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Copa América 2024スタート直前。ガブリエル・マルティネリのインタビュー「来シーズンはベストバージョンのぼくで」

本日6月20日(木)から始まるというCopa América USA2024。EUROで大いに盛り上がっている最中のヨーロッパにつづき、今度は少し遅れて南北アメリカでもフットボールのお祭りが始まる。

今年のホスト国はUSで、アルゼンチンとカナダのオープニング試合はアトランタのMercedes-Benz Stadiumで行われる。

そんななか、ブラジルNTの一員として参加するガブリエル・マルティネリが、スペイン『AS』の単独インタビューに応えていた。彼は先日もフレンドリーでゴールを決めたばかりで、注目が集まっていたところだった。

Gabriel Martinelli: “Brasil llega para ganar. Mi ídolo es Cristiano Ronaldo”

なかなか量もあって読み応えもありそうなので、読むついでに日本語に翻訳しよう。



ガビ・マルティネリのロングインタビュー by AS 2024夏

(PLのタイトルを2年連続で競っていて、いまのチームの成長をどんなふうに観ている? チャンピオンになるために足りないものは?……)

GM:そうだね、PLでタイトルを争うのももう2年連続だ。ぼくらにとてもいい成長があったのは間違いない。ぼくらはとても若いチームで、ウィニングメンタリティがあり、みんなが勝ってチャンピオンになりたいと思っている。ぼくらは、これまでずっとやってきたことをつづけていく必要があるのだと思う。

PLでチャンピオンになるのは簡単じゃない。マンチェスター・シティやリヴァプールがいるなら、なおさらだ。イングランドで勝つのはとても難しいよ。でも、すべてのチームがぼくらのクオリティに気づいている。

彼らはぼくらがチームとして何ができるかわかっているし、チャンピオンにだってなれることもわかっているだろう。ぼくらは、間違いなく来年はもっと強くなっている。タイトルを勝つための自信もつけている。

チャンピオンになるのに何が足りないのかを云うのは難しい。さっきも云ったように、多くのハイクオリティなチームと対戦したから。PLは世界で最大であり、世界でもっとも難しいリーグ。シティ、リヴァプール、ほかの多くのチームが難しい。エラーを最小化しなければならない。

ぼくらは、つねに難しい試合をやっているから、もっともミスが少なかったものが勝つんだ。ぼくらは来年チャンピオンになるために、もっと自信をつけていると思う。このチーム、このグループに。

(キミたちは最後にはみんな泣いて終わった。あそこまでタイトルに近づいたので、あの結果の影響はある?……)

チームが悲しんでいた。ぼくらのチームはとても団結力がある。ロンドンでの家族なんだ。チャンピオンになりたかったよ。でも、それは今年と去年に起きたことのせいだ。いまは待つ必要がある。勝ちたかった。

タイトルを取れなかったことは超くやしかったけど、ぼくらはそれを学びの経験だとすることにした。とても難しいリーグで、世界でもっとも難しいのだから。

ここからは、来年勝つためにできるだけハードワークして、集中しなければならない。

(夏に向けてはクラブで補強の話も。とくにFW。Osimhen、Toney、Vlahovicのような噂もあって…… 競争がうまれることに心配はある?……)

アーセナルのような世界ベストのチームのひとつでプレイする選手は、とてもとても優秀に決まっている。クラブはチャンピオンの可能性のためにもベストな選手を連れてこなければならない。

ぼくらはもう際立っているチームだ。多くの選手に信じられないほどのクオリティがある。誰と契約するかは、エドゥとミケルに委ねられている。クオリティある選手が来て、チームが進歩するなら、ファンはハッピー。

そんなのは問題にはならない。ぼくらはフィールドでワークして、あとのことは彼らに任せる。

(チームはとても若く、まだ成長の余地もある。来年PLやCLを取れると思う?……)

もちろんイエス。ぼくらはとても若いチームで、たくさんの可能性がある。間違いなくこれからももっと成長していくだろう。ぼくらは、すべてのタイトルに向かってファイトするつもり。PL、CL、FAカップ……。ぼくらのワークはすごく信頼してもらっている。これからは、タイトルを取ることに集中しなくちゃ。

(クラブのほかのもっと若い選手たちとの関係はどんな感じ? 将来いちばん有望なのは誰だろう? チド・オビ・マーティン? それともイーサン・ワニエリ?……)

クラブでは、彼らのような若い選手たちがアカデミーから出てくることは、とても歓迎されている。ぼくらも彼らが過ごしやすくなれるよう、助けようとしているよ。ファーストチームに上がったり、プロになることの難しさはみんなが知っているから。

彼らは、その機会の有利をいかさなくちゃいけない。でもあせってもいけない。

イーサンにはとてもクオリティがある。彼はクラブでもとても信頼されているし、将来的には彼はチームをもっとも助ける選手になれると期待されてる。

(ブラジルNTではキミはすでにチームのヴェテランのひとりになっている。最初に招集されたのが2022年。東京オリンピックで金メダルを取ったのが2020年…… キミにとってブラジルを代表することとは? ブラジルの人たちにとってのCanarinhaとは?……)

ブラジルはぼくの国だ。ぼくの国の人たちをレペゼンできることは光栄に思う。家族、友人、すべてのブラジル人を。このシャツを着ることは、ぼくには誇りの源なんだ。ブラジルNTのためにプレイすることは夢だ。

ほとんどすべての子どもが、フットボールを始めたとき、いつかこのシャツを着てプレイすることを夢見る。ぼくもとてもうれしいし、この機会を光栄に思う。フィールドに出ていくときはいつだって、できるだけこの国を守るし、チームメイツを助ける。自分の国の人たちをレペゼンできることは、とてもうれしいことだ。

(ワールドカップのあとブラジルでは珍しいことが起きていた。1年半のあいだにコーチが3人。ドレッシングルームはどんな様子だった?……)

そうだね。ぼくらは何度かコーチの変更を行った。選手としては、ぼくらもブラジルのためにプレイするのがどんなことか理解している。コーチが誰であろうと、このジャージーを身に着けてやるべき使命は国の誰もが知っている。試合に勝つために全力を尽くさねばならないこと。

もちろん、違うコーチになれば、プレイのスタイルもフォーメイションも変わる。でも、それでもぼくらはブラジルをレペゼンするために、ベストバージョンの自分たちである必要がある。

(3月のフレンドリーではキミはケガのおかげでNTには招集されなかったけど、チームメイトたちとはDorivalについて話した? 彼のことはどう思う?……)※Dorival Júniorは現在のセレソンのマネジャー

そうだね、しばらくケガあったけど、いまはもう大丈夫。

そのとき、彼らはイングランドに来て、アーセナルでトレイニングしていたからみんなといっしょにいることができた。ぼくもトレイニングしていたから、みんなと話せたよ。選手、スタッフ、マネジメントの人たち…… Dorivalとも会った。

彼はとても特別なひとだね。とてもグループを大切にする。みんなからとても信頼されている。間違いなく、彼と彼のスタッフの仕事のおかげでチームはたくさんの成果をあげることができるはず。

(いまブラジルNTは大幅な改革を経験しているところです。Éderson、Endrick、Beraldo、Sávioといった多くの新しい選手が来ているし、Casemiro、Neymar、Richarlison、Edersonのように多くの選手が招集されなかった。このチームでCopa Americaを勝てる?……)

ぼくらにはたくさんのオプションがある。シャツの重みはみんながわかっている。ぼくらは世界最高のチーム。選手のクオリティも知られている。たくさんの、たくさんのクオリティがあるよ。

あなたが云うように多くの若い選手も来ていて、彼らがチームのレヴェルを上げている。もっとも歴史あるチームでぼくらはプレイする。責任も理解している。Copa Américaは、勝つために行くんだ。

(Vinicius JrやRodrygoがいっしょのドレッシングルームにいるのはどんな感じ? 彼らもブラジルのリーダー?……)

彼らはハイクオリティな選手だ。チームでも彼らはすごく信頼されている。彼らがいつでも試合を決めることができる選手だとみんなわかっている。彼らでさえ、チームのためにプレイする重要性や責任の重さをわかっている。

彼らといっしょにプレイできることは誇りだ。ぼくらがCopa Américaにすごく自信があるのは、彼らがいるからでもある。

(キミはオフには何をしている? 長いシーズンのあとでどうやってフットボールを切り離す?……)

ぼくはとてもおとなしい人間なんだ。家族や友人、ガールフレンドと過ごすのが好きだし。家に帰ると、まずはフットボールから離れようとする。彼らとゲームをしたりトランプをして遊んだり。

家ではフットボールから離れてただまったりしたい。ふだんはとても忙しい生活だからね。いつでも、集中、遠征、試合…… 家ではフットボールから離れて、ただリラックスして休みたいんだ。

(キミのアイドルは?……)

ぼくはいつだってクリスチャーノ・ロナウドが好きだった。子どものころは、彼のレアルのときの試合をよく観ていた。彼にはいつも触発される。彼のメンタリティも好きだったね。すべてを征服し、それをつづけてゆく。

(アーセナルでは来年なにを期待している? わたしたちはベストバージョンのガビをまた観られる?……)

それを実現するためにハードワークするつもり。可能なかぎりアーセナルがベストになれるよう、ぼくもベストを尽くす。ベストバージョンのぼくで。

アーセナルにもぼくにもたくさんの喜びが生まれる年になればと思う。ゴール、アシスト、いいパフォーマンスでチームを助けたい。長いシーズンになるから、準備をたくさんしておく。アーセナルにもブラジルにも、とても成功した一年になりますように。

以上

ほのかに自信を感じるインタビューだった。いまセレソンは大胆な選手の世代交代を行っていて、11キャプスのネリがもうベテランのひとりになってしまったなんて。Pfffff…

24-25シーズンのマルティネリ?

23/24のマルティネリは、44試合でG8 A5で終わった。彼のパフォーマンスがとても悪かったとは云わないが、あの躍進したチームのなかではやや期待外れになってしまったところは否めず。ケガもあって、シーズン終盤はLWのスターティングポジションを奪われてもいた。

サカやオーデガードが記録的な伸びを見せているMVだって、彼(とジェズース)がそれを下げてしまったのは象徴的だった。きっと本人も不本意な一年だったろう。

だから、ここで彼がセレソンに招集されたのは正直意外に感じた。だが、新しいマネジャーに新しいチームの一員として認められているのは素晴らしいことだと思う。めっきり強くなったアーセナルのキープレイヤーということも後押ししているに違いない。彼にはこの大会でぜひ活躍してもらいたい。

23/24の彼のパフォーマンス停滞については、本人というよりは、チームの構造的な問題という指摘が少くない。23/24のチームの攻撃はあきらかに右サイド偏重であり、サカ・オーデガード・ホワイトのトリオのようなシナジーは左サイドにはなかった。

そこには、ジャカの移籍とか、レフトバック、オーデガードの右寄りでのプレイなど、いくつかの原因があると云われている。マルティネリのことだけでなく、攻撃サイドが偏ることで、相手に右を封じられたときに行き詰まりがちになってしまうというチームとしての弊害もあった。

新シーズンのアーセナルの解決すべき課題のひとつは、この左サイドの攻撃であり、当然アルテタはなにかしらの改善を考えているだろう。このまま放置はできない。

その点では、この夏の補強エリアといわれるレフトバック、レフト8がどうなるか。マルティネリのパフォーマンスにも関わることだ。ここは、わたしたちも緊張感をもって注視してゆく必要がありますね。

Copa Americaのブラジルの初戦は、来週の月曜のコスタリカ。場所は奇しくもKSEがオーナーのSoFi Stadium。ガビが動いているところが早く観たいぜ。

 

さて、ブログの最後にお聞きいただきましょう。Soreng Santi (สรวง สันติ)で“Kuen Kuen Lueng Lueng”。Black Sabbath、Iron Manのカヴァー。

最近のわしは、Khruangbinという不思議なアーティストにちょっとハマっていて、よくYTで彼らのライブ動画を観ているんだけども、さっきウキペを観ていたらジャンルレスな彼らの音楽は“Thai Funk”と呼ばれているという記述があり。タイ?といえば、昔「タイのブラック・サバス」を気に入って一時期よく聴いたなあとググったら、一発で上の動画が出てきたという。ひさしぶりに聴いてやっぱりこれはヤバい。

そしてKhruangbin。こちらもヤバい。語彙不足。

NYTimesは、彼らの音楽を“Is it psychedelic lounge dub? Desert surf rock? The sound you hear inside a lava lamp?”と評したという。「砂漠のサーフロック」とはうまいこと云う。まさにそんなふう。タランティーノ映画のOSTみたいなひとたちである。

 

ではまた。



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