アウェイで5ゴールぶっこんでの勝利のロンドンダービー。結果だけ観るとなんだか楽な試合だったように思えるかもだが、想像以上にキツかった。パレスもエミレーツでの彼らとは違い、プレスのアグレッシヴなこと。あの相手に勝つのは、まったく簡単ではなかった。
両チームの明暗を分けたのは、アルテタ風にいえば、ボックスでの効率。3日前のカラバオカップでの対戦と同様、この日のアーセナルも決定力あった。思うようにゴールできなかった最近のわれらがずっと悩まされていたもの。それが解決されていくときの気持ちよさったらないね。
最大の立役者はもちろん、GJ。グッドジョブ。この日のアーセナルのテーマがジェズースの勢いを維持させることだったとすれば、それは期待以上の大成功。彼は、2試合連続のハットトリックにさえ手がかかっていた。なんてこった。
この試合ではサカの故障という残念なできごともあったが、そのタイミングでジェズースが復調した。絶妙なタイミング。
試合を振り返ろう。
アルテタの試合後コメント「(タイトル争い)まだなんでも起きる」
試合直後のアルテタのインタヴュー。AFC公式サイトより。
- (2024年アウェイ試合でG5かそれ以上決めた試合が6は英国で新記録)誰もやれなかったこと。しかしそれはタイトルではない、そうした記録をタイトルにつなげる
- タフな相手に素晴らしい試合。3日で2回めの対戦でトリッキーだったが、アウェイで5-1は満足。ゴールの数、一貫したパフォーマンス
- (ジェズース)とてもうれしい。まったく彼にふさわしい結果。とても安定して、ワークエシックがあり、我慢強かった
- 7月にたくさんのことが起きて彼にもいくつか変化があり、ともにいろんな議論をした。だから、これは素晴らしい兆候。彼の復帰をみんなが喜んでいる
- (サカのケガ)彼は続けられなかった。いまは落ち着くとき。検査を行い、ケガの程度を理解する。昨日はラヒームも失っていたのでいいニュースではない
試合後の記者会見。AFC公式サイトより。
(サカがノック……)
アルテタ:彼はハムストリングに違和感があり、プレイを続けられなかった。彼は検査が必要。それについてはとても心配している。
(どれほど悪そう?……)
まだなにも云えない。
(カラフィオーリとライスが戻ってすぐにサカを失ってしまった……)
ラヒームも昨日からだめだった。どれくらいかかるかはわれわれもわからないが、24時間にふたり失うのはいいことじゃない。
残念ながら3日ごとにプレイしている試合の量もあるため、わたしは驚いてはいない。だが、チームはそれに反応した。
(ガブリエル・ジェズースのゴール週間……)
フットボールの美しさ。そういうことが起きる。彼は3日のうちにこれまでの45試合分をゴールした。5ゴール。今日はハットトリックさえありえた。素晴らしい彼の功績だ。彼はかなりがんばってきたから。彼は自分のやっていることに自信を深めたし、これまでも我慢づよかった。それが報われた。
(先週のエヴァトンとの違いは?……)
今日は決定力があった。それは、多くの点でほかの試合よりもよかったからだが、これもフットボール。今日のわれわれは非常に決定力があり、いろいろなやりかた、いろいろなフェイズで自分たちのやりたいようにゴールした。そして、失点も多くは許さなかった。ダヴィドのふたつの素晴らしいセイヴのおかげでもある。
(ハヴァーツとジェズースをいっしょにプレイさせたおかげで守備が犠牲になった?……)
そうだね。思っていたとおり、彼らは前の試合よりもずっとアグレッシヴだった。しかし、われわれはチャンスをつくるために必要なスペイスと必要な連続性を理解していなかった。だから、あまりにダヴィドをプレイさせすぎることになってしまった。あんなに自分たちのゴールの近くでプレイするのはよいプレイではない。そして、いくつかのことを調整した。
ライスが入り、彼が試合を変えた。彼がチームに脅威はそのままに、より支配をもたらした。とてもよくなったよ。
(ジェズースはここからはじまる?……)
そうでなければならない。われわれは彼をプッシュし、彼に任せ、彼を支援しなければならない。彼は、ストライカーとしては難しい時期を過ごしてきたし、そのことで注目され、それは簡単ではなかった。
しかし、これは彼の功績だ。彼のワークエシック、夏のカムバック、彼は完全に違う選手になった。そしていまそれが報われている。そういうのはときどき時間がかかるのさ。
(サカはシーズン最初のころにやったのと同じケガ?……)
まったく同じかどうかはわからない。同じ足かどうかも。これは3度めの小さなケガだ。今回がどれほどのものかは、今後どうなるかはわからないが、彼はもう2回やっている。
(ゴールが決まるなら喜んでコントロールを譲る?……)
コントロールということばはあまり好きじゃない。わたしは、正しいエリアで支配的になることを好む。やられるのはあまり好きじゃない。われわれは、この4試合でまったくやられていない。今日とくにやられたのは、ふたつのビッグチャンスを与えてしまったからだ。
それは、つねに自分たちの望みと勝利のバランス。すべて問題なし。
(あなたの試合後の気分は?……)
わたしは勝ててとてもうれしいよ。必要な勝利だった。とくにふたつのドロウのあとであり、10試合を振り返れば、この7試合で敗けもない。5試合に勝ち、ふたつ引き分けた。そして、そのすべての試合でわれわれが勝ちにふさわしかった。だから、よい。
(ハヴァーツをMFに戻そうと考えているので?……)
彼はそれもできる。彼は、そういうふたつのポケットでプレイできる。彼のプレイならとくにそうで、彼のような選手がいれば望まれるものがあり、われわれはいつもとはべつのことを望んでいた。
それがうまくいかなかったのは、相手のセットアップがあったから。だから、わたしは変更しなければならなかった。だが、全体的に彼は多くのエリアでプレイできる選手だよ。
(タフな期間もジェズースを励ましつづけた……)
機会を待つ必要があるということ。それだけ。チャンスがあるのに準備をしなかったら、それは起きない。そこははっきりしている。
だから、それを望み、それを早く望んで起きないこともある。そして、もっと深堀りして繰り返しやっていく。報われなくても、鏡を観る。ジムでの一日、一週間、あるいは一ヶ月。
時間がかかることもあるし、突然にすべてが始まることもある。見た目が変わってきて、よりよくなり、健康に観え、よいことが起き始める。
だから、ガビーのやっていることを理解することはよい模範になるのだと思う。
(今シーズンはアーセナルがリーグを勝てるベストチャンス?……)
現時点では、われわれはまだそこにいない。相手は未消化試合がいくつかあるから。
どのチームも、どんなコンペティションでも勝つのは難しい。何でも起きる。だから、われわれは首を突っ込んでどの試合でもいまやっているように競っていく。そしてどうなるか。まだ半分も終わってない!
ガビ・マルティネリの試合後コメント「自分たちを信じている」
サカの交代でRWへ。1 v 1からのカットバックでチャンスをつくるなど久しぶりに躍動。ゴールも決めた。試合後インタビュー。AFC公式サイトより。
GM:(ジェズース)彼のことはすごくうれしいよ。ぼくだけじゃなく、クラブ全体が喜んでる。彼はほんとうにそれにふさわしかったから。彼はクラブのみんなを助けようとしてきた漢。最年少も最年長もみんなさ。
彼はこれまでやってきたことにふさわしい。ミドウィークのゴールもよかったし、今日も。ほんとにうれしい。
(チームに自信がついてきた)ぼくらのゲイムをやったということ。ぼくらは自分たちを信じ、チームのなかのクオリティもわかっている。だから、いまやっていることをつづけていけばいい。
ぼくらが勝利にふさわしかったと思うし、とてもうまくやった。とてもいいパフォーマンスだった。
(総ゴール45のうち6がパレスから)なんでかはわからない。でもそうだね。今日もゴールして勝ててうれしい。
ぼくらは、自分たちのやるプレイをしようとしているだけ。そしてさっきも云ったように自分たちを信じ、自分たちのクオリティをわかっている。
試合後はクラブレジェンドとの心温まるやりとりも。彼が批判を受けていたときに応援のメッセージを送っていたという。ライティはいつも悩める若者の味方。
“Love you, legend. Thank you.” 🥹
Gabriel Martinelli shares a heartwarming exchange with @Arsenal hero Ian Wright ❤️ pic.twitter.com/TMAliQf3OM
— Premier League (@premierleague) December 21, 2024
Oliver Glasnerの試合後コメント「今日はベストパフォーマンスだったのに」
パレスボスの試合後コメント。
OG:フットボールではたまにクレイジーなことが起きる。エミレーツでの前半と比べたら、われわれは今日のほうがはるかによかった。なのに、3-1でリードされている。だからクレイジーなのだ。こちらもたくさんのことでうまくやったと思うよ。
最初のゴールはクロス、つぎはセットプレイ、3点めはクロスで、このときはわれわれがマンマークをしていなかった。われわれのボックス守備はひどかった。相手選手のクオリティなら罰せられる。
アーセナルのようなチームを倒したいなら、すべてがほとんど完璧でなければならない。今日は十分ではなかった。われわれもチャンスをつくったが、結果ががっかり。ボックスのなかであまりにも選手ばかりを観てしまった。
5失点もしたらふつうポイントは無理だね! でも2-1のとき、彼らが3点めを入れる前にビッグチャンスがあった。後半にもビッグチャンスがあった。そしてその後に彼らが4点めを決めて試合は終わった。
もうカムバックする信念は残ってなかった。ゴールを献上してしまえば、カムバックするのは簡単じゃない。
最初の60分、われわれには多くのポジティヴがあった。ボックスを守らねばならなかったが、それ以外はわれわれのベストパフォーマンスのひとつだった。
われわれが相手に与えたプレッシャー、勝ち取ったボール、ポゼッションでのボールの動かしかた、つくったチャンスの量。学ばないと。トップにチームにパンくずでも与えたら、ケーキ全体を持っていかれちゃうってね!
自分たちが試合に勝ったとき相手マネジャーのコメントを読むのは楽しみのひとつなんだけど、こうして敗けを素直に認めるコメントはやっぱり好きだな。