SKY SPORTSにこんな記事が。
ギャリー・ネヴィルとフィル・ネヴィルのネヴィル兄弟によるEPL 17/18シーズンのタイトル争いについて。アーセナルの「ア」の字も出てこなくて笑ってしまった。
Gary Neville: Whoever recruits best will win the Premier League
移籍市場を制すものがタイトルを制す by ギャリー・ネヴィル
ギャリー・ネヴィル:昨シーズンが始まる前にはマンチェスターのどっちかがタイトルを獲るっていったけど、結局間違えたね。でも今年はそうなるよ。
チェルシーはちょっと落ちると思う。悪くなるっていうんじゃなくて、来季はチャンピオンズリーグがあるからね。それはまた昨季とは違うチャレンジになる。トッテナムはいい位置にくる気がする。まあいずれにしても、ユナイテッドかシティのどちらかが勝つよ。まあわかんないけどね!(※松木安太郎風に読もう)
毎年いってるように、一番いい補強をしたクラブがタイトルを獲るんだ。チェルシーが獲ったエンゴロ・カンテは神がかってたし、エデン・アザールもディエゴ・コスタも不調から戻ってきた。移籍市場ではすべてのクラブが同じ選手を狙っているが、そんな選手はまず高いしエージェントが手綱を握っているよ。
だから、誰がその選手の手綱を握っていようと、結局もっともうまく交渉してより大きなお金を払おうという野心のあるクラブが、そういう選手を獲るんだ。
マンUは補強の必要があるね。かなりがんばってはいるけど。
優勝クラブでさえ昨シーズンの成功を維持するためには補強が必要なんだ。プレミアのタイトルだけじゃないよ。ヨーロッパで戦うことも含まれているんだ。ここ数年はイングランドのクラブはヨーロッパでは物足りない。EPLのどのビッグクラブもチャンピオンズはほしいはずなんだ。
現状ではかなり進歩しないことには難しいだろうが。ユナイテッドは4人か5人の選手を獲らないとね。
このふたりならマンチェスター・ユナイテッドが話題の中心になることは不自然ではないが、それにしてもこの手の話題でアーセナルがここまでスルーされるのはなかなか珍しい気がする。もちろん文字起こしされなかった部分では語られているかもしれないが。
来季チェルシーにチャンピオンズの負荷がかかるというなら、その流れで来季アーセナルにはチャンピオンズの負荷がかからない(20年ぶりに!)という話になってもよさそうだけどな。それほど期待されていないし、注目度も低いということだ。
アーセナルが17/18シーズンでタイトル候補に上がらない理由
ここ数年でいわれ始めたプレミアリーグのビッグ6のなかでも、アーセナルはリヴァプールとともにビッグ6のボトム2のクラブだと多くのファンや識者には思われているような気がする。16/17シーズンこそ5位と20年ぶりに4位以内を逃したが、15/16シーズンは2位であったこと考えると、そこまで下馬評が低いことに納得がいかないという人もいるだろう。
しかし、考えてみればアーセナルというクラブは「なぜか4位に入る(不思議なクラブ)」と揶揄されてきたように、一般には実際に残してきた成績よりも実力は劣るクラブと考えられているのではないだろうか。そういう意味では、昨季の5位はアーセナルの本来の実力にふさわしい順位と思われたとしてもなんら不思議はない。プレミアリーグこそ4位以内が定位置という状況を20年続けておきながら、チャンピオンズリーグではもちろんタイトルを獲ったこともなく、ここ7シーズン連続でベスト16敗退という恥ずかしい結果しか残せていない。あなたなら「アーセナルは強い」と自信をもっていえるだろうか?
そして、来季、17/18シーズンを展望しようとしたときに、クラブのベストプレイヤーであるサンチェスが移籍希望をヴェンゲルに伝えるのも時間の問題と思われているように、アーセナルがEPLのタイトル候補者として名前さえ挙げられないような、決してポジティブとはいえない状況にあることもファンは薄々感づいているはずである。
アーセナルが抱えた問題は改善されるのか
結局、これまでさんざん指摘されてきたリーダー不在や、トップクオリティのプレイヤーの不在といったアーセナルのさまざまな問題点というものが改善できているとは思われていないのだ。当然、サンチェスが本当に残留するなどと信じている識者はひとりもいないだろう。仮に残留させたところで、モチベーションを失った選手が使い物になるかもわからないのだ。ベストプレイヤーが移籍を志願しているというそのこと自体が、クラブにとって非常にネガティブな宣伝になっている。
また先日獲得したラカゼットに関しても、アーセナルにとっては史上最高額ということで期待も大きいが、今夏マーケットにおいては比較的安い(約50Mポンド)移籍金が示しているように、メガクラブが争奪戦を繰り広げるような逸材だとは思われていないのだ。
アーセナルの来季の期待度が低いことについては、なによりも問題なのはヴェンゲル監督の存在だろう。ヴェンゲル監督続投で安心したのは、なんとか現状の経営を維持したいというボードであり、ビッグクラブにとして消極的な選択であることはあきらかでスポーツ面ではほとんど評価されていないはずだ。
少ないながらヴェンゲル続投に肯定的だったメディアの論調としては、クラブが最大の貢献者である彼への尊敬を失わなかったことへの評価や適役の後任がいないなかでのベターな選択といったもので、そこにはアーセナルFCを競争力のある強いクラブにするという視点はなかった。ある意味、根幹の部分が代わり映えのしない陣容で来季は期待できるという根拠がない。
17/18シーズンはアーセナルの年になる。間違いない
だからこそ、ぼくは来季のアーセナルには優勝を期待したい。毎年しているが。言霊というくらいだから文字にしておこう。17/18シーズンはアーセナルの年になる。間違いない。
こういう状況だからこそ、やつらを見返してやれたらどんなに痛快だろうと思うのだ。