アーセナルがドンカスター・ローヴァースと戦った先日のカラバオカップ(EFLカップ/リーグカップ)で、エミレーツ・ステディアムの観客動員数が過去最低だったという件。どうもアーセナルだけじゃなくて、ほかのクラブの試合も含めてこのカラバオカップは全般的に観客動員が低迷していたらしい。
その日に台風がきたとかストがあったとかではなく、単に大会の「人気がない」というのが理由だという。たしかに平日夜でクラブも大して重視していない大会とあっては、熱心なファンにとっては普段見られない選手のプレイが観られるチャンスだが、多くのファンにとってはわざわざ足を運ぶ価値もない大会となってしまっていると。そんな話があった。(このESPNの記事によるとクリスタルパレスとハダースフィールドの試合に訪れたのはたった6,607人だったとのこと。J3かな?)
Stagnant League Cup needs reforms to inject life into failing competition
※追記 グアルディオラも文句をいい始めた。
Pep Guardiola: Manchester City boss says Carabao Cup is a ‘waste of energy’
興味深かったのでざっくり訳してみよう。どうすればいいんだろう。
停滞したリーグ・カップ。ダメ大会に改革が必要
昨シーズンのリーグカップ、タイトルホルダーであるマンUのジョゼ・モウリーニョは「この大会ってイングランドのフットボールにとってないと困るものなのかね?」と語った。
ウェンブリー・スタジアムで行われたカラバオカップにたったの23,926人しかやって来なかったToTのポッチェティーノは「カラバオカップとかFAカップに勝とうとしてEPLやUCLをおろそかにするなんて頭がおかしいと思う」と試合前に語った。
この20年、リーグカップはとくに初期のステージはエリートクラブにとってある種の練習の場として使われてきたが、観客が減少しているし、小さなクラブですらリーグ戦を優先するようないま、改革のときがきている。
FAカップと一緒にしちゃう?
どっちもしょぼいカップ戦なんだから合併しようか。カップウィナーズカップとUEFAカップはくっついてUEFAヨーロッパリーグになったくらいなんだからいけるんじゃないか?
試合日程もなんとかしよう。モウリーニョはいまの国内カップ戦の日程がイングランドクラブにとってヨーロッパでの成功の障害になっていると指摘している。
負担を減らそう
90分で決着つかないときは即PKとかどうだろう。1月の準決勝からホーム&アウェイもやめよう。そんな大事な時期に馬鹿げてるっていうか時代錯誤も甚だしい。ウェンブリーでやればいいじゃない。FAカップはそうしているんだから。
U23限定の大会にする?
マーカス・ラッシュフォード、ドミニク・キャルバート・ルウィン、リース・ネルソンにチャーリー・ムソンダ。カラバオカップでプレイした明日のスター。インフレしたスコッドを抱えるEPLクラブにとってリーグカップは若手の練習グラウンドになっている。
ファーストチームで出場機会の少ないシニア選手にとってもせっかくの出場機会だから残念に思う監督もいるだろうが、EPL2(U23)の選手たちと下位リーグのクラブの大会にすれば、彼ら若手が下位といえど経験豊富なプロたちとプレイできるチャンスとなる。
シードクラブもアウェイで戦う
オールド・トラッフォードで54,256人が入ったのは置いといて、基本的にいまリーグカップの人気はだだ下がり。EPLのシードされるクラブも普段の大きなスタジアムから離れて、いっそ小さなクラブのグラウンドでやったほうがいろいろ盛り上がるんじゃないか? そのほうがTVでライブ中継されて放映権料が入るかもしれないし、儲かるかもよ。ビッグクラブのロイヤルなファンたちもスタジアムに駆けつけるだろう。
チケット激安作戦(10ポンド以下)しよう
ToTはすでにそれをやってもダメだったから必ず成功するってわけじゃないんだけど。でもウエストハムは似たようなことをやったし学校にチケットをばらまいたりして、結局35,806人をロンドン・スタジアムに動員した。「Pay on the gate(入場時に支払い)」もやったね。
以上。だいぶはしょった。
この記事のコメントでもかなりいい解決策が提示されていた。それは「ヨーロッパリーグかチャンピオンズリーグを戦っているクラブはリーグカップに参加しない」というもの。たしかに、そもそもビッグクラブは試合数が非常に多く、主力は使わないとはいえリーグカップがないだけで負担はけっこう減るだろう。
FAカップに比べると、「ミッキーマウスカップ」とか呼ばれて権威も魅力もないリーグカップだが、それに加えてフットボールファンにとっても人気がますますなくなってきているとなると、あらためて存在意義を問われてしまうのも無理もないかもしれない。
アーセナルにとってのEFLカップ
アーセナルにとってのリーグカップも、やはりほかのビッグクラブと同様、若手やサブの選手、怪我あけの選手たちを中心に戦う大会である。ファーストチームのレギュラーを使って「本気」になるのは、準決勝あたりに進んでからだろう。
しかし力を入れてないからといってタイトルがほしくないわけじゃない。アーセナルのような微妙なクラブなら取れるタイトルなら取りたいはず。
ではこれまでにアーセナルがどれだけリーグカップのタイトルを取ってきたかといえば、たったの2回である。これはレスター・シティ(3回)よりもToT(4回)よりも少ない。まあ本気じゃないし、なんて思って準優勝の回数をチェックするとこちらは5回とトップ。本気だが優勝できなかったというのが真実に近いっぽい。なんか恥ずかしくなってきた。ちなみに優勝回数1位はリヴァプールで仏恥義理の8回。詳しくはWikipediaをご覧あれ。
冠スポンサーのことも載っている。毎年違うスポンサーじゃなかったのか。まあ3つくらいしか思い出せなかったもんな。そりゃそうか。