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トーマス・パーティが強姦容疑でロンドン警視庁に起訴される

Oh gosh.

ついにこの日が来てしまったか。まだAFCからの退団は正式発表されていないものの(発表はないのか?)、新契約の交渉が破談したと伝えられているトーマス・パーティ。新契約が締結されていないということは、彼は6月末の時点でAFCの選手ではなくなっているわけだが、その4日後にロンドン警視庁から公式発表となった。

「ロンドン警視庁がトーマス・パーティを強姦容疑で起訴」

Thomas Partey charged with rape by the Metropolitan Police Service

この件は、いまからちょうど3年前の2022年夏に発覚した事案で、これまで英国の法律で公には「30代のプレミアリーガー(名前は明かせない)」としか呼べず、メディアでも当該の容疑者の名前が表に出たのはこれが初めてとなる。インパクトがでかい。

もちろん、この件とパーティの関連はソーシャルメディアなど一般人のあいだでは公然の秘密として扱われ、アーセナルのファンでさえも当該事案の容疑者が彼であることを疑うものはほとんどいないような状況ですらあった。が、こうして実際に容疑者としてはっきりと彼の名前が出ているのを見るに、やはりなんとも云えない暗い気分になってしまう。



ロンドン警視庁からのリリース全文

引用しよう。

トーマス・パーティが強姦容疑でロンドン警視庁に起訴されました

刑事が証拠書類を提出したあと、検察庁はロンドン警視庁(the Metropolitan Police: The Met)に対し、ある男を起訴する権限を与えた。

The Metは、ハートフォードシャー在住のトーマス・パーティ(32歳、1993年6月13日生まれ)に対し、以下の犯罪行為に関して告発書と召喚状を発行した。

  • 強姦罪5件
  • 性的暴行罪1件

起訴の詳細は以下のとおり。

  • 強姦罪2件は1人の女性に関連
  • 強姦罪3件は2人目の女性に関連
  • 性的暴行罪1件は3人目の女性に関連

これらの犯行は2021年から2022年の間に発生したと報告されている。

この容疑は、警察が最初に強姦の報告を受けたあと、2022年2月に開始された刑事捜査を受けてのものである。

捜査を主導するチームのAndy Furphy警視は述べる。「わたしたちの最優先事項は、名乗り出た女性たちへの支援を提供することです。この事件に影響を受けられた方、あるいは情報をお持ちの方は、ぜひ当チームにご連絡ください。捜査に関するお問い合わせは、CIT@met.police.uk までメールでご連絡ください」。

トーマス・パーティは8月5日(火)にウェストミンスター治安判事裁判所に出廷します。

支援を受けるには、独立慈善団体「レイプ・クライシス」の24時間年中無休レイプ・性的虐待サポートラインにご連絡ください。

わたしたちは、司法長官のガイダンスに沿った責任ある報道を強く求めます。編集者、出版社、ソーシャルメディアの利用者は、コモンロウおよび法廷侮辱罪法(Contempt of Court Act 1981)に基づく義務を完全に遵守する立場にあることを確認するため、法的助言を受けるべきです。

以上。被害者は3名。単発でもない。ショッキング。

これは起訴なので、このあと裁判があって、有罪/無罪の判決が下されることになる。

この発表に対するパーティ側のコメント、および元所属クラブだったアーセナルFCのコメントはBBCがニュースとして報じている

ガーナ代表は起訴内容を否定。「これでようやく彼の汚名がそそげることを歓迎している」と彼の弁護士。

アーセナルの広報担当者「同選手の契約は6月30日に終了した。法的手続きが進行中のため、クラブはこの件についてコメントできない」と述べた。

これはいわゆる日本の政治家が都合の悪いときに使う「コメントを差し控える」ってやつだな。アーセナルからそんなコメントを聞かされるとは思わなんだ。

雑感

これ、アーセナル的にはもう所属選手じゃないとはいえ、クラブにとってはそうとうなダメージもあるよな。

この夏のアーセナルは彼とは新しい契約を結ぼうとすらしていたわけだし、起訴以前で名前も公になっていなかったとはいえ、そういう容疑がかかっている人物を、それとわかっていながらこの3年間のあいだ雇いつづけた責任も問われかねない。

パーティの件に耳を塞ぎ続けたとアーセナルに批判的な記事を掲載したThe Telegraph。

Arsenal covered their ears on Partey and failed to locate their moral compass

それに、誰かが云っていたが、アーセナルFCは女子フットボールにもかなり力を入れているクラブとしても知られているわけで、よけいに痛い。よりによってこのような性犯罪系の醜聞ときた。クラブの著しいイメージダウンは避けられそうにない。

というか、もし彼との新契約が成立したあとにこの発表があったらクラブはどうするつもりだったんだろうか。もちろんそのままプレイさせるわけにもいかないだろうし、移籍ウィンドウが閉まったあとだったら重要な選手がひとり減るみたいな大惨事だった。彼の潔白にもっと楽観的だったとか? もちろんパーティの側からも話は聞いていただろうし、彼らの言い分を信じたということか。でも、こうなった以上それはあまりにナイーヴだったかもしれない。それこそ危機管理。

アーセナルは、結果的に彼と契約延長できなかったことで、最悪の事態は免れたのかもしれない。100が90になったくらいには…… しかし、試合でまたこの件でしつこく相手サポからの罵倒チャントがこだまするのかと思うと、気が重いですねえ。

ところで、この発表が彼の退団から4日後という神がかったタイミングだったのは、アーセナルからの退団が関連しているという説もある。つまり、彼がフリーエイジェントになった時点で国外に出る可能性が高いこと。場所によっては、英国の法が及ばないことだってありうるとか? 急ぐ必要があった。だから、英国クラブから退団直後というこの絶妙なタイミングだった。

しかし、こうなってしまった以上は彼もスペインやイタリアといった西側の国ではプレイできないだろうし(できる?)、このあともキャリアをつづけるなら、サウジやロシアや中国といった人権無視の国へ行くより道がなくなったかもしれない。もともとサウジクラブからの興味は伝えられていたし、ありそうなことだ。

個人的には、インタビューなどでの彼のおっとりした態度やあのやさしそうな声音からしても、なんだか他人に暴力を振るうようなタイプにも思えず、なにも起きないことを期待していたんだけども。現実は甘くなかった。まあ、このあと裁判ということは、そこで無罪になる可能性だってあるので、ここで彼をレイピストと断定するのはやめておこうか。

朝からなんとも暗いニュースだった。

 

おわり



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