で言うとりますけど、スターリングが10番まで望まないことを祈る。切に。

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