ホームで試合には勝てなかったものの、ファーストレグの圧倒的結果もあり、アーセナルはみごとクウォーターファイナル進出へ。
ほとんど2レグスの勝負の決したなかでのセカンドレグ、意外にもおもしろい試合だったんじゃないか。どちらも一方的な展開になることなく、最後まで眠くならずに楽しく観た。アウェイスタンドのPSVサポもヤケクソでどえらく盛り上がっていたし。ドロウの結果は、彼らへのご褒美。
アーセナルのチーム的にも、ここでようやくスターリングが仕事をしたり、ジンチェンコのMFがいよいよ現実味を帯びてきたりと、それなりの収穫もあった。
水曜の試合だったので、レビューとしてはやや遅くなってしまったが、試合を振り返ろう。
アルテタの試合後コメント「われわれはことを起こせる」
試合直後のアルテタのインタヴュー。AFC公式サイトより。
アルテタ:2年連続でQFに進出できたことは非常にうれしい。難しいことだ。ビッグクラブで15年は長い。それが難しさを物語っている。
これは選手たちの大きな功績だ。自分たちにはこれができるとわかっている。その能力もある。そして、それをとても欲していた。
ここからわれわれはことを起こさねばならない。(QF)ファーストレグではわれわれに独特なホームのアドヴァンテッジを利用し、相手に向かっていかねばならない。
(スターリングやジンチェンコの活躍)とてもよかった。彼らはあまり長い時間プレイしていないから。たとえば、ヤコブやベン。とくに右のユニット。そこはすべて変えて、いつもとはとても違っていた。選手たちはそれに適応し、とてもハードにトライした。彼らがプレイしたことはとても満足だ。
たくさんのゴールを安定して決めてくれる選手がいないとき、ゴールをシェアするのは素晴らしいことだ。アレックスも美しいゴールを決めた。2点めも、ラズの素晴らしい貢献とデクランのレイトランから。これは2試合連続で彼がやっていること。いい習慣だ。
試合後の記者会見。AFC公式サイトより。
(今夜の非現実的雰囲気……)
アルテタ:ファーストレグの結果から、今夜は満員にならないと聞いていた。だが、それでもやらねばならないし、コンペティションをフィニッシュするマナーもある。
残念ながら試合には勝てなかったが、たくさんのローテイションをした。後半チームは疲れてしまったのは観てのとおりで、相手ハーフでの支配をするのが遅くなってしまった。とくにボールがないとき。
しかし全体的には、わたしはとても満足している。なぜなら、CLで2年連続でQFに進出したから。われわれはマドリッドへ行くが、まだ対戦相手はわかっていない(※訳注:同時刻のマドリッドダービーは延長戦に突入)
(スターリングのパフォーマンス?……)
彼にはとてもよかったし、その他の最近あまりプレイしてなかった選手もそう。後半の彼らはある部分で踏ん張るためのフィジカル能力が足りていないことがわかった。ある時間帯での、あるスペイスのある相手のとき。だが、全体的にとてもよかったし、彼らもよく反応した。
(ゴール貢献をしたあとに見えたスターリングの自信について……)
そうだね、ふたつめのやつで、彼はゴールを決めそうな最後のアクションをやっていた。キーパーがセイヴした。それと、彼が警告を受けた最後のアクションで、コーナーのあとのボールの追いかけ方。あれが、われわれが観たいタイプの選手だよ。
(ふたたびのQF進出を誇る……)
それがいかに難しいかということ。だから、それは高く評価しなきゃいけない。われわれは、それを一貫してやってきたし、ここからはつぎのステップに行きたい。それは非常に難しいものだ。しかし、われわれにはそれができる。
(レアルとアトレチコのどちらがいい?……)
ノー。彼らは違いチームであり、スタイルもマネジャーも歴史も違う。困難は当然わかっている。だが、わたしにはどちらがいいとは云えない。
(オーデガードにもジンチェンコと同じ場所からシュートがほしい?……)
そうだね。マーティンもそれをやってきた。アレックスのフィニッシュは素晴らしかったと思う。彼にはあれをやる能力がある。ボールを運び、あのスペイスでボールをネットに入れる。彼のクオリティにフィットするさらなる解決策を見つけたし、いまチームに何が要求されているかがわかった。だから、彼があそこにいるのはとてもよいこと。
(去年のCLの経験からあなたは何を学んだ?……)
まずは、2試合でベストにならねばならないこと。すべての時間でだ。何も相手に渡してはいけない。なぜなら、相手はそれを活かすのだから。そして今日は2失点した。これもまた大いなる教訓だ。
結局、試合はふたつのボックスで決まるのだ。個人の才能、個人のパフォーマンスが決定的。そして、ホームでプレイするときには信じられないような雰囲気をつくる。それも決定的になる。
(QF進出がなぜ重要?……)
なぜ重要かだって? 勝ちたいからに決まってるからでしょ! そして、勝って、そのステイジを勝ち抜ける。クラブがそれを必要としている。われわれは、ベストになりたいクラブでありチーム。世界中のクラブと競えるようになりたい。
そのためには、安定してそこにいなければならないし、それはとても難しいことだ。しかし、われわれは2年連続でそれをやっている。われわれにはそのキャパシティと能力がある。もっとうまくやれる。
(長期的にはルイス・スケリーのポジションはMFかLBか?……)
彼はどちらのポジションでもプレイできるし、彼がフルバックでプレイするときは、周囲の選手にもよる。彼らはポジションを変えるなら、そこでお互いにやりとりもできる。
彼は6でプレイしていた。彼はアカデミーでは6として育てられてきた。だから、今シーズン彼がやっていることは、彼には新しいことなのだ。今後、彼をMFでプレイさせもっと成長させていくことはあると思う。彼は今夜も非常によくやっていた。
わたしが思うに、彼は自分でやることが非常に安定している。彼がやっていることについては、わたしもとても満足している。
(つぎのステイジにどうたどり着ける?……)
去年はバイエルンとプレイした。お互いの歴史があり、この20-25年間いかに彼らが安定していたか。そしてわれわれはホームで相手をロープまで追い詰めた。
彼らはそれを逃れ、そしてわれわれはつぎのステイジにはやや足りなかった。だから、そのときよりも強くなっていることを認識し、われわれはことを起こすことができる。
アレックス・ジンチェンコの試合後コメント「(MFが)こんなに走るなんて」
オーデガード役としてMFでスタート。美しい1ゴールも決めた。試合後のインタビュー。AFC公式サイトより。
ジンチェンコ:ぼくらはこれを誇るべきだ。もちろん、ぼくらは大きなものを探しているが、これこそがぼくらがピッチで証明する必要あることだ。話じゃなくてね。われわれは、いまシーズンの非常におもしろい時期にいると思うし、毎試合がファイナルみたいだ。
レアル・マドリッドは世界最大のクラブのひとつ。彼らはこのコンペティションを15回も勝っている。たくさんのワールドクラスがいて、経験もある。しかし、ぼくらに必要なことは自分たちのベストパフォーマンスを示すこと。そういう試合を楽しみにしている。
(シティでレアルに敗けた経験)それは思い出させないでほしい。苦痛だからね。でも、あれはすごい体験だった。とくに自分にとっては、あの年齢であれだけの経験が得られた。そのことにはとても感謝している。ぼくが云える唯一のことは、最後まで気を抜かないことだ。
このステイジでプレイしているなら、ベストでいなければならない。勝ってなにかを得たいのなら、まずベストのレヴェルにいること、そしてほかの選手たちを競いあうこと。
(PSVにいたこと)ローンでのシーズンだったのであそこに長いあいだいたわけではないが、素晴らしい思い出があるよ。あそこの人たちはみんなすごくラブリーだったから。
温かく歓迎されて、愛情もあった。ローンが終わってマンシティに戻ってからさえも。オフの日にはまた訪れたい場所だ。とても大好きなところ。彼らの今後の健闘を祈る。彼らは素晴らしい人たち。
ジンチェンコはTNT Sportsのインタビューでのコメントも話題だった。「試合後にマーティンとデクランに云ったんだ。キミらがこんなに走ってたなんて初めて知った、信じられない!」。ウケる。
“I said to Martin and Declan, ‘unbelievable, now I realise how much you guys run!'” 🥵
Oleksandr Zinchenko enjoys his stint in the centre of Arsenal’s midfield this evening 🤣
📺 @tntsports & @discoveryplusUK | 🎙 @msmith850 pic.twitter.com/jwU4RtI6RK
— Football on TNT Sports (@footballontnt) March 12, 2025