試合について
アーセナルのファースト11
SofaScoreより。
4-3-3
トロサール、ハヴァーツ、サカ
ライス、ジョルジーニョ、オーデガード
ティンバー、キヴィオール、サリバ、パーティ
ラヤ
サブは、マルティネリ(60 トロサール)、メリーノ(74 ジョルジーニョ)、ジェズース(74 ハヴァーツ)、ワニエリ(79 オーデガード)
ビッグガビとカラフィオーリ、さらにジンチェンコまでアウト。そのおかげで、今回のバック4は、今シーズン9回めのあらたなバックラインだという。なんてこった。
ガブリエルとカラフィオーリは予想できたとはいえ、そのタイミングでジンチェンコまでケガをするとは。持ってない。
結局、ティンバーをLBに戻し、パーティをRBに、DMにはジョルジーニョを入れることに。ジョルジーニョは悪くなかったが、パーティはやはりRBよりCMのほうが働きがいいのは、今回もあらためて感じた。ワイドエリアは彼のような選手には窮屈。
試合がああなってしまえば、MLSをLBに抜擢して、ティンバーのRBとパーティのCMを維持できなかったのかと思わないでもない。
今回、KTは復帰しているもののジンチェンコがアウトで、またしてもLB危機の到来となっている。
夏にカラフィオーリを獲得したときは「フルバック取りすぎ」と云われたものだが、結局こんなにもやりくりに苦労しているので、全然必要だった。というか、ジンチェンコ、トミヤス、KTとFBにavailabilityを信用できない選手が多すぎる。カラフィオーリもそこに加わらないことを祈るばかり。
今回の結果で、試合後は攻撃方面に批判の矛先が向いている感があるが、このように守備が危機にさらされているチームだったことも忘れちゃならないと思う。
サブについては、あの試合展開で概ね妥当な判断と思われるが、あそこでハヴァーツとオーデガードをジェズースとワニエリに変えたことは、ちょっと裏目に出たかもしれない。ふたりともタッチも少なく(それぞれ8と5)、まるで空気みたいだった。とくにどうしても1点を取りたい試合で、終盤セットプレイもあるのにハヴァーツを下げたこと。彼を下げること自体がアルテタにしてはちょっと珍しいので、それは思い切った判断だったが、せっかくの判断は報われなかったのだった。またジェズースの信頼度が下がる音がする。
フラムのスターティングには、アダマ・トラオレが含まれていた。サリバとレスリングしたり、彼はやっぱりおもしろかったな。そして、相変わらず意思決定が致命的にないという。局面で判断を間違える。フィジカリティA、スキルA、スピードA、デシジョンメイキングDみたいな極端アビリティ。それじゃあトッププレイヤーにはなれない。
マッチスタッツ
Sky Sportsより。
この試合を評して概ねアーセナルが支配したというのは間違いではないが、相手に許された支配とはそもそもなんだろうと思う。フラムは、ボールを持たれてもうろたえている様子はまったくなく、ああいう試合展開も想定内みたいに観えた。むしろ、オウンハーフに全員集めてボールを奪ったらアダマを裏のスペイスへ走らせるみたいな戦略。かけっこなら負けないひと。
10分に彼らが先にゴールを決めたのは出来過ぎだったが、それがなくとも、失点するまではあれで構わなかったんだろう。アーセナルは、80%以上ボールを持ってた時間帯だってあった。試合後のMarco Silvaの反応を見るに、彼らはアーセナルに1ポインツでも十分満足だった。
攻撃モメンタムのチャートでもほぼ一方的。
しかしながら、アーセナルはこれだけボールを持って支配的にプレイしたかに観えても、有効な攻撃は繰り出せず。セットピース以外(オープンプレイ)では、アーセナルのxGは0.3に過ぎなかった。
Without set pieces:
Fulham (0.11) 1-0 (0.30) Arsenal
— The xG Philosophy (@xGPhilosophy) December 8, 2024
Opta AnalystによるxGは、0.16 v 2.03。以下グラフィックはSky Sports
Arsenal have created an open play expected goal in one of their last eight Premier League matches. Across the season as a whole it’s three of 15. They rank 13th in the Premier League for open play xG.
— James Benge (@jamesbenge) December 8, 2024
「今シーズンのアーセナルのオープンプレイxGはリーグ13位」。これはレッドカードで10人でプレイしたり、けが人もあったりのシーズン序盤の状況があるので、若干ミスリーディングなのだが、試合を重ねるにつれ、そういういい訳がどんどんできなくなってきているのは確か。
ちなみにこのBengeへのtwへのリプライで興味深い指摘もある。アーセナルのオープンプレイからの攻撃クオリティは22/23以降、大幅に下がっているという。こういうデータはシリアスに受け止める必要がある。
22/23 Open Play Goals:
1st. Arsenal – 62
Man City – 6223/24 to Now:
1st. City – 87
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Liverpool – 71
Chelsea – 70
Newcastle – 65
Tottenham – 65
Brentford – 62
Arsenal – 62We have fallen off seriously in our open-play quality. There’s no denying it. pic.twitter.com/DdyJKU05Gb
— FreddyAFC (@ArsenalMediaXI) December 8, 2024
おれたちがアーセナルを好きになったのは、痺れるようなパスワーク、ダイナミズム溢れるパス&ムーブ。それが見られないのは寂しいですな。もちろんアーセナル愛は揺らがない、とはいえ。
あとは挑戦的な選手起用も。それこそMLSを左8起用とかね。
ビルドアップってポジショニングが1ステップ違うだけで上手く行かなかったりするので、選手の能力ももちろんですけど、やり慣れてるメンツやポジションであることも大事ですし、そういう意味ではガブリエル不在のご指摘はごもっともだなと思いました。
ティンバーも器用とはいえ右と左で固定できていなくて、コロコロ並びが変わってるせいで後ろのパス合わしが滞る→前に行くほどボールホルダーに時間がない、がかなり影響してそうです。
復帰待ちもそうですけど、おっしゃるようなMLS起用とかで極力選手の位置を変えないというのも検討してほしいところです。