ついにこの日が来た。
23-24UCLクウォーターファイナル。アーセナルは、2010年以来初めてたどり着いた舞台。ファーストレグ。われらアーセナルがエミレーツで迎え撃つは、ドイツの巨人バイエルン・ミュンヘン。この大きなステージにふさわしい役者が揃ったという感じがする。
アーセナルとバイエルン。お互いヨーロッパのビッグクラブとしての格もありつつ、現在のフォームは対照的。
アーセナルは、ポストヴェンゲルの時代で長らく不振をつづけてきたものの、ここ数年でようやく復活の光明を見出し、いまこの瞬間がシーズンでもっとも充実していると云っていいほど。そして、いまもPLでトップを争っている最中という。控えめに云っても絶好調。
いっぽう、今年のバイエルンはブンデスリーガでも振るわず、レヴァークーゼンに独走を許し、13年ぶりのトロフィなしも現実味を帯びているという。直近もリーグ2連敗でロンドンにやってきた。寡占リーグを牛耳る独裁者に似合わない不振ぶり。
しかも今回は、彼らのサポーター理由の罰によって、エミレーツにはアウェイスタンドが存在しないというおまけつき。
バイエルンといえば、10-2敗けのようにアーセナル的にはほとんど苦い記憶しか蘇らない相手であり、今回はたまったうっぷんを晴らす絶好のチャンス。
どんな試合になるか。
アルテタの試合前コメント「ベストのバイエルンで来ると予想する」
昨日行われた記者会見。AFC公式サイトより。
(選手たちはビッグゲイムを楽しみにしている……)
アルテタ:われわれはこのときをとても楽しんでいる。ここがわれわれのいたい場所だ。われわれは、PLでもじつにいいポジションにおり、CLでもいいポジションにいる。われわれが直面しているのは、ヨーロッパでもっとも成功しているチームのひとつとの対戦だ。ビッグタスク。それが、われわれが乗り越えるべきハードル。楽しみにしている。
(バイエルンの脅威……)
彼らはタフなチームだ。わたしも大ファンだよ。Thomas(Tuchel)の大ファンだし、彼のチームや彼らのプレイ、その伝達のしかたにも。
わたしは彼にはだいぶ学んでいるし、バイエルンも観ている。あのリーグを分析すれば、なぜ彼らがトップチームなのかわかる。
われわれもいい準備をしてきたので、自分たちの望む試合をやる必要がある。もしそれができるならわれわれにも勝つチャンスがある。
(どうやってHarry Kaneを止められる?……)
彼だけではない! 彼らには個人がいるし、すべての選手に個人クオリティがある。とくに彼だ。彼の持つ能力。
われわれがやるべきは集団として行うこと。そして、あることをやっていく。
(彼のわれわれに対するゴール記録は問題になる?……)
そうならないことを願う!
(何が彼をそれほどの脅威にしているのか?……)
一貫性。彼のこの10年に渡る数字を見れば、彼がやってきたことは信じがたいものがある。彼はいろいろなやりかたでゴールを決められる。彼のサービスがあり、周囲の選手たちにも機会を与える。それこそが、われわれがやらせないようにせねばならないことだ。
(この試合にはアウェイファンがいない……)
フルハウスだ! たくさんの情熱と感情があるはず。われわれには15年ぶりの機会であり、これがわれわれにとりどれほど特別なものか。ことを起こすために、すべてのボールに全力でいかねばならない。
(マンUに対するJurgen Kloppのコメント)※リヴァプールとの試合後、マンUはあのプレイならアーセナルが必ず勝つと発言
ノーコメント。わたしが話せるのは自分たちがやることだけ。
(チームがピッチ上のリーダーといっしょにどれほど成長したか……)
昨シーズンよりはよくなっていると思いたい。この数ヶ月でもかなりのことを学んできた。選手たちは進化していると思う。みんなが進歩しようとトライし、一年前よりももっとよくなろうとしている。
今回もとても要求されるシーズンになっているし、このコンペティションに参加していることも、チームにはとても大きなステップ。そのうえ、PLでも競っている。
これはチャレンジである。だが同時にそれに関わっていることにとてもワクワクしている。
(前回の5-1敗けがいま影響あるか?……)
それは起きたこと。歴史であり、このコンペティションの歴史を見れば明らかなこと。この最大の舞台でパフォームする本性とキャパシティ。間違いなく、われわれはそれを証明する必要がある。
(セットバックからの回復をどうやりくりしてきたか……)
それは彼らに自然と備わるものだろう。それは彼らのなかになければならないものであるし、われわれも触発しようとはしている。もっとよくなるために、もっと競えるように、レジリエンスを持てるように、勝利への意志を持つように、それをできるだけ引き出そうとしている。そして毎日進歩していく。
集団としては、もしそれをやるなら結果はパワフルなものになるはず。
(今シーズンの目標を達成するには完璧でなければならない?……)
フットボールで完璧は難しい。まず相手より優秀であること、そしてチャンスがあるなら容赦なしにやること。
いまわれわれはとても安定していて、最近はとくに相手よりももっとよくなろうとしている。われわれは、いま自分たちがすでにやっているたくさんのことを、やりつづけていかねばならない。
(チームは無慈悲で力強いと感じている?……)
イエス。われわれの調子はいいし、試合にも勝っていて、いまやっているパフォーマンスはつねに役立つ。それがとてもよいスピリットをもたらし、つぎの試合への集中になる。
明日はビッグタスクだが、われわれはとても楽しみにしている。
(今シーズンのバイエルンのフォームには驚いている?……)
わからない。フットボールというのは、これほど競争の激しい環境だ。だから、一貫性を保つのはかなり難しい。それは、誰にでも起きることだ。
(ショッツをブロックする練習をしているので?……)
イエス。それには取り組んでいる。だが、それは選手の本性にもあると願う。
われわれは、相手に自分たちのゴールへのシュートを許してはいけない。それが起きる前に、起きうるすべてのシナリオを防がねばならない。
そして、そのステイジに入ってしまったら、今度はGKがそれを防ぐ大きな機会になる。だから、その連鎖のなかで、起きうるすべてのことをコントロールしようとしている。
(CLのノックアウトステイジを初めてマネジしてあなたが学んだことは?……)
思うに、その進化はわたしとは関係がない。わたしが考えるのは、わたしの進化はほかのたくさんのエリアのなかにある。単に結果だけでなく、クラブとして。そこがもっとも重要だ。
われわれは14年間このポジションにいなかった。そして、つぎのステイジに15年ぶりに進もうとしている。このクラブにとって、それは長い。とても長い。
われわれはそれを認識しており、だからこその渇望だ。
(バイエルンの倒し方のコツをXabi Alonsoに訊いた?……)
グレイトな質問だ。でもそれには答えない!
(あなたの選手時代バイエルンとの対戦はどんな感じだった?……)
わからない。そうした議論や意見があるのは理解できる。われわれには、やるべきパフォーマンスに集中するほうが楽だ。われわれは、トップの、際立つチーム、際立つ個人たちを倒さねばならない。
ピッチでことを起こせるようなすべての権利を得る必要があり、試合に勝つためにトライする。
(バイエルンのフォームはこの勝負に影響がある?……)
わたしからは、ノー。それは、われわれに云うことはないことで、あるいはコントロールもできない。われわれは、ただ相手のベストのことを考える。バイエルンでも、ブライトンでも、アストン・ヴィラでも。
相手がどこにいようが、つねに相手のベストのプレイのことを考えるし、彼らにパフォームさせないよう準備をする。
(彼らがいま受けている批判が彼らをより危険にする?……)
そうじゃないと願う。
(ファーストレグがホームということがダイナミックを変える?……)
われわれも、どのノックアウトステイジもこんなふうだとわかっている。ルールも変更されているし、それは非常に重要。
180分で勝つために、どのようなシナリオでも試合をマネジしコントロールしなければならない。
(どんな相手も恐れないメンタリティ……)
それは、われわれがどの試合でもやろうとしていることだ。もしそれをやっても3試合でなく1試合だけなら、それはわれわれの望むものではない。
それがチームに深く根ざしていることを確認すること。われわれは、安定してそういうタイプのことをもたらしている。
わたしは、チームがいま見せているものを誇りに思う。彼らが示すキャラクターやメンタリティがあり、われわれはそれを継続しなければならない。
会見のつづき。
以下サマリー。「悪い記憶を払拭するには、マジックモーメントが必要」。
- how break bad Bayern defeat memories? we need to make a magic moment
- atmosphere and energy of our stadium will help as it did against Porto
- play v current team or heritage of Bayern? they have experience and history but we have created belief to go through by getting this far
- advice from Granit? great question but ‘no’
- historical difference v Bayern? past defeats difficult to swallow
- my role now is so different as a manager
- Bayern star players had an aura? they were tough
- be nice to put history to bed? they have their moment and we have to create our own one
- expectation hard to live up to? we have to believe
- Muller said Arsenal tougher? have to earn it every day in football
- Why try to whip up fans? it changes the mood of the players and helps them play their best
- I feel privileged to be where I am today and have an incredible desire to win
ガブリエル・ジェズースの試合前コメント「最後に痛みなくプレイしていたときを思い出せない」
会見に同席したGJ。こちらも訳は割愛ですまぬ。これ20分以上も尺があるんだぜ。。
この会見でのジェズース発言で話題になっていた部分。
GJ:(ケガの再発)自分のフィットネスについて話すのは好きじゃないけど、ワールドカップのあとヒザをやって、回復したあとまたセットバックをやった。
(ヒザは大丈夫?)ときどき感じるかな。痛みもなく最後にフットボールをプレイしたときを思い出せない。気持ちを強くもっておこうとはしている。
(あらたなストライカーの獲得について)それをどうするかは、彼らはもうわかっている。
それは彼らにする質問かもね。ぼくの仕事はハードにトレインして、自分が進歩すべき部分を進歩させること。憶測はいつだってあるんだから。
ヒザに爆弾かかえてしまっているのか。それはいけない。
マーティン・オーデガードの試合前コメント「なにも恐れない」
MØ:(Kaneの脅威)チームは彼をリスペクトすべきだと思う。だが、誰も恐れる必要もない。ぼくたちは、自分たちに集中しなければならないし、チームにあるクオリティに集中すべき。彼はいい選手。ぼくも、何度か彼を対戦したことはあるし、彼のクオリティは知っている。とくにボックスでの。いいリンクアップもある。
(2010年以来のステージ)ここではどの試合もいいチャレンジになる。バイエルンはいいチームで多くの攻撃の選手がいる。エミレーツで大きな夜になるはず。
彼らはリーグではおかしな結果もあるし、それはぼくらも知ってる。だが、あのチームと彼らのクオリティを観たら、彼らがとても強いチームだとわかる。とてもよい個人もいる。だから、これはタフなバトルになる。ぼくらも準備できている。
(ホームで14試合敗けなしのブライトンに勝利)あれは大きな勝利だった。アウェイチームには難しい場所で、相手はいいチームだし。とてもソリッドなパフォーマンスだったから、ぼくらもハッピー。
チームとしてはボックスも守った。最後の数分のアクションについて、ぼくらがクリンシートをキープするためにどれほど祝っていたか観たはず。いいきざしがある。
サンキュー、アロンソアンドグラニト。
ついにこの日がきましたね。
プレミアとはまた違う緊張感。
ここにきてアベマが見やすくしてくれした。
ぜひ勝ってほしい。
COYG