われわれの元ボスであるアーセン・ヴェンゲル氏(68)の去就について、DailyMailが報じたところによると、ヴェンゲル氏は日本のプロサッカーリーグ「Jリーグ」から適切なオファーがあれば検討するつもりだという。
Arsene Wenger considering return to Japan to resume managerial career
いや、ヴェンゲルさんが親日家なのはなんとなく知っているけど。まさか。
ヴェンゲル氏がJリーグに行くといううわさの確からしさ
出処がまずMail。そしてもちろんソースなし。はい解散。
まあでもBBCのゴシップ欄にも来てたし、われらにとってはなかなか面白い話題ではあるので、本当にヴェンゲル氏が日本に来る可能性があるのか、少し考えてみよう。

日本に来る理由はヴェンゲルさんが日本が大好きというくらいしかないが、来ない理由ならいくつか挙げられる。
Jリーグにヴェンゲル氏の報酬を払えるクラブはない
まずいちばん大きいのは本人のギャラである。
ヴェンゲル氏がアーセナルFCで受け取っていた年俸は8Mポンド程度といわれている。日本円(150円換算)にするとおよそ12億円。
かたや、Jリーグの監督たちが得ている報酬についてググったところ、2017年のランキングというものを見つけた。こちらのサイト(サッカーマニードットネット)からありがたく引用させていただくと(サッカーとお金についてのサイトだとか。なかなか面白そうなサイト)。
イニエスタを33億円でぶっこ抜いておれを仰天させた楽天(ヴィッセル神戸)でさえ、ネルシーニョ氏に1億円しか払っていない。
このなかでもっとも金をもっているだろうクラブ、浦和だって監督には1億も使っていない。
仮に楽天がネルシーニョをヴェンゲルでアップグレード(?)したとして、その差額11億円をヴェンゲル効果でペイできるだろうか。いくら成績が向上したり、日本人にも馴染みの深いヴェンゲル氏の広告効果があったとしても、「監督」に10億円以上の価値があると評価するのはなかなか難しいのではないだろうか。
まあそんなこといったらイニエスタで33億円ペイするのかもよくわからないけれど。
だから、ヴェンゲルのJリーグ行きに現実味をもたせるとしたら、ヴェンゲルサイドで大幅な年俸ダウンを飲むよりない。チャイナやアメリカからも引き合いがあるというし、とくにチャイナリーグのクラブならさらに年俸を上げる契約だって用意するのではないだろうか。ふつうに考えればこの時点でノーチャンスである。
以前にこのブログでこんなエントリを書いたことがある。
チャイナが本当に獲得すべきはアーセン・ヴェンゲルなんじゃないのか
自称「フットボール中毒」を満足させられない
ヴェンゲル氏は自分で自分をフットボール・アディクトだといっている。
彼はまだ表舞台で自分のフットボール力をちゃんと試したい欲求を持っているとぼくは思う。AFC辞任に際しての本人の数々のコメントからするに、アーセナルでは相当やり残したことがあると考えているようだ。
トップレベルのフットボールに未練があるのは明白である。
もし彼が率いたチームが日本でJリーグのタイトルを取ったとして、それで果たしてヴェンゲル氏は満足できるのか?
いうまでもなくこの世界の中心はヨーロッパにある。選手もマネージャーもほとんどすべての一流はヨーロッパ5大リーグに集まる。
残念ながら日本のサッカーは物理的にというだけでなくヨーロッパのフットボールとは大きな距離があると思う。
海外クラブに移籍した日本人選手などがよくJリーグはオランダの2部と同じくらいのレベルだとか、ベルギーリーグの下位チームならJリーグクラブでも勝てるなんてことをいったりするが、それでもその程度である。
まあぼくはJリーグをよく知らないのであんまり適当なことはいえないが、ヴェンゲル氏がいまJリーグに来るということは、トップレベルのフットボールからの離脱を意味する。フットボール気狂いのあのヴェンゲル氏が。そんなばかな。
そういう意味では、ぼくはチャイナだってアメリカだってありえないと思っている。
ヴェンゲル氏は現在68才と、現役としてこれからそうたくさんの時間が残されているわけでもない。貴重な時間を使ってまで彼が日本に来てくれるだろうか。
日本のクラブにチャンスがあるとしたら
なんだろ?
金もない。スポーツもない。もうフットボール以外のアピールをするしかないよね。
幸いなことにヴェンゲル氏は日本に大変お詳しい。食事がおいしいとか治安がいいとかいまさらアピールする必要もない。
ヴェンゲル氏にメリットはそう多くないが、Jリーグだけでなく日本全体にとってはアーセン・ヴェンゲル氏が日本に来るということは、メリットしかない。メリットのかたまりである。もう計り知れない。お金で計算できないくらいだ。いや知らんけど。
きっとヴェンゲル氏が日本で働くことになれば、これまでと同じように、ことあるごとに日本の素晴らしさ、日本人の民度の高さを世界に発信してくれるだろう。まさにアンバサダー。彼の知的な雰囲気は日本の親善大使にぴったりである。
両国国技館で焼き鳥片手にSUMOを観戦しているところをカメラに抜かれるヴェンゲル氏。ああ、その姿が目に見えるようだ……。そして彼はbeIN Sportsのインタビューに応えてこういうのだ。「日本のSUMOは本当に素晴らしい。勝っても負けた選手の前で喜びを表さないんだ。どっちが勝ったかわからないくらいだよ。アッハッハ」
要するにこれはサッカークラブあるいはJリーグといった小さな枠にとどまらない、日本にとっての観光立国案件なのである。クールジャパンである。すぐに観光庁が主導して「ウェルカム・ヴェンゲル」プロジェクトを立ち上げるべきだろう。なんなら国がヴェンゲル招聘のためにクラブに補助金を出したっていいのである。
日本という世界第三位の経済大国が本気でバックアップするような事態になれば、もしかしたらJリーグ行きのチャンスがある可能性がわずかにあったりなかったりするのかもしれない。
まとめ
ぼくは日本でもアーセン・ヴェンゲル氏について考えた時間はかなり長いと自負している。たぶん上位1000人には入るだろう(謙虚さ)。
そんな人間からしてもヴェンゲル氏がJリーグに来るなんて1ミリも信じていない。
が、もし来るなら。もし来るなら。
それはすごいことだ。すごくてすごくてすごい。このすごみ。
イニエスタの1万倍は驚く。
まあ冗談抜きにすると、ヴェンゲルさんがわずかに日本に来るチャンスがあるとすれば、年齢的に現役引退が見えてきたくらいの時期に、日本代表監督っていうのはもしかしたらあるかなとは思う。
2022年のワールドカップのとき72才。うわ、急にリアルに思えてきた(笑い)。
おしまい。
冗談抜きで日本人妻と再婚したら日本で監督してくれると思ってしまう私はゲス野郎
w杯解説で出向いたロシアで出会った日本人女性、ベンゲルはその出会いに心動き、そして昔住んだあの国を懐かしく思い出す、、
ラヴアフェアはありですね。
電撃的に名古屋グランパスの監督就任で世界を仰天。じつは95年に密かに付き合っていた栄の小料理屋の女将のことがずっと忘れられなかったとのちに自伝で告白…… リチャード・ギアと吉永小百合で映画化……