ちゃす。暑いね。今年は極端な空梅雨で水がめは大丈夫なのか心配になる。
さて、先日アーセナル移籍が正式に発表されたマーティン・ズビメンディ。選手クオリティの前評判からしても、ファンの期待はうなぎのぼりといったところ。
今回は、彼がアーセナルに来て、レギュラーとしてプレイするであろうチームに実際なにをもたらすのか。それについてざっとまとめておきたい。
この趣旨で記事を書くためのネタが豊富すぎて、どうまとめようか悩んだが、なんとかやってみたいと思う。
ズビメンディの基本プロファイル
まずはもう一度、彼の基本プロファイルをおさらいしておこうか。以下TMより。
- 名前:Martin Zubimendi Ibáñez
- 誕生日(年齢):February 2, 1999 (26)
- 出身:Donostia-San Sebastián Spain
- 身長:1.81 m
- 国籍:Spain
- ポジション:Midfield – Defensive Midfield
- 利き足:right
現在のMVは€60m。※ところでTMは今回のアーセナル移籍を当初€65mの移籍金と記載していたが、いまみたら€70mに訂正されていた
ここまでの選手キャリアは、レアル・ソシエダのユースを経て、2020夏(20/21シーズン)に正式にシニアチームに昇格。おおいに活躍し、その5年後に€70mでアーセナルに移籍とあいなった。レアル・ソシエダに計15年いたというまさにクラブ生え抜き。
代表チームはスペインU-17、U-19、U-21。U-23招集の年にはシニアチームにも招集&デビュー。これまでにスペイン代表として、24キャプス。
基本ポジションは6
彼のポジションはクラブでもNTでもCM/DM。ほぼDM(6)。DFラインの前に鎮座するアンカー。
ソシエダでは、シングルピヴォット(ローン6)で、攻撃時4-1-5の1でプレイする機会が多く、スペインNTではダブルピヴォットのひとりとしてプレイする機会が多いようだ。
いっぽうで、ソシエダではB2B(8/6)でプレイすることもあったものの、攻撃フェイズでよりポジションを高くとる8については比較的プレイ経験が少ないという。
その点はデクラン・ライスともすこし似ている。ウェストハムから来た彼にとってもアーセナルでの8ロールは新境地だった。チーム状況に応じて、ズビが8に適応するかどうかは興味深い。
いずれにせよ、アーセナルのチームでは最初はそのままパーティのポジションでプレイすることになるのだろう。ソシエダと違い、アーセナルの場合は、ポゼッション時に彼のとなりにRB(ティンバー)かLB(MLS)あるいはそのふたりともが並ぶため、ビルドアップはよりやりやすいかもしれない。
実際の試合ではアーセナルのビルドアップでは、彼に相手のマンマークが集中する可能性が高いので、むしろ彼が相手のマークを引き付けてくれれば、ほかの選手がよりフリーになれる。本人も以前その重要性について述べていた。
ズビメンディの評判。関係者は語る
本題に入る前に、彼のクオリティについて知るために、コーチや仲間は彼についてどう語ってきたかを確認しよう。
スペインNTマネジャー、De la Fuente。Euro2024を勝った2024年8月。
De la Fuente:わたしがこれまでも公の場で話してきたように、Rodriが世界ベストで、マーティンは世界で2番めにベストな選手だ。
われわれが信じられないほどラッキーなことは、チームにふたりも世界最高と云われる選手がいること。もちろん、ほかにも素晴らしい選手はいるけどね。
マーティンは、望むものすべてをもたらしてくれる。素晴らしい才能だ。彼は保証するし、完璧に信頼できる。つねに冷静にプレイし、急がない。すべての判断が正しい。
ソシエダのマネジャー、Imanol Alguacil。
Imanol Alguacil:われわれが話しているのは、ベストのひとりについてだ。スペインだけじゃない。世界で。彼のような選手はほんとうにいない。彼がベストな日じゃなかったとしてさえ、それに気づくはずだ。彼はまったく替えのきかない選手。
Xabi AlonsoとともにソシエダBコーチだったAitor Zulaika。
Aitor Zulaika:まず指摘したいのは、マーティンが完成された選手というだけでなく、完成された人間だということ。
彼にはいっしょにもたらすことが難しい4つのキャラクタリスティクスがある。彼はとても謙虚であり、率直な人間性だが、誇り高く、とても力強いパーソナリティでもある。そうしたクオリティを兼ね備えている選手を見つけるのは難しい。彼はそのひとり。
彼は自分の仕事に非常に真剣な、とても規律ある漢だった。彼は賢く、コーチの云うことに耳を傾け、礼儀正しく、誰のことも敬っていた。
彼はボールを持ったときにとてもよく試合をコントロールし、パスをする。だが、彼の守備も同様に素晴らしい。彼は全方面で優秀だ。
彼は世界のどんなチームでもプレイできる。あのポジションで彼より優秀な選手は多くない。
ソシエダCのチームメイトだったBenoit Cachenaut。
Benoit Cachenaut:彼はつねにとても完成された選手だったよ。技術、クイックネス、インテリジェンス、力強さ。
(10代だった)そのときにすでに、彼には最高レヴェルに到達できるすべてを持っているのがわかった。だが、同時に彼はピッチで非常に優秀でありながら、とても謙虚なやつだった。いつもニコニコしていたし、とてもフレンドリーでね。
ぼくがケガをして手術のために病院に運ばれたとき、見舞いに来てくれたチームメイツのひとりが彼だった。
ソシエダのチームメイトだった、Carlos Martinez。
Carlos Martinez:彼を観たとたん、すぐにぼくらは彼はなにか違うということがわかった。フットボールをプレイするものを引き付けるなにかがあった。それは、彼のボールの動かし方であり、あの若さにして見せたパーソナリティだった。
バルセロナの元マネジャー、Xavi。2023年11月。
Xavi:ズビメンディはとんでもないピヴォットだ。
彼は試合を支配する。ボールがないときだって。彼はデュエルに勝つ。彼はあのポジションではとてつもない選手だ。彼はバルサでわれわれが好むモデルを理解しているよ。
ソシエダのヴァイスプレジデント、Roberto Montiel。今回の移籍が公表されたあとの発言。
Roberto Montiel:(アルテタが15才でソシエダのテストを受けたときよりズビメンディのほうが成長が早かった)彼は両足でプレイできたし、判断も早く、ピッチのうえでつねに正しいポジションを取っていた。彼のフットボール観は、Xabi Alonsoに似ていたよ。選手としてもひととしても、ミケルよりもXabiに似ていた。
Xabiのように、彼は的確な判断ができる素晴らしいパッサー。ボールもよく奪い取るし、それをどう守るかもよくわかっている。だが、ミケルが物怖じしないのと違い、彼はXabiのようにやや内向的だった。そのせいでマーティンはちょっと気づかれにくかったかもしれない。
わたしが思うに、彼はアーセナルに足りないプロファイルの選手だ。彼らにはライス、メリーノ、オーデガードがいるが、バックから1-2タッチでプレイするには欠けているものがある。
ズビメンディは、そういうニーズに応えられるタイプ。彼はどんな種類のパスも出せるし、試合もよく読む。彼らにはとてもいい補強になるだろう。
現レアル・マドリッドのマネジャー、Xabi Alonsoの2022年のコメント。ソシエダのユースチームではズビメンディのコーチでもあった。
Xabi Alonso:マーティンはすべてのコーチがほしがる選手。
彼は寛容で、つねに自分よりもチームメイトのことを考えている。彼は彼の能力でプレイし、つねに解決策を提案し、周囲の選手たちをより良くする。
久保建英が、スビメンディの野心的なパスの多さと空中戦の強さ(まず負けない、と言ってました)を誉めていたことを覚えています。
彼のソシエダ初ゴールも、ズビの縦パスからでしたね。