Arsenal is back!
元気ですか? でもおれたちが元気でもなあ。ハヴァーツのシーズン終了は一昨日の時点で、クラブからも正式に発表があったとおり。ニュースは事実だった。
ケガ人自体の数は6人と(ベニーが戻れば5人)、アーセナルはPLのなかでもそこまで故障者が多いほうではないのだが、とにかくキープレイヤーの離脱が多いことと、FWエリアに集中していることが痛い。これからはさらに限られた選手たちで、それをどう乗り越えていくかが問われている。壁がどんどん高くなっていく。
さて、アーセナルはドゥバイキャンプなどで過ごしたおよそ10日間のミニブレイクからのリスタート。PLのMD25ではレスター(A)と対戦する。彼らは現在18位と今年の降格候補の一角であり、われわれにとってはアウェイとはいえ必ず結果が必要な試合だ。
アルテタの試合前コメント「(ハヴァーツのケガ)まったく予想していないかたちで起きた」
昨日行われたミケル・アルテタの試合前記者会見。AFC公式サイトより。
(カイのケガについて……)
アルテタ:われわれはドゥバイで素晴らしいキャンプを過ごしていた。充電し、トレイニング、いくらかオフもあったりして、異なる環境で自然とつながることもしていた。そして、あのケガがまったく予想もしないかたちで起きた。
間違いなくこれは大きな打撃だ。なぜなら、すでに何人もケガ人がいたから。だが今シーズンのわれわれにこれはたくさん起きている。ガブリエル、サリバを欠いてプレイし、ベン・ホワイト、トミヤスは全シーズンだ。カラフィオーリは2ヶ月、メリーノが2ヶ月、マーティン・オーデガードが2ヶ月。ブカヨ・サカが3ヶ月。そしてガブリエル・ジェズース……。
つまりそういうことだ。それがわれわれが直面している挑戦。わたしはそれが大好きだよ。楽しみにもしている。なぜなら、われわれは4回も10人でプレイしたり、なんだかんだとわたしが述べたようにすべてのことをやってきて、いまもそこにいる。チームがどうなるか観てみようじゃないか。
(あなたはこういう課題を解決することを楽しんでいる?……)
イエス。なぜなら、わたしは観たくないからだ。わたしはナラティヴを理解しているから。
このリーグではどんなチームだってフロントラインから4人を失うことがある。わたしがそれについて話したくなくても、その答えがどうなるかわかっている。
われわれは、そうしたことをたくさん経験してきたし、ここまで結果とパフォーマンスのレヴェルを維持してきた。だから、われわれはそれが可能なのだ。われわれが見ていくのはそこしかない。
(今後は誰がアプフロントでスタートする?……)
いまあるオプションでは、そこまでクリエイティヴにならなくてもいいはず。あなたにもわかると思うよ。
(イーサン・ワニエリがストライカーもありえる?……)
それは、むしろいつになるかということだと思う。必要性というよりは可能性があると思う。本物のクオリティが。彼はずっとアタッキングMFとしてプレイしてきて、そして右ウィングだ。彼があのポジションでかなりうまくやっていると思っている。だから、それでいいんだ。
(ラヒーム・スターリングはレギュラーでプレイすれば輝ける?……)
イエス。ほかの選手も同じ。レオもふたつか3つのポジションでプレイすることになる。それは選手全員であることは、これまでにも何度も話してきた。違う選手からもたらされる価値があるのだ。
これに関しては、もしかしたら彼らのクオリティや強みに対し多少違うことを要求することになるかもしれない。しかしスピリットは間違いなく同じだ。
(ブカヨ・サカの復帰を急がせたくなる?……)
わからない。われわれには長期のケガ人がいるが、誰が早いか。10日間のケガなら、3日はかなり進んでいる。30%だから。だが3ヶ月では、一週間はおそらくそれほどじゃない。
彼はまだ早すぎる。リハブの初期段階にいる。だから、もうちょっと復帰に近づいたら、より負荷のかかることをやり始める。彼の現在地を見ないと。セットバックはない。彼は大丈夫だ。
(ベン・ホワイトはレスター戦に参加できる?……)
イエス。ベンはもうふつうにトレイニングしている。いまも負荷をマネジする必要はあるが、彼は起用できるだろう。
(エヴァトンがリヴァプール戦のマッチデイプログラムにあなたの写真を使っていた件……)
それはたぶん、エヴァトンが最後にGoodisonでリヴァプールを倒したときだからじゃないかな。いい思い出だ。わたしも若く見えるね! 当時はすごくパワフルな選手だったんだよ!
(リヴァプール戦でのエヴァトンの最後のイコライザーを観て……)
わたしの口から起きたことを説明しないほうがいいだろうね! 笑えるのは、わたしはタブレットで試合を観ていたんだが、そのときオフラインになってちょうどそこを観てなかったんだよ。
あれもフットボールの美しさだ。誰にとっても何が起きるかわからないし、それが実際に起きたこと。そして、それは初めてのことじゃない。このリーグで試合に勝つのは非常に難しいし、だからこそつねに希望や野心がそこにある。それを10ヶ月のあいだ一貫してやりつづけるには、とてもとても長いリーグだ。
(あの20ヤーズからの右足のゴールがあなたにとってのストライカー不足への回答になる?……)
大問題になるんじゃないかと思う。
(リヴァプールがポインツを落とした件……)
考えていたより少しでも差が縮まったら、それはじつにいいことだ。それは必要なこと。勢いを生み、このあとの数週間が決定的にもなるし、IB後の自分たちがどこにいるか。この6-7週間。
(ケガした選手たちをどうやって集中させておく?……)
できるだけ彼らをチームのそばにいさせ、関与させていく。彼らもまたこの期間をマネジする責任があるし、できるだけチームのエナジーを支援する責任がある。チームの周辺にある信念とスタンダードを維持していくのだ。そうしてつながっておけば、戻ったときに、毎日のプロセスに関与していたから、また必要なレヴェルのパフォーマンスを達成しやすくなる。
(アプフロントのプレッシングを維持すること……)
相手のクオリティやインテンシティに対応する時間がある。そして、われわれの能力は今後数週間でもっとよくなっていくことを望んでいる。いまのところは、われわれは選手たちのクオリティに合わせている。
(レスター戦について……)
とても難しい。彼らはホームでトップチームと対戦するとき、とても難しい試合を強いる。わたしはRuudがとてもうまくやっていることを知っているし、彼がどうチームをセットアップするかもわかっている。彼らにはスピリットもある。とても活動的で脅威がある。
(今シーズンのケガ人の多さの原因は?……)
その証明はできない。われわれが出せる証拠もとても限定されているし、いろいろな側面があり、どのケイスも異なる。
当然彼らのうち何人かは、負荷やプレイ時間に基づくケガだということはわかっているが、それは避けられないものだ。
われわれには、この2シーズンで130試合プレイしてケガをした選手がいるため、そうして負荷をかけつづければ、アクシデントも起きる。
今シーズンだけか、それとも蓄積なのか、ストレスなのか、運なのか、準備、あるいは方法論? そこにはたくさんの要素がある。それがなにかだと特定するのはとても難しい。だが、スケジュールが特定の選手に超要求する。とくに、爆発的な選手。それがかなり問題になる。
(あなたは選手たちのケガを観てどう感じる?……)
腹の底から苦痛がある。それが最初の気分。なによりもまず、選手が痛みに苦しんでいるのを見るのは、とても悪い気分だ。そのあとには「もう起きないでくれ」と思うし、そのようなことをしている時間はないと実感する。
選手を支援し、望みを持ち始め、代替を探し、チームがどうパフォームを継続できるかを考える。選手たちもその信念を感じることを必要としているからと、自分に自信を持つ。
これまでに起きたケイスや状況を利用することもできる。われわれはそれをやってきた。素晴らしい。つまり、以前にやったことがあれば、それをもう一度やることができるということだ。
(これは後知恵だが、いまの状況が先にわかっていたらストライカーを獲得していた?……)
ノー。われわれはつねにそうしたひとりかふたりのケガ人が出る状況を想定していたし、リスキーな状況を回避しようとしていた。
ベストを尽くそうとして、できることはなんでもやり、ちゃんと宿題もやってきて、それでも達成できなければ後悔することはあるが、少なくとも自分たちがやってきたことは知っている。
(今シーズンのあなたの野心は限定されてしまった?……)
もしそんなことになるなら、わたしは自宅に帰ったほうがいい。ありえない。
(チームのムードについて……)
つねにムードはある。そして、超最高のトレイニングをしているときにあれは起きた。最高の環境にいて、突然に起きた。だが、ものごとはひっくり返さねばならない。
残念なことに、われわれは多くを経験してきている。そして、そのリアクションを観てもらえたはずだ。フィジオから、チーム全体からのリアクション。チームがそれをどう感じたか。
トミヤスはそうした状況にとても力強く対応しているひとりであり、ベンもそうだ。ミケルはチームに来て突然地面に落ちて、6-8週間離脱した。たくさんいる。そしてそれもゲイムの一部だ。それがわれわれの仕事の一部であり、付き合っていかねばならないもの。
(ハヴァーツのケガが選手たちに与えている影響を観て……)
その反応は「ぼくらにほかに何ができる? どうにかしよう」だった。それだけ。
(ハヴァーツはどのようにハムストリングをケガした?……)
彼はセットピースのあとショットを止めようとして足を伸ばしてしまい、ハムストリングに違和感が出た。
(今後FWたちのプロファイルが変わることでアプローチも変えていく?……)
そうしなければならない。適応しなければならないことは確実にある。それがもたらすべつの機会もある。なぜなら、われわれはフロントラインに違う選手を使うことになり、それはとても予想できないから。1 v 1でうまくやれるもの、とてもクリエイティヴなもの、とてもシャープなもの。そうしたことが相手にとってはいろいろな悩みになるだろう。
(モダンフットボールのインテンシティがケガの可能性を高めている?……)
インテンシティはレヴェルが違ってきており、プレイ時間の長さに関しても要求が違ってきている。この競争環境で、それはどんどん高まっているし、つまりこれはそういうことの結果だ。
この2シーズン、とくに今シーズン起きたケガに関するグラフィックなどを観てみるといい。長期のケガ、とくに筋肉や足首の部分。かつてないほど多くなっている。小さなサンプルデータでもそこには相関があるし、はっきりしていると思う。
(フリーエイジェントを連れてくることも検討する?……)
われわれはすべての状況を模索しているし、そうした観点からも決断する。
(マックス・ダウマンを起用するためにU16でもプレイできるようPLにルール変更をしてもらいたい?……)
そうだね、マックスもいるし、ほかにも多くのキッズがドゥバイにもいた。彼らがわれわれの環境に入ってくることは大きなチャンスだ。現時点では年齢制限のルールははっきりしているので、それを変更するのは非常に難しい。
(若い選手をスタートさせて経験ある選手をサブで出すという議論はある?……)
それはいい質問だね。ときにそれは考え方の調整でもあり、おそらくは若い選手を最初から出すほうがやや楽になる。
われわれは様々な状況に対処せねばならないし、何人かは想像もしていないし、今日プレイする計画もしていないが、その準備はできている。
(これから選手を連れてくることが恩恵になるといまも感じている?……)
われわれのレヴェルでプレイできるある特定の能力があれば。チームを助けられ、インパクトを与えられる誰かであれば。
(疲労についてどうトレイニングを合わせている?……)
非常に限定されている。かつてないほど少ないトレイニングだ。われわれのデータを見れば、かつてないほど少ないが、それがふつうだ。トレイニングしている時間がない。
だが、われわれがトレイニングについて話すとき、それは芝の上で起きることだけではない。最大の問題は、筋肉をトレインしていないことだ。そここそが問題。筋肉のトレイニングが不足していて、筋肉や足首がさらされたときに緩衝がない。アキレス腱は回復に72時間かかる。
多くのひとが、われわれが屋外で何をしているかについて話しているが、屋外ではない。屋内で筋肉に負荷をかける。2、3、6、8週間。それをやらなければケガのリスクがかなり高まる。
筋肉と足首の腱が回復せず、負荷を緩衝する備えもなく、3日ごとに繰り返しストレスがかかる。それが問題だ。
(今シーズンこれまでに自分たちがやってきたことに勇気づけられる?……)
わたしは、エッジをもたらせるすべての要素を観る。そこにはなかったかもしれないものも含めて。その大きなひとつは、われわれの仲間たちであり、サポーターだ。もし、特定のエリアで人数が足りないのなら、彼らはほかに誰もできないようなやりかたで貢献してくれる。エナジーでチームにインパクトを与えられる。
そのエナジーで勢いと信念も変えられる。わたしが話さずとも、チームのパフォーマンスレヴェルを変えられる。それは大きな力であり、われわれは自分たちのなかにすでにあるものを利用しなければならない。
(エヴァトンのイコライザーで勢いが変わった?……)
その助けにはなるだろう。自分たちのチームがパフォームしているところを観たり、CLでやっていることを観たり、様々な状況がありながらリーグのポジションを観たり、それもとても大きな信念になる。
選手たちのリアクションもわたしをいいムードにしてくれる。彼らのほしがりかた、満足しない様子。彼らは止まることがない。
(今後スターリングはどうしていく?……)
彼は最近はよりプレイするようになっているし、それが彼の役にたち、そしてそれは彼自身が得た権利だ。もちろん、これからは既存の選手たちは状況からしても、よりプレイすることになる。ラズは間違いなくそのひとりだ。
(この週末は女子チームがトトナムと対戦……)
健闘を祈る。もう一度やってやろう! 満席のサポーターを見るのは楽しみだし、彼女たちはやってきたことがあるのだから当然それにふさわしい。うまくいくことを願っている。
会見の後半。
サマリー。
- Ideally I want – 24 outfield and 4 goalkeepers
- 45 players – you want some for development, profit and fully fit players.
- Wider network of players: The academy and loan players.
- Dowman guidance: I haven’t asked the Premier League.
- Premier League players breaking down: the risk is always there. We play a demanding sport, but we know the direction it’s going.
- Calafiori: all the options are welcome. You never know what will happen.
- Wounded animal is the most dangerous: Do I look like an animal. When somebody is facing something not ideal, we need to be analytic to try avoid it.
- Players reaction: oh no is a reaction and you feel for the players, then you need to say what am I going to do.
- Understand the striker gamble: I understand it but we had three strikers, other teams have 4/5.
- Trying to adapt without Havertz: Go day by day because I don’t know what the next challenge is.
- Young striker: He’s training with us, they will have opportunities.
- Saliba up front: It’s true he used to score a lot of goals, but players played a lot up front when they were younger.
- Playing different ways, change of approach: It’s more related of the intentions. Formations don’t mean anything without the intent.
カラフィオーリとサリバのストライカー起用についてのやりとりがおもしろかったのでそこだけ。
(カラフィオーリは子どものころストライカーだった……)
サリバもだよ。知らなかった? わたしだって子どもころはストライカーだったんだよ(笑い)。どんなオプションも歓迎だね。何が起きるかなんて誰にもわからないんだから。われわれもクリエイティヴにならないとね。
(傷ついた獣がもっとも危険だという……)
(笑い)わたしも獣みたいに見えるかな?
(ウィリアム・サリバが自分がストライカーでプレイするとオファーした件……)
ウィリーは笑えるね。彼が若いときにストライカーでプレイしていてたくさんゴールも決めていたというのは事実だが、あなたも云うようにそこにはたくさんの若い選手がいる。
(サリバはいいターゲットになる……)
そうだね、ご想像におまかせしよう。
以上
動画を観てもらうとわかるように、今回のミケルの会見はポジティヴムードがかなりあって、チームはこんな逆境に直面しているにも関わらず、素晴らしい会見だったという評価がある。挑戦を楽しんでいるとまで云った。文句を云っても始まらないしな。さすが。
「傷ついた獣がいちばん危険」のやりとりはちょっと笑える。たしかに、そういう観点もある。いつもと違うことをやれば相手も混乱するし、状況に強いられていることとはいえ、チームが変わるのは悪いことばかりじゃない。ピンチはチャンス。