昨日のアーセナル界隈は、まさに阿鼻叫喚という感じでしたね。
もちろんその理由は、アーセナルの夏のトップターゲッツのひとりだと云われ、先日は実際にノリッチにオファーをしたとも伝えられたエミリアーノ・ブエンディアを逃しそうだというニュース。
またまたGOALのチャールズ・ワッツが「ヴィラがブエンディアの獲得で先行している」とブレイキング。すぐにオーンステインやロマーノらのトップTierジャーナリスツもつづいた。
Understand Aston Villa have moved ahead in the pursuit of Emi Buendia. They are closer to meeting Norwich’s demands.
— Charles Watts (@charles_watts) June 5, 2021
アストン・ヴィラの動きは懸念されていたとおりで、このあとには、彼らはアーセナルより好条件をオファーし、それをノリッチが受け入れたと伝えられた。
アーセナルのファンたちは、ブエンディアというターゲットを取り逃したこと以上に、ヴィラのようなクラブに、いと尊きアーセナルFCが出し抜かれたことに痛くプライドを傷つけられているといった様子。われらは彼に本気だと伝えられていたのだから、なおさらである。
この件について、現状と、思うところを少し書いてみよう。
エミ・ブエンディアはアストン・ヴィラ移籍へ
ブレイキングニュースからもう1日たっているので、各所での情報はコンセンサスが取れたものになっているように見える。
ちょうどこれを書いている2時間ほど前に、TheAFCBellがこの案件の状況まとめのようなものをtweetsしていた。以下のようなものだ。
معلومات #جرس_أرسنال نقلاً عن ثلاث مصادر مستقلة مقربة للغاية من غرفة المفاوضات في صفقة إيمي بوينديا: “أرسنال قدم عرضا قوامه 30 مليون باوند، هذا مؤكد 100%” لكن نادي نوريتش قام برفضه. عرض أرسنال كان دون عرض أستون فيلا على صعيد العرض المقدم للنادي والعقد المقترح على اللاعب.
— TheAFCBell 🇵🇸 (@TheAFCBeII) June 6, 2021
TheAFCBell:以下は、このエミ・ブエンディアの交渉にかなり近いところにいる、3つの異なるソースからの情報。
「アーセナルが£30Mのオファーをしたことは100%間違いない」。だが、ノリッチがそれを断った。アーセナルのオファーは、アストン・ヴィラからのオファーと選手へのオファーにおいて下回った。
アストン・ヴィラの最終的なオファーは、£33Mが保障され、またそれが£40Mまで上昇するインセンティヴズがついたものだった。さらにノリッチが将来的な選手の売却額の10%を受け取れる条項が含まれた。(アーセナルはそのような条項を入れるつもりなし)
選手はアストン・ヴィラを受け入れた。しかし契約にはまだサインしておらず、メディカルも済んでいない。(ジャーナリストのクリス・ウィートリーが最初に報告したようにつぎの火曜に行う予定)
アーセナルはアストン・ヴィラのオファーに対抗する気はないので、今後サプライズもない。これにて終了。
これにくわえて、Bell氏は「わたしたちはかつてブエンディアがアーセナル移籍に近づいていると指摘したことはないし、個人合意があったとも云っていない」。さすがである(笑い)。
ぼくの観測範囲では、この情報は、ほかのジャーナリストたちが報じている内容とだいたい同じなので、信憑性も高いように思われる。
ロマーノは、この数日中にクラブからアナウンスされるだろうと伝えていた。
アーセナルはなぜターゲットを逃したのか?
いくつか理由を考えてみよう。
予算がなかった?
アーセナルのオファーは£30M。
それと比較してもヴィラのオファー£33~40Mは、あきらかに気前がよかった。クラブレコードだとか。さらに10%のセルオンまでつけた。
だが、アーセナルに予算があれば、そして本気なら、対抗できない金額でもなかったろう。
最初からノリッチのブエンディアへの要求は£40Mというのはふつうに報じられていたのだし。となれば、ボーナス含めて£40Mあたりで決着しそうな予想はできたはず。
ということは、アーセナルは、去年のホッセム・アワーと同じで、相手が受け入れるか否かに関わらず、予算の上限を設定していた可能性がある。
AFCBellのリポートにもあるように、アーセナルはノリッチに最初のオファーが断られたあと、セカンドオファーをしていない(と見られている)ことからも、わりとすぐに諦めたというふうに見える。
去年アーセナルはアワーにも実際にオファーをして、伝えられた金額によれば、もう少し出せばOLの要求額にも近づきそうなのに?というところで、それ以上のオファーは出さなかった。
どうしても欲しい選手ではなかった?
アーセナルがブエンディアにセカンドオファーを行わなかった理由として、彼にそこまで本気ではなかったという見方も一部ではされているようだ。
まあアーセナルのような金欠が£30Mのような大金を出そうとした時点で本気じゃなかったというのは、なんだかいい訳じみているが。
ただ、そういうふうに見られる理由として、当然マーティン・オーデガードの件があるからだろう。
タイミング的に、もし今後オーデガードを獲得できるチャンスがあったときに、ブエンディアにここで£30M以上出せば、それに影響を及ぼすからとか。
彼はオーデガードを取れなかったときのセカンドオプションだと云われていて、そしてまだオーデガードの去就は決まっていない。トップターゲットに望みがある以上、セカンドオプションに予算をぶっこんで勝負するような思い切った行動を取れない、後ろ髪を引かれる状況はあったといえばあった。
あるいは、ここでブエンディアを取らなかったということはレアル・マドリッドとの交渉に何か進展があったサインとか? どうだろう。
エイジェントEM?
エミ・ブエンディアとエミ・マルティネスは同郷の親友というだけでなく、エイジェントも同じだそうで。こうなってしまえば、結局彼がブエンディアの勧誘・説得で果たした役割は大きかっただろう。
ブエンディアはしばらくアーセナルとリンクされていて、選手本人はアーセナル移籍に乗り気と云われていたのだから、それを信じるならば、彼は心変わりしたのだ。そのキーマンがマルティネスだった?
アーセナルのことをよく知っている彼だからこそ「いまのアーセナルには行かないほうがよい」というような、ネガティヴキャンペインをやったかもしれない。しらんけど。
マルティネスはアーセナルからヴィラに移籍し、この1年は非常に充実したシーズンを過ごした。結局ヴィラはPLではアーセナルより下位フィニッシュとなってしまったが、シーズン中も多くの期間でアーセナルと大差ないポジションをキープしていたし、マルティネスは一時はPLのTeam of the seasonに選ばれそうなくらいの活躍ぶりだった。
逆にアーセナルではレノの評価が割れたシーズンでもあったため、よけいにあのときにマルティネスではなくレノを選んだ判断を責められそうな状況はあったのに、今回の件で……。レノはこの夏に退団を希望しているシニア選手のひとりとも云われているので、アーセナルとしてはもう踏んだり蹴ったりである(笑い)。
アーセナルはブエンディアを逃してよかったのか?
さて、エミ・ブエンディアにはみんな期待していたと思うので、今回のことはさぞかしがっかりしているだろうけれど、実際どれほどチームビルディングに痛手なんだろうか。
ぼくは実際の彼がどういう選手なのか、プレイを観ていないし、よく理解していないのでちょっとわからない。£33Mの価値があるのかどうか。
昨シーズンのはじまりにr/Soccerにポストされた、ブエンディアのスタッツを分析したサブが参考にはなった。これは非常に洞察のあるものだと思う。かなりの長文。獲得が決まったらくわしく紹介するつもりだった。
[OC] A statistical case for Emi Buendia
まとめはこんな感じだ。
- ブエンディアは、他の選手よりもはるかに高い確率で危険なエリアへのパスを完成させるなど、エリート級のチャンスメイク能力を持っています。
- シュートや得点はあまりしないが、それは彼の得意とするところではなく、潜在的にはもっとチャンスを生かすことができるかもしれない。
- 非常にダイレクトなドリブラーで、高い確率でディフェンダーを攻略しようとするが、ボールを持っていることが多いため、タックルされたり、奪われたりすることも少なくない。しかし、ボールを持っている時間に対する奪取率は、実際には悪くありません。
- 創造性豊かなアタッカーのようなスタッツを持つ一方で、ボックス・トゥ・ボックス型のミッドフィールダーのようなポゼッションとボール保持能力を持っています。ノリッジの守備範囲に深く入り込んでボールを奪い、フィールド上でボールを前進させてシュートチャンスを作ることを期待されていた。
- 非常に積極的なディフェンダーで、ディフェンスを助けるために走って戻り、ボールキャリアーと非常に高い確率で交戦した。いずれにしても、このスタッツを見る限り、彼はプレスの多いチームでも、ポゼッションの少ないチームでも、腰を据えてプレーすることを厭わないし、どちらも苦手ではないだろう。
- そして最後に、ノリッジは彼がピッチにいるときも悪いチームだったが、彼がいないときはさらに悪いチームになっていた。彼は統計的に、グリリッシュがヴィラで意味していたことをノリッジで意味していたようだ(ただし、グリリッシュのように一瞬の輝きで試合を変える能力はないと思うが)。
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ユーザのやりとりを見るかぎりでは、必ずしも正確な評価でもないようだが、まあおおむねこんな感じらしい。
うえのまとめで重要なことは、このあとの20-21シーズンにブエンディアはチャンピオンシップでG16 A15というバケモノじみた数字を残したこと。「シュートや得点はあまりしない」という評価は、PLにおける19-20シーズンのG1 A7という数字が根拠になっていただろうが、それを真っ向から覆したという。
やっぱり惜しかったかな(笑い)
個人的に、彼を逃しても受け入れられると思えるポイントがひとつあって、それは、彼がずっとRWでプレイしてきているということ。この2シーズンはノリッチでほぼRWだった。
もちろんアーセナルには、RWにサカもぺぺもいるが、アルテタは彼らのためにブエンディアを別の場所で使っただろうか。
なんとなく、そのままRWに置いてノリッチのときと同じように使おうとするんじゃないかと思う。そうなるとサカを左で使うなど優先したい以上、犠牲になるのはぺぺ。
それはイヤなんだよだなあ。
ターゲットを獲得できないアーセナル
今回の件で、多くのアーセナルのファンが失望して憤って傷ついているのは、ブエンディアというひとりの選手を取れなかったというよりも、アーセナルFCがいま置かれている<現実>を見せられた気分になっているからではないだろうか。
これから本物のスターになろうという若い選手が、アーセナルではなくアストン・ヴィラを選んだこと。
そんなことがあるのかと。あっていいのかと。
でもそれはアーセナルのファンなら誰しもが薄々は感じていたことでもあると思うのだ。
CL常連のトップクラブでなくなってからもう5年めを迎えようとしていて、来年はついにヨーロッパがないシーズンで、それは25年ぶりという。アーセナルの凋落はずっとつづいている。おそらくは、クラブの魅力もファンが思っている以上に減退している。そんな認めたくなかった現実を突きつけられた。
個人的に、スポーツで結果が出ないとか、クラブ経営でも問題あり(選手リクルートやマネジメントはほんとうに最悪)というだけでなく、いちばんキツいのは、やはりアーセナルのフットボールそのものが魅力的でなくなっているということ。
そんな凋落の現実を、目の前に突きつけられたような気分に。
ラウル・サンレヒの「アーセナルは違うノックになる」発言は、アーセナルファンの自尊心をたいへんにくすぐる名言だったといまでも思うが、そういうクラブの魅力からくる神通力のようなものが、ますますマーケットで通用しなくなっている。
そういうことを実感させられる今回の獲得失敗だったように思える。
おわり
あの時マルティネスじゃなくレノを選んだのは最適な判断だったと思いますけどね。Chanさんが言っているのはエミマルが移籍先で活躍してアーセナルが今シーズンも低迷したからだし、あの時エミマルを選んどけばっていうのは結果論にすぎないと思うんですが…
わたしもそうおもってますから大丈夫。
グリーリッシュとろう☺️
カントウェルとろう☺️
誰がきても来なくても、戦い方ですよね。
footballの魅力がないってゆうのは何よりも苦しい。
アルテタさん、なんとかしてください。
あなたはアーセナルの過程を普通の人より十分に見ているはずなのに
かなりネガティブなバイアスがかかってるように思えますよ。
結果論ですらない憶測で叩くのはアンチがすることですからね。
精神衛生が心配です。
余計なお世話だし、しつこい。
エントリーを楽しみにしているファンからすると、ただただ邪魔なコメント。
自重して下さい。
他人のブログに嫉妬しているヒマがあったら自分を見つめ直しては?
アクセス数稼ぎの炎上商法に手を出すとは驚きです。
そういう類のブログではなかった認識なんですが色々変わりますもんね。
心中お察しします。
上の人同様に、邪魔コメント。
書き込む必要のないコメントは自重して下さい。
嫉妬?
ブエンディアがRWならそもそもオファー出した事がよくわからないです
最優先は中盤でしょ
ぺぺが犠牲になるのは嫌だ
コレに尽きますよね。
だからそんなに痛くないし、去年だってアワールに失敗してもパーティが来て、レンタルながらオーデガードも。
ゆえにそんなに心配せずとも、きっと来季は優勝です。
NO8タイプで輝ける獲得候補って誰かいますかね〜
謎に怒り心頭なコメントが2つ(失笑)
それはともかくこれは…!
ウルトラCが起こってカマヴィンガが来るのでは…?笑
お疲れ様です。
私はブエンディアを逃したという感覚は無いですね。本気で取りに行ってないと思います。プレイ集だけですが、何が凄いのか分かりませんでした。ヴィラに行ったのは、試合に出る事、年俸、マルちゃんを優先したからだと思いますよ。
ブエンディアとってサカのモチベーションやパフォーマンスがダウンする、というのが一番の悪手、かつ、ウィロックがRWでいいパフォーマンスしているのを見ると、うーん。これでグリーリッシュがヴィラから移籍するのは確実になったということですかね。
アーセナルの近年の凋落も悲しいが、ヴィラに負けた、Eduの責任だ解任だと騒ぎ立てることしかしない、サポーターがクラブをサポートしない現状が一番悲しいです。
個人意見としては手探りの中個人能力とバス駐車でとったFAカップ、DFをfirst priorityとしリスクをほぼ取らなかった今期と来ているので、来季のアルテタサッカーは攻守のバランスとリスクテイクを調整して魅力的なサッカーをすると期待してます。声援の後押しもあるので。クリエイター不足ってよく耳にしますけどESR、Saka、Pepe、Willianいて足りないってあり得ないでしょ、問題は選手の質ではなくどこまでリスクとって攻めるかであって、これだけ意識的に遅攻してそれなりに点取れてる現状はさすがアルテタとトッププレイヤーたちと思ってます。
以前(昨シーズンか)ブエンディアが候補に挙がった時にプレイ集を見たときの印象としては絶対にノーでした。トップ4(6も含むかも)を目指す補強ではないという印象。今シーズンのプレイ集を見た感想はそれより少し改善が見られる気もしたのでなんとも。悪くはないかもだけどリーグのこと考えると確信は持てないなと。なので個人的にはあまりダメージ受けてないですね。でも他にいい選手の名前が挙がらないのが心配にはなるかなぁ。