こんにちは。
昨日、EPLの夏の移籍市場が終わった。アーセナルも含めて、今回の移籍市場はほんとうににぎやかだった。
デッドラインデイも動きがかなりあってニュースもたくさん。PL記録をさらに更新する移籍金でAlxander Isakのリヴァプール行きが決まったりしていた。彼らは、この夏ふたりのストライカーだけでおよそ£200m。頭おかしい。
いっぽうアーセナルの最終日はといえば、すでに決まったと報じられていたHincapieの獲得のおしらせがあった以外で補強はなしで、懸案だった売却方面ではいちおう各選手の行き先は決まったものの、そのほとんどがローン。「わたしたちは図書館なのか!?」というアーセナルファンの悲鳴も。これはウケる(ウケない)。
さっそく、アーセナルの夏のビジネスをまとめてゆこう。
25-26夏ウィンドウはEPLで£3bn超えの記録的な支出
アーセナルの移籍活動をまとめるまえに、全体的な傾向を。
Transfer deadline day: Premier League summer spending surpasses record £3bn
BBC Sportによれば、この夏のPLクラブの総支出は史上初の£3bn超え。なんとデッドラインデイにIsakなどの高額案件が相次ぎ、この日だけでも£300m以上の支出を記録したという。去年のPLの夏の総支出が£2bn弱だったことを考えると、今年はおよそその1.5倍以上の急上昇となった。
このPLでの支出総額は、ドイツ、スペイン、フランス、イタリアという、トップ5リーグのその他のリーグすべての支出をあわせたよりも多いというので、いかにイングランドのリーグとクラブの財政が突出しているかを物語っている。
各リーグの高額移籍の比較は、このスレッドがわかりやすい。PLの移籍ニュースに慣れていると、各国の控えめなビジネスの金額のほうに驚く。
Most Expensive Signings this summer – By League💰🌟 A THREAD
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— Score 90 (@Score90_) September 1, 2025
EPLクラブのビジネス明細
Source: FootballTransfers.com via BBC Sport
(以下単位は£)※Netは支出から収入を引いた収支
支出 | 収入 | NET支出 | |
---|---|---|---|
Liverpool | 415,000,000 | 187,000,000 | -228,000,000 |
Chelsea | 285,000,000 | 288,000,000 | 3,000,000 |
Arsenal | 255,000,000 | 9,000,000 | -246,000,000 |
Newcastle | 250,000,000 | 152,000,000 | -98,000,000 |
Man Utd | 216,000,000 | 68,000,000 | -148,000,000 |
Nottm Forest | 205,000,000 | 107,000,000 | -98,000,000 |
Tottenham | 181,000,000 | 36,000,000 | -145,000,000 |
Sunderland | 162,000,000 | 44,000,000 | -118,000,000 |
Man City | 152,000,000 | 53,000,000 | -99,000,000 |
West Ham | 124,000,000 | 55,000,000 | -69,000,000 |
Wolves | 121,000,000 | 119,000,000 | -2,000,000 |
Bournemouth | 120,000,000 | 207,000,000 | 87,000,000 |
Everton | 112,000,000 | 3,500,000 | -108,500,000 |
Burnley | 111,000,000 | 31,000,000 | -80,000,000 |
Leeds | 98,000,000 | 7,000,000 | -91,000,000 |
Brentford | 85,000,000 | 134,000,000 | 49,000,000 |
Brighton | 69,000,000 | 133,000,000 | 64,000,000 |
Aston Villa | 57,500,000 | 47,000,000 | -10,500,000 |
Crystal Palace | 47,000,000 | 63,000,000 | 16,000,000 |
Fulham | 34,500,000 | 15,000,000 | -19,500,000 |
支出でトップはリヴァプール、驚きの£415m。アーセナルの£255mは3位の金額。
アーセナルの問題は収入で、£9mはなんとワースト3位の少なさ。売ろうとしていた選手は少なからずいたので、売れなかったということ。泣く。
そのおかげもありNet支出(収支)では、アーセナルは£246mのマイナスとトップになってしまっている。£400m以上使ったリヴァプールよりも多いのだから、収入にくらべて圧倒的に支出が多く、ビジネスの観点ではかなり悪いと云わざるを得ない。
その点で注目はチェルシーで、彼らは支出が£285mとリーグ2位の高額でありながら、Net支出ではなんと£3mとわずかながらプラスに転じている。儲けちゃっている。なんという商売上手。
アーセナルが2025夏に獲得した選手まとめ
TMによると、アーセナルがこの夏に獲得した選手の総額は、€293.50m(現在のレイトでおよそ£253.75m)で、リーグで3番めに多かった。もちろん単一ウィンドウで費やした金額としてはクラブ記録。
以下、金額順に。※移籍金はすべてTMより(アドオンは含まれていないようだ)
Martín Zubimendi(26)CM/DM
マーティン・ズビメンディ。スペインのレアル・ソシエダから。移籍金は€70m。※€65mという説もある
トーマス・パーティとジョルジーニョというふたりの高齢CMがクラブを去ったこの夏、かならず必要なCMの補強だった。しかも、スペインではバロンドールRodriの後継者と云われているクオリティ。アーセナルのファンとしても、これは100%納得できるクラブの動きだっただろう。選手も、レアル・マドリッドよりアーセナルを選んだ。
それとリヴァプール。ズビメンディは去年の夏にはリヴァプール移籍に近づいていたと報じられ、それが頓挫。その一年後にアーセナル移籍が決まった経緯については、じつはすでに去年の夏には彼のアーセナル移籍は合意されていたとも云われている。これは痛快だった。
すでチームとプレイした今シーズンの3試合では、たまにやるミスに「おや?」と思うほどにはスタンダードが高い。
外国人選手のイングランドへの適応という意味でも、これまでほとんど心配させられる部分もなく、今シーズンのアーセナルの成功に大きく貢献してくれる選手だと信じられる。
アーセナルがマーティン・ズビメンディの獲得を発表! | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
Eberechi Eze(27)AM
エベレ・エゼ。クリスタル・パレスから。移籍金は€69.3m。
年齢的には、ビッグクラブへのステップアップはすこし遅れてしまったが、間違いなく現在のPLを代表するアタッキングMF。
彼の移籍にまつわるあれこれもあった。
アーセナルはこの夏を通してエゼの側とは移籍を前提に接触していたものの、一時は興味がさめたとも云われ、しかしながらシーズン初戦でケガというハヴァーツの不測の事態によって状況が一変、結局トトナム移籍直前にハイジャックという、なんとも劇的な移籍物語だった。神はいる。
そしてもちろんエゼ本人は元アーセナルアカデミーで、これまでクラブのファンを公言していたこともあり、アーセナルファンからの人気も高く、相思相愛の関係。これほどファンに熱く歓迎された選手は、近年なかなかないと思う。ToT移籍直前に、本人からアルテタに電話して最終確認したというエピソードもファンを狂喜させただろう。
もちろんチームとしても、彼は必要なタイプの選手だった。左サイドのクリエイター。右足。
アーセナルの攻撃は長らくサカとオーデガードのいる右サイドに偏っており、左サイドの活性化は多くのファンが求めていたことでもあった。彼のプロファイルはまさにそれを埋めるピース。
とはいえ、彼を実際どのポジションで起用するかなど、アルテタが考えるべき課題は多い。しかし、それでもファンとしては期待しかない。アーセナルのNo.10はエゼ。
アーセナルがエベレチ・エゼの獲得を発表! #Eze10 | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
Viktor Gyökeres(27)CF
ヴィクター・ヨクレス。スポルティング・リスボンから。移籍金は€65.8m。
アーセナルにとっては待望のメインストライカー。アーセナルがCFを獲得したのは、2022夏のガビー・ジェズース以来はじめて。アーセナルのようなビッグクラブで3年もストライカーを補強しなかったという事実も信じがたいが、ハヴァーツの9としての台頭もあり、結果としてそうなった。
しかしその間、ジェズースが来てからも、ハヴァーツが9として定着してからも、アーセナルファンのあいだではフィニッシャー待望論が根強くあり、今回のヨクレス獲得はまさにファン待望の契約となった。
この夏のストライカーの獲得にあたっては、アルテタのドリームターゲットだったIsakが不可能だったことで(その後に彼が移籍志願という強硬手段に出たのは皮肉だった)、最後までヨクレスとBenjamin Seskoとのふたりのあいだで検討されていたが、アーセナルは最終的にヨクレスを選んだ。
この選択では、もともとアルテタはSeskoを求めていたと云われており、ヨクレスの獲得はアンドレア・ベルタの意向が強く働いた案件ということは憶えておこう。さすがの慧眼となるのか、それとも……
ヨクレスについては、ポルトガルでのゴールスコアラーとしての類まれな記録があり、それと同等までは云わずとも、イングランドでもそういったゴール量産が再現できるかどうかが最大の課題である。ここまでにすでにゴールは決めているとはいえ、まだファンを安心させているとは云えないだろう。
それと、彼のようなタイプを9に据えたことで起きるこれまでのチームのスタイルとのすり合わせ。これはアルテタのチームにとっては小さくない変化であり、おそらくシーズン序盤のアーセナルにおけるもっともチャレンジングなタスクのひとつとなっている。
その点で、チームと彼がともに成長していくことができるかどうか、そこがカギになる。
アーセナルがヴィクター・ギョクレスの獲得を発表! #VG14 | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
※なんの断りもなく一時期からカタカナ表記を「ヨクレス」に変更してごめん。本人発音や英国人たちの発音を聞いたりしていて、おれのなかでは結局ヨクレスに落ち着いた
Noni Madueke(23)RW/LW
ノニ・マドゥエケ。チェルシーから。移籍金は€56m。
長らくいなかったサカのバックアップとしてのRWは、この夏の必要な補強ではあったものの、アーセナルファンのあいだでは間違いなくもっとも議論だった獲得。
度重なるチェルシーからの加入、バックアップとしては不可解に高額な移籍金、および彼のチェルシーでの評判で、当初のアーセナルファンのオンラインでの拒否反応はわりと凄まじかった。あのときファン全員がトップLWのニュースを待っていたこともあるかもしれない。
ぼくが観たなかでは、彼の加入に対し、r/Gunnersで「もう愛想が尽きたので20年以上やってきたファンを辞める」というサブを立てたやつまでいた。いや、もちろんほとんどの反応は彼に冷たいものだったけど。似たような期間ファンをやっているぼくに云わせれば、そんなんでよくいままでアーセナルファンをやってこれたなと思う。いっそ死にたくなるような、もっと悲惨なときはたくさんあったろうに。
しかし、もちろんその後にはそういった否定的なムードは急速にトーンダウンして、実際に彼がプレイし始めると、そういった論調はほとんど消滅してしまったみたいである。RWとしてプレイした先日のリヴァプールだって、彼はかなりよかった。パフォーマンスで批判を見返している。
そして興味深いのは、アルテタが彼をLWとしても観ていること。
いまサカがケガをしてしまっているが、エースの彼がフィットしているとき、マドゥエケのRWとしてのスタートは重要度の低いカップ戦以外ほぼないだろう。しかし、LWとしてはRWよりも多くプレイ機会がありそうだ。実際アルテタは、シーズン2戦めとなるPLリーズでは、彼をLWでスタートさせている。
結局この夏アーセナルはメインターゲットのひとつと云われていたLWを取らなかったし、マルティネリのフォームもなかなか上がらない。エゼをLWでプレイさせるようなことがなければ、マドゥエケのLWでのチャンスは今後もかなりあると思われる。
アーセナルがノニ・マドゥエケの獲得を発表! | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
Cristhian Mosquera(21)RCB/RB
クリスティアン・モスケラ。ヴァレンシアから。移籍金は€15m。
彼はスペイン代表にも招集歴のある選手ながら、ぼくを含めてアーセナルファンにはまったく馴染みのなかっただろう名前。しかし、21才の若さでヴァレンシアのシニアチーム(ラ・リーガ)で2シーズンCBとしてプレイしてきた経験は並みじゃない。
そして、いまわれら全員が彼のパフォーマンスに目を奪われているという。試合開始早々に負傷したサリバに代わりRCBでプレイしたリヴァプール戦での約90分。あれは21才のルーキーにはまるで観えなかった。
彼はその前のPLリーズでもプレイし年齢に似合わない冷静さを見せていたが、PLでもっともタフな場所であろうアンフィールドであの堂々たるプレイっぷり。真価を発揮したというか。とにかく、彼のクオリティにはたいそう驚かされた。
アーセナルには、サリバとガブリエルというあと数年は揺るがないだろうCBパートナーシップがあることで、優秀なCBを勧誘することはかなり難しかった。それでもこのような逸材をリクルートできたことはもっけの幸いとしか云えない。今日日の市場でも破格の移籍金を考えても、彼はこの夏のベスト補強のひとつになりうる。
彼がRBでプレイできることも、バックラインにはかなり助かる。
スクワッド的には彼はいちおうトミヤスの代替DFということになるが、これは代替以上の価値をチームにもたらしそうな予感。
アーセナルがクリスチャン・モスケラの獲得を発表! | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
Christian Nørgaard(31)CM/DM
クリスティアン・ノーガード。ブレントフォードから。移籍金は€11.6m。
ノーガードは、ジョルジーニョの代替。ズビメンディの直接的なバックアップ6となる。
しかしながら、DMはもちろんライスもプレイできるため、もしズビメンディになにかあったとしても、PLやCLのような重要な試合で彼が6でプレイするかは微妙に思える。彼の主な役割は、リーグカップのような重要度の低いカップ戦、あるいは試合終盤で守ることを決めたときのスクランブル守備要員。そのようになると思われる。
しかし彼はそういう状況が自分でもわかっていながら、アーセナルのようなビッククラブ、CLクラブに行きたい夢を優先した。31才といえば、もうキャリア終盤で、降って湧いたチャンス。思わず涙が出てしまうのもわかるよ。なんて人生だ。
彼のことはトトナム(Thomas Frankとはブレントフォードでの師弟関係)も狙っていたものの、彼はアーセナルを選んだ。推せる。
アーセナルがクリスチャン・ノーガードの獲得を発表! | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
Kepa Arrizabalaga(30)GK
ケパ・アリザバラガ。チェルシーから。移籍金は€5.8m。
セカンドGKとしてネトの代替。ネト。カップタイドもあり、アーセナルでプレイしたのはワンシーズンを通して1試合のみ(CLジローナ)。いったいなんだったんだネト。。
アルテタは、重要度の低い試合でも、基本的にGKはファーストGKを使うタイプだが、ケパが来たことでその状況は多少変わるだろうか。
彼のこれまでのキャリアや、去年のボーンマスでのパフォーマンスからしても、彼は少なくとも数合わせのようなGKではないはずで、これまで以上にはセカンドGKに頼る試合も増えるんじゃないかと予想する。
なにしろ、彼は歴代最高額の記録を持つGKである(2018に€80m)。
彼に頼らねばならないような事態にはなってほしくないが、もしそういうことが起きたときも、彼ならバックアップに期待する以上のものをもたらしてくれると思える。
Piero Hincapié(23)LCB/LB
ピエロ・ヒンカピエー。レヴァークーゼンから。ひとまずシーズンロングローン。
来年夏の€52m(£45m)と云われる金額での買取は、ドイツでは「買取義務」と報道されているらしいが、先日このブログでも事情を伝えたように、アーセナルの会計事情で条件は「買取オプション」にしたい。実際の約束は買取義務でも、表向きは買取オプションになっているんじゃないだろうか。
彼の獲得は、昨日公式に発表になったばかり。このあとこのブログでも獲得エントリを書こう。
ヒンカペ(ひとによってはそう聞こえる)は、キヴィオールの代替。右サイドのDF。レヴァークーゼンではたいそう愛された選手だったようで、ファンとは涙のお別れだったとか。
ETHがシーズン2試合でレヴァークーゼンに解任されてしまったのは、彼の退団のせいではないとは思うが、あれだけのリーグを席巻したレギュラーたちが去った喪失のなかには、彼の存在も含まれているはず。
彼はガブリエルのバックアップCBでありながら、フルバックとしての攻撃性能もかなり高いという。アーセナルの左サイド守備、とくにLBのポジション争いが今後どうなるか。興味深い。
ということで、アーセナルの2025夏の補強は総勢8人だった。
2025夏ウィンドウ補強雑感
「アーセナルのこの夏のメインターゲットは攻撃エリア。とくにストライカーとレフトウィンガー」
というのが、当初の移籍ウィンドウの見立てだった。終わってみてどうだろう。
まず思うのは、この夏の補強はかなり的確だったこと。攻撃だけでなく守備も。まさに薄いところを補強しただろう。ここ数シーズンのアーセナルにとり、スクワッドデプスはつねに課題だった。その弱みのおかげで、あと一歩タイトルに届かなかったと云ってもいいほど。
これで、アルテタの望みだった「各ポジションにふたりづつトップ選手がいる」状態に限りなく近づいたのではなかろうか。
下は、以前貼ったreddit有志がつくったグラフィックを少し編集しただけなので、色分けされてる進捗ステイタスはおかしいけど。夏ウィンドウを終えての最終的なスクワッドのデプスとバランスを確認するには十分。バックアップにもちゃんと競争力があるのが、これまでとは違う。
パズルの欠けたピースが埋まった。
セカンドGK、サリバのバックアップ。キヴィオールの代替。ジョルジとパーティの代替。サカのバックアップ。メインストライカー。ここにさらに、マックス・ダウマンのようなワイルドカードまで入ってきた。
これで、エゼがLWだというのなら100%完璧だったかもしれないが、まあエゼはLWでプレイしてもいいし、いずれにせよ補ってあまりあるタレント。
とはいえ、もし今回の移籍ウィンドウで心残りがあるポジションがあるとすれば、それはやはりLWか。マルティネリとトロサール。アーセナルとしてどちらも非売品ではないという事実が物語る。デッドラインデイのリポートでも、クラブはトロサールへのオファーを待っていたという。やむを得なかったとはいえ、エゼへ行く前に彼の給与を上げた判断が悔やまれる。
アーセナルでは、エゼと噂になっていた当初、「エゼの獲得とトップLWの補強は別予算」のようなことがしばしば云われていたのを憶えているだろうか。ここからさらにトップLWが来ていたら、まさに完璧だったと思える。
それと、今回のアーセナルのリクルートメントで印象的なのが、アーセナル移籍を熱望していた選手が多かったこと。
エゼはもちろん、ラブストーリーとまで云われるほどアーセナルに特別な感情を抱いている選手であり、ヨクレスもアーセナルに来たくて来たくて震えていたひとり。自分のサラリーを犠牲にしても彼はこの移籍を実現させたかったというエピソードが物語る。
ズビメンディはアーセナル移籍に際しては、リヴァプールやレアル・マドリッドのようなクラブを袖にしたし、ノーガードはアーセナル移籍が夢だったと涙ぐんだ。
マドゥエケは……チェルシーが大嫌いだっただけか(笑)。
まあ、とにかく相思相愛。これは理想的な選手とクラブの関係。もちろん、その関係が今度どう発展していくかは選手とチームのパフォーマンス次第だろうが、スタートは理想的といってもいいだろう。
最後に、これに言及する必要がある。アンドレア・ベルタ。
今年3月にエドゥの後任としてクラブにやってきて、これが彼にとっての最初の移籍ウィンドウとなった。そして、その有能さは、いかんなく発揮されたように思える。今回は夏を通して、ファンのあいだでも彼を称賛する声がずっと絶えなかったし、少なくないファンが今夏の補強をして、アーセナル史上ベストウインドウだと云っている。
なかでも最大の仕事はやはりヨクレス。ベルタが来るまではアーセナルのシリアスなターゲットでもなかったというのだから、ヨクレスは彼が連れてきたも同然。ヨクレスがアーセナルで成功できるか否かは、まだわからないが、もし彼の活躍でアーセナルが目標達成できるようなら、すなわちそれもベルタの功績ということになるだろう。
そのような未来を願わずにいられない。
このままデパーチャー部門も書こうと思ったのだけど、時間ぎれ。
このつづきは、別エントリとしてアップするのでしばしお待ちあれ。
つづく