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【アルテタと】ミケルとサンティ。スパニッシュ選手とイングランド生活について【カソルラ】

※追記5/22:カソルラ退団の公式発表来た。グッドラックアミーゴ。

サンティ・カソルラはプリシーズンから古巣、ヴィジャレアルに復帰するという。マルコス・セナ(ずいぶん懐かしい名前……)も認めているそうな。マルコス・セナってヴィジャレアルで働いてんのかな。

このままカソルラがアーセナルを退団してしまうというのも物悲しいものがあるが、彼が現役を続ける意志があるのであればそれは尊重されるべきだ。認めるのはつらいが、残念ながらたとえ彼が来シーズンにアーセナルに残ったとしてもレギュラーで起用される可能性はほとんどない。彼のファンなら誰だってプレイしているところが見たいはずだ。

さて、ちょっと懐かしい感じのするヴィデオが話題になっていたので、紹介したい。アルテタとカソルラの対談。アルテタがカソルラに来たばかりのロンドン生活についてインタビューするという内容である。



ちょっと古めかしい見た目がするヴィデオだが、カソルラが英語をまだしゃべれていない時期ということはカソルラのアーセナル入団直後(2012)だろうか。6年前とかぼくにはついこないだとしか思えないが、えらくときの流れを感じる。

SKYの録画のようでそのうち消されるかもしれないので、ざっくりやりとりを再現しておこう。ふたりがロンドン生活や英語の苦労について語っている興味深い映像だ。

ミケル・アルテタによるサンティ・カソルラインタビュー

アルテタ:こっち来てからはどんな感じ?

カソルラ:グッドだよメイト。グッド。少しづつ慣れてきてる。いまは新しい家に引っ越したりでちょっと慌ただしいけど、ほら。新しいチームメイトと会えてハッピーだし、そうだな、今年何が勝ち取れるかだね。

アルテタ:ちょっと目の下にクマが出来てない?

カソルラ:だってまだカーテンもないんだもん。朝日が眩しいったらないよ(笑)。早くなんとかしないと休むこともできない。


アルテタ:ここに到着してどんな第一印象だった?

カソルラ:キミには助けられたよ。最初は自分がどこにいるのかもわからなくて、恥ずかしかったな(笑)。ことばには困ったね。知り合いはキミだけだったし、電話でしゃべったじゃない? ぼくにかけてきたの覚えてる? ここに到着したばかりのときに彼がキットのことで電話をしてきてくれて。

でもまあよかったよ。みんながとても歓迎してくれた。ぼくが過ごしやすくしてくれて、ここに来て以来ずっといろいろ勉強中だよ。

アルテタ:最初にぼくたちが現れたとき、みんなが訊いてきたんだ「サンティは英語がしゃべれないのか?」って。ぼくが「ノー」というと、彼らは「でもキミが何をいっても彼は笑ってる。きっといいやつなんだな」なんて。

カソルラ:(笑)ぼくはもうただ「イエス」っていうしかなくてさ。だって話しかけられても半分も理解できなかったから……

アルテタ:誰かが彼にこういったんだよ「サンティ、4時に会おう」。そしたら彼は「イエス、イエス」って。そしたらJaviが彼に電話して「サンティ、キミはどこなんだ? 4時にミーティングだっていったのに」って。そしたら彼は「もうホテルに戻っちゃった」。彼はことばをほとんど理解できてなかったんだ。

カソルラ:いやいや、まったくひとつもわかってなかったよ(笑)。「イエス」っていうのが精一杯で帰っちゃったから、Javiは彼らだけでミーティングをしなきゃならなかったっていう(笑)。


アルテタ:イングランドへ来てから一番スペインを懐かしく思うのって何かある?

カソルラ:そんなにいうほどスペインを恋しく思ってるわけじゃないよ。まあ天気かな。Marbellaから来たからね。キミは旅行とかで行ったことあるだろうから知ってるよね。天気はすごくいいところで、住むにも素晴らしいところだよ。でもそんなの大した問題じゃないけどね。食事もまあ問題といえば問題かな。だってイングランドの食事はだいぶ違うからね。それ以外はだいたい満足だよ。楽しんでるね。

アルテタ:彼は外食してから家に帰るみたいな生活をしてたんだよ。いつだったかたしかうちに何かの試合を観に来て……

カソルラ:バルセロナとマドリーの試合だね。

アルテタ:そうそう。せっかくだから彼に何かいいものを食べさせようと思ってさ。だって彼は一ヶ月もホテル住まいだったから。スパニッシュ・ハム、スパニッシュ・オムレツ、アルゼンチン・パイとか……

カソルラ:毎日ホテルでサンドイッチとパスタを食べてたから、そんなときにキミの家に行ってハムやオムレツを見たらついはしゃいじゃったよ。

アルテタ:ぼくも同じホテルに3ヶ月いたんだけど、あれはヤバかった。子どもたちは走り回るし、もうすべてが……

カソルラ:一生あそこで暮らすみたいな気分になるよね。ホテルでの食事を食べてたあとに食べたあのスペイン料理はよかったなあ。キミの家に行ってファンタスティックな料理を振る舞ってくれた女の子がいて。ぼくのガールフレンドがあんなふうにしてくれたらどんなだったろう! 全部平らげちゃったね!


カソルラ:ここに来て何に驚かされたかって、イングリッシュ・フットボールをTVで観るのと実際にプレイすることの違いだよ。あれはヤバい。正直にいうと、ぼくはラ・リーガを愛してる。でもこことスペインの違いはヤバいくらいだね。ここに適応するのは大変じゃなかった?

アルテタ:ぼくはかなり若いときにスペインを離れたからね。まずフランスに行って、違う土地を知った。その違いってさ、キミがスペインでかなり長い間プレイしていたからじゃないかな。プレミアリーグはテレビやなんかで観てた10年前よりももっとよく知られるようになってる。これはフィジカル的にはステップアップであるけど、テンポやそれに適応する能力があるかどうかに関しては、キミは何の問題もないじゃないか。もし、キミが入るクラブを選ぶなら、違いが少ないのはやっぱりアーセナルだと思うよ。なぜなら、彼らにはスパニッシュのプレイスタイルにも共通した部分がたくさんあるしね。キミのフットボールをプレイすれば、すぐに溶け込めてしまうさ。

カソルラ:うまくいくだろうね。ぼくはチームプレイを見つけようとするタイプだし、アーセナルのフィロソフィに適応することも難しくなかった。ぼくらはきっとうまくやれると思う。キミはポジションを後めのディフェンシブ・ミッドフィールドに変えられたけど、うまくやれるか見てみないとね。

アルテタ:(笑)いまのとこ、キミは悪くないよ。(カソルラの頬をなでながら)

カソルラ:ありがとうブロ(笑)。


カソルラ:ぼくがちょっと驚いたのは、キミがドレッシングルームでどれだけリスペクトされてるかってことだね。まだアーセナルに来てそんなに時間がたってないはずなのにね。ぼくはキミを知ってるし、ドレッシングルームとピッチ上で見たもの、リスペクトされるに相応しいし、キャプテンみたいに扱われるのも相応しい。たとえ副キャプテンだったとしても、正直キャプテンの器だよね。ぼくには無理だよ! 誰もそんなこといってくれもしないよ! キミは生まれながらにしてチーム内でお手本になれる人柄だし、キミとトマス・フェルマーレンが一緒ならどんなことにも立ち向かえるよ。

アルテタ:そうだといいね。でも自分ではそれが必要だったかどうかもわからないんだ。だって今までだれからも副キャプテンになってくれなんていわれなかったしね。ぼくは、ピッチにいるときでもみんなといるときでも、何かを変えたり成長するために必要であれば発言するし行動を起こす。

これはぼくの考えだけど、ぼくたちは14か15の異なる出自からなるグループだとお互いに尊重する必要がある。みんなが自分の意見を持っているし、みんなが違う文化圏から来ていて、それぞれの考え方がある。試合について、監督のことばについて、チームメイトのことばについても受け取り方が違う。だから難しいんだ。

でも同時にぼくらは気安いグループでもある。ナイスピープルで、ノーマルピープルなんだ。誰もほかの人たちよりも自分たちのほうが重要だなんていわないし、RVPが地に足の着いた人物であるとか、みんながドレッシングルームで居場所を探しているだとか以前に同じなんだ。強制されているわけじゃない。

監督がこの責任を与えてくれたことには驚いたよ。だってぼくよりもっと長くここにいる人たちもいたし。でももしもグループ内でぼくがトマスを手助けするのにちょうどいいっていうなら、それは受け入れるよね。

サンティみたいなのがここに来たとして、ぼくは彼のことをよく知っていて、彼がチームにもたらすであろうこともよく知っている。そしたら彼が快適でいられるようできることは何でもやらなきゃいけないよ。だってみんながその恩恵を受けるんだ。まず彼自身もそうだし、彼が快適ならみんなもその恩恵を受ける。

カソルラ:キミには伝えているけど、マンシティ戦でコンパニと対峙していて、腕にアームバンドをしていたのを見てこう思ったんだ。「気をつけろ、そいつはまじでヤバいから……」

アルテタ:コンパニはこんなでかくて、見下ろすみたいにして……

カソルラ:そうそう(笑)


カソルラ:ぼくが本当に意外に思ってたのは、キミがナショナルチームに呼ばれなかったってことだね。キミは何年にもわたってハイレベルでプレイしてきた。今年だけじゃなくてさ。イングランドに移籍してからもずっとヤバいくらいうまくやってきたよね。エヴァートンでもスペクタキュラーなシーズンを送ったし、いまじゃアーセナルの副キャプテンだ。メインマンだろ。えらい変わりようだよね(笑)。チャンスは与えられるべきだったんじゃないかな。そりゃ簡単じゃなかったのは知ってるよ。キミのポジションじゃすごい競争があるからね。もちろんみんなすごいしね。でもいまだにキミみたいな選手がチャンスをまったく与えられないのはどうかと思ってるんだ。

アルテタ:がんばってはいるよ。そこに行きたいって気持ちは失っていない。なぜならみんなが与えられたチャンスを持つこと、勝つだけじゃなくてフットボールを楽しんで勝つこと、あんなすごい選手たちとグループは特別だから。ともに笑い合ってともに泣く……

カソルラ:ぺぺ・レイナには会った?(笑)

アルテタ:正直いうと、妬ましく思うこともあるし、そこでのプレイを享受できないことがもどかしくもある。でも思うに、いまではいい年齢になっていて、自分のキャリアのなかではスポーツ面でも個人的にもいい時期なんだ。安定性という意味でもいつかチャンスがあれば、1日だって構わない、彼らとプレイできたらいいなと思うんだ。

カソルラ:何かぼくが与えられるものがあるといいんだけど……

アルテタ:何かこっそり教えてくれたらいいよ(笑)。

カソルラ:そうだね! どこかで一緒になれるようにベストを尽くすよ。何度も一緒に呼ばれて一緒に楽しめるといいな。

アルテタ:そいつはいいや。

カソルラとアルテタは2-3才しか年齢が離れていないので、ほぼ同じ時期にアーセナルで過ごしたスペイン人同士、ふたりには格別の絆があるのかもしれない。噂されていたように、アルテタ・アーセナルでカソルラがコーチとして働いてくれたらよかったのだけど。

さて、この動画。イングランドとスペインの違いや、異なるカルチャーから見るアーセナル(イングランド)が垣間見れてなかなか楽しい。

そしてアルテタがなかなかスペインに呼ばれないことについても言及されている。彼は結局最後まで一度もスペインに呼ばれることなく現役生活を終えてしまった。それがもしかしたら唯一の彼の心残りかもしれないが、そういうわだかまりを心に秘めている人は強い。のではないかとぼくは思う。

それをルサンチマンといっていいのかどうかはわからないが、現役時代に活躍できなかったコンプレックスを持ち続けている名監督も実は多いと思う。もしかしたらヴェンゲル氏もそのひとりかもしれない。

というわけで、カソルラもリスペクトするミケル・アルテタ。今週という噂もある就任発表が待ち遠しい。



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