いろいろ考えすぎてしまって何やら手を付けてよいかわからず。またしてもすっかり旬のタイミングを逃しているが、ワトフォード戦のレヴューをここに書いておきたい。
結果はご存知のとおりで、アウェイで2-2というのはアーセナルのアウェイの結果としては決して最悪ではない。しかしこの試合を見ていれば、アーセナルのフットボールの劣悪さは明白だった。ファンベイスは文字通り、阿鼻叫喚のおもむき。
移籍ウィンドウの成功以来、高まっていた新シーズンに向けての期待は一気にしぼむどころか、逆に反転して、チームが進んでいる方向性に疑問を持つ声が大きな広がりを見せている。ここへ来ての突然の急ブレーキだが、それくらい悪い意味で衝撃的な試合だった。
この試合でいろいろな問題が噴出しているように思えるが、なにより深刻に思えるのがわれらのヘッドコーチだ。チームのセットアップから試合中のマネジメントまで、試合後には多くのファンがエメリの素質や能力に疑問を投げかけている。
毎度敗戦を振り返るほど苦痛な作業もないが(※敗けてない)、アーセナルウォッチャーとしてのおれの使命感(笑い)がこの試合をスルーしてはいけないと云っている。がんばって書いてみよう。
Watford 2-2 Arsenal: Gunners’ defensive mistakes prove costly as Watford fight back
まずはコメント集から。また長くなりそう。。
エメリの試合後コメント「バックからのビルドアップは続けていく必要がある」
試合直後のインタヴュー。
エメリ:フィジカルでは彼らのほうがわれわれよりも強かった。だからゴールキックからメスト・エジルにつなげるために(プレッシングの)ラインをブレイクしたかった。ファーストゴールでやっていたように。
われわれには若い選手たちがいる。みんなで進歩のために取り組んでいるし、今日のような試合から経験を得ていく。われわれは成長できるし、こういったミステイクから学ぶことができる。
ハーフタイムのときには、2-0では十分ではないとわかっていた。
試合後のプレスカンファレンスより。
(結果について……)
エメリ:2-0からこの結果はフラストレーションがある。いつもならセカンドハーフには試合をコントロールできる。しかしわれわれはセカンドハーフもまた難しくなるだろうとドレッシングルームでも話していた。なぜなら相手はたいていはやり方を変えてよりプッシュしてくるからだ。
しかしわれわれは、彼らのプレッシングラインをブレイクするという当初のゲイムプランを変えなかった。それをしなければミッドフィルダーにボールを繋げられなかったからだ。そのゲイムプランをインポーズしていくスペイスもあった。でもフラストレーションがたまるのは、セカンドハーフにはそれができなかったということ。われわれは試合をコントロールできなかったし、プレッシングをブレイクすることもできなかった。
その理由はまず相手がいいチームだったということ。彼らは去年もここでいいスピリットで戦っていたし、キャパシティもあってフィジカルが強い。いい選手もいるし、セカンドハーフにはそれを見せた。彼らはこの結果に値する。
われわれは思ったより苦しんだし、ボックス内に入っていくためにも得点するためにも落ち着こうと話していた。それをやりたいようにできず、わたしからのまとめとしては、われわれにはまだワークが必要で、ものごとをインプルーヴさせる必要があるということだ。
(ワトフォードのほうがより渇望を見せていたのでしょうか……)
まず彼らはプッシュしてプレッシングで試合をコントロールして、それで自信を得ていった。われわれはそのせいでミスをやり最初のゴールを奪われ、彼らはそれを継続する自信を得た。あのときわれわれはファーストハーフに試合をコントロールしていたように落ち着きを取り戻さねばならなかった。しかしできなかった。
(勇気がないんでしょうか。それともキャラクターがないんでしょうか……)
われわれには何人かの若い選手たちがいる。彼らは今日のような経験が必要だ。そして、これはマテオに云ったのだが、彼はとてもいい選手で、成長していて、若く、とてもエモーショナルで、パーソナリティがあって、ときどき成長につながるミスをやる。
ファーストハーフで彼はミスを犯したが、得点はされなかった。セカンドハーフにはトライを続けようとした。なぜならわれわれにはワークが必要だし、それはわたしの責任でもある。やり方を変更することもできたしセカンドプランもあったので。それはロングボールをやってセカンドアクションというもの。しかし彼らはとても強く、われわれはそのプランではボールを繋げられなかった。
キーになったのは、そのやり方をインポーズすることと、ゴールキーパーからのビルドアップをうまくやること、ディフェンダーとミッドフィルダーとでそれをうまく続けること、ロングボールを使ったときに多くのチャンスを得ること。なぜなら、われわれはトライしたが、セカンドプランではなかなかチャンスを得られなかった。
(ゴールキックからのプレイについて考え直さねばならないときが来るか……)
イエス。しかし失点のあともわれわれはトライを続けたし、彼らのラインをブレイクして、アタッキングサードのスペイスに侵入した。いいチャンスになることは多くなかったが、われわれにはこれを続けていく必要があるし、そのキャパシティもある。今日のワトフォードがやってきたようにプレスをしてくるチームがあれば、プレスをブレイクできるよう進歩せねばならない。
(グラニト・ジャカがセカンドハーフには選手たちが「恐れていた(scared)」と云ってます……)
それは個人的に彼が感じたことではないかな。わたしが思うに、フットボールでは恐れを抱くことなんてまったく必要ない。自分にもみんなにもそれが成長の機会だと捉えなければ。しかしわたしは選手たちには同情している。同じように感じることができる。ときにわれわれはもがき苦しむし、自分たちのゲイムプランをもってしてもいい結果が得られそうもないときがある。しかし、われわれはメンタリティを強く持つ必要がある。選手たちだけじゃない。わたしたち(コーチ)もだ。自分たちのやり方をつくること、今日のセカンドハーフに起きたようなことについてワークし、改善していくこと。
(なぜにダニ・セバーヨスを交替したので?……)
今日はとてもとても暑かったから。セカンドハーフにはフレッシュな選手たちが必要だった。われわれはセカンドハーフに苦しんでいたので、わたしは3人の選手でどう改善できるかを考えていた。フレッシュでエナジーがあってフィジカルで強くなるキャパシティがあって、戦術的にも、テクニックでも。
(ダヴィド・ルイスがミステイクをやらかしてペナルティを与えました……)
ミステイクの内容について分析するときは、チームでのミスについて話したい。そして、チームとして採用するすべての決定においてはわたしに責任がある。個人についてもそうだ。わたしは誰かのせいにはしたくない。
まずは自分たちの取り組みであり、わたしの責任であり、自分たちのゲイムプランをよりよくしていくキャパシティを得ていくために自信を得ること。個人のミステイクは、個人というよりチームとして取り組んでいくべきだ。
ファーストハーフのように試合をコントロール? ツッコミどころが満載だが、それは後回しにしよう。
セバーヨスの交替についてのエメリの回答「暑かったから」に反発するファン多数。彼はスペインでももっとも暑いエリアの出身だそうで、SNS等でも「んなわけあるかーい」とファンから総ツッコミが。
ジャカの「みんな恐れていた」発言についても、大きな反応があった。こちらである。
グラニト・ジャカのコメント「ワトフォードに恐れを抱きすぎた」
Sky Sportsのインタヴューに応えたチームキャプテンの試合後コメント。
ジャカ:(いまドレッシングルームはどんな感じ?)もちろんセカンドハーフに代償を払ったということだね。
(何が起きたの?)(首をかしげて)いい質問だ。ファーストハーフでは守備も攻撃もバランスがよく2-0だった。ハーフタイムでのドレッシングルームでは、すべてよしだった。みんなが満足していたよ。でも、そこからのあんなに悪いセカンドハーフだ。1ポイント取れたことがハッピーと云わなきゃならないね。
(セカンドハーフは何が悪かった?)すべてさ。セカンドハーフには最後までいいプレイができなくて、みんなが恐れいていた。彼らがハードにプッシュしてくるだろうことはわかっていたが、ぼくらも、恐れずにもっとキャラクターを見せなきゃならなかった。彼らがプッシュしてくることについては話していたんだ。ぼくらはセカンドハーフにそういったパフォーマンスができなかったということだ。
(ゴールキックからのビルドアップであまりにもたびたびトラブルに。考え直す必要はある?)ぼくらはそれに取り組んでいるところだ。ミスはあるよ。でもそれをいい訳にしない。つぎはもっとうまくやるべきだろう。このミスを分析して、また始めるんだ。どうなるか見なきゃいけないが希望はある。
トライしているしトレイニングでもワークしている。うまくやれているよ。でも今日は一度ワークしなかったというだけだ。ぼくらが試合に負けるのはこれだけが原因じゃない。セカンドハーフすべてにおいて敗けたんだ。
この「恐れていた/怖がっていた(scared)」発言は、この試合のアーセナルの選手たちの様子をよく表していたからか多くのメディアでも取り上げられていた。
とくにワトフォードといえば、トロイ・ディーニーの「アーセナルは玉なし(lack of cojones)」発言が有名で、それが裏付けられたかたちだ。よりによってキャプテンから。。
この試合で浮き彫りになった問題のひとつは、やっぱりこういう選手のメンタリティ/リーダーシップのなさでしょうな。劣勢を跳ね返す覇気や気概といったものがずっと問われている。今回はほかの問題が目立ちすぎて、これはあまりクロースアップされていないけども。
くしくもエメリは今週5人のキャプテンを指名するつもりだと先週語っていたが、ぼくはエメリが指名したいという5人のキャプテン論については以前から疑問を持っていて、重い責任を分散させるようなことはメリットよりデメリットのほうが大きいのではないかと思っている。
この試合が人選に影響するのかどうかはわからないが、まあどうなるか見てみよう。
ホントにお疲れ様です。
1P差に泣いた昨シーズン。今季は早くも2Pを簡単に捨てちゃいましたね・・・
ビルドアップのミスに関しては皆さん色々意見があると思いますが、
訳の分からない言い訳をせず、しっかりと謝罪したパパは潔い漢(おとこ)ですよ。
気になったのは、セバーヨスとエジルを二人とも変えるってことは、点を取ることを放棄したって事?
3点取られても4点取る大好きだったアーセナルが変わっていく瞬間なんですかね?
どもども。
> セバーヨスとエジルを二人とも変える
そう、ここも重要な語りどころなんすよね。
最下位相手に前半2-0で十分ではないって、いったい何位を目指してるチームの話なのか…
フリーターのモウリーニョでも呼んでストップザバスを伝授してもらいたい気分です。まだアレッグリも無職だったかな…
負けなかったことが救いでした。
エメリは危機感を持ったほうがいいですね。正直、このまま行くと解任の可能性は多いにあります。エメリのパッションは好きなので基本的には擁護派ですが、それでもそのように思います。
今シーズンに入ってゲームをコントロールしたとはっきり言える試合は一つもありません。もっと言えば、昨シーズンの終盤、いや、昨シーズンを通して、いくつあったでしょうか…?
選手たちは混乱しているのではないかと最近は良く思います。毎試合のようにフォーメーションを変えていますが、選手は本当に戦術を消化しているのでしょうか?ボールを受けてからパスコースを見つける姿を見る度にそう思います。
新しい選手にとってはチームに馴染む、新しい戦術をこなすということだけでもハードルなのに、戦術をコロコロ変えられるとたまったもんじゃないですよ。チームを職場に置き換えて考えてみたら、ゾッとします。
エメリは戦術マスターと言われているそうですが、今シーズンはこねくり回しているようにしか見えません。戦術の多彩さを武器にすることは悪くないですが、選手が迷いなくプレーすることを優先して欲しいですね。
しばしばプロセスの途中という言葉が選手から聞こえてきますが、ゆっくりと進んでられるほどプレミアは甘くないですよ。
強いアーセナルが早く見たいです。
ノリッチはクロップの弟子であるファルケが率いてプレッシング、アタッキングフットボールを武器にしだしてCSでグンと伸びたチーム。ランパードが監督したダービーもプレスからボールを奪って支配率上げるサッカーが評価され、古巣へステップアップ。ワトフォードの別に厳しくもないプレスにあのザマならこの2つにも平気で負ける気がします。んでプレスをかけてこないチーム、例えばパレス、にはザハ等快速ドリブラーがいて平気でPK献上する絵が浮かぶし、それでもチーム戦略として失点減らす策すら見えない辺りエメリは信用できないです。
ノリッジはシンプルで正確で基本に忠実で
それを十分に上手いと感じるし
シティのプレスは小粒でかつクリーンですから
特に圧力だと感じませんけどね
逆にむしろ荒くファウルで止められる方が
ノリッジは嫌だろうなという印象です
この短い動画を観るだけでも、ノリッジにあってアーセナルにないものが顕著にわかりますね。
とにかく選手間の距離が全然違う。ほとんどの選手が何も考えずか怖がってか、ボールに絡みたがらずに持ち場に突っ立ってるから、1手目のパスから追い込まれて、目に入った相手を背負ってる味方に責任転嫁するようなパスを出す。対人の強さに自信がない選手が多いからなんでしょうね。相手からしたらこんな分かりやすいパス回しもないでしょう。普段ナツメグで騒いでるだけのロンドの練習から考えてやって欲しいです。
言っちゃなんですけど、素人の自分が小学生の頃から考えてやってた事すらできてないように見えます。