ライスに2枚めのイエローが提示されたときは、さすがに頭まっしろになったな。理解できなくて、なにかの間違いにしか思えなかった。
しかし、一度下されたレフリーの判定は覆らず。
その後、1-0のリードはあっさり追いつかれ、1-1で試合終了。あれだけ攻められながら、10人で1失点におさえたことや試合に敗けなかったことは褒められるべきかもしれないが、試合前に望んでいたような内容と結果には程遠い。NLDに向けてはずみをつけるどころか、まるで悪夢みたいな試合後の気分であった。
Arsenal 1-1 Brighton: Declan Rice sent off as Gunners held at home
アルテタの試合後コメント「(判定の一貫性のなさに)とてもとてもとても驚いた」
試合直後のアルテタのインタヴュー@Arsenal Media。AFC公式サイトより。
アルテタ:われわれはとてもよく試合を始めた。3つか4つのビッグチャンスをつくったが、残念ながらどれもゴールできず。そしてそのあといくつか問題ある時間になった。とくに、ボールを奪ってから相手にボールを渡してしまったこと。だが、とてもいいゴールも決めた。
試合はこちらが優勢に戦っていたし、後半もとてもいいスタートだった。そして、そのときにレフリーが下した判断、あれがあきらかに試合の流れを変えた。その後もチームは素晴らしく反応をして、観客も素晴らしい反応をしてくれた。われわれが試合に勝つべきだった。
(レフリーの判定)われわれは状況に適応する必要はあったが、それは非常に不安定だったと思う。彼が下したひとつの判定はあのカードだが、もう1枚については完全に逸していた。われわれは10人と10人でプレイすべきだった。
(10人で追いつきそうになった)あれはそういうセットアップだ。攻撃脅威が限定されるなか解決策を見つけようとした。相手はとてもよいチームで、だからこのレヴェルで47分間を10人でプレイするのは非常にトリッキーだった。しかし、わたしはチームはとてもよくやっていたと思う。勝てなかったのは不運だ。
これから、われわれが考えねばならないのは、この数試合で自分たちがやったことについてだ。つぎのサイクルに向けて準備を始め、全員が代表義務からケガせず帰ってくること。そしてつぎのことに備える。
アルテタは、べつの試合後インタビューでは、ライスの事案についてレフリーから説明はあったかと問われ「ない。いつもどおり」と、不満をあらわにしていた。
試合後の記者会見。AFC公式サイトより。
(試合について……)
アルテタ:とても感情的になる午後だった。われわれは試合をとてもよく始めて、ゴールしなかったが3-4のチャンスもつくった。その後、いくらか問題が出て、とくにボールを持ったときに支配的にならなかった点。
そのあとに、相手より優勢な時間にとてもいいゴールも決めた。HTに入って、そのあと後半もわれわれはとても力強かった。
そしてレフリーが試合の流れを変える決断をする。10人になっても、チームは信じられないほどの反応を見せた。ステディアムもそう。こちらが勝つべき試合だった。
(デクラン・ライスのレッドカード……)
“I WAS AMAZED, AMAZED, AMAZED!” 😡
Mikel Arteta makes his feelings clear after Declan Rice’s controversial red card 😤
🔗 https://t.co/U1msgfWN1J pic.twitter.com/l19q2WdRLO
— Hayters TV (@HaytersTV) August 31, 2024
びっくりした(I was amazed)。とてもとてもとても驚いた。判定がこんなにも不安定になれるものかと。前半、ふたつの事案があったが何も起きなかった。
そして、とくに重要なエリアでもないところで、ボールがデクランに当たり、彼は振り返って、選手がやってくるのも観ずにボールに触れた。
ルールでは、そういう判定をされることもあるだろう、しかし、ルールに従うなら彼はつぎの判定もする必要があり、それはレッドカードだ。10人対10人になる。これは、わたしには驚きだった。このレヴェルでこれはまったくびっくり。
(ライスとは話した?……)
イエス。当然彼のリアクションもあった。いずれにせよ、わたしはこれを繰り返す。ルールに従えば、(レフは)それをしたくなる。だが、前半にはそれをしなかった。だから、われわれは11人対10人でのプレイを強いられた。シンプルなこと。
(終盤にふたつのチャンスをミス……)
それはたしかに。あの時間帯、われわれがいかに試合の感情的な部分をコントロールしたか。とても難しいことだった。チームは反応し、大いに規律を見せた。
われわれは、自分たちのやるべきことに適応し、ホームで10人でプレイした。長時間深く守ることはしたくなかった。
われわれは、自分たちのすべきプレイでプレイしたのだから、それは報われるべきだった。
(NLDでライス不在……)
そうなってしまったということ。われわれには、そこを埋められるほかの選手がいるし、それは誰かのチャンスになる。
(スターリングの準備を早める必要……)
イエス。彼と話して様子も観ていく必要がある。いまの状態や、どう考えているか。われわれは、できるだけ早く彼を使えるようにしなければならないし、彼に望むもの、チームのダイナミクスを理解する必要がある。われわれは、この時間をできる限りそれに使うつもりだ。
(わたしたちは判定の不安定さをどう進歩させられる?……)
知らない。それはわれわれの手中にはない。
(ジュリアン・ティンバー?……)
彼は問題ない。足がつっただけだと思う。彼は前半に足を蹴られて、けいれんしていた。だから彼を下げねばならなかった。
短い。余計なことを云うとトラブルになるからな。
デクラン・ライスの試合後コメント「それが試合のルール」
カード2枚で退場。OMG。試合後のインタビュー。AFC公式サイトより。
(試合について……)
ライス:1-0でリードになったときは、ぼくらにちょっと勢いが出た。とくにその15分。1-0はとてもよいので、ぼくらは後半にそこからさらに築いていきたかった。
もちろん、判定が試合の流れを変えた。あれはタフだった。でも、みんなが後半素晴らしくやってくれて、ファンといっしょにファイトしてくれた。そして結局最後には、1ポイントを取ることができた。とても調子のよいチーム相手にとてもいいポイントだった。
(判定について……)
ショックだった。そのときのぼくの表情は観たかもしれないけど。彼はあきらかにやりすぎだった…… ぼくは相手の前に急いで立ちふさがったわけでも、ボールを蹴り飛ばしたわけでもない。自分の足の外側でボールに触っただけだ。
でもほら、これが試合のルールなんだ。もしボールに触わったら、それがほんのちょっとでも、それでレッドカード。前半にぼくは50/50を勝てずに受けたカードは完全に受け入れるから。
しかし後半のやつは、とくにそれはコーナーフラッグのあたりでのことで、彼らはどうやってもそこから試合を進めることはできなかった。
あれはタフだよ。厳しい。だが、それもそうしたことのひとつだ。ぼくはそこから先へ進まないと。ぼくはもっとうまくやれるし、選手たちがぼくのためにがんばってくれたことを褒めるしかない。マネジャーもみんなをプッシュしてくれた。この日のファンもすごかった。それがぼくの見方だ。
(チームのリアクションと終盤のチャンス……)
そうだね、ぼくも内側から試合を観ていて、あのふたつのビッグチャンスが来たときはシートから立ち上がってしまった。もちろん、ダヴィドもまたビッグセイヴをやってくれた。
あのふたつのビッグチャンスは、べつの日なら入っていたかもしれない。でもあの状況からああいうチャンスをつくったこと、ピッチの端から端まで行っていることは、みんなの渇望を示している。
毎試合で勝ちたいから1-1で終わったのは理想的ではないが、10人で50分をプレイした状況からすれば、ぼくは力強い1ポイントだと思う。
ぼくらは、これからもファイトとバトルをつづけていく。まだシーズンが始まって3週間に過ぎないし、これからも間違いなく正しい方向に向かっていく。
(今回の件を忘れて前進すること……)
たぶん、これはぼくのキャリアで初の退場だ。だから、自分のやったことをチームメイトたち、ファンたちに謝りたい。
退場になっていいことなんてない。罪の意識にさいなまれる。ぼくらがラッキーだったのは、チームメイトたちがぼくをほんとうに助けてくれたこと。試合に敗けなかった。
ぼくはここから学ぶ。いつもどおりのファンの応援にもほんとうに感謝する。レッドカードはぼくの性分じゃないし、だからそこから学ぶよ。どこまでよくなれるか、戻ってこれるか、自分でも自分を観ていくつもりだ。
ぼくもほかの選手も、みんなでひとつのことに向かって努力をしていくことは間違いない。それが成功につながる。これからもタフだろうけど、つづけていく。より力強くなって戻って来る。インターナショナルブレイクから戻れば、タフな試合が待っていることもわかっている。準備をしていく。
これからも応援してください。素晴らしい応援こそ、ぼくらに必要なものだから。
ライスはPLで245試合にして、これがキャリア初のレッドカードという。彼の守備的な役割、プレイスタイルでそれがありえるだろうか。つまり彼が、役割に似合わないような、そういうクリーンな選手だということ。だからBizarreなんだよ。
1 – In his 245th Premier League appearance, Declan Rice has been shown a red card in the competition for the first time. Bizarre. #ARSBHA pic.twitter.com/3zGy3erdxJ
— OptaJoe (@OptaJoe) August 31, 2024
ブカヨ・サカの試合後コメント「レフリーに望むのは一貫性だけ」
アシスト1。10人になってからも惜しいチャンスがいくつか。AFC公式サイトより。
サカ:(PLで3試合連続アシスト)もちろん、そこは誇れるところ。でも、勝てなかったから喜ぶのはちょっと難しい。
ぼくは、試合はぼくらの手中にあったと思う。そして、大きな判定で試合が完全にひっくり返った。そして最後までファイトしがんばらねばならなくなった。最後には1ポイント取れたけど、同時にやっぱりくやしい。
(10人になったあと)最初はちょっと難しかったけど、一度慣れれば、あとはよく守った。最後にはいくつかのチャンスもつくったし、勝つこともできた。みんなの大きな功績。ハードに戦って、1ポイントを得た。先へ進もう。
サカの試合後コメントでは、こちらのほうが話題になっている。BBC Sportの試合後インタビュー。
(ライスに2枚めのカード)あれは、ぼくらにはちょっと厳しかったと思う。ぼくらが望むのは、一貫してるってことだけ。Joao Pedroは、前半にボールをピッチ半分蹴り飛ばしたけど何も起きなかった。そしてデクは、ちょっと触れただけで退場。
それはそれとして、ぼくは試合全体をレフリーのせいにしたいわけじゃない。ぼくらにはそれでも試合に勝つチャンスもあった。これはいいスタートだ。今日はがっかりしたけど、長いシーズンだから。
Fabian Hurzelerの試合後コメント「ふたつの状況は比べられない」
ライスの判定は支持で、Pedroの件はそれとは比べられないと擁護の二枚舌。「ちょっとした幸運があった」くらい云って、あとは黙ってればいいのに、火に油を注ぐようなことを云うから。これでアーセナルファンのパブリックエナミーになった。
“It’s a CLEAR red card.. Rice is WASTING TIME!” 😳
“You cannot COMPARE the situation with Joao Pedro!” 👀
Brighton boss Fabian Hurzeler was having NONE of Mikel Arteta and Arsenal’s complaints 😬
🔗 https://t.co/hegHySpkJB pic.twitter.com/qSpdLedyI3
— Hayters TV (@HaytersTV) August 31, 2024
こいつがこんなことを云ってられるのは、PLに来たばかりの今だけという声もある。
なぜなら、だいたいどのチームもPLのレフェリングには、いずれ痛い目を見る運命だから。よい例が、ToTのアンジ。彼はPLに来た当初「自分はレフに文句など云ったことがない」とうそぶいていたが、実際その後はレフリーを厳しく批判するようになった。どのマネジャーにもそういう変節が訪れる。
彼が、PGMOLの洗礼を受けるそのときを楽しみにしとこうか。
まさに後味の悪い試合で嫌な週末を過ごしました。代表明けはスカッと勝って欲しいものです