アーセナルのユースにはたくさんの将来有望な少年たちがいる。
今日もまた、ネルソンやエンケティア、スミス・ロウにつづけとばかり激しい競争のなかしのぎを削っているが、そのなかでも最近の好調なパフォーマンスでかなり注目されているのが、セントラル・ストライカーのタイリース・ジョン・ジュールスだ。
U-18の17才ながら、昨シーズンよりすでにU-23(PL2)でもプレイしている大変な有望株。
今回は、このタイリース・ジョン・ジュールスって誰だよ?エントリをお送りしよう。
タイリース・ジョン・ジュールスのプロファイル
Tyreece John-Jules。タイリース・ジョン・ジュールス。
2001年2月14日生まれの17才。※あ、ヴァレンタイン・デイ生まれ(笑)
イングランド出身。
ポジションはセンターフォワード、レフトウイング。No.10でもプレイ可。
今年2018年2月にアーセナルとプロ契約を結んだ。
憧れの選手はティエリ・アンリ。子どもの頃からのアイドル。U-18で本人のコーチングを受けたことも。
アーセナルU-18での活躍が認められ、すでに昨シーズンからアーセナルU-23でもプレイ。
U-23のデビュー戦となったToT戦で得点するという何か持ってる漢。
ファーストチームの練習に参加したときヴェンゲルさんは彼を見て「まだ16才ッ!?」と肝をつぶしたとか。
利き足は右ながら、両足が使える。
イングランドNTではU-16、U-17でプレイしている。
プレイ動画。
さすがにそこまで素材が豊富じゃないのはしょうがないけど、なんかそこいる?ってシーンが多いな(笑)
タイリース・ジョン・ジュールス、18/19シーズンのやべえ記録
TMより。今シーズン、現在までのスタッツ。
クラブレヴェルでは、11試合出場で6ゴール、4アシスト。ほぼ毎試合で直接得点に関与していることに。
そしてナショナルチーム(イングランドU-18)では、5試合出場で4ゴール、2アシスト。バケモンか。
アーセナルのアカデミーのなかでは、エディ・エンケティアにつづくハイスペックなCFといえそうだ。
タイリース・ジョン・ジュールスのいいところ
本人が語っている。アーセナル公式サイトより。マッチデイプログラムに掲載されたインタヴュー。
ジョン・ジュールス:ぼくの強みについて訊かれたら、それはフィニッシングだといわないといけないね。あと身体の強さとリンクアッププレイ。
ぼくはまあまあクイックなほうだと思うけど、もっと速くなれるように取り組んでいるんだ。たくさんの時間をフィットネスコーチと過ごしてるよ。だってペイスが加わればストライカーはもっとデンジャラスになれるでしょ。
ぼくは右足でも左足でも得点できる。ディフェンダーにどちらの足でシュートが来るか悟られなければそれはアドヴァンテイジになる。両足使いってのは重要なんだ。だいぶ子どもの頃から練習したよ。いまもだけどね。もともとは右利きだから左足をうまく使えるようにしてる。
フィニッシュ、フィジカル、リンクアップ、ペイス。そして両足使い。片足しか使えない選手より両足使えたほうがいいに決まってる。素晴らしい。
ストーリー・オブ・タイリース・ジョン・ジュールス
このインタヴューのつづき。
ジョン・ジュールス:ぼくがアーセナルに来たのは8才のときだ。チャールトンでアーセナル相手にプレイしていたところを見られていたみたいで、トライアルを受けないかと誘われた。それから1週間もしないでサインしてたよ。
家族がよくぼくをクイーンズパークからヘイルエンドまで連れて行ってくれたっけ。アーセナルでのトレイニングはトップクオリティで、いまぼくらがヘイルエンドでやってるトレイニングとだって変わってないよ。フルタイムのスカラーとの違いは毎日練習するかどうかってだけ。
いまはエンフィールドで寮暮らしだね。エディ・エンケティアもそこにいるよ。Vontae Daley-Campbellも。ぼくらのことは寮母のレナがしっかり面倒みてくれるんだ。まるで自分の家にいるみたいにしてくれるから、ぼくらはフットボールに集中できる。家族にも大きな安心だよね。
もうひとつ、エディやVontaeと一緒に住んでてよかったことは、ぼくらはとても仲がいいから何かあればすぐ話しをすることができるってことなんだ。
エディはもうファーストチームでプレイしていて、彼はその経験についてぼくらに話してくれる。将来の助けになるようにね。エディやジョー・ウィロック、リース・ネルソンといった選手たちがファーストチームでプレイしていることは、ぼくらにはとても励みになるんだ。それはアーセナルが若い選手にチャンスを与えるクラブだってことだから。
ファーストチームでプレイすることはぼくの長期的な目標だ。短期的には、とにかくU-18でもU-23でもたくさんの試合に出ること。たくさんゴールすることができたらファーストチームに近づける!
近づけ!
タイリース・ジョン・ジュールスのこれから
みんなが注目する有望株だとはいえ、そうやすやすと成り上がれるわけもなく。
まず、あれだけユースレヴェルで規格外の活躍をしたエディ・エンケティアですらまともな出場機会がないのだから、アーセナルのファーストチームに食い込むためのハードルがいかに高いか。
とくにセンターフォワードとしてなら、なおさらだ。世界最高峰のストライカーをふたりも抱えているのだから当然のこと。
ジョン・ジュールスがファーストチームでプレイするのは、もしそれが実現したとしてもまだ数年は先のことになるだろう。
しかし、以前に5年後のアーセナルを展望したエントリを書いたように、もうあと5年もすれば、とくにアタッカーの顔ぶれは刷新されている可能性は高い。
そして5年たってもジョン・ジュールスは22才。
世界有数のビッグクラブで前途はけわしいが、このまま成長をつづけてほしいものだ。
スミス・ロウのさらに下というアーセナルの17才では、ほかにも、ザヴィア・アメイチ(けがしちゃった)やブカヨ・サカなんかがいて、非常に将来が楽しみな世代。これもまたアカデミーを重視したヴェンゲルさんの遺産だよなあ。
以上。
まったくの蛇足
Tyreece John-JulesとかAinsley Maitland-Nilesとかの、名前に「-」横棒(ハイフン?)入ってるひといるじゃないですか。
これ日本語にするときに「=」を使うことが多いみたいなんだけど、あれは一体誰がいつどういう理由で決めたんだろ。何か国語的なルールがあるのかしら。人名のハイフンにはイコールを使うべし? ハイフンをそのまま使うと音引きに見えるからとか?
当たり前のように「エインズリー・メイトランド=ナイルズ」とか書かれているのを見かけると、なんかこうすごいイラッときませんかね。
おれだけか。
ハイフンだと伸ばす音と見間違えます