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【マッチレビュー】19/20プリシーズンフレンドリー コロラド・ラピッズ vs アーセナル(16/Jul/2019)ヤングガナーの成長

先々週のボーレムウッドは、せっかくのブレイク明けだというのに不覚にも観ながら寝落ちしてしまって、半分以上観ていないのでなんにも書けなかったのだけど(U18と23の選手がほとんどの練習試合でまああんまり書くこともなかった)、昨日朝(現地はおととい)行われたUSツアーのコロラド・ラピッズはちゃんと観たので、ここから今季マッチレヴューをゆるやかにざっくりと始めてみようかと。今シーズンも無駄に長文を書いていく所存ですのでお付き合いよろしくどうぞ。

さてコロラド・ラピッズの試合の様子は、昨日深夜にArsenal Playerにもアップされたようだし、みんなハイライトくらいは観たかな?

結果はご存知のとおり、若い選手主体のチームながら3-0快勝。もちろんフレンドリーマッチでお互いの本気度はお察しだけど、アーセナルのファンとしては新戦力のお披露目や、生え抜きたちの印象的なパフォーマンスもあってかなり楽しめる内容だったと思う。もしまだ観ていなかったら、ぜひ今晩にでもフルマッチを観ることをおすすめしたい。

さてざっくりとこの試合を振り返ろう。



エメリの試合後コメント

アメリカにて。試合後のプレスカンファレンスより。

(試合について……)

エメリ:これはわれわれの最初の試合で、ロサンジェルスでもとてもよくワークしてきたし、何人もの若い選手たちを使えたのもよかった。彼らが自分たちのクオリティを見せるチャンスを得られたことやチームを助けられるのだというコミットメントを示してくれたこともよかった。今日は最高だったよ。何人かの若い選手にとっての時間でもあり、これこそがそういったときだった。ここのアトモスフィアもパーフェクトで、たくさんのアーセナルサポーターが来てくれて、いい日を過ごせた。

(マルティネーリをファーストチームに入れていくようなプランはある……)

われわれの考えは、若い選手全員にチャンスを与えることだよ。まずはトレイニンググラウンドで、その後は今日のような試合で。ほかの試合でも多くのチャンスを与えるつもりだ。彼らは自分たちのパフォーマンスでわれわれとプレイできるチャンスを勝ち取れるだろう。

(コシエルニの決断……)

彼はプリシーズンではわれわれと一緒にトレイニングを始めた。そしてわたしは彼とこの件について3度は話したよ。われわれは彼にもツアーに参加してもらいたかったが、彼は残ることを選んだ。もうこの件は選手とクラブのあいだの問題になった。

(コシエルニに未来はある……)

彼はまだ1年契約を残している。コーチとしては、彼は重要な選手だ。クラブでひとつの問題を抱えている。クラブと彼は話すべきだろう。彼らは彼の状況について話しているところだ。それ以上のことはわたしからは云えない。わたしはここに来る前に彼と話して、彼は残ると決めたんだ。

(どれくらい失望してますか……)

チームも彼もお互いにいいスピリットで話したけど、これが彼の決断で、彼だけの決断だ。彼はクラブとしか話していない。

(こういうことが起きてから古巣に戻っていった例を知っていますか……)

ほんとにこれ以上のことは云えないんだ。わたしにとって明らかなことは、われわれが前進しつづける必要があるということ。新しい道を切り拓いていくというスピリットを持った選手たちとここに来ているんだ。わたしにとってのローラン・コシエルニは、いまはクラブと彼がどうするか見守るしかない。

(コロラド・ラピッズはどうでした……)

彼らには違ったコンペティションとなったが、彼らはリーグでも戦っているし、今日彼らもわれわれとプレイできてよかったのではないか。彼らのサポーターの前で自分たちに何ができるか示すことができたのだから。リーグでぜひともがんばってほしいと思う。

(なにか移籍が近づいている件は……)

クラブは取り組んでいる最中だ。クラブともエドゥとも毎日話し合っているよ。最高の決断を下すためには、我慢と落ち着きをもって取り組むべきだと思う。われわれにはとてもいい選手がいるし、とても若くていい選手もいる。彼らを助けてくれる選手が必要だ。クラブはそれに取り組んでいる。忍耐強くしていきたい。そういう理由でもっと待たなきゃならないというのなら、喜んで待つよ。

(この日程や旅程にどう対応していく……)

われわれは水曜にはBMと戦うことになっている。2日しか休む時間がないね。今日は若い選手でプレイするつもりで、何人かの選手もいくらかはプレイさせるつもりだった。水曜はまだプレイしてない選手を使う。ソクラティス、ミキタリアン、ジャカにリース・ネルソン。それとあまりプレイしていない選手。この3試合のために準備はとても重要だった。バイエルン・ミュニック、フィオレンティーナ、そしてレアル・マドリッド。みんなよく取り組んでるよ。

(エドゥとフレディ・ルングベリとの取り組み……)

彼らが元アーセナルの選手だったことは、わたしより皆さんのほうがよく知っている! フレディはU-23で働いていたが、われわれとともに動くことになった。クラブと彼とスティーヴ・ボールドは話し合って立場を変えることにした。フレディと一緒にやれることはとてもうれしいね。

エドゥはここでプレイしていたのもあるし、わたしがヴァレンシアでコーチをしていたときに1年プレイした。彼には経験がありアーセナルを知っている。彼はスポーティング・ダイレクターの仕事をするにあたってわれわれにはとても適任だ。ラウル、ヴィナイとわたしは経験があってこのクラブを熟知していて、われわれを助けてくれる最高の人材を探していた。それがエドゥさ。わたしにとっては彼がその役にパーフェクトな漢だ。

コシエルニ問題についての質問が多い。エメリはもうクラブに任せると云っているので、実際ヘッドコーチとしてはお手上げな状況なのだろう。

このまま元サヤに収まるとも思えない。彼の価値にマッチする金を払ってくれるクラブが現れるといいのだけど。難しいだろうね。

ジェイムズ・オレインカのコメント「12年もいるんだからファーストチームでのゴールは最高」

1得点。高い位置でボールをインターセプション。そのままドリブル&ボックス外からのアブソリュートリースタナー。先日AFCとプロ契約を交わしたばかりの18才。また新星が現れた。

(ゴールについて……)

オレインカ:エリアの際までボールを運んで目線を上げたとき、キーパーが反対側にいるのが見えて。ターゲットに入るよう確かめてシュートを打った。それが幸運にも入ったんだ。

(ボールが入ったときどんな気持ち……)

蹴ったとき転んでしまったんだけど、見上げたらちょうどネットを揺らしているところだった。グレイトなフィーリングだね。ゴールできたことがただもううれしい。

(得点することはどんな意味がある……)

ぼくはもうここに12年もいるんだ。だからついにファーストチームで得点できたのは最高のフィーリングさ。家にいる家族も大喜びだと思うし、もっとこういうことが起こればいいな。

(時差もかなりあるけど、友だちや家族は家で観てるんだ……)

そうだね。ぼくの家族と友だちはどこで観れるのかって訊いてきたから、TVで観てるはず。時差があると家に帰るまで話すのが難しいから、遅くまで起きて試合を観ててくれたらうれしいね。

(デンヴァーのたくさんのお客さんの前でプレイしたこと……)

最初はちょっと神経質になってしまったと思うんだ。だってウォームアップで外に出たらもうたくさんの人たちがそこにいたから。でも最初の何本かのパスをしたら、もう楽になった。試合に入っていけたよ。いいフィーリングだし、いい経験になった。

(このツアーの残りに期待すること……)

セッションでいいトレイニングをつづけるだけ。それでヘッドコーチがもっと大きな試合でもしチャンスをくれるなら。もしチャンスをもらえたなら違いをつくれるようにしたい。

アーセナルのファースト11

いちおうフォローしておこう。

4-2-3-1

エンケティア

サカ、TJJ、マルティネーリ

バートン、オレインカ

トンプソン、メドリー、チェインバース、ジェンコ

メイシー

6人が途中交替。コラシナツ、ウィロック、ムスタフィ、ラカ、PEA、エジル。

90分プレイしたのは、サカ、バートン、ジェンコ、メドリー、メイシー。

試合の論点

試合自体は、コロラド・ラピッズのレヴェルの相手にけっこうチャンスもつくられた。しかしエメリのいうように、チームは十分満足できるパフォーマンスを見せていたと思う。

成長を感じさせたヤングガナー

個人的に、この日もっともシャープに見えたのはワントップでスタートしたエディ・エンケティア。チェンバースやジェンキンソンといったシニア選手を除けば、若いスクワッドのなかでは彼がもっとも経験豊かで、なにか自信のようなものを感じさせるパフォーマンスを見せていた。

残念ながら得点はなかったが、ストライカーらしく何度か強引なシュートも放ったし、下がってビルドアップに参加することにも積極的で、ローンの噂もあるが新シーズンに非常に期待の持てるパフォーマンスだったと思う。

それと、No.10ポジションで(守備時には4-4-2のトップ)存在感を発揮していたのが、タイリース・ジョン・ジュールス。彼もまた、サカやマルティネーリなどと比べると、プレイに自信が感じられた。

一時はザビア・アメイチとともに退団説も囁かれたが、本人いわくアーセナルでやっていくことを決めたようである。

また後半に交替で入ったウィロックもそうだが、彼らのプレイにはあきらかにほかのヤングプレイヤーよりも落ち着きが見られたことが大変に興味深かった。いかに若い選手にとってファーストチームでの経験が自信になるかということ。

彼らの成長がこうやって見られるのもプリシーズンマッチの素晴らしいところだ。

マルティネリ、サカ、オレインカらの新戦力が輝く

今回3得点をそれぞれ決めた18才(※サカは9月に18才)の3人。

マルティネリとサカは両フランクで、オレインカはバートンとともにCMでスタートした。

3人とも、随所にいいプレイを見せていたものの、簡単にボールを失うしまだまだ荒削り。どの局面でもいつも適切な選択ができていたわけではないが、それでもこの3人はエメリにかなりいい印象を残したと思う。

サカは何度かステディアムがどよめくようなドリブルを見せていたし、オレインカはバートンとともにCMで無難にプレイ。彼のファインゴールはこの日の一番のハイライトだったろう。(バートンはちょっとしたミニファブレガスという雰囲気があった)

ぼくは初めてプレイを観るマルティネーリがいた右サイドをとくに注意深く観察していたが、彼が攻撃だけでなく、かなり守備マインドの高い選手だということがわかった。

チャンスがあればドリブルで勝負できる一方で球離れもよく、どうもこねくりまわさない系ブラジル人らしい(まだチーム内で自信がないだけかも)。

胸で初ゴールを決めたあとの彼のリアクションを見るに、彼も彼なりに強いプレッシャーを感じていたのかなと察せられた。

多くのクラブの争奪戦があったといわれるマルティネリは、ファーストチームでのプレイが獲得時の条件だったという噂もある。さすがに現状のママでファーストチームでプレイできるクオリティがあるようには見えなかったが、今後どうなるか注目したい。

アメリカの観客たち

現地は平日の夜だったはずで、満員御礼というわけにもいかなかったろうが、十分に多くのお客さんが訪れていた。

北米にはもちろんたくさんのアーセナルのファンがいて、アーセナルのシャツに身を包んだファンもたくさんいたようだ。

残り15分過ぎてから、エジルやラカゼット、オバメヤンらが出てきたときは露骨にファンサービスに思えたものだが、エジルがボールをもったときにわあっと歓声があがったのを観ていて、メリケンのひとも日本人と大して変わらんなあと思ってしまった。

ウォームアップでピッチサイドにスター選手が出てきたときのほうが、目の前でつづいている試合よりも盛り上がるってのもいかにもな感じだった。

ムスタフィ問題

ところでこの試合でムスタフィが交替で入ると客席からいくらかブーイングがあったそうで。

ツイッターでそうしたファンの不寛容な振る舞いを批判するツイートをいくつか見かけたが、ぼくもまったくそう思う。

ぼくもそのあとでツイートをしたけれど、コシエルニがああなった以上、ムスタフィの残留はほとんど不可避だろう。

アーセナルが納得する高い金で買ってくれるクラブは今後も現れないだろうし、オーンステインはああいったリポートをしていたけれど、そもそもクラブはそこまで積極的に彼を放出したいわけじゃないと思う。本人だって退団の意向はとくにないのだ。

そういう状況のなかで、それでもムスタフィを受け入れないというのはちょっと子どもじみた態度だと思う。

もうファンは諦めて(笑い)彼を応援するしかないんだよ。ぼくらの敵は味方じゃない。

試合に関しては以上。

話題のオーナーシップに対するキャンペーンの件

#WeCareDoYouのハッシュタグで拡散されている、アーセナルのファンベイスがオーナーシップをあらためて問うている件。

詳しくは別のエントリでフォローをするつもりなのでしばしお待ちいただきたい。

ELファイナルのバクにも現れず物議を醸したオーナー、スタンリー・クロンキが今回ステディアムに訪れるかどうかが注目されていたが、彼らはコロラド・ラピッズのオーナーでもあるということで、さすがにステディアムに来ていたようだ。

この試合の前日に声明が発表されたということで、当日はオーナーに対して何か大きなアクションがあるのかと思ったがそういったものはなかったようである。

ただ、予想外だったことは、スタンの息子のジョッシュ・クロンキがこの声明に対していち早く反応したこと。

彼はこの件についてアーセナル公式のインタヴューにも答えているし、声明へのアンサーとするオープンレターも公開した。それもあとで紹介したい。

 

つぎの試合は、日本時間水曜正午のバイエルン・ミュニック。インターナショナル・チャレンジ・カップ(ICC)ということで、一応カップ戦である。相手もヨーロッパの強いチームで、この2試合よりも少しだけ本気度は高いだろう。

平日のお昼という日本人には観やすいんだか観やすくないんだかよくわからない時間帯。。

プレヴューエントリをアップできればするし、できなければしない。

以上。COYG



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

3 Comments on “【マッチレビュー】19/20プリシーズンフレンドリー コロラド・ラピッズ vs アーセナル(16/Jul/2019)ヤングガナーの成長

  1. 個人的にはCBのメドリーが気になりました。
    デカいし強いしうまいしセンスある縦パスバンバン出すし何より左利き。期待しかない。

    1. いっすよね。でも一度ワンオンワンでシュートまで持ち込まれたのはいただけなかった。
      経験を積んでほすい。

  2. ムスタフィは3バックの右だったら及第点のプレーする時もありますしね。
    しかし4バックのセンターだと個人的には怖くて見てられないし、そもそもファーストチョイスがムスタフィな時点でどうかと思う。
    即戦力のCB、来ないかなあ。。

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