hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Player

エミール・スミス・ロウのロングインタビュー「ファンのためになんとしても」

水曜のPLルートン・タウンで、サプライズなスタートとなったアーセナルのエミール・スミス・ロウ。

しつこいケガのせいもあり、絶好調のチームからはすっかり外れてしまっていた彼だったが、久しぶりのプレイでも勝利にも貢献。MOTMにも選出されるなど充実のパフォーマンスを披露したことで、ファンのあいだでもあらためて注目が集まっていた。

そんななか、アーセナル公式が彼のインタヴュー記事をアップしていた。

Emile Smith Rowe: Staying patient

「ESR:忍耐すること」

読むついでに翻訳しておこう。彼のコメント部分だけ。全体はオリジナルをご覧あれ。



スミス・ロウのロングインタビュー。2024年4月

※小見出しは訳者による

自信をつけたシャイボーイ

ドレッシングルームのなかのことについて云うと、12才とか13才とかのとき、ぼくはとても恥ずかしがりだったんだ。大人しくて、2-3人しか親しいのがいなかったみたいな。もちろんみんなと接したけど、ドレッシングルームでの騒がしさについては、数人の選手がそうだった。ぼくも彼らとは仲良くしていた。

そのあとは、ぼくも年齢を重ねて自信を持つようになった。たぶんそれはピッチでも同じだったね。ぼくはピッチで大声を出すほうじゃなかったし、いまも似たようなもの。だから、ぼくはいまも子どもの頃の性格とあまり変わっていない。でも変わったのは、ここ数年でかなり自信をつけてきたこと。

ぼくはピッチ上で選手に注目される漢になりたいんだ。ツアーでは何度かキャプテンもしたことがある。オランダでやったU-17のFuture Cupの遠征も、ぼくがキャプテンをやったツアーのひとつ。あれはとても楽しかった。

(才能で期待と注目を集めてきた)それは大好きだったね。とても楽しんだ。とくに学校のチームでは。彼らは勝つためにぼくに注目してくるし、ぼくもそのことがわかってる。プレッシャーもあるけど、大好きだった。それが自分の役に立ったとも思える。でもいっぽうでぼくは、みんなに向かって叫んだりするようなタイプだったことは一度もないんだ。

基本的に、ぼくの姿勢としてはこうだ。ボールをこっちによこせ、ぼくができることを見せてやる。自分の足に語らせるのさ! 喜んでそれをやった。そして、ピッチの外であってもぼくは大声を出すタイプじゃない。ぼくは、そのかわりに自分の足でそれを表現することが好きなんだ。でも、更衣室ではみんなと仲良くしようとしている。

チームスポーツで重要なもの

ぼくはチームのひとりであることが好きで、チームスピリットがチームメイトたちとつないでくれる。学校でやった体育は、もっと個人的なもの。400mを走るのも好きだった。400mでは、ぼくはうちの地域と国の代表にもなったくらいで、すごく好きなんだ。でも、それはチームにいるのとは明らかに違う。

ぼくは人生を通してチームスポーツをやってきたから、それを説明するのは難しい。走ることはほんとに楽しいが、フットボールではチーム全体がいる。ほかの選手たちだけでなく、コーチやバックルームスタッフもいる。それが、とても違う感じにさせる。

自分のパフォーマンスは自己責任にはなるし、そこはすべて自分次第。しかし、同時にチームメイトたちをがっかりさせることはできないし、彼らのためにベストを尽くしたい。そこはぼくが好きなプレッシャーだ。

ぼくは、チームプレイヤーでいることは大好きだ。中央にいてほかの人たちのためにハードワークする。それに、勝利の感覚は素晴らしいものがある。仲間といっしょにそれを共有できる。

(チームメイトがいてもものごとがうまくいかないこともある)そうだね、ぼくもそれを体験しているところだ。チームが離れたり、チームにいたり、だから、ぼくはそれがどういうものかわかるよ。

だからこそ、ここにあるカルチャーがとても重要なのだと思う。クラブにはちゃんとした家族のフィーリングがあり、チームメイト、あるいは自分からのサポートが必要なときにはそれが重要になる。

もし誰かが落ち込んでいたら、いつだって誰かがそこにいる。ぼくも個人として、話すために誰のところにだって駆けつけるみたいに思ってるし、みんなが同じように思ってることを願う。これがクラブにあるのはとても重要だ。この結束を感じることが。

困難なときを乗り越え

ぼくも、この数シーズンはかなりたくさんのことを経験してきた。初めての手術も受けて、ぼくには難しいステップだった。そうした困難を体験して、そしてもちろん、周りには家族や友人たちがいる。クラブでもすべてのスタッフや選手たちがすごく助けてくれた。

ケガをしているときはタフな日々があり、トレイニングピッチで仲間といることもできない。しかし、ぼくにとってつねに進歩するために重要だったことは、みんなと接しつづけることだった。フィットしていなくてもすべてのミーティングに出席したことで、すべてについていけた。仮にピッチにいることはできなかったとしても、ぼくは関わっていたかった。

スタッフもとても重要だった。彼らがぼくのリハブ期間にやってくれたことについては、感謝しきれない。

彼らがまじでいかに重要だったかということ。ぼくらはともにたくさんの時間を過ごしたので、当然親しくなる。キットマン、フィジオ、スポーツサイエンティスト、コーチングスタッフ。ぼくらがトレイニンググラウンドにいるとき、それはワンチームなんだ。トレイニングセッションの終わりでさえ、ぼくらはみんなで笑いながら話す。

ぼくらはとても仲が良く、ひとつの大きな家族なんだ。ぼくらはみんな、チームを勝たせるためにここにいる。毎日お互いをもっとよくしたいと思っている。それは素晴らしいフィーリング。

ぼくももう長いことここにいる。彼らとも長い知り合いで、新しい選手がすぐに馴染めるのは、彼らと仲良くなるからでもある。それが、いろいろなひとや、いろいろなタイミングで、どう反応すべきかを知る役に立つ。

みんな違うし、違う体験をする。だから、勝ちや敗けにも違う対処をすることになる。それらへの対処を学ぶこと。だから、実際にチームメイツや彼らを知り理解することが重要なんだ。それぞれのタイミングで彼らが何を必要としているかを知ること。

ともに過ごしたかつての仲間たち

(ふたつのローン)あそこで築いた関係も大好きだ。どちらもローンで行って、友だちもできたし、いまだに話すこともある。ジャーマニーとハダースフィールドには、まだ連絡を取り合う人たちもいて、いま彼らと対戦することになったらおかしいだろうね。ぼくらはまだチームメイツだったことをおぼえているし。彼らとはいつもやりとりしてるよ。

Leipzigでは、Tyler Adamsとすごく仲が良かった。彼はいまボーンマスにいる。基本的に、彼だけが英語をしゃべれるひとだったし、よくいっしょに出かけたものだ。隣同士に住んでたから、よくいっしょにいた。あそこで彼にはとても助けられた。もしこれからお互いに戦うことになったら笑える。

Harry Toffoloもだ。彼はいまフォレストにいるが、ぼくらはハダースフィールドでいっしょにプレイしていた。彼はぼくと同じ移籍ウィンドウでクラブに加入したから、いつもいっしょにしゃべったりプレイしたりした。

(ヘイルエンド出身者との対戦も増えている)そのとおり。もうどの試合にも誰かがいるみたいに思える。最近もジョー・ウィロックがぼくらにゴールを決めたけど、あれは驚きではなかった。彼がどれほどの選手か知っているから。

Jaidon Anthonyもいる。彼はいまローンでリーズにいる。ぼくらはヘイルエンド時代はとても仲が良かったから、いま彼がうまくやっているのを観るのはうれしい。ほかのクラブにも何人かエイルエンドの選手たちがいる。彼らを観るのはいつでもうれしい。同じコーチの下、同じ体験をしてきた仲間だから。

イングランドユースでいっしょにプレイした選手たちも。みんな、ぼくが子どものころから知っている人たちだ。

試合前は笑顔でも、ホイッスルが鳴ればすぐに試合に完全集中することになる。ときどき、変なことを云ったりとか試合中に集中を切らせたがるひともいたりするけど、ぼくはふだんそういうことには関わらないようにしている。

ぼくは、それは試合後に取っておくほうがいい。ぼくらが勝ったあと笑って話すんだ!  ぼくは相手をからかうようなタイプじゃないけどね!

ファンのために

(ファンのお気に入り)それはぼくがピッチに入るときにすごく感じる。100%。みんながぼくのつぎのゴールを待ってることもね!

彼らがぼく自身よりもそれを願っているかどうかはわからない。けど、とても感謝してる。また彼らといっしょに祝えることが待ち切れない。

ぼくは9才からここにいて、アーセナルファンとして育った。だから、クラブのためにぼくの全力を尽くすことが大切なんだ。とくにぼくを応援してくれるファンのみんなのために。なんとしてもだ。

プレイしているとき、ぼくは彼らのことを考える。彼らは、ぼくの日々のやる気の大きな一部なんだ。

以上。AFCのこの選手個人にフォーカスした特集シリーズ。もちろん、たまにアップされるのは知ってるけど、リストをみるとこのブログではほとんどスルーしてしまっているな。残念。

さて、ESR。今回はいい話もあり。なんだかYou’ve got a friendが聞こえてくるような内容じゃないか。泣けるぜ。

 

彼は、ファンのためにどうにかして活躍したいというが、うーん、ファンとしてはどうにかして彼を活躍させてやりてえ。そう思わないでいられない。

やっぱりこうして読んでも、彼が自分からクラブを離れたがるなんてことはまったくなさげ。どうにかうまいことこのビッグウェイヴに乗ってほしいものだ。そのためには、継続的にミケルにピックアップしてもらわねばならん。

昨日の『The Athletic』の恒例オーンステインのQ&Aセッションで、ESRの去就に関するやりとりがあった。そちらを紹介しておこう。

Q:多くのアーセナルファンがESRは夏に移籍するものだと思ってたら、ゆうべのルートンでのパフォーマンスとアルテタの称賛。彼にはクラブでの長期の将来があると思う?

オーンステイン:多くのアーセナルファン、あるいは中立の人たちはそれを望むだろうね。シーズンの最後の数週間でどうなるか観てみようじゃないか。だって、何も決まったことはないのだから。

しかし、見過ごせないのはこれまでに何が起きていたかということだ。ケガとゲイムタイムのなさ。彼にはホームグロウンのステイタスがあり、力強いマーケットが彼に向かうだろう。アーセナルにとって彼は得れば純粋な利益になりPSRにも恩恵がある。

これは、アーセナルにとっても選手本人にとっても大きな判断になる。

どうなるか観てみよう。

 

ところで昨日のこのQ&Aで、大きなトピックはやっぱり「PLにNBAスタイルのぜいたく税導入か?」の件だろうか。PLがルール違反のクラブへの罰として、ポインツ剥奪をやめて、ぜいたく税(luxury tax)を課すことを検討しているという。

EXCLUSIVE: Premier League eyeing ABOLISHING points deductions

もっぱらマンシティの罰を減らすためだと話題に。

今日行われる予定のミケルの試合前記者会見でも意見が求められそう。

 

おわり



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *