先日ヘクター・ベレリンが「彼らはほんとうのアーセナル・ファンといえるか？」と批判的に発言したということで、ここ数日アーセナル界隈では改めてArsenal Fan TVが注目を浴びていた。

そして、満を持してAFTVのホスト、ロビーがベレリンの発言に対するアンサー動画をアップ。終始大人目線の理路整然としたリアクションで通し、動画コメント欄にはユーザの賞賛が並んだ（なぜかToTやマンUのファンまでがロビーのサポートを表明）。この騒動では結局ロビーが株を上げることとなった。

ちなみにベレリンは、のちにファンベースそのものを否定したわけじゃないと自分の発言をフォローするツイートをしており、この件はこれでひとまず落着（？）となった。

（個人的には、AFTVがある意味YouTuber的に露悪的に再生数を稼いでいることについては、ベレリンの問題提起は依然として残るのではないかと思っているけど）

ところで、ぼくがこの動画を観ていて改めて感心したのは、AFTVの巨漢ホスト、ロビーがこの18分間カットなしの動画で淀みなく自分の思いを語り続けた、そのしゃべりの技術である。うまいことスラスラと喋るなあと。ふつうの人がこんなふうに台本もなくカメラに向かってひとりで延々と語り続けられるものだろうか。

AFTVを観ていてつねづね感じていたのはこのロビーの名ホストっぷりで、いったいどんな経歴の持ち主なのか気になっていた。

Arsenal Fan TVとは？

本題に入る前にAFTVについて基本的な情報をおさらいしておこう。AFTVは、われらアーセナルFCのファンで知らないものはいないアーセナルサポーターたちが運営するYouTubeチャンネルである。

今現在（2018年2月）でおよそ67万というチャンネル登録者数を誇る一フットボールクラブのファンチャンネルとしては屈指の人気番組だ。総視聴回数はのべ3億9000万回ともうすぐ4億回に届く勢いで、今風にいえば超イケてるYouTuberである。

Wikipediaによると、ロビー・ライル（Robbie Lyle）によって2012年にチャンネルが開設。YouTube上の「ファンTV」の先駆けで、マンUのファンがつくった「FullTimeDeviles」などにも影響を与えているとのこと。やるじゃんAFTV。Jのクラブでもこんなファンチャンネルはあるんだろうか？

公式のチャンネル説明から。

ArsenalFanTVはYouTube上のNo.1ファンチャンネルです。アーセナルファンによるアーセナルファンのためのチャンネルです。すべての試合のファン・リアクションを取材してお届けします。そしてアーセナルのすべてのことについて話していきます。

ArsenalFanTVはアーセナルFCオフィシャルとは関係ありません。世界でもっとも偉大なクラブについて、ファンが忌憚ない声を発することができるプラットフォームです。

このブログにたどり着いてしまうようなひとでAFTVを観たことがないというひとはいないと思うけれど、一応貼っておくと、これです。

ArsenalFanTV

AFTVはタブロイド系などのマスメディアに引用されるケースも出てきており、単なるYouTubeのファンチャンネルの枠を超えたスポーツメディアとしてますます影響力を持つようになっている。

AFTVのプレゼンター、ロビーについて

ベレリンのアンサー動画で語っているところによると、彼はアーセナルのサポーター歴35年以上という筋金入り。もっともそんなファンは現地にはごろごろいるだろうが、ここはいちにわかサポーターとしてナフ・リスペクトせざるを得ない。

彼がかつてレゲエ・ミュージシャンだったということはわりと知られていると思う。ぼくも知っていた。そしてWikipediaによると、BBCのレゲエレディオでホストもしていたらしい。それであのしゃべりなんだな。要するに彼はトークの素人ではなかったということである。

ロビーがアーティストとしてパフォーマンスしている姿が確認できる唯一？の動画。「AFTVのロビー」のライブビデオということで2017年にポストされた同内容のビデオが人気を集めているが、2007年にポストされたこっちがオリジナルっぽい。パクリよくない。

パクリ動画のほうのトップコメント「アーセナルを応援してたから髪を失ったんだな」には笑った。

当時のアーティスト名はCrucial Robbie。このアルバムは1990年にリリース。いま聴くといかにも90sっぽいサウンドだが、当時の最先端というふうでもなく、いまいち聴きどころのないダンスホール・レゲエという感じである。ぼくはレゲエミュージックのファンだけど、彼のことは名前すら知らなかった。アーティストとしてはほとんどヒットもしなかったんだと思う。

いまではAFTVのホストが出したレコードという以上の価値はあまりない。Discogsだと「ほしい」より「持ってる」のほうが上回ってしまっている。

しかしこのレコードはMad Professorのプロデュースで名門レーベル「ARIWA」からリリースされている。そこは結構ポイントが高いと思う。

以上

おまけ

YouTubeってサブを表示できるからリスニングのトレーニングにも非常に便利。でも固有名詞の聞き取り精度は高くない。なかでもこれはヒドイ。筋金入りのファンに怒られるぞ。

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