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【マッチレビュー】24/25 EPL ブレントフォード vs アーセナル(1/Jan/2025)ワニエリがPLフルデビューで輝く。逆境を乗り越え逆転勝利

試合の論点

ブレントフォード vs アーセナルのトーキングポインツ。

イーサン・ワニエリがPLフルデビューで輝く。サカの代替RWは決まりか

オーマイワニー。17才でPLフルデビュー。これはアーセナルでは、ファブレガス、ウォルコットにつぐ記録らしい。先日フルデビューしたMLSは18才でちょっとだけ年長。

ぼくらがずっとアルテタにやってほしかったことを、ついにここでやってくれた。ぼくは正直、予想外だった。

なぜこのタイミングだったかについては、アルテタは「ブレントフォードのアウェイ」について言及していた。2022年9月に彼が15才で最年少PLデビューしたときと同じ場所と相手。そんなことは完全に忘れてたし、それが納得できる理由だとは思いづらいわけだが、ミケルはそういうところある。彼を15才デビューさせたときも直感について述べたが、霊感というか、突然スピリチュアルなことを云い出す。美しいストーリーとか。

それはともかく。この試合のイーサンはどうだったか。

控えめにいって、かなりよかったんじゃないだろうか。ふたつのゴールでは起点(コーナーとクロスボール)にもなった。とくに、われわれはRWのマルティネリにややフラストレイションを感じていたあとということもあり、それに比べてもだいぶよかった。彼のRWに好印象を抱いたひとが多いようだ。AFCファン投票、BBC SportのMOTM。

まず、各所で称賛されていることは、相手DFとの1 v 1対応。右サイドのネリがあまりカットインサイドせず、つねに前後方向の単次元のプレイを強いられ窮屈だったのに対し、ワニエリが縦にも内側にも進んでいけたし、ハーフスペイスでもプレイできたということ。360度のヴィジョンがある。ワイドエリアにおけるそういったプレイの幅に広さみたいなものは、間違いなくサカの代替RWに求められていたものだろう。

イプスウィッチのネリと、ブレントフォードのワニエリの比較。ネリがタッチラインでプレイしているのに対し、ワニーはより内側に入ってプレイしている。彼は左足でもあり、サカのプロファイルにも近い。

それと、これは多くのひとに驚きだったのではないかと思うのは、彼が想像以上にウィンガー仕草でプレイできたこと。彼は基本的にCMであり、10か8が適正ポジションだと思われていたはずで、チームのなかで役割がもっとも近いのはオーデガード、すくなくともサカやネリのタイプだとは思われていなかったはず。

それが、どうだろう。あのようにワイドエリアでボールを持って俊敏に動けて、ときに縦に突破してクロスボールを入れるようなプレイも自然にできる。それと、近くの選手と連携して侵入したボックス内でつねに1-2パスを要求するような大胆なプレイっぷりも。

周囲を動かすプレイメイカーのタイプにしては、自身の動きが非常にシャープに見えた。それが彼の個性なのかもしれない。

ときどき右サイドでオーデガードとポジションがかぶってしまったり、オーデガード自身がやや不調?ということもあって、まだこのふたりのケミストリは十分には観られていないが、それがなくともあの安定感。完璧というにはまだまだ荒削りな部分もあるが、期待以上だったのは間違いない。

サカ離脱後の「RWオーディション」で、最初に合格したのはイーサン・ワニエリということになりそうだ。そして、これから時間をかけて醸成されるであろうオーデガードとの連携も非常に楽しみである。

彼がRWであれだけのパフォーマンスを発揮できるということは、この試合の勝利と同じくらい大きな収穫だった。

1月に入り、冬の移籍ウィンドウがオープンしたところで、ワニエリの今回のパフォーマンスは、アーセナルの移籍戦略に与える影響すらあるかもしれないと思う。

仮にワニエリがいまいちだったら、そのポジションの補強の重要度は変わらず戦略にも変更はなかったかもしれないが、彼があれだけの堂々としたプレイを、しかもPLの初スタートという大舞台で見せたとなると、アルテタはもっと彼を使いたくなったはず。

ジェズースが好調を維持。マルティネリも連続ゴール。メリーノ。左右問題?

ジェズースは4試合で6ゴールとケチャドバから、好調をつづけている。前回の試合ではゴールがなかったので、ここでゴールを取り戻したのは大きい。ステップアップしてる。

そして、RWからLWにポジションを移したマルティネリもゴールを決めた。彼のパフォーマンスは、ファンのあいだでは相変わらず賛否両論という感じだが、こうしてゴールも決めているし、変わらない守備貢献やトランジションでのランは大きな長所であり。ラヤのスーパースロウも、彼のようなペイスがあればこそ。ネリは、懐疑的な視線のなかでもひきつづきレギュラーとしてプレイをつづけそうである。

そんななかで、アーセナルがようやく左右の攻撃でバランスを見つけたという指摘があった。右と左と攻撃がほぼ同等。カラフィオーリの貢献もあったかもしれないし、あるいはジェズースの貢献が大きかったという説もある。

たしかにパスマップを見ると、右サイドはいつもどおりオーデガード中心のサークルができている一方で、左はジェズース、ネリ、メリーノの位置が高い。意識的だったかどうかはさだかでないものの、ジェズースが左サイドでの関係性をつくろうとしていたことがうかがえる。彼個人のタッチマップを見ると、とくに左には偏っていないけれども。

それとメリーノ。

興味深いのが、試合後のアルテタが「左サイドのユニットのダイナミクス」を彼に期待していたというところ。右サイドにあって、左サイドになかったもの。今回は、それがうまくいったとアルテタは考えているようだ。

彼は今回はスタートしてゴールも決めて、アルテタもたいへんに褒めていた。ボックスのなかで脅威になれ、チャンスのときにいるべき場所にいると。

ところで、この試合の前に、ぼくはメリーノの「デュエルモンスター」について考えていた。彼はそういう異名を持ってアーセナルに来たはずなのだが、なんだかんだすぐにケガして、復帰後はぬるっとチームに入って、なかなかレギュラーには定着せず。そういう長所もアーセナルではあまり語られない。

みたいなことを考えていたら、今回のメリさんは肝心のデュエルでも際立つパフォーマンスだった。ファイナルサードで5回のボール奪取は今シーズンのPLでもベスト。

試合後は彼があまり人気のない?ファン界隈のなかで、隠れた貢献を見るべきという声もすくなからずあった。まあ、たしかにぼくもこのデュエルの数字は云われるまで気づかなかった。今後は、もっとちゃんと彼のことを観ていよう。

アーセナルの攻撃が左右で等しくなった理由は、もしかしたらオーデガードの影響力低下も関係あるかもしれないので(この2試合はとくに元気なさげ。どちて?)、あまり手放しでは喜べないが、いずれにせよこれは悪いことじゃない。相手に守備エリアを絞らせないこともできるし。

ティンバーのサスペンションでRB危機。ブライトンをどうするかが悩ましく

GJとJTは、ここまで4枚でこの試合でぜったいカードもらっちゃだめって、チーム内でも云われていたと思うんだがのう。

この試合をしのげば、その4枚はリセットされたが、ジュリティンがここでシーズン5枚めのカードをもらってしまった。あのカード自体、不当だという意見もあるが、まあしょうがない。いかにもカードが出そうな雰囲気のファウルではあった。そう考えると、カードってのは、違反行為のひどさの度合いというよりは流れとか雰囲気で出るもんですね。

そのおかげで、つぎの試合でティンバーのバンが決定。ただでさえ薄いライトバックだというのに。彼は、いまのチームではほとんどキープレイヤーとしてプレイしており、ポジションに関わらず彼がプレイしないことも非常に痛い。

彼が不在となったいま、順当なセレクションではパーティがRBを務めることになるのだろうが、彼はやっぱりRBよりCDMのほうが10倍くらいは合っていて、RBでのプレイは理想的ではない。

とりわけ心配なのは、BHAのあのひとミトマがいて、彼がプレイするならその対処がカギになりそうなこと。彼はケガはしてないよね?

こんなとき、トミヤスがフィットしていたら安心していられたのだが。彼はお正月に日本にいたみたいだが、そんなことが許されているのは復帰が遠い証拠。残念である。

心配事はなくならない。

 

この試合については以上

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2 Comments on “【マッチレビュー】24/25 EPL ブレントフォード vs アーセナル(1/Jan/2025)ワニエリがPLフルデビューで輝く。逆境を乗り越え逆転勝利

  1. 毎回毎回素敵なエントリーありがとうございます。今年もよろしくお願いします

  2. あけましておめでとうございます。

    マルティネッリのゴール後の、スキッパーとイーサンのハイタッチが最高でした…!

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