まあアーセナルのファンにとってはいろんな意味で片腹痛いわけですが……。
Il Milan si muove per Torreira: prima offerta all’Arsenal – Sportmediaset
『Sport Mediaset』というサイト(イタリア語)によれば、現在コパ・アメリカを戦うルーカス・トレイラについて、昨日ACミランが最初のオファーを持ってアーセナルとの交渉を始めたということ。
一説によればアーセナルはトレイラに最低€50Mのプライスタグをつけたというが、よりによって去年獲得したばかりのニュースターをいま手放すわけないじゃないか。チームのなかでも一番可能性が低いわ。もしかして◯◯なの??
なーんて思っていたらどうもこの件のビハインド・ザ・シーンはそこまでシンプルでもないようで。
ミランからのオファー
ミランのオファーはマジなようだ。
以前にはフランク・ケシエをオファーに加えるという報道もあったが、先のWEBサイトが伝えている今回のACミランからトレイラへのオファー内容は、以下のとおり。
2年のローン(MAXで€5~8M)+2年後の買取義務(€38Mを一括払い)
これが本当なら、あんまり見たことのない、なんともトリッキーな条件を出してきたなと。
総額で最高€46Mとなるので、トレイラの獲得に要する金額としてはそれ自体はそうバカにできるものではないが、2年のローンと買取義務って。単にできるだけ支払いをできるだけ遅らせたいという、自分たちに都合がいい取り引きにしたいだけではないかと。アーセナルのような交渉をするやつらである。
※ちなみにミランに転職したアイヴァン・ガジディスはリクルートにはほとんど口を出していないそうで。
だいたい、2年ローンで2年後にAFCがトレイラを売らない可能性が考慮されていないとか(買取義務=買取ではない。買取だったらただの分割払いである)、それ以前に、そもそもアーセナルにとってCMのファーストチョイスである彼を2年もローンに出す理由も動機もない。いろんな意味でおかしなオファーなのである。
もしこの強引にも思えるオファーが受け入れられる要素が微塵でもあるとすれば、それは選手本人の移籍希望がある場合。
果たしてそんなことがあるのか。
トレイラがミラン行きを決意するかもしれない3つの理由
な、なんだってー。
その1 トレイラはジャンパオロの下でプレイしたがっている
冒頭で紹介したのと別のイタリアメディアも、トレイラは先日ACミランのマネージャーに正式に就任したマルコ・ジャンパオロの下でプレイをしたがっていると伝えている。
もちろんジャンパオロは、トレイラの獲得を熱望しているという張本人。彼はアーセナルが狙っているサンプドリアのふたり(プラートとアンダーセン)も同時に狙っているということで、プラートとトレイラを中盤に並べるなど、ミランにサンプドリア成分をインストールしたくてたまらないようだ。
トレイラのイタリア行きの希望はすでにアーセナルにも伝わっており、トレイラのエイジェントであるPablo Bentancurは、退団の道を模索しているということ。
真実かどうかはわからないが、このあたりがミランがあえて誰もが首をひねるようなトリッキーな交渉をしかけている理由なのかもしれない。
ちなみにトレイラのエイジェントは、以前にはACミランからの接触はないが、もしジャンパオロの呼びかけがあれば、本人には特別なものになるだろうと謎めいた発言をしていた(※これが伝えられたのは6/18)。
(トレイラへの)ACミランの興味についてはわたしは何も知らないね。わたしがそれを聞いたのはプレスからだよ。誰もわたしにコンタクトを取ってはいない。
ジャンパオロの呼びかけがルーカスにとって特別だろうかって? イエスだね。あきらかに。
ジャンパオロの直々の呼びかけがあれば、トレイラの心もぐらつくんじゃねーのと云っている。いらんこと云うひとだねこの代理人。なんか怪しいな。
その2 トレイラはアーセナルでアンハッピー。ロンドンライフへの順応の難しさ
それと最近まことしやかにささやかれているのが、「トレイラ不幸説」だ。
おそらく発端となっているのは、いまからおよそ一週間前のコパ・アメリカのエクアドル戦?のプレスカンファレンスでの本人コメント。そのなかでロンドン生活への適応について難しさを語っていた。
このコメントは捉え方によってはセンセイショナルだったため、その後各所で大きく取り上げられていたが、あらためて、このトレイラがロンドンライフなどについて語ったコメントを訳してみよう。
トレイラ:イタリーでの生活を気に入ってたし、ここにそれほど楽しいことがあるのか知らないんだ。ロンドンはまったくの別世界だね。イングランドはとても大きな国だ。
ことばが通じなくて、チームメイトやクラブのひとたちとコミュニケイションには苦労した。会話が全然できないというのはけっこうキツイものだよ。それが一番重要な部分なのに。
天気も難しいね。朝起きて外へ出ると曇ってる。そしてトレイニングが終わりさあ帰ろうかというときにもまだ曇ってる。
太陽が恋しいよ。サウスアメリカンズのぼくらのほとんどは晴れた日に慣れているから。でも何年もすれば、きっと慣れると思うけど。
わりと南米やスペイン、イタリアといったラテン系?の選手たちはホームシックになりやすかったり、とくにイングランドではその曇りがちな気候に慣れない印象がある。トレイラもその例にもれず、といったところかもしれない。
ことば(英語)については、考えてみれば、いまアーセナルのドレッシングルームではスパニッシュはまったく主流派ではないだろう。
現在のチームでネイティヴでコミュニケイションがとれるのは、エメリらコーチチームに選手ではベレリン、モンレアルくらいしかおらず、セスク、アルテタ、カソルラ、サンチェスのようなスパニッシュを話すメインマンがチームにいたような時代に比べれば、若いスペイン語しかしゃべれない選手が以前よりやりづらくなっていることは想像に難くない。
【アルテタと】ミケルとサンティ。スパニッシュ選手とイングランド生活について【カソルラ】 | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
手前味噌ながら拙ブログの以前のエントリを。サンティ・カソルラもアーセナルにやって来た当時のロンドン生活に慣れるまでの大変さを語っていた。これおもしろいのでまだ読んでなければ読んでください。カソルラのチャーミングさ☆がよくわかるぞ。
その後のカソルラのチームへの馴染み具合やことばの上達ぶりを思うと、やはり異国の地に順応する早さは、性格やセンスといった持って生まれたものの影響が大きいのかなという気はする。
その点では、トレイラの性格はどうなんだろうとか、カソルラにとってのアルテタ的存在はいまトレイラの周りにいるのかという若干の不安がある。引っ込み思案には見えないが、カソルラのような天性の陽気さがあるようにも感じない。
その3 GFがイタリア人
ガールフレンドがイタリア人で彼女もロンドンライフを満喫できていない模様。。
トレイラのSNSにもたびたび登場しているVittoria Repettoさんはジェノア出身だそうで、それもまたトレイラがイタリアに戻りたがる理由のひとつとなっているという。
Feliz Día Gordita !!! Te amo ❤️ #FelizDíaDeLaMadre #VIVI pic.twitter.com/qelR7sETKp
— Lucas Torreira #LT11 (@LTorreira34) 12 May 2019
おっと間違えたこっちだ。
Feliz 😍🐼🐼 pic.twitter.com/C2Vmx3scWt
— Lucas Torreira #LT11 (@LTorreira34) 21 November 2018
というわけで、数々の噂を信じるならば、トレイラはイタリアに戻りたがっている。アーセナルを積極的に退団したいとまではいかなくても、少なくともイタリアに戻りたい理由はあると。
ACミランのみなさまが一縷の望みを持っちゃってもしょうがないのである。
まあ常識的に考えて、アーセナルがいま彼を売るわけないけど。
もちろん、トレイラがそこまでシリアスに退団を希望しているなんて信じられないし、今回のこの件がこのまま成立するとはまるで思えない。
が、トレイラがアーセナル、あるいはロンドンで少なからず生きづらさを感じていること、イタリアにポジティヴな印象を抱いていることは覚えておいたほうがいいかもしれない。
トレイラが活躍すればするほど、今後もこの手の引き合いは増えていくはずで、もし来シーズン、昨シーズン以上にアーセナルの状況が悪くなれば、トレイラのような若く優秀な選手ほど先にクラブから離れていくのは避けられないのだから。
ミランはFFPの問題があって、支出抑制が求められ、ELに出れない可能性があるなどアーセナル以上にネガティブな状況なので、移籍金が欲しいアーセナルとは取引が成立しづらいと思いますが、移籍の可能性はあるんですかね…
なんなら彼らが欲しいアンデルセン、プラートをアーセナルが獲得する可能性のほうが高いと思います。
ピリピリする話の中に、
ジェノアのGFの一枚目の写真。
トレイラってペタジーニかっ?
一瞬、和みましたが、いつまでも笑ってられないような話題です。
しっかりとトレイラのケアをして、チームの大黒柱に育てて欲しいです。
50m一括なら考えてもいいかもしれないけれど、同じ金欠仲間のミランでは難しい
それなら選手譲渡込みで…
ピョンテクは絶対売らないだろうし
リカルドロドリゲス、ケシエ、スソあたりと金銭とか
難しいなあ