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ニコラ・ぺぺがアルテタとの不仲説を否定「彼にはいつだって助けられた」

7月になった。もう一年の半分が終わってしまったよ。

それにしても順調ですなあ。いまのところは。アーセナルの夏ウィンドウ。

ただ、補強と同時に進めなければならない放出/売却のほうは、ここまであまり具体的なニュースがないのが心配といえば心配。

AMNがフリーエイジェントになって以降、最近では、昨日パブロ・マリーの移籍が公式に発表されたくらい。ハンサムFCのひとりが行ってしまった。グッドラック。

ジャカ方面も驚くほど静かだし(レヴァークーゼンは思ったより多くの移籍金を支払うことになりそうというニュースはあった£20m)、バロガン、エンケティア、KTやロブホ(トルコリーグのうわさあり)はどうなるのか。まだ具体的な移籍先などは報じられていない。

というようななかで、ニコラ・ぺぺ。

彼は高給&ミケルのプラン外ということで、間違いなくこの夏アーセナルがもっとも売却したい選手のひとりでありつつ、彼もいまだに今後がどうなるか不透明な状況だ。ケガもあり不本意なシーズンを過ごしたOGCニースでのローンが終わって、ひとまずプリシーズンはアーセナルに合流する予定らしいが、現在はいったいどのような状況、本人の心境なのか。

ColinterviewというYoutubeチャンネル(Podcast版もあり)が、彼の独占インタヴューを行っていたので、今回はそれを少し紹介しよう。6月29日にアップされた動画。これ尺が1時間45分もある。。インデックスの見出しを観る限りでは、彼のキャリア全般について話していて、アーセナルに関する部分は1/3程度くらいか。

このブログではおひさしぶりのGFFNが、一部を英語翻訳していたので、そちらを拝借しよう。



ニコラ・ぺぺがアルテタとの不仲説を否定する「彼はぼくをいつだって助けてくれた」

ぺぺ:ぼくが彼(アルテタ)のチーム、彼のフィロソフィのレヴェルに達していない選手認定されたと、みんながいう。でもそれはまったく違う。

彼が来たとき、彼にはシティのフィロソフィがあった。彼にはクオリティで満たされたスクワッドがあり、どのポジションにもバックアップがいた。

彼と話したときには、彼はぼくを当てにしていると云っていたんだ。ぼくにこれをやってほしいとか、あれをやってほしいとか。そして、それに集中しなければならないと。彼はぼくをいろんな部分で成長させてくれた。いつでも話しかけてくれたし、ぼくも彼のアシスタントといっしょにいつも動画を観た。

彼はぼくをとても信頼していたよ。彼には、ぼくにはすごいポテンシャルがあるし、だからそのポテンシャルを解放する必要があると云われていた。

最初のシーズンが終わると、彼からはあれこれやってほしいことを云われた。2年めが来ると、ぼくはサブスティチュートになった。困惑した。ぼくのことを当てにしてると云ったのに、どうしてサブにならなきゃならない? いろんなことが頭のなかをぐるぐる巡った。

ぼくは10試合くらいサブになった感じがした。それは、彼らがウィリアンとサインしたときだった。彼はNo.10かウィンガーだったが、11か12試合くらい連続でウィングでプレイしたんだ。コーチと話してそんなじゃなかったのに、どうしてなのかと首を傾げた。

でもそれは、彼がぼくにチャンスをくれるようになって改善された。ぼくはエミレーツのシェフィールド・ユナイテッド戦でゴールした。自信が戻り始めたんだ。うまく話せるようになっていったし(※訳注:英語?)、でもちょっと冷たかった。

ぼくはエイジェントたちと話を始めていた。以前のようにお互いを観ることがなかった。でもそれもよくなった。

彼がぼくにレッテルを貼ったというのは真実ではない。全然本当のことじゃない。彼は、戦術的にも、試合のなかでのインテリジェンスについても、ぼくをいろんな意味で助けてくれた。彼のフィロソフィはたくさんのインテリジェンスを要求するからね。

彼はぼくのプレイのスタイルをわかっていた。それはポゼッションを待たないこと。カッティングインサイドしていくこと、右で待たないこと。以前のぼくはもうちょっと自由だった。ぼくは自分のゾーンで待たねばならなかったし、それは以前のとは違う。

それも彼が進歩させようとしたぼくのゲイムの一部。彼はいつだってそういうことで、ぼくを助けようとしてくれたよ。

(今後について)ぼくはアーセナルに戻る。ぼくのローンには買い取りオプションもなかったので、アーセナルには戻らねばならない。まだ(将来のことは)わからない。戻ったら、コーチとみんなと相談して、みんながどう考えているかを観るつもり。そこで決断する。

以上

 

アルテタとぺぺの関係性を考えるにあたって、今回のコメントはけっこう興味深いように思える。

アルテタはアーセナルに来てから、ぺぺをずっとなんとかしたいと試行錯誤していたし、ぺぺもまたミケルが自分についてあれこれがんばってくれている、気にしてくれていると感じていた。だが、不幸なことにそれは結局成果を得られず時間切れになってしまったのだが……。

まあ、フェアに云えば、アルテタがアーセナルに来た当時、彼の理想のチームにフィットしない選手というのはぺぺをはじめ、たくさんいた。いま思い返せば、たった3年前とはいえ、あの時代も、われらファンは「既存のスクワッドに適応できない」とアルテタのことを気軽に批判したりしていたのだが、そんななかで彼は理想から遠いスクワッドに苦労し、適応にそうとうがんばっていたということなんだろう。持てるもので、どうにかしたかった。

ぺぺにポテンシャルがあると伝えたというアルテタも、実際それは当時の本心だったんじゃないかと思う。このブログでも何度も書いたように、テクニックやフィジカリティなど彼のフットボーラーとしての素質は疑いないものだったのだから。彼の個性的な面を、うまく自分のスタイルのほうに誘導できれば、彼の才能をアンロックさせられるとミケルは信じてもいたはず。

今回のぺぺの発言のなかで、プレイスタイルについての言及があるのも興味深い。

去年ブレイクしたといってもいいアルテタのチームにおいて、彼はワイドアタッカーにはあきらかにシティ流のタッチラインウィンガーを求めていて、サカやマルティネリはそのロールを完璧に自分のものにした。そのこともこのチームが成功した要因のひとつだろう。

いっぽうで、ぺぺはコメントにも観られるように、「ワイド(右)で待つ」のは自分のスタイルじゃない、よさが活きないと考えているようだ。結局、ぺぺはついぞアルテタの理想のウィンガーにはなれなかったのは、そういう面もあったからかもしれない。

それと、インテリジェンス(知性・賢さ)についての言及も。アルテタは、自分の云うことを理解できる選手が好きなんだよなと。つまり、それが賢さ。サカなんかは、ほんとうによくこの賢さを称賛されている。

自由(フリーダム)と規律(ディシプリン)。そのあたりのバランスをピッチのうえで発揮できることも、賢さのように思える。それを制限だと感じているうちは、きっとミケルのチームでは成功できないんだろう。

 

さて、ぺぺは今後どうなるのか。というか、実際売れるのか? 個人的には、彼はアーセナルでうまくいかなかっただけで、そこまで劣悪な選手だとはいまも思わない。今回のインタヴューでアルテタについて感謝のことばを述べていることからもわかるように、ドレッシングルームのガンになるようなアティチュードに問題ある選手でもない。PLのミッドテーブルチームは£20mくらいでオファーしたら、ふつうに取れるんじゃないか。サラリーもちょっと下げてもらって。

彼が23-24のアーセナルに残ることはふつうに想像できないが、もしいまのチームにいたら、ほとんどベンチ暮らしでも、いいジョーカーになりそうな気がしないでもない。ゴールは取るウィンガーだし。

ということで、ニコラ・ぺぺ。もちろん、この夏でお別れということも十分考えられる。

でも、もし万が一、売れなかったみたいな消極的理由でもチームに残るようなら、全力で応援したい。新シーズンはPLとCLのタイトルを目指すんだから、ぺぺのような選手がチームにいたら、きっとどこかで輝くときがある。

 

しらんけど。

 

おわり



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