アルテタ4周年!
……じゃなくて。若干タイミングを逸したトピックで失礼。
先日のアルテタ不在で敗けてしまったPLアストン・ヴィラで、ベンチだったジョルジーニョが、試合中タッチラインからとても熱心に選手たちに声をかけていたことが話題になっていた。
なかでも試合中のラヤとのやりとり。GKがゴールキックの戦術確認をするのにコーチングスタッフのところではなく、ジョルジーニョと話をするためにタッチラインに向かった姿が印象的だったという。
「現役時代もすでにコーチのように振る舞っていた」とは、ミケル・アルテタの逸話であるが、この件はそれを思い起こさせるようなところがある。AFC非公式のプレイヤー・コーチ。
ジョルジーニョといえば、ワールドフットボールにおける“レジスタ”の代表例としても知られ、ピッチ上の戦術家であり選手を操る司令官でもある。そんな彼が、こうしてピッチの外から選手に指示を出すのも自然なことなのかもしれない。グラニト・ジャカ同様、未来のマネジャーとしての姿が容易に想像できる現役選手のひとりである。
そんなことや、彼のインタヴューなどがいくつかあったりして、ぼくも最近は彼のことを考える機会が多かった。
今回はジョルジーニョのインタヴューとか、その他もろもろを。
ジョルジーニョとコーチング「頭脳が最大の強み」
ヴィラ・パークで、前半のほとんどの時間ウォームアップエリアから選手たちに向かって叫んでいたというジョルジーニョ。結局彼はこの試合ではプレイしていないが、そういう意味ではあきらかにチームといっしょにプレイしていたという。試合から数日後のThe Telegraph(Sam Dean)のインタヴュー。
Jorginho interview: Coaching is natural to me and I try to help Arsenal team-mates improve
ジョルジーニョ:はっきり思い出せるよ。彼(ラヤ)を呼んだのは、お互いに何を云ってるか聞こえなかったからだよ。だから、彼のほうが話をするためにやってきた。
ボールがあって、彼は右サイドからプレイしようとしていたから、ぼくは彼に左から行けと伝えた。それこそ、ぼくらがトレインしていたことだったから。彼はそれを確認したかった。
ぼくらは、自分たちがトレインしたことと、そのとき彼が観ていたものについて話していただけ。でもそれは秒での決断だからね。
それは、ミケルがそこにいてもいなくても自然にやったことだ。彼がそこにいなかったから、なおさらそうだったというのはあるけど。これは、ただ彼らをサポートしようとしただけ。ぼくがピッチの外から観てアドヴァイスすることで彼らを助けようとした。
そこが、ぼくの最大の強みのひとつだと思ってる。頭脳さ。
かつて何年にも渡ってぼくが学んできたことがあるから。ぼくがしようとしているのは、それをみんなに渡して、彼らの成長を助けること。よりよいゲイムの理解のために。彼らも毎日理解を深めているし、学ぼうとしてよく聞いているし観察している。
(後略)
自分で自分の強みを頭脳と云えるひとはなかなかいない。
アルテタ「ジョルジーニョはわたしがコーチしたなかでもっとも賢い選手」
これはPLブライトンの試合前会見でのコメントか。このブログでは漏れてしまっていた。『Mirror』より。
アルテタ:(ヴィラでのジョルジーニョの振る舞いについて)彼は、わたしがコーチしてきたなかでも、もっともインテリジェントな選手のひとり。間違いなく。
彼が入っていくディーテイル、何が起きるかの理解、個人としてだけでなく、人生において実際に起きること、試合のなか、そしてそれをどう正していくか。
そして、彼がいかにチームメイツからの注目を集めることができるか。みんなが彼の云うことを聞き、彼に云われたことをやる。とても素晴らしい。
彼が起用されるのは、彼がつねにそこにいるから。彼がベンチにいるときは、もうひとりのコーチがいるみたいなものだ。わたしが振り返ると、いつもそこに彼がいる。彼はこのゲイムのなかに生きている。それはグレイトなこと。
ミケル絶賛。
そもそもジョルジーニョは、チェルシーでUCL、アズーリでEUROと複数のビッグタイトルを取っている、いまのチームのなかでももっとも経験豊富な選手。2021年にはバロンドールで3位という、フットボーラーとしてほとんど最高級の評価も得ている。年齢もあるし、彼が若い選手たちからリスペクトされるのも当然。