Hey.
PLもついに38試合め。日曜の全10試合で22-23シーズンのEPLは終了する。
今回も早かったなあ。毎年云ってるけど、一年を振り返ると、ほんとうにあっという間だった。
この間に起きたことをいろいろ思い返すと、いいことも悪いこともあった。が、概ねアーセナルのファンにとっては、有意義なシーズンだったのではないか。
もちろん、最高の目標を目前にして達成できなかったのはくやしいし不本意に間違いないが、なによりも得るものが多かったし、つぎに活かせるものもたくさんみつけた。これほど、つぎへの期待を大きく抱けるシーズンの終わりというのも、だいぶひさしぶりの感覚に思える。
なんなら、今年はタイトルを取らなくてよかったくらいである。だって、これからもアーセナル先生の新作を毎週ハラハラドキドキしながら観られるのだから。<PLタイトル編>は名作になる予感しかない。
さて、アーセナルのファイナルデイは、ウォルヴズこと、ウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズ。エミレーツに迎える。
彼らは、現在41ポインツでリーグ13というポジションで、ヨーロッパも降格も関係ない状況があり(勝ってチェルシーより上位フィニッシュしたい?)。2位が確定しているアーセナルと同じく、ほとんど消化試合ということで、あまりコンペティティヴな試合は期待できそうにない。
アーセナルにとっては、ことし最後のホームゲイムということで、今シーズン中ずっと育んできたお互いの絆をチームとファンがともに確かめあうようなリラックスした雰囲気のなか、試合が進むことが予想される。
また、この試合でおそらく最後になるだろうグラニト・ジャカをはじめとした選手たちのお別れもあって、試合そのものよりも、感傷的な側面への関心のほうが高いかもしれない。
今年最後の試合をプレヴューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「これからの競争は今シーズンよりももっと厳しくなる」
金曜に行われたアルテタの試合前プレス会見。AFCオフィシャルサイトより。
(チームニュース……)
アルテタ:今週はいくらか問題があった。お気づきのようにこの数週間、何人かの選手はプレイできず、試合にも参加できなかった。リースもだ。ブカヨにも小さな問題がある。それはいまもつづいていて、あとはレオも。残りは大丈夫だと思う。
アレックスはまだアウトだ。ウィリアムもアウト。トミヤスもまだアウト。エルネニーも。起用できない選手が何人かいるが、あとはみんな大丈夫。
(サリバはプリシーズンまでに戻れる?……)
それを云うのはまだ早すぎる。彼は回復に向かっていると思う。この数週間の彼は、これまでの2ヶ月よりもポジティヴだった。われわれは彼を守りたいのだ。注意深くしている必要のあるケガだから。
われわれは彼がプリシーズンにチャンスを得られるために、来シーズンもまたやれるために、非常に保守的になっている。
(サカの新契約……)
クラブにとりグレイトなニュース。わたしはクラブがグレイトな仕事をしたのだと思っている。この取引を成立させるためにやってきた。彼は、われわれにとりかなり重要な選手であり、クラブをレペゼンしている。このあともいくつか決まることを願っている。
(夏に向けてあなたからファンへのメッセージ……)
いまはシーズンを終えることだ。スタイルをもって、グレイトなパフォーマンスで、みんなの前で勝利する。われわれは感謝の気持ちを示したいし、シーズンを通してもたらしてくれた素晴らしいエナジーを受け取りたい。そしてつぎのシーズンへ向けて築いていく。われわれは、ベストなかたちで締めくくらねばならない。
これはなかなかの旅路だった。エモウションにあふれ、高い期待があり、最後には達成ならず。しかし、わたしはちょっとした視点から観ている。そこにはたくさんのことがある。フィールド上のことだけでなく、クラブで起きたことは、たくさんのひとが称賛に値することだ。
(移籍ウィンドウで完璧にやる必要性……)
われわれは、行うことすべてにおいて完璧である必要があるし、関与することすべてにおいてエクセレンスを見つけていかねばならない。クラブでビッグインパクトを起こさねばならない。
わたしは、競争は今シーズンよりもっと厳しくなっていくと思っている。わたしの意見では、わたしがこのリーグにいる22年のなかでも最高にキツいことになる。
それをやるために、自分たちにはとても有望な計画がある。多少対応はせねばならないかもしれないし、ステップバックもあるかもしれない。これが正しいやりかただと確かめ、より決意と渇望をもってあらためてやっていく。
(クラブとサポーターのシナジーについて……)
わたしが観た夢に非常に似ている。マネジャーのポジションになる二日前、わたしはべつのポジションで、あまりうれしくもなくその絵を観ていた。今年の経験が念頭にあり、わたしは非常に似たポジションだった。なにか重要なことが失われている。みんなでいっしょにカップを掲げること。それこそ、われわれがいまやろうとしなければならないことだ。
(最後の試合を迎える気持ちを去年とくらべて?……)
最後に望みがかなわなかったという類似点はある。好きなように喜ぶことができないということもあるが、それはもちろん違うものだ。
わたしは、われわれがフットボールクラブとして非常に大きなステップを踏んだと思うし、チームとして非常に大きなステップを踏んだと思う。われわれの競いかた、伝えかた、そこにはたくさんのポジティヴなことがある。
だがわれわれはアーセナルだ。アーセナルは勝たねばならない。アーセナルはベストでなければならない。われわれはまだそれをこのクラブにもたらすことができていない。
(このシーズンをひとことで表すと?……)
つながり(Connection)。チームにはつながりがあったと思う。クラブにも。クラブの部署間でもとてもパワフルにお互いがつながっていた。
観客がチームと、クラブと、オーナーシップと世界全体とつながりがあった。
そしてわたしが思うに、われわれは自分たちのDNAと再びつながった。自分たちが誰なのか、自分たちのものごとのやりかた。われわれは前進せねばならない。
(シーズン最後のセレブレイションはある?……)
セレブレイションはない。当然。まず、われわれの側からすれば、選手やスタッフがやってきたすべてに感謝を示す。彼らの捧げてきたワーク、エナジーと情熱。
われわれは先週、みんないっしょにディナーをとった。わたしが想像するに、日曜のステディアムではわれわれの家族がいて、みんながそこにいて、シーズンを締めくくるいい時間になるだろう。
(Julen Lopeteguiの印象……)
彼はまたグレイトな仕事をしている。彼は、シーズン中にとてもむずかしいポジションで仕事を引き受けたと思うし、そしてすぐに彼がリソースを使いパフォーマンスさせた。誰もが考えたよりもウォルヴズはもっと安全になった。おそらく彼は、非常に困難な環境のなかでそれをやったのだ。
(夏のあいだWinは誰が世話をするので?……)※イヌ
彼女の世話をしたがるひとが300-400人くらいいるんじゃないかな。だからそれは問題じゃないね! 彼女もとてもよく面倒をみさせてくれるはず。
(来る移籍ウィンドウでは早くに取引を開始する?……)
それは、間違いなくチームが正しい基礎をつくるのに貢献するだろう。正しいケミストリを築き、正しいレヴェルに達し、新しい選手にちょっとした適応の時間を与えられる。新しい生活、新しい国、新しいチーム。それは自然に起きることだ。
われわれには何人かのグレイトな選手たちがいるが、なかにはとてもいいキャラクターで迅速にチームに溶け込むものもいる。
われわれは始めから生み出していた。それが決定的になる。そこから勢いを得ていく。
(グラニト・ジャカの状況……)
選手の将来についてはわたしは話せないし、話さない。われわれはシーズンを終える必要があり、そのあとつぎのシーズンをプランしていく。
(タケヒロ・トミヤスはプリシーズンには戻れる?……)
彼はとても近いと思う。できれば、彼にはウィリーとともにプリシーズンあたりにはいてほしい。彼らは、とてもハードに取り組んでいるし、彼にとっては問題がありとてもむずかしい年だった。
彼はすごい人間であり、トッププロフェッショナル。われわれは、ただ彼には戻ってもらいたい。なぜなら、彼が起用できればチームには非常に役立つから。
(今シーズンの進歩を助けるためにあなたが毎日やってきたこと?……)
われわれはそれを反映している。たくさんのことがあり、クラブではとてもうまくやってきた。ファーストチームでも、スタッフでも選手たちのあいだでも。
だがこのリーグでは、それでは十分ではないため、われわれはよく観て深掘りしていかねばならない。何をもっとうまくできるか? 選手たちに必要になるものはなにか? 来シーズンにクラブに必要なものは?
だからわれわれは、非常にエキサイティングなシーズンのなかで、選手たちが10ヶ月半でベストを引き出せるチャンスを与えることができる。それがプロセスの考えであり、あらためてやっていき、完璧にやらねばならない。
(どうやってすべての選手のベストを引き出す?……)
まず、わたしは自分に批判的でなければならない。わたしの仕事は、起用できる24人からベストを引き出すことであり、それができていなかった。
まだ3-4人は、大きなポテンシャルを持つものがあると云えるが、今シーズンはいろいろな理由で彼らはそれができていなかった。ケガ、ゲイムタイム、わたしがチャンスを与えなかったから、あるいはわたしが彼らを十分プレイさせようとしなかったから。
われわれはそうしたマージンを観る必要がある。なぜなら、われわれのマージンといまいる選手、それをもっとよくするのがわれわれの仕事だから。
(先週マンシティがタイトルを掲げる姿を観た?……)
試合全体は観ていない。試合の一部を観て、そのあとセレブレイションの一部を観た。それを観るのに8時間も座ってられない。
(なにがあなたの心に去来した?……)
あれがわたしがほしいもの。もし彼らがそれを勝ったなら、それは理由があるからだ。われわれは、たくさん正しいことをしなければならない。このリーグではほとんど完璧に。そして、彼らはそれをやった。
(夏にトッププレイヤーたちを引き付けるためのセールスポイント?……)
われわれが何者かを説明すること。どうそれをやっているのか、彼らになにを望むのか、彼らがわれわれのカルチャーにどうフィットすると考えているのか、そしてクラブとして正しいことをやること。
正しいプロファイル、正しい金額で、われわれがやろうとしていることにフィットする選手を買うこと。選手とスタッフがわれわれの車をもっと速くしてくれて、グレイトなシーズンを送れるようにしてくれる。
(シーズンの終盤にはワールドカップの影響がでた?……)
たしかにそれはあった。だが、われわれはシーズンのその部分をとてもうまく利用した。チームに大きなインパクトを与えたケガの問題はあったが、それはコントロールはできないものだ。
そこはわれわれが適応せねばならないものであり、スタッフが素晴らしい仕事をした。だが、予想できずに不幸にも起きてしまうことはある。そこは難しかった。
(この夏に選手たちがどれほど休めるかに影響を与える?……)
選手のうちの何人かは、より多くの休みを与えたいが、彼らにはNTでのおつとめがある。個人的なおつとめがあるものもいるし、ほかにケガ人もいる。
おそらくわれわれには、残念ながらここ数年よりも多くの長期のケガ人がいる。そうした選手たちは、夏のあいだともにワークしていく必要がある。
心理的にも難しいのは、建物のなかは空っぽであり、彼らはシーズンを通してすでにたくさんの要求でリハブしてきたから。われわれは、彼らにフレッシュであってほしいし、プリシーズンの始まりには彼らのマインドがフレッシュであるか確認せねばならない。初日ここに来てやる気があるかどうか。
(彼らをどうサポートしていく?……)
スタッフとわたしが彼らのそばにいる。われわれは、彼らのフィーリングを理解していなければならない。彼らの要求や、彼らにとりなにがベストなのか、そして彼ら自身がなにがベストだと思っているか。クラブにとってはどうか。
われわれはそのバランスを見つけ、コミュニケイションを通してそれをやっていく。それがベストなやりかただ。
(ブカヨの新契約が示すのは、アーセナルはもうベストプレイヤーを手放すクラブではなくなったということ……)
それは計画の一部だ。そして、現時点でわれわれはそれができる強い立場にいるということ。
われわれが決めたのは、彼は現時点でクラブにいる有名選手のひとりであり、彼の将来を確保したかったということ。われわれは、彼を最高にハッピーにできているし、クラブもまたそう。そこにはいい関係性がある。
以上。
今回のコメントのなかで個人的に注目だと思ったのは、「選手のベストをいかに引き出すか?」の質問でのミケルの回答。「チームのなかで3-4人はベストを引き出せなかった」と反省する調子で述べている部分。
ひとりは、まあ当然ネルソンだろうと。いまアーセナルと契約更新で注目が集まっている彼は、彼が15才のときからアルテタが知る選手であり。ボーンマスの劇的ウィナーはあきらかに今シーズンのハイライツのひとつだけれど、彼にとっては全般的には満足できるシーズンではなかった。アルテタが彼を信頼しなかったことは、サカを酷使することになった理由でもあったろう。
それと、たぶんESR。夏の売却がうわさされるESRを、アルテタが本心でどう考えているのかはやっぱり興味深い。でも、彼のベストを引き出せていなかったというのは、コーチとして率直な思いという気がする。彼のフットボーラーとしてのポテンシャルはもう知っているのだから。現状のシステムのなかで、彼をどう活かせるのかが課題。
ESRはクラブでのこのようなタフな状況がありながら、今回もイングランドのU21に選出されていて、こちらはマネジャーの揺るぎない信頼を感じさせる。
もうひとりはエディ? 彼もジェズースの代役だけで満足しているとは思えず。あんまり話題にならないけど、セカンドのCFとして今シーズン程度のチャンス(信頼度)なら、本人もつぎの契約は躊躇するかもしれない。