ToTについて
今シーズンのトッテンハムは、スタートからの3試合でDWL(レスターA、エヴァトンH、ニューカッスルA)と安定しない様子。暫定テーブルで13位。昨シーズンから数えて、PL直近10試合で6敗しているという(W3 D1 L6)。
いずれにせよ、彼らにとってはあまりよろしくないシーズンのスタートとなっているため、今回の試合はタイトルを狙うアーセナルとはまた違った意味で、彼らもまた必ず結果を出せねばならない試合となっている。
ノースロンドンにおける両者の熾烈なライヴァル関係は不変なれど、ここ数年で、アーセナルと彼らのお互いのクラブとしての趨勢を見ればその差は歴然としている。彼らは明らかにCLファイナルまで到達したシーズンが勢いのピークで、去年は大エースのKaneが去り、現在はまた過渡期にあるように見える。
いっぽうアーセナルは近年しばらくつづいた停滞した年月を過去のものとし、2シーズン連続でPL2位フィニッシュ、CLにも復帰。その勢いがいまも継続している。ToTがホームのNLDは、現在アーセナルの2連勝中。現時点での居場所には、かなり違いがある。
まあ、そんな状況や背景はなんの関係もないのが、このNLDであるのだが。
スパッズの夏のメジャーなサインは、もちろんDominic Solanke。ドミニク・ソランキ。アーセナルとも一時噂になったストライカーを、ToTがボーンマスからおよそ£54mの巨額でお買い上げ。PLではまだ1試合しかプレイしておらず、GもAもない。ようやくKaneの代替9を見つけ、エースのSonをウィングに戻せたのは、彼らには悪くないことだろう。
この夏、彼らは、ほかにも18才のCMや19才のLWを大きな金額で勝っている。
チームニュース
Richarlisonがアウト。
IB中に負傷したYves Bissoumaがダウト。
ニューカッスルでプレイできなかったDominic Solanke、Micky van de Venは、この試合でのプレイが疑われたものの、ボスコメントによるとふたりともフィット。
キープレイヤーズ
Richarlisonがアウトながら、フロントラインは危険な選手が揃っている。Heung-Min(G2)、Maddison(A2)、Kulusevski(A1)。
Head to head
ToTはアーセナルとのPL直近6試合で、W1 D1 L4。
場所をToTホームだけに限ると、PL直近6試合では、ToTのW3 D1 L2。この2敗(アーセナルの2勝)は、22/23、23/24の直近2シーズンのもの。
ところでアーセナルにはアウェイ記録もかかる。アーセナルは現在PLのアウェイ試合直近10試合で9勝と絶好調。この試合に勝つと、アウェイ5連勝でアルテタのクラブ記録に並ぶ。
Ange Postecogluの試合前コメント「この2年間のアーセナルは際立っている」
ToTボスの試合前コメント。
Postecoglu:結果は遅かれ早かれやってくる。われわれは、自分たちのアプローチに一貫性を保たせねばならない。この3試合もすべてわれわれが支配した。結果は出なかったが、これを38試合つづければ、きっといいポジションにいけるはず。これを継続し、自分たちのゲイムの重要な要素に集中をつづけることだ。
(今年はアーセナルに挑戦できる?)とくにアーセナルにだけということではないが、われわれはどんな相手にも挑戦できるクラブでありたいと思っている。
それが目標としているものだ。そのためにある一定のレヴェルで安定してパフォームできる必要があり、それができる十分に強いスクワッドでなければならない。
パフォーマンスの観点からは、われわれは正しく力強くシーズンを始めた。結果はそれを反映していない。だが、わたしはチームは去年からさらにプッシュした場所にいると思うし、すべてのエリアで進歩していると思う。
もし、われわれにそれができるなら、去年は挑戦的な位置にかなり近づいていたのだから、今年もそれができない理由はない。
(ダービーについて)どんなダービーも多少の違いはあるものだ。このふたつのクラブには、かなりインテンスなものがあるとわかるだろう。
地理的には街の同じ部分にいて、同じ土地を守っていて、ちょっとしたギリギリの場所もある。
毎年どちらでの試合も非常におもしろいものだ。われわれは、彼らの場所でいいプレイをして、彼らと互角だった。ここでは、前半にわれわれはやられ、後半に取り返そうとした。たくさんのゴールがあり、興奮した。
これがサポーターとクラブにとってどんな意味があるのか、われわれもわかっている。
しかし、われわれにとって重要なことはそこへ出ていきパフォームしなければならないということ。自分たちのフットボールをプレイし、いいプレイをする。なぜなら、ライヴァリーとは関係なく彼らはトップチームであり、そうであればそれはやらねばならないからだ。
(アーセナルとの試合はなぜこれほどタフになった?)メンタリティとアプローチに一貫性がある。この2年間はとくに、彼らは本物の無慈悲さを身につけている。
彼らはチームをあまり変えておらず、ソリッドなコアがある。それがこの2年間を通して彼らをそこまで連れて行った。信念がもたらされた。
どの試合でも、彼らは自分たちが勝てるみたいに感じているのだろう。彼らはいまやPLのシーズンを通して挑戦できると、自分たちに自信を持っている。
それがシーズンからシーズンへの勢いを築く…… 彼らのこの2年間は総合的にもずっと際立っている。彼らの殻を破るのはタフだろう。だが、今回はそれをやる素晴らしい機会だ。
(ダービーでのファンの期待を緩和させる必要がある?)そんなふうに考えたことはないし、どんな試合でも人々の期待をどうにかしようなんてことは考えるのも嫌だ。
そうではなく、自分たちのやることはなにか?ということだ。われわれはどの試合も支配することを望んでいく。勝利し、いいプレイをする。このゲイムについて愛すことをすべてやる。
なにかに恐れながらステディアムに入るべきとか、不安を抱きながらとか、成功を夢見ることを恐れるようなことはわたしは考えない。かつてそうしたこともないし、これからもそうしないだろう。なぜなら、それはわたしのコーチのやりかたでも、わたしの人生の生き方でもないから。
どの試合も、なにか特別なことを行える機会なのだ。
このひと、去年のマンシティのときに、わざと敗けるよう願ったファンのネジ曲がった性根やクラブの文化・基礎のなさを痛烈批判してから、彼らと関係は悪くならなかったんだろうか。まあ正論しか云ってないから、あれに反論するのも難しいだろうけども。
それにしても、ぼくはこのひとのことはけっこう好きだね。こうしてコメントを読んでいても、愛すべき人物という気がする。コーチとしても優秀だし、早くもっといいクラブに行けばいいのに。
トトナムの戦術について by エイドリアン・クラーク
AFC公式サイトの試合プレビュー記事より。
AC:今シーズンここまでのトトナムのパフォーマンスレヴェルは、結果よりもいいものだった。68.9%という平均ポゼッションでボールを支配し、相手を後ろに釘付け、何度もチャンスをつくる。PLで彼らよりショッツ(48。シティ、リヴァプールと同じ)が多いのは、ノッティンガム・フォレストだけで、SoTも素晴らしい数字を記録している。
戦術的な観点からは、アーセナルは彼らがベン・ホワイトを2 v 1でオーヴァーロードしてくることを気をつけねばならない。MaddisonがNo.10ポジションから左へ寄り、ワイドから素晴らしいボールを供給する。
逆サイドでは、RBのPedro Porroからのクロスは、オープンプレイで彼よりそれを成功させたものはいない。
もしアーセナルが彼らの弱点を突くとしたら、そこにはふたつの可能性あるエリアがある。
ひとつは、セットピース。GKのGuglielmo Vicarioには特段の支配的存在感はない。混雑した6ヤードボックスにインスウィンガーのボールが放り込まれたとき、このイタリア人は不安定になる。
それと、Postecoglouの有名なハイラインは、もうひとつの戦略としてターゲットにできるかもしれない。今シーズン序盤でも、ハヴァーツの動きはとても素晴らしい。サカ、スターリング、マルティネリ、そしてトロサールも、全員がラストDFの裏へのランを好む。
もし、ジョルジーニョが起用されるなら、彼はスルーボールで相手をオープンにさせようとするはず。彼は、スペイスへ正確なパスを通すマスターである。