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「移籍にオープン」ラカゼットのコメントが波紋。アーセナルの文化改善?

PLの直近5試合で4敗と、フォームが急激に落ちているアーセナル。

もう明日はチェルシー(A)だが、ここでわれわれが生まれ変わったかのようにベストパフォーマンスをやるとも思えず。トップ4フィニッシュは風前の灯でござる。

そんななかで、キャプテンのアレクサンドル・ラカゼットがフランスのメディアに語ったというコメントが、あまりに無神経とファンのあいだで物議を醸している。

ラカゼットといえば、今シーズンはチームのメインストライカーであるにも関わらず、25試合でオープンプレイからたった2得点しかしていないということで(ペナルティがふたつで計4)、得点に深刻な問題を抱えているチームでは、とくに責任を感じるべき立場のはず。



ラカゼット「ぼくはヨーロッパでプレイしたい」

彼の『Canal Plus』でのインタヴューは、英国でも各メディアが伝えている。『football.london』より。

ラカゼット:いまたくさんのクラブと交渉しているところ。ぼくは(移籍に)オープンだ。

リヨンとは、退団してからもつながりが途絶えたことはない。年に一回か二回は、リヨンのメディカルスタッフのところへ行くことにしている。彼らとはとても親しいから。リヨンはぼくがフリーになることを知っている。提案をしてもらわなきゃならない。

(ヨーロッパがなくてもOLに戻る?)それはちょっと難しい。ぼくはヨーロッパでプレイしたい。CLでプレイしていたときから、もう長い時間がたっているし、プレイしたい。だから、ちょっとだけ複雑なんだ。でも人生で絶対はない。ちょっと難しいけどね。

べつに、云いたいことは云えばいいけれど、まだシーズンが終わってもいないこのタイミングで、来年のこと、自分の将来のことをこんなふうに公の場で話すか?

彼はキャプテンとして、チームの現状に責任を感じてはいないのだろうか。

外国人選手が、母国でぶっちゃけトークをやる例というのは、わりとあるが(アルテタでさえ433をやりたいのに選手が足りないとぶっちゃけたのは、スペインメディアだった)、ラカゼットの今回のコメントには、あきれるファンの声を多く見かけた。しかも、よりによって、いまアーセナルのファンには非常にセンシティヴになっている(笑い)CLの話題を出すとは。

アーセナルFCの“The Arsenal Way”という文化改善

今回、ラカゼットのコメントにファンが戸惑っているというだけなら、スルーしようと思ったのだけど、ちょうど昨日、デイヴィッド・オーンステインがAFCについて非常に興味深いリポート(※要課金)をしていて、それと合わせて考えるとスルーできなかった。

そのリポートによれば、アーセナルFCはいまとあるコンサルティングファーム(People-Made)と組んで、クラブの「トップからボトムまで」文化的見直しに取り組むという。

現在のアーセナルは、ヴェンゲルさん以降、紆余曲折ありつつもクラブの再構築プロジェクトを実施している最中であり、アルテタが来てからも、フットボールの改善だけでなく、スタッフの再編成などにも着手しているが、最近は、クラブでの大きな課題のひとつとして「文化(culture)」の見直しが出ていたのだと。

そのプロジェクトは、クラブの内部では“The Arsenal Way”プロジェクトと呼ばれ、上から下まで組織全体をレヴューして文化を改善していくとかなんとか。

まあ正直、具体的に何をどうするのかよくわからないが、アーセナルでフットボールクラブとしての一貫したポリシーについてあらためて見直そうという動きがあるなら、ファンとしては歓迎すべきことだと思う。ここ数年でも、クラブが迷走していると感じるときは何度もあった。ポリシーを感じなかった。それは、おそらくクラブの関係者全員が同じ文化を共有していなかったから起きたのだと、考えられているのかもしれない。だから、それを改善するならいいことだと思う。

アルテタは会見などでも、よくクラブの価値や文化について述べているが、あらためて全社的にそれを明確にして、浸透させる必要があると思うほどには、十分じゃなかったのだろう。みんな捉えているものが漠然としていて、おぼろげで、ときにはそれが間違いですらあった。みたいな。

というようなリポートがありつつのラカゼットの発言。

これは、キャプテンが、いまこのタイミングで、述べるべき内容だろうか? クラブが改善したい、本来あるべき「文化」からすると、これはさすがに不適切なのではないか。

この窮地に、自分はCLでプレイしたいから夏には退団すると、チームのキャプテンが云っているのだ。一体感や団結はどこへ行った? キャプテンはこのチームをCLに連れていってはくれないのか? 若い選手たちがこの発言を聴いたらどう感じる?

チェルシーの試合前会見では、このラカゼットの発言も、クラブの文化改善のことも、当然話題に出ると思う。

アルテタがラカゼットについて、どのように反応するのか興味深い。

 

おわり



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