リヴァプールについて
現在8試合を消化して21ポインツ。まだ1試合しかポインツを落としていない。もっとも、その試合には敗けている。
リーグテーブルでは、昨日一足早くMD9をプレイしたシティにトップの座を奪われて、現在は暫定の2位。同じく4位のアーセナルとは4ポインツ差がある。
この試合、とかくアーセナルのチームの危機的状況が注目されがちであるが、リヴァプールもAlissonやJotaといった重要な選手を欠いている。
今年Kloppからチームを引き継いだArne Slot(46)が高評価。アルテタは「もともと強かったチームを引き継いだ」と述べているが、それでもダメにしてしまうコーチはいるし、ビッグクラブのコーチの仕事が簡単なはずはないので、やはり優秀なコーチなのだろう。
チームのエースは相変わらずのMo Salah。今シーズンここまでPLでG5 A5と好調を維持している。すでに32才ということもあり移籍の噂も絶えないが、なんだかんだ彼らは彼がいないとまだ困りそうである。
もうひとりのエースはもちろんVVD。彼らはPLの8試合でまだ3失点しかしておらず、すべての試合でプレイし鉄壁の守備に貢献している。
あとはスター選手という意味ではTAA? このひとフルバックとして初のバロンドールを取りたいと云っている。志たかし。
それと、ぼくは名前すら知らなかったのだが、昨日Sky SportsのYT動画を観ていたらリヴァプールのファン目線では、Ryan GravenberchというCMがかなりの高評価だそうで。オランダ代表の22才。現在のチームの守備の安定も彼の貢献が大きいという。ちょっとだけ注意して観てみよう。
この夏の移籍活動は、リヴァプールはシティと同じように非常に消極的だった。彼らの目立った補強はユーヴェから取ったFederico Chiesa(€12m)くらいで、基本的には去年と同じスクワッドを軸にしている。シーズン開始前の評判はさほど高くなかったものの、それも安定した結果を出している理由かもしれない。
リヴァプールの序盤フィクスチャは楽だった? これからはタフに
リヴァプールのここまでの好調について、今シーズンの序盤の彼らのフィクスチャスケジュールがかなりイージーだったという説がいわれがち。実際はどうだったか確認しよう。
下の表は、PL公式サイトからの情報である(Fantasy PLのFDR=Fixture Difficulty Ratings)。シーズン前半GW19までの対戦相手の強さを5段階で評価したもの。※強さはアルゴリズムで決定
ちょっと見づらい表だが、LIVのMD8までを見るに、2が5試合、3が3試合という評価。難しさ4や5がひとつもない。今回のARSは、彼らにとって今シーズン初めてのもっともタフな5の試合である。
ちなみに、シーズン開始当初にさんざん云われていたように、MD5までのアーセナルは、2が2試合、4が2試合、5が1試合と、20チーム中でもっともタフなスケジュールだった。そして、同期間ではリヴァプールがもっともイージー。
したがって、彼らのここまでの好調さは、フィクスチャ由来の部分も無視はできないといえそうである。リヴァプールとしてはここで敗けるようなら、そうした言説を裏付けることになりかねず。
そして、今後のリヴァプールは、今回のアーセナルからは短期間の試合のなかで、一転してかなりタフな相手が含まれる。アーセナル、レヴァークーゼン、ヴィラ、レアル・マドリッド、マンシティ、ニューカッスル、そしてマージーサイドのダービー。
彼らにとっても今回の試合はビッグテストであり、またその始まりなのである。
フォーム
PLはここまで8試合で敗けは9月なかばのPLノッティンガム・フォレスト(H)のみ。あとは全勝。PL以外もすべて勝っている。
特筆すべきは、やはり失点の少なさであり、PL8試合で3失点(CSが5)、CL3試合でも1失点(CSが2)。驚くべきクリンシート率。
彼らの持ち味というべき攻撃力は、PLでここまでのG15は、アーセナルと同じ。ただし、xGテーブルではトップだったりするので(※昨日シティに抜かれた)、それだけチャンスをゴールにコンヴァートできていない。
またxGAも現時点でリーグベストの値ながら、実際の失点よりは多くのチャンスを相手につくらせている(4以上多い)。
チームニュース
Harvey Elliott、Alisson Becker、Federico Chiesa、Conor Bradley、Diogo Jotaがアウト。
Jotaについては、最近までダウトと云われていたが、昨日、彼はロンドンへの遠征スクワッドに含まれないというニュースがあった。
Head to head
この夏のフレンドリーやFAカップなどの試合を除いてPLに限定すると、アーセナルはリヴァプールとの直近6試合で、W2 D2 L2。この4試合で敗けていない(W2 D2)。
ちなみに、この4試合でアーセナルが得たポインツ(8)は、その前の14試合で得たポインツ(7)よりも多い。
エミレーツでは2連勝中。
アーセナルが最後にPLでリヴァプールに敗けたのは2022年3月のエミレーツ。
リヴァプールの戦術について by エイドリアン・クラーク
AC:リヴァプールの新ヘッドコーチArne Slotは、Jurgen Kloppの下でチームがプレイしていたやりかたに、ちょっとした戦術的調整のみしか加えないことで、非常に素晴らしいスタートをした。
彼は、リヴァプールが長らくやっていて4-3-3よりも4-2-3-1を好み、この変更が彼らに大いに安定をもたらすことになった。
彼らのプレスのやりかたも、このオランダ人が来てから変わっている。
いまや、彼らのメインストライカーとNo.10(たいていはDominik Szoboszlai)が、ペアで相手CBに詰めてゆく。以前彼らはひとりは放置していた。あるいは、そのデュオはCMにスクリーンプレスをしかける。そして、彼らのワイドFWが相手のフルバックに向かう。
またリヴァプールは以前よりも、よりボールに我慢づよくなった。いまも素早いカウンターは大いに脅威であるものの、2024のリヴァプールは、当然のように急いで攻撃したりはしない。60.3%という平均ポゼッションで、彼らは喜んでボールを持とうとする。彼らよりもビルドアップアタックが多いのはマンシティだけである。
もうひとつの変化は、Trent Alexander-Arnoldがライトバックからそうしているように、彼らのレフトバックもCMにインヴァートするようになったこと。Kloppのときよりも、彼らはもっと責任を共有するようになった。
Slotは、インスウィンガーのコーナーもやるようにもなった。ここまでの数シーズンでは、彼らはアウトスウィンガーを使ってVirgil van Dijkに放り込んでいたが、いま彼らのセットプレイはより多彩になった。
Arne Slotの試合前コメント「アーセナルは競争相手のひとつになる」
Slot:これが競争相手からポインツを得る試合だということは、全員がわかっている。まだこの早い時期に競争相手が誰になるか、誰が最大の競争相手になるかなどわかるはずもないが、アーセナルがそのひとつになるであろうことはみんなわかっていると思う。
したがって、彼ら相手にポインツを落とすか、あるいはポインツを勝ち取るか、どちらもつねに重要である。
昨シーズンのわれわれは、アーセナルとシティとの4試合で3つのドロウと1つの敗けだった。だから、単純な計算をすれば、もしリヴァプールがその3試合で勝っていたら、リーグテーブルはちょっと変わっていたと思う。
アーセナルやシティとのアウェイ試合に勝つのは難しいし、ほかのチームでもそう。しかし、そこはわれわれがこの日曜に間違いなくトライすることだ。