昨日、グラニト・ジャカがアーセナルとサインしてからちょうど4周年だったそうで。
Four years as a Gunner! 🇨🇭
🗓 #OnThisDay in 2016, Granit Xhaka became an Arsenal player ✍️ pic.twitter.com/3pVrz6OsXt
— Arsenal (@Arsenal) May 25, 2020
費やした移籍金の大きさ(※TMによれば€45M)もあり、クラブやファンからも多大な期待をされながらも、その安定しないパフォーマンスはつねに賛否両論があったことは否めず。チーム内での高い評価とはうらはらに、けしてファンフェイヴァリットと云える存在ではなかったのは事実だろう。
去年末には、降り積もる批判についにフラストレイションを爆発させファンと衝突、冬の退団不可避という事態にまで追い込まれる事件を起こしてしまう。チームキャプテンとファンがあそこまでこじれたのは、ここ30年で最悪という悪い時代のアーセナルを象徴するできごとだった。
アルテタが来てから文字通り(アーセナルでの)運命が変わった漢の4周年に対し、ソーシャルメディアではちょっとしたお祝いムードもありつつ、相変わらず辛辣な評価もちらほら見られ。
今回は彼のアーセナルにおけるこれまでのキャリアを簡単に振り返りつつ、現時点でのファンからの評価についてざっとまとめてみよう。
ジャカの4年間 by Numbers
数字でジャカのこれまでを雑に振り返る。
※はじめに断っておくと、先日「ミスリーディングなスタッツ」についても書いたように、今回並べた数字も出場時間が考慮されていないシンプルな合計数だったりするので、P90(90分ごとの)やxGみたいなスタッツに比べれば、何かを評価するには非常に雑な数字であることを念為でご承知おきあれ。
以下データは、TMとPLオフィシャルサイトより。
16/17~19/20の現在まで。
- PLの試合出場121(10,161分)
- ゴール7、アシスト12
- イエローカード32、(ストレイト)レッドカード2
出場時間の多さ=ケガの少なさ=ボスの信頼
まず注目すべきは、安定した出場時間。とくに17/18シーズンのPLでは1試合も休まず、全ての試合でプレイしている。
ちなみにワンシーズン38試合90分をまるごとプレイするとプレイタイムは「3420分」になるが、このシーズンは「3266分」。もちろんチームでトップ。
16/17の32試合もチームやリーグへの適応が課題だったファーストシーズンにしてはかなり多いし、18/19は6試合分のケガがあったことを考慮すれば、29試合出場は、フィットしていて試合に出ないことはほとんどなかったということ。
彼の有能さの示すのに、この4年間、ヴェンゲル・エメリ・アルテタ、どのマネージャーからもチームの中心として重用されてきたことが挙げられがちであるが、この安定したフィットネスはおそらくその要因のひとつになっていたに違いない。
年間50試合近くプレイするビッグクラブ、しかもアーセナルのようなつねにケガ人に悩まされてきたクラブで、いつでも起用できるこのタフさはそれだけでも十分価値があったはず。
ゲイムメイカー
AFCに来た当初は、ヴェンゲルさんから「B2BのMF」だと思われていたという笑えないエピソードもあるジャカ。彼がアーセナルに来て判明したことは、彼のプレイスタイルはまるきり「ディープライイングプレイメイカー」だったということ。
パフォーマンスには批判も多かったが、この4年間で彼がアーセナルのパスゲイムの中心にいたことは紛れもない事実である。
以下シーズンごとの総パス数。()内はリーグランク。
- 16/17 2,298(2位)
- 17/18 3,116(1位)
- 18/19 2,245(10位)
- 19/20 1,486(24位)
パス数のばらつきもあるし、リーグランキングでも上下動が見られるが、アーセナルのチーム内に限っては彼がこの4年間でずっとトップのパッサーである。
いま手元にデータがないので詳しいことは書けないが、たしかファイナルサードへのパスについてもジャカがチームのトップだったはず(※今シーズンはMFのなかではセバーヨスがトップ)。
ポジション的にもいつもチームの中心におり、チームで一番ボールに触るのだから、試合による彼の出来不出来がチームパフォーマンスに与える影響は小さくなかったわけだ。
レアすぎる「ジャカ砲」
このブログのコメント欄などを見ると、彼のロングレンジのシュート、いわゆる「ジャカ砲」に特別な愛着(笑い)を持っているファンがいるようである。
たしかにロマンはあるし、毎回期待してしまうのはファンの総意でもあると思う。試合の流れなど関係なく藪から棒に決まるシュート。いつからか、ジャカがボックス近くでボールを持ったときスタンドから「シューーー!!!」の掛け声がかかるようになったのは観ていてなかなか楽しいものだった。ぼくもモニタに向かって思わず「打て!」って叫んでしまう。
しかし彼の得点については、この4シーズン(※正確には3と3/4シーズン)のPLで、計7得点ととても多くはない。このうち何本がジャカ砲と呼ばれるオープンプレイからのロングレンジのシュートだったのかは調べていないが、仮にその半分の4得点としても、121試合で4得点。つまり30試合に1点入るかどうかという計算である。
要するにジャカ砲はシーズンで1回決まるかどうかくらいの精度でしかなく、チャレンジの結果、がっかりするほうが圧倒的に多い。
対戦相手がわれらを研究していれば、ジャカにはむしろわざとシュートコースをちらつかせてロングレンジのシュートを積極的に打たせたほうがよいと考えるはずだ。だってどうせ入らないのだから。宇宙開発?
チームにロマンを提供してくれるジャカには感謝したいが、現実を見るに、われわれは彼がシュートモウションに入ったら逆に「ドンシューーー!!!」と掛け声をかけるべきかもしれない。笑える。。
🚀 XHAKABOOM! 💥 pic.twitter.com/Kgxi18Eqov
— Arsenal (@Arsenal) May 25, 2020
気持ちはいい。
アーセナルの試合は一年半前ほどからしか観てませんのでヴェンゲル時代はよくわかりません
ただ少なくとも思うのは、あまりにもうまくいかなかったエメリ時代ではオバメヤン以外はみんな上手くいかなったのでジャカも仕方ないのではないでしょうか
アルテタ下では生き生きしてるように見えます
rarely nice, usually not good
これですかね
個人的には、ジャカへの評価を見るとフットボールへの理解度を測れるなぁと思ってます。
ここ数年、常にクラブの重要な中心選手でした。
グーナーは総じて、選手に対してまともな評価ができてないように思います。
見たいものだけを見たり、非効率なものを良いと思い込んだり、事象への原因追求が浅はかだったり、よくも分からず礼賛し扱き下ろす。
ジャカにまつわる批判で、ファンベースに失望しました。その一方で、このクラブ自体は捨てたものじゃないなと改めて感心しました。
クラブや監督達からの評価は揺らいでない
今はたとえ移籍しても、とにかく幸せなサッカー人生を歩んでほしいと思ってます。それがアーセナルなら一番良いのですが。
全くもって同感
興味深く拝見しました。
まず、移籍初年度も結構出ているのが驚きました。
当時、「ヴェンゲルさん全然使わないなー」と思った記憶がありまして。
それも含めて、「みんななんとなく使いあぐねているのに、なんとなく使われ続けている」4年間、って印象ですね。
「単足」「遅い」「エラーが致命的」とか、散々ではありますが、心当たりがないわけじゃない。
ディープライング・プレイメイカーとしての能力は認めますが、守備面を中心とした戦術理解を上げないと、メリットとデメリットの収支を求めづらいのは確かだと思います。
そんな中で、アルテタが希望を見せてくれているのはもちろんとして、
エメリ初年次・前半もかなり出色の出来だったんじゃないかと。
当時はかなり存在感を出していた印象で、たしか彼の怪我以降チームの歯車もおかしくなった記憶です。
こちらで「替えの利かない選手discussion」みたいな企画があったときには、chanさん含めてかなり支持者も多かった。
いや、上げ足とろうってんじゃなくて、実際ジャカは当時すごく良かったと思うし、
どうしてあんなに良かったのか、19-20は何が悪くなっちゃったのか、その辺はもっと論じられても良いと思うんですよね。
個人的には、パーソナリティも含めて思い入れがあるんで、頑張ってほしいんですけどね。
日本と違ってイギリスはコロナが蔓延して一日に何百人という人が亡くなってるような状況なので、以前ジャカを叩いた人たちが自分の気持ちを軽くするために叩いてるっていう感じじゃないですかね。
欠点については批判は当たってるので、僕はジャカのファンだけど言い返しようがない。
chanさんのブログは比較的マトモに扱ってるほうかと。
ただ選手には長所と短所があって、そのピースをチームにどうやってはめるかだと思う。アルテタが使い場所を変えただけでジャカが良くなったわけじゃないという批判は、いい意味でも悪い意味でもその通りだと思う。
適切な使い方をした上で、選手にそれプラス何を要求するか?が大事だと思う。あの頑固で不器用で愛想のない選手が、もう一歩先に進んでくれる日が来たら僕は幸せ。
ジャカについてはまあkey player として扱う価値ないってのが評価かな。
エジルに関してもこの議題が存在したけど、チームストラクチャをわざわざ構築する価値あるほどの選手とは思わない。
野球の指標でいうとRCwinが低い
(RCwin=そのリーグの平均的な選手と比べてどの程度勝利に貢献したか)
アップデート可能ならばして欲しかったんだけど、他に優先すべきポジションあったし、ELだし。。
どっちが先か、、ジャカだからELどまりなのか、ELどまりのチームではジャカが精一杯の選択肢だったのか、、
チームが良いときには良く、チームが悪いときには悪い
普通の選手かなあと
キャプテン風ではあるが、チームの調子が悪いときに圧倒的なリーダーシップを発揮してチームを助けてくれるような能力がない。ヴィエラやセスク・ファブレガスはプレイヤーとしてのタイプは違ったけどチームをグイグイ引っ張っていた。
ジャカは普通にチームの駒の1人として扱えば、より良いと思う。皆さん感じることはいろいろあるんでしょうけども
彼の長所は認めるが、その長所も特別なものではなく往々にして平凡…短所は言わずもガナ…
なにより、前への推進力がないというのが致命的
ジャカは、明確なタスクや役割を与えられないと輝けない典型的な選手だと思う。フリーダムなベンゲル期や、保守的なエメリ期は彼が悪目立ちしていた中で、アルテタになって戦術的なタスクを与えられてからようやく求める最低限の水準のプレーになった印象。
ただ、それでも彼の個人エラーの多さと守備対応の酷さが無くならないのが一番の問題だろう。現代フットボールの最高峰であるプレミアでプレーする選手、特に中盤は欠点が無く、ミスをしないことが最も重要だと思う。(だからこそ、トーマスパーテイが必要とされている!)
そういう意味で、彼は時代錯誤な選手かなと思う。