興味深い記事がBBC Sportsに来ていた。
「リヴァプールはプレミアリーグでもっともアンラッキー、そしてマンチェスター・ユナイテッドがもっともラッキー」
Liverpool unluckiest Premier League team & Manchester United luckiest, says study
ESPN、インテル、英バース大学のコラボレーションによる「The Luck Index(『ラッキー指標』)」は、レフェリングの不正確さや偶然に近い要素が絡んだプレイを詳細に検証した研究で、17/18シーズンのアーセナルはPL20チーム中「アンラッキー・チーム」の第二位の栄冠に輝いた。おめでとう。
The Luck Indexとは? 詳しく見てみよう。
「ジャッジがシーズンを決めた」
マネージャーやパンディット的なものからたびたび発せられるベタな決まり文句。悪いジャッジ、ラッキーやアンラッキー。でもそれはほんとうにそうなのか? ビッグ6はほんとうに優遇されているのか? 間違いはいつも起きているのか? それをつい幸運とみなしてしまったり、アウェイではアンラッキーだと思いがち?
The ESPN Luck Indexは、ESPNによる包括的なリサーチプロジェクトで、インテルの協力のもと、バース大学によって運営されています。もし幸運が左右しない場合、プレミアリーグがどのように見えるかを確かめるために。
ラック・インデックス:+1=ヴェリー・ラッキー、0=ふつう、-1=ヴェリー・アンラッキー
「ザ・ラック・インデックス」の仕組み
The Luck Indexは、チームの得点あるいは失点について、以下のような9つの要素を加味してポイントを算出した結果である。
- 認められるべきだった得点(実際には認められなかったゴール)
- 正しくない認められなかった得点
- 正しくないペナルティ(得点されたもの)
- 取られるぺきだったペナルティ(取られなかったもの)
- 正しくないレッドカード
- 認められなかったレッドカード機会
- インジャリータイムを過ぎたあとの得点
- ディフクレトによる得点
これらによる恩恵を受けたチームはラッキー、そうでなかったチームはアンラッキーというわけである。
詳しくは、このページで解説されている。
もっともラッキーなチーム、もっともアンラッキーなチーム
ラッキーチーム
この調査によると、プレミアリーグ17/18シーズンでもっともラッキーなチームはなんの異論もなく、マンチェスター・ユナイテッドである。
あの「世界一価値があって、世界最高のタレントを揃えているチーム。なのに、クッソおもしろくない」彼ら。あんなチームが超厳しいEPLで準優勝なんて世界は間違っている。
彼らは+0.25ポイントという驚くべきハイアベレージ補正でポイントを稼いでいた。盗人猛々しい。滅びろ。
デ・ヘアのセーブ率は目覚ましいものがあるが、ちょっとパラメータをいじりすぎである。いじりすぎでゲームバランスを崩している。FAはこのEPLのクソゲー化に危機感を持つべきである。
ジョゼ・モウリーニョのチームはプレミアリーグでもっとも幸運なチームだった。彼の不満げな試合後のプレスカンファレンスを見る限り想像もつかないだろうが。シーズン中の16の事象をレヴューしたところ、マンUは実際のポイントより6ポイントは下回るべきだった。2位ではなく4位が妥当だった。
8/19のスウォンジー戦はラッキーだとみなされていたし、10/14のリヴァプール戦でポイントを掴んだこと、11/25にブライトンを破ったことも。果たして今シーズンも同じように勝てるだろうか?
アンラッキーチーム
そして、反対にもっともアンラッキーだったチームはというと、リヴァプールだという。なんと。
ぼくはいつも滅びろと思っているけど、17/18シーズンの彼らが素敵なフットボールをやっていたことは認めざるを得ない。
そんなプレミアリーグが誇るべき彼らが、なんと-0.73ポイント。ひとこといいでしょうか?
m9(^Д^) ざまあwww
17/18シーズンで目覚ましいフットボールをやったユルゲン・クロップのチームだが、調査によれば彼らはもっともアンラッキーなチームだった。リヴァプールは75ポイントという最終結果に12ポイントが加わるべきだった。これは14の事象をレヴューした結果で、分析によれば、彼らは4位ではなく2位となった。
キーとなった試合は2/4に行われたToTとの2-2ドローで、この試合で2位争いに残るドラマチックな3ポイントを奪われた。
ラック・インデックスによるEPL17/18シーズン調整順位
われらがアーセナルはひとつ順位を上げて5位がふさわしかったと。
この指標によれば、下位チームもレフェリングで降格か残留かの決め手になっていた可能性があり、当事者にしてみれば笑って済む問題じゃない。
それにしてもシティが限りなくゼロに近いのは驚異的。。
アーセナルはアンラッキー?
アーセナルは第二位のアンラッキーチーム。
リヴァプールほどではないにせよ、-0.47ポイントというのだから、ドローが1ポイントだと思えばかなりでかいポイントを落としていることになる。
ガナーズのアウェイでの不調は17/18シーズンの見どころだった。アーセナルは1/1以降プレミアリーグで8つのアウェイゲームのうち7試合を負けている。この失敗の結果、この20年で2度目となるトップ4からの陥落となった。
ラック・インデックスによると、ホームでは実際は結果よりも3ポイント少ないと見られるが、アウェイでの8ポイントには11ポイントが加算されるべきだった。これは、それでもトップ4には届かないものだが近づくことはできた。
ジャッジの精度
個人的にはプロスポーツにはつねづねこういった調査が必要だと思っていたので、プレミアリーグにとっても非常に有意義なものだと思う。
この研究では、どういったチームがラッキー/アンラッキーにジャッジされやすいかもあぶり出してしまうのかもしれない。
マンUは「ファーギータイム」の時代からリーグでの優遇が疑われてきたチームだし、リヴァプールについては17/18の電撃的な攻撃スピードがミスジャッジを招いたのかもしれない。
このブログでも何度か書いていると思うが、ぼくはVARにも賛成だし、審判には必ず人間の手を介さなければならないという意見にも懐疑的だ。テレビの前で誰もが詳しくリプレイなりを目撃できる環境で、レフェリングの正確性より優先すべきものがあるとは思えない。
これはイングランドでも必ずしも多数派の意見ではないと思うが、この調査はこういった意見を後押しするものであると思う。レフェリーのミスで降格なんてたまったものじゃないし、もしアーセナルがこの調査でじつは4位に入っていたなんてことになったらどう思うか?
BBCではこの調査に協力した元PLレフェリーの声も紹介している。
ピーター・ウォルトン:この結果は試合におけるレフェリングの重要性とインパクトを論証するものだ。
今度のシーズンもプレミアリーグではVARは導入されないことになったが、こういったラッキーなプレイがリーグにどれくらい影響するか見ものだと思う。
これ試合レヴューごとに検証結果を出してもらいたいね。
私もVARは賛成です。
近年、日本でもシュミレーションを点を取るための賢い技術であるように言われることが度々ありますが、フットボールはいつから相手選手ではなく審判を騙す競技になってしまったのかと残念に思います…
そういった点でW杯でネイマールが笑いものになったのはよかったと思います。
話が逸れてしまい申し訳ありません。
このさきEPLでVARしないとなれば、あえて審判の主観を消さないようにしているように思えますね。
よく試合のテンポが悪くなると言われますが、勝っているチームが試合終盤にバタバタとケガのフリをして時間を潰しているのに比べたら幾分マシでしょう。
長文をダラダラと失礼しました。
こんにちは。
たしかPLでもVARの議論はされていて、とりあえず18/19シーズンは導入しないという方針を決めたはずなので、次のシーズンで導入ということはありえるんじゃないですかね。
ワールドカップとかドイツみたいなトップリーグでの実績を積み重ねているので技術的な面はさらにアップデートされるでしょうし、さすがに近い将来にはイングランドやほかのトップリーグでも導入せざるを得ないのではないかと。