なんというか。つまらん試合でしたね。NLDというのに。
試合に敗けたからよけいにそう思うし、しかしあの内容なら仮に勝っていても、そう印象は変わらなかったかもしれない。いかにもプリシーズンらしい試合。選手たちも身体が思うように動かないみたいな。ケガも心配だった。
それでも、この試合でギョクレスとモスケラがアーセナルデビューした。おめでとう。
これでアーセナルのアジアツアーは終わりらしい。香港はひとつしかなかったんだね。シンガポーよりだいぶ盛り上がっているように見えたのは、一試合しかなかったからか?
ということで、これでアーセナル御一行はロンドンに帰り、またプリシーズンのワークをつづけていくことに。
じつは、今日から8月なんだが(にわかには信じがたし)、となると、あと2週間ちょっとでPLが始まる。このあとは、タフなシーズン序盤に向けてどんどん集中を高めていくことになる。
アルテタの試合後コメント「有意義なアジアツアー」
試合後のプレス会見。AFC公式サイトより。
(香港で記録的入場者数……)※50kキャパのKai Tak Sports Parkに49,975
- まず熱烈歓迎に感謝。この10日間でこのクラブの大きさを実感した
- このツアーのわれわれの目標は明確だった。さらに準備を進め、この3試合いろいろな状況でも高いレヴェルで競えるよう毎日を過ごすこと
- そして、もうひとつの目標はファンとつながることだった
- 今日ほしい結果は得られなかったもののそれらは達成できた
(プリシーズンフレンドリーは実りあるものだった?……)
- イエス。この3試合のなかで今日はとくに。ことなる要求、異なる理解が必要だった
- わたしはチームがやったほとんどのことに満足している
- だが、あるときには正確性など欠いていたものがあった。そこが結果を解除するときだった
- しかし、姿勢や渇望、チームの組織のレヴェルという点では非常に素晴らしかった
- 個人の側面についてはもうちょっと高めていく必要がある
(ガブリエル、カラフィオーリ、ティンバーはPLに間に合わない?……)
- そうは思わない
- 彼らはこの2-3日はトレイニングにも加わっているので、3人とも(PLで)起用できるだろう
(トロサールのケガ……)
- 彼は少しひねったようだ
- おそらくターンしようとしたときで、筋肉に違和感があった。チェックしなければならない
(現状のスクワッドをどう評価している?……)
- とてもポジティヴ
- この10日間で観たものに、わたしは非常に励まされている。多くのエリアで予想より先行してすらいる
- 今日味わった結果だってポジティヴなものになると思う
- 勝つ試合と勝てない試合の差を認識し、それをコントロールしなければならない
- このあと月曜からワークを再開し、エミレーツでの2試合で準備を完了。そしてオールド・トラフォードだ
(今日のチームにケパがいなかった……)
- 彼もニューカッスルの試合で違和感があった。それもおそらく時間の問題だと思う。それがPLまでかかるようなら、リスクを取るかどうかはそのときに決める
(Thomas Frankのトトナム……)
- どのマネジャーも自分のアイディアやヴィジョンをもたらすし、(Angeと)彼はまったく違うふたりのマネジャー。Thomasもできるだけ早くそれをやりたいと思っているはず
(香港とシンガポールでのインテンシティと競争のレヴェル……)
- サポートの点では今回はステディアムが満員で、前の2試合とは違うエナジーがあった
- 競争については、この2試合はかなり要求されるものがあった。とくにニューカッスル
- だから、相手にもとても満足しているし、起きたことや、われわれが試合から集めた情報もあり、学びが多かった
(将来また香港に戻って来る?……)
- われわれはここで十分な日々を過ごしたと思うが、そこはクラブ次第
- クラブはここに来るために素晴らしい仕事をしたと思うし、このツアーの関係者全員に感謝したい
(今日はホームのようなステディアムだった……)
- すごかった。バスで到着した日や、ホテルの外で待っている人たちを観たとき、このクラブがいかに素晴らしいか実感した
- あらためてお礼を述べたい。彼らはもう何年も何年もここで我慢づよく待っていてくれた
- 彼らが選手やクラブのものたちを誇らしく思っていてくれたら。また会いましょう
(あなたのアーセナルでの長期目標は?……)
- 長いことはない。短い。いまだ。それがわれわれが学んでいることであり、試合から得ていること。それはドレッシングルームでも話している
- ここからは回復して、準備を始め、遠征に備える。長距離移動だから、時差ボケにもできるだけ早く回復しないと
(ギョクレスとモスケラがデビュー……)
- 彼らがここにいてくれてとてもうれしい
- 彼らが出てすぐ、彼らがチームにもたらすだろうエナジーとクオリティがわかったはず
- 短時間だったが、今度はヴィヤレアルとの試合がある。それはまたちょっと違う試合になる
(ダウマンのここまでのパフォーマンス……)
- わたしは驚いてはいない。彼はずっと素晴らしいから
- 彼の試合への入りかたや覚悟、クオリティ、決断力と云おうか
- ほかの若い選手たちも同じ。今回も彼を使うことになったが、あの年齢では簡単ではなかったはず
- 彼らはたくさんの人たちを誇らしくしている
ミケル・メリーノの試合後コメント「新シーズンに向けてのガソリンになる」
AFC公式サイトより。
MM:ほしい結果ではなかった。もちろん勝ちたかった。だが、プリシーズンではほかにもたくさんの価値あるものが得られた。フィットネスを取り戻すとか、ファンとの絆を深めるとか。ここは素晴らしい街だ。
ピッチにもすぐに慣れた。相手にも。ぼくは、ぼくらが試合のほとんどを支配したと思うよ。結果は最低だけど、そこからポジティヴなことを得なければならない。
この気持ちはシーズンへのガソリンになるはず。成長をつづけ、学びをつづけ、向上していく。
(ファンの熱狂的歓迎)ツアー全体を通して素晴らしいサポートがあったね。すべてのファンに感謝したい。だって、彼らにとってシーズンを追いかけるのはハードなことだから。試合の時間も理想的じゃないこともある。
素晴らしい2週間だった。こうしたツアーに出たときいつも思うのは、たくさんの興奮があるということ。
新しい場所を探索したり、ぼくらに世界の新しい部分を見せてくれるとき。それと同時にアーセナルのなんたるかが示される。違う国でも文化と家族がいる。
だから、全体的に素晴らしい体験だった。また戻ってきたい。
試合について
あのToTのSarrのゴールはすごい技術だったけど、そもそもファウルで奪ったボールだからなあ。でもPLでもありそうなシーンではある。明白なファウルだといくら訴えても試合はもう終わっているみたいな。
アーセナルのファースト11
SofaScoreより。
ニューカッスルでケガをしたカラフィオーリは軽症だったようで、すでにトレイニングにも戻っているし、アルテタも楽観的な様子だった。しかしこの試合はスクワッド外。ガブリエル、ティンバーと3人でピッチサイドで試合を観戦していた。
この日の起用法で気付いたのは、サブが遅かったこと。スタートの11人がより長い時間プレイした。
最初のサブが68分にふたり。ズビとトロサール。77分に5人。モスケラ、ジンチェンコ、ダウマン、メリーノ、ギョクレス。85分にネルソン。ここはトロサールのケガでの交代だったので、彼のケガがなければネルソンの出番はなかった可能性がある。
選手たちのフィットネスも日々増しているだろうから、実戦に向けて徐々にプレイ時間を伸ばしていくプランだったというのがわかるが、おそらくはこの気温と、悪いピッチコンディションなどで、負荷がかかりすぎていた選手もいたんじゃないだろうか。
MLSやサカのような選手が試合の途中で治療を受けていたし、トロサールはプレイを続けられないケガをしてしまった(彼はサブで入って約20分のプレイ)。
それと、この日は90分プレイした選手も何人かいて、ベン・ホワイトなどは試合終盤はもう息があがっているのがアリアリの表情で、そうとうに疲れていたように見えた。
試合結果を思うとなおさら、もっと低リスクなやりかたでよかったんじゃないかと思ってしまった。サンビ・ロコンガなんて1試合もプレイしないでアジアツアー終わっちゃったよ。
試合の雑感
スタートはアーセナルがよかったのに、いつの間にか一進一退みたいな展開になり。結局1-0で敗けてしまった。
この日の満員のスタンドは大半がアーセナルサポーターだったようで(ToTファンはあのゴール裏で白旗ふってた人たちだけ?)、そんななかで結果を出せなかったのは残念だった。
失点の場面は、やっぱりラヤがやや軽率だったかねえ。パスのオプションはほかにもあったのに、あんなふうに相手選手に囲まれていたMLSにわざわざリスキーなパスを出した。フレンドリーでもアーセナルのバックラインはけっこうずっと安全第一でプレイしているとは思ってたので、あの場面だけラヤが変にチャレンジングだった。
そしてMLSもまたチャレンジング。彼はわりとあのリスキーなチャレンジが好きだから(そして少なくない機会で成功させる)気持ちはわかるが、しくじったときに致命傷になるエリアとそうでないエリアを学ばないといけないと思う。まあ致命傷になりそうなエリアであえてやるから相手の意表を突くというのもあるかもだが。こっぴどく罰せられた。今回はフレンドリーでよかった。
まあ、全体的にはアーセナルもそこまで悪くはなかったかな。メリーノが云うほどにはアーセナルが試合を支配していたとは思わないが、まあ10試合やったら半分以上は勝てそうな相手クオリティではあった。にじみ出るミッドテーブル感。彼らもキープレイヤーがいなかったこともある。
それでいて、より多くの実質的なチャンスをつくったのはToTのほうだったように感じる。何度か枠に当てたショットもあったし。なんか、わけのわからない外し方をしてたのがひとりいたような……
Thomas FrankはAngeと違って、もっと現実的なフットボールをやると云われていて、実際この試合もそんなだった。カミカゼハイラインなぞやらぬ。それもアーセナルにはあまりうれしくないことだろう。
彼らはボールを持っていない多くの時間で、わりとはっきりとしたロウブロックをやり、アーセナルはボールを持ちながら我慢づよく攻めるも、最後までそれをこじ開けることができなかった。なんという既視感。
この展開は新シーズンも間違いなくかなりある。それをいかにこじ開けるかのクリエイションが問われているところで、この試合はそれに失敗してしまった。
そうしたいつも通りの展開のなかに、わずかなきざしを観たとすれば、ダウマンくらいか。彼がボールを持つたびに、なにか起きそうな期待感があった。
しかしあれだけ深く人数をかけて守られると、どんなチームだって難しいやね。だからこそ、新シーズンこそはXファクターがほしい。Eze? まさかのトップLW? こうなるとマヅエケを早く観たいぜ。愛情を込めてマッヅンと呼ぼう。
まあそこもプリシーズンだし、しょうがないかね。
選手については、今回もやはり特筆すべきはダウマンか。14分プレイして、68分プレイしたネリ(14)よりタッチが多かったというボーイ(16)。
彼は、もう「このレベルでプレイできる」という以上のものがあるな。もちろん、今回彼がプレイした時間帯はすでにToTが守備に集中していて、ボールを持ったとき彼のサイドでも必ずふたりのDFが前にいるみたいな状態だったから、全然簡単ではなかったはずながら、それでも抜群の攻撃的存在感だった。
今回は、3試合めにして初めてイーサン・ワネーリに出番のない試合だったということに大きな意味があるようには思わないが、アルテタのダウマンへの期待度の高さは感じられるし、それは試合ごとに高まっているんじゃないだろうか。
このふたりは、いまのところファーストチームでのポジションも役割もほぼ同じなので、今後どう競争していくのかも楽しみなことだ。
ギョクレスは、あの展開じゃさすがに仕事するのは難しかった。14分プレイでタッチが2。つねに満員電車みたいなボックス内で、ひたすらクロスボールを待つだけ。見せ場はほぼなかった。
一方、同じくデビューとなったモスケラはよかったんじゃないか。オーラあった。もう何年もそこにいるみたいな落ち着き。パスもよかったし。彼がRCBに入って、サリバがLCBに移動していたのは興味深かったが、それも深い意味はないか。アルテタはRCBの彼が観たかったんだろう。
この試合については以上。
アーセナルのつぎの試合は、水曜のヴィヤレアル。土曜のアスレティック・クラブ。エミレーツ?
移籍関連のほうは、いま巷ではとりあえずEzeの話題が中心か。パレスが頭金£35mを要求しているとかなんとか。アーセナルは彼をRC以下で買うつもりということは、おそらく£50-60mのレンジ。35mはその半分以上だ。アーセナルにはちょっと頭の痛い話。
LWは昨日、ファンのあいだで先日のミランで対戦したRafa Leaoがちょっと盛り上がってた。Ezeを取ってさらにトップLWを取るとは正直ぼくはいまも信じていないが、プリシーズンのネリを観ていたらLWがちょっと心配になってきたというのはある……。マッヅンのLWまじであるかも……
売却のほうは、トロサールが退団に近づいているというニュースがあった。彼はいまもアーセナルの新契約のオファーに応じておらず、ドルトムントやナポリ、アタランタなどが彼に関心を持っているとか。レギュラーでプレイしたい彼の気持ちはわかる。
あとはフラムがネルソンだけでなく、ジンチェンコにも興味を持っているというニュースも。ますますフラムのアーセナルB化いちじるしく。
チーム内の新契約で待っているのは、ワネーリ、サリバ、サカ。ワネーリはそろそろ発表がありそうな予感。どうだろう。
ではまた。