昨日トランスファー・デッドライン・デイにギリギリのアナウンスとなった、キーラン・ティアニーとダヴィド・ルイスというふたりのDFの獲得。
とくにティアニーについては、アーセナルは獲得に自信を持っていると云われながらも、なかなか発表とならず、おおいにやきもきさせられた。
このたびめでたく発表となったふたりの初めてのインタヴューがアーセナルの公式サイトにアップされた。
これをざっと紹介しよう。
まずはティアニーから。
キーラン・ティアニーの初インタヴュー「フライトまで追っかけられるなんて聞いたこともない!」
‘I was down at the park when I got the call!’
(キーラン、アーセナルへようこそ。やっとですね。われわれに加わるのはどんな気分?)
ティアニー:どうもありがとう。グレイトに感じているよ。ここに来ることができてとてもうれしい。もちろんぼくはいまケガをしちゃっているんだけど、ピッチ、トレイニング、スクワッドに入っていけるのが楽しみだ。
(この移籍についてはこの夏にずっと取りざたされてきました。今日デッドラインデイに完了です。あなたのほうからはどんなふうに見えていましたか? 気にせずにいるのは大変だったのでは?)
問題なかったよ。リハブを一所懸命に取り組んでいて、周りにはいいひとたちもいる。気楽なものだったよ。セルティックでも復帰を目指してハードにトレイニングして、ハードワークしていた。
(昨日の夜のフライトでここに来たということで、あまり眠れなかったと聞きました。この24時間をどう過ごしましたか……)
そう、昨日の夜7時に1時間以内に空港に来いって云われて、だから急がなきゃならなかった。そのときぼくは公園で友だちたちとトレイニングしていて。彼らはローカルチームにいてちょうど彼らのプレイするのを観てたときに電話が来たんだ。それでぼくが空港に着いたときにフライトが2時間半遅れて、空港からホテルまで数時間の移動もあったしほとんど寝る時間はなかった。今日は5時半起きだったし。
(アーセナルのファンがソーシャルメディアであなたのフライトをトラッキングしていました。これは彼らのあなたに対する関心の高さの現れです。これについてどう思いました?)
それはヤバいね。まじでそんなの初めてだよ。どう反応していいかわからないけど、彼らにはきっとそれがフェアプレイなんだろう!
(あなたはいまケガからの回復中です。その進捗といつくらいに復帰を目指しているか教えてくれますか?)
そう。ぼくは夏にダブルヘルニアの手術をしたんだ。いまちょうどフィットしつつあるところで、もうボールを使ったりランニングはしている。そう長くはかからないと願ってるよ。
(あなたは子どもの頃からのセルティックファンとして知られています。クラブを去るのがいかにタフな決断だったか、それとなぜアーセナルへの移籍が正しいと思ったのでしょう?)
イエア。ぼくがした決断は人生で最高に難しいものだった。家族や親しい友人、それにエイジェントもだけど、彼らと相談しなくちゃならなかった。だって、こんなにも愛しているクラブを去る決断は難しかったから。(セルティックの)みんなにはそのこともわかってほしいんだ。
アーセナルはマッシヴなクラブだと感じていて、ぼくにとってはグレイトな機会でもある。ここに来れてうれしい。
(PLでプレイするという野心も持っていた?)
ぼくがもっと若かったとき、それはずっとセルティックだった。野心はセルティックでプレイすることで、子どもの頃からの夢だったんだ。でも年を重ねて……それを成し遂げた。夢を叶えたんだ。夢のなかに生きていたし、どの瞬間もずっと愛していた。いまぼくは前へ進むべきときだと感じている。これはぼくにとって大きなチャンスなんだってね。
セルティックのファンの気持ちを思うとやるせないが、おそらくそれはティアニー本人が一番感じていることだろう。だって彼はセルティックの熱烈なファンなのだから。
「夢の中で生きた」というくだりは、まるでジェンキンソンのフェアウェルメッセージを思い出させる(思い出すだけで涙が……)。もしティアニーとジェンコのトレイドになっていたら、セルティックのサポーター諸君も納得してくれただろうか?(美談で丸め込む気マンマン)
気になるケガについては、すでにボールを使ったり走っているということはベレリンよりもホールディングに近い状態だと考えてよさそうだ。
できるだけ早い復帰を期待したい。彼がアーセナルのシャツを来てピッチでプレイする姿を観るのが楽しみでならない。待ちきれないや。
ダヴィド・ルイスの初インタヴュー「ぼくはチャレンジを恐れない」
つづいて、赤シャツに違和感ありまくりのルイスのインタヴュー。
‘I’m happy Laca and Auba are on my side now!’
(ダヴィド、アーセナルへようこそ。われわれに加わるのはどんな気分?)
ルイス:ありがとう。グレイトな気分だ。これは人生で、ぼくのフットボーラーとしてのキャリアのなかでのまた新たなサイクルだ。このビッグクラブでプレイできることにエキサイトしているよ。とくに以前にはグレイトな選手たちがいたから、アーセナルの試合をよく観て育ったよ。だからこのビッグクラブがなにかを成し遂げようとしているときにそれを助けられることにワクワクしているんだ。
(ウェスト・ロンドンからノース・ロンドンへの移籍はいつもビッグムーヴになります。あなたからはどう見えていますか?)
あそこでのサイクルは終わったってことだね。ぼくとチェルシーとみんなとで話した。そしてぼくはまた別のビッグクラブに来るチャンスを得た。
ぼくの人生は、そんなチャレンジをいつも好んできた。何かを試すことに恐れはないんだ。この手の移籍をやる選手はそう多くないとは思ってる。怖いからね。ぼくはとにかく人生で大きなことに挑戦したいんだ。だから、云ったように、チェルシーでのサイクルを終えて、人生の新しいチャプターを始めることにワクワクしている。
(アーセナルの何があなたにアピールしましたか?)
とにかくビッグクラブだ。イングランドだけじゃなく、世界中のみんながアーセナルの大きさを知っている。こんなクラブに行けるチャンスがもしあるのだったら、そりゃ行くよね。だからここにいるんだよ。
(PSGにいたからウナイ・エメリのことは知っています。この決断にそれはどれだけ影響しましたか?)
大きく、大きく影響した。ぼくは彼を知っている。ほかにも何人か知ってるよ。エドゥ、ラウルも知っている。チームのクオリティ、選手たちを知っている。そして彼らがぼくをワクワクさせてくれる。大きなことを成し遂げるための夢や野心。
考えてみれば、ぼくの人生ではいつもシーズンを始めるときの目標はなにかを勝ち取ることなんだ。ここでも違わないだろう。ぼくはそのメンタリティを持ってここに来た。それがここへ来た理由でもある。それが毎日ぼくを気持ちよく過ごさせてくれるんだ。走る理由はひとつだ。ひとつのゴール。そしてそのゴールはアーセナルとなにかを勝ち取るためのものだ。
(アーセナルにとっては何人もの新しい選手が入ってきたビッグサマーです。誰と一緒にプレイすることを楽しみにしていますか?)
すでに云ったように、ぼくが思うに、ここにはグレイトなスクワッドがいてたくさんのクオリティがある。ぼくやダニ・セバーヨス、ぺぺはこのスクワッド、クラブに多くをもたらすことができるだろう。みんなを進歩させたり助けたり。
(あなたはチェルシーで11試合、アーセナルと対戦しています。一番の思い出は?)
いつもタフだったね。ビッグゲイムさ。ビッグライヴァルであり、また楽しみでもあった。選手にとってはそれが最高なんだ。選手はそういった類の試合を楽しまないと。ぼくにはどれも違いはないね。ぼくはいつもビッグゲイムではワクワクするし、いつだってビッグゲイムが大好きだ。
(この数年でどのアーセナルの選手がタフな相手でしたか?)
ストライカーたちだろうね! ぼくが止めなきゃならなかった相手だ。でもいまはラカゼットとオバメヤンがチームメイトだ。それで楽になったよ!
「人生」を連発しているが、それはわかる気がする。
彼はもう32才でフットボーラーとしてキャリアのクロージングステイジにいる。年齢的にもおそらくトップレヴェルでプレイするのはアーセナルが最後になるだろう。リタイヤしたあとのことを考える時間だって少なくないに違いない。アーセナルでだって、これまでのような出場機会があるかどうかはわからないのだし(今年はまだいくらかあるだろうが、サリバが来る来年はスクワッドプレイヤーになるだろう)。
しかし彼に期待したいのはむしろそういうところで、若い選手が増えているアーセナルで、フットボーラー時代を含めて俯瞰で人生を語れる人物は貴重だ。
ペトル・チェクが去り、コシエルニがああいうかたちでいなくなってしまったいま、彼のポジションの補強は急務だった。それはCBという意味ではなく、チームの精神的なリーダーということ。チームのなかの誰からもリスペクトされるような文句なしの経験と実績があって、キャプテンを後ろから支えられる選手。ルイスは、まさにエメリがいま欲しがっていた選手だと思う。
ということで、ティアニーとルイス。CBとLBというアーセナルが最後に残していた穴にぴったりはまるピースがやってきた。
ティアニーはもちろんニューカッソウには出られないが、ルイスは可能性があるのだろうか。
期待しかないね。
期待しかない。そうなりましたね。
ダビの輝かしいキャリアの集大成を、アーセナルで見たいね。
規格外の才能と、どこまでも攻撃的なプレースタイル。
「DFも勇気を持って攻撃せよ」というベンゲル時代の哲学を、図らずも体現してるプレーヤーだと思う。
キャリアの終盤で伸びしろが望めず、しかもけっこうポカがあり、チェルシーでは叩かれてたが。
アーセナルの陣容の中でなら、ただダビらしくプレーするだけで十分。
アーセナルこそがダビの集大成にふさわしい場所だ。