昨日『The Guardian』に掲載されたウーナイ・エムリのインタヴューが話題だ。
Unai Emery: ‘Arsenal couldn’t protect me. Truth is, I felt alone’ | Interview by @sidlowe https://t.co/7AjsUmyZMg
— Guardian sport (@guardian_sport) May 15, 2020
いまもアーセナルをフォロウしているとしながらも、けして成功したとは云えない彼のアーセナル時代について、やや批判的、あるいは責任転嫁とも受け取れるコメンツもあり、いかにも議論を呼びそうな内容になっている。
以前にも彼はアーセナルに批判的なコメントをしたことがあるが、今回の内容は、さらにアーセナルで自分が負っていた責任から逃れようとする傾向が強いように思える。解任からときがたち、彼の考え方も少しづつ変わってきているのかもしれない。
個人的にもすでにエメリ氏には大きな関心はないのだが、彼の時代の(彼目線での)アーセナルの歴史の舞台裏を書き残しておくためにもこの話題についてフォロウしておきたい。
ウナイ・エメリ インタヴュー「アーセナルはわたしを守れなかった」
インタヴュアーはSid Lowe。
各トピックについてコメンツ部分のみ要約。インタヴューだけでなくロウの記事もアツいので、元記事に目を通すことを強くおすすめします。
ファーストシーズン(18/19)について
- ファーストシーズン、われわれはとてもよくやった。「これぞマイチーム」と思った
- みんなが「このチームにはキミのパーソナリティが見える」と云った。スピリットがあり、インテンシティとエナジーがあった
- 13年ぶりにヨーロッパのファイナルに到達したし、ナポリやヴァレンシア相手にもとてもよくプレイした
- 3位フィニッシュにも手が届くところだったが、クリスタル・パレスとブライトンで4ポインツ失ってしまった
- 結果については解せない(incomprehensible)がトライはした
- (シーズンの)始まりは見事でドレッシングルームにもいいスピリットがあった
- ラムジーが最高のタイミングで怪我をした。4月の重要な試合に彼がいなかったので、選手には100%の“implicación”(コミットメント)が必要だった
- バクではチェルシーのほうが優れていたと認める。こちらの準備はよかったしコミットメントもあった。だが、何人かの選手はある日は「イエス」ある日は「ノー」のようなメンタリティ。フットボールでは「イエス、イエス、イエス」が求められる
- 最後の数週間の試合でちょっとしたことを欠いた。アプリケイションとコミットメントが100%でないなら、敗けうる。それが起きた
クラブの間違った判断について。キャプテンの退団とペペの獲得
- クラブの人たちは満足していたが何かが失われていた。クラブを運営する人たちにも伝えたが、そこからの決断がうまくいかなかった。間違いを犯した。コーチとして自分のことは責任を取るが
- たとえば4人のキャプテンがクラブを去った。ラムジーが退団を決めたが、彼が残ったほうがチームにもわたしにもよかったかもしれない
- チェクがリタイヤしたのはいいとして、コシエルニとモンレアルには残ってほしかった。彼らがいなくなってドレッシングルームが変わってしまった
- ペペはいい選手だが、われわれは彼のキャラクターも知らなかったし時間も忍耐も必要だった。わたしはリーグを知っていて適応の時間が必要ない選手のほうがよかった
- ザハはひとりで試合を勝たせた。トッナム、マンシティ、われわれ。とんでもないパフォーマンス
- クラブには「彼こそがほしい選手だ」と伝えた。わたしはザハに会ったし、彼も来たがっていた
- しかしクラブは将来を見越してペペに決めた。「いいでしょう。でもわれわれはいま勝ちが必要で、彼なら勝てる」
- 彼は高くて、パレスが売りたがっていなかったのも事実だが
- そういった後に響くいくつもの(誤った)決断があった
ラムジーの退団について
- 最初彼は残りたがっていた。新契約の交渉があって、合意に達しなかった。クラブは契約更新の額に確信できなかった
- ラムジーは評価されていると感じたかった
- これは経済的な問題でわたしが関与できることではなかった
- わたしがクラブに来たとき(※新契約の交渉をしていたとき)はまだ彼のことをよくわかっていなかった
- 彼は重要だが、アーセナルが彼の望む契約を与えるべきだったかはなんとも云えない
ジャカのキャプテン指名について
- ジャカはキャプテンの器だと信じていたし、選手も彼に投票した。ドレッシングルームでリスペクトされていた
- (なぜ投票を?)わたしのやり方は、50%が自分、50%が選手。わたしは選手からのインプットや意見を好む
- キャプテンにふさわしいキャラクターの選手がいても、時間や支援が必要。一定の人々やファンからのサポートなしでは難しくなる
- ジャカにコシエルニとナチョ、あるいはラムジーがいればより簡単になる
- 感情の面では、結果や(ジャカの)内面のアティチュードといったものがチームのコミットメントや一体感の助けにはならなかった
エジルとの確執について
- わたしは彼とたくさん話した
- 彼もまた自己批判的(self‑critical)であらねばならなかった。自分のアティチュードやコミットメントを分析して
- わたしはエジルを助けるためになんでもしようとした
- わたしのキャリアを通して才能ある選手たちがわたしとともにそれを開花させた。わたしはいつでもポジティヴだったし、彼にはプレイしてほしかったし、関わってほしかった
- プリシーズンでわたしはベストのエジルを取り戻すために助けたいと話した。わたしはドレッシングルームでも高いレヴェルで関与したかった
- わたしは彼をリスペクトしていたし、彼がチームを助けてくれると思っていた
- 彼はキャプテンにもなれたが、ドレッシングルームがそれを望まなかった。(彼がキャプテンじゃなかったのは)わたしの決断ではなく、選手たちが決めたこと
- キャプテンはクラブ、コーチ、チームメイツを守るものでもある
- (エジルのホーム・アウェイのフォームの違い。プレイタイム)どんな選手でもいいときと悪いときがある。ときに彼は病気や膝の痛みでプレイできなかった
- ワトフォードは強盗事件のあとの最初の試合だったが、彼をすぐ使った
- わたしはいつでも話すことにオープンだったし、彼はいつでもわたしのプランに入っていた。だが彼は自分のことをやらねばならなかった。わたしがコントロールできないことがあった
コーチとして
- コーチは責任を取る強さを持っていなければならない
- わたしは選手を守るし、クラブはマネージャーを守るもの。わたしはクラブマンだ。それが彼らがサインしたものだ
- アーセン・ヴェンゲルはまた違ったのだろう。彼はすべてをやった
- いまはラウルとエドゥがいて、わたしは自分の仕事をする彼らを信じなければならないし、わたしの仕事はフットボール
- クラブにはほかの仕事をやる人たちがいて、それがピッチにも影響を与えることがある。そしてそれがときにわれわれを傷つける
英語力について
- 進歩の余地はあるが、(わたしの英語は)ちゃんとしたレヴェルにあった。結果が出なかったとき、同じように評価されない。説明するための言語力が十分でない
- 「good ebening」は「good evening」。わたしが「グッド・イーブニン」と云うとき、勝てばおもしろがられ、敗ければ恥になった
悪くなる一方のチーム
- 難しかった
- エナジーがなくなっていき、ものごとは滑り落ちていく。何をやっても、誰がやっても
- サポートをしてくれるひともいたが、雰囲気を感じ、関係が変わるのを感じる。それがピッチに伝わっていく
- パレスとウォルヴズに追いつかれたのはわれわれの感情面を表していた。正しくなく、うまくいかなかった
- 選手たちに伝えた「これはわたしが観たいチームではない」。そこにはもうコミットメントもユニティもなかった
- それがわたしが観たもので、クラブはわたしを置き去りにした。解決策はなかった
クラブに守ってもらえなかったこと「孤独に感じていた」
- (かつてホルヘ・ヴァルダーノがコーチには2種類いると云いました。強いコーチと弱いコーチ。一度弱いコーチだと選手に認定されると取り返しがつかなくなる)まったくだ。わたしはこれまでどのクラブでも守られてきた。Lorca、アルメリア、ヴァレンシア、PSG、セヴィーヤではモンチがいたし、PSGではNasser al-Khelaifiがドレッシングルームでも公の場でもわたしを守った
- アーセナルではそれをできるひとがいなかった。おそらくヴェンゲルのせいだろう。彼はなんでも自分でやった
- 彼らならこう云っただろう「わたしたちはキミを守る。だがファンの前やドレッシングルームではそれができない」と。実際はわたしは孤独に感じていた。そして結果がわたしを追いやることになった
若い選手たちの起用
- でもわたしはアーセナルでハッピーだった。いいことをいくつも思い出す
- 最初の年はすごかった。若い選手たちにチャンスを与えた
- ブカヨは8分しかプレイしなかったし、ボールにも触れなかったが、17才のこれからグレイトになろうという選手のファーストステップとはそんなものだ
- ベルント・レノは成長し、ウィロックにリース・ネルソン、エンケティア、マルチネーリ。マテオ・グウェンドゥージはとてもよくやったし、ルーカス(トレイラ)も。彼らの成長はやりがいだった
- オバメヤンが31ゴールでトップスコアラーになったし、ラカゼットも19ゴールに13アシスト
アーセナルのあと
- 悔やまれるのはオバメヤンがトッナムでペナルティを外したこと。あれはCL出場への2ポインツだった
- あるいはブライトンとパレスに勝てなかったこと
- われわれは仕事をやり遂げられず、ミステイクがあったということ
- わたしは自己批判的な人間だ。あるときわたしは結果を出せなかった
- わたしはエミレーツを楽しんだ
- いまもアーセナルをフォロウしている
- アルテタは正しい選択だ…… クリスマスのあたりに彼とは話した。アーセナルでベストを尽くしてほしい
- (マネージャーをつづける)渇望とエナジーはある。フットボールを観ているし学んでいる
- もしイングランドでいいプロジェクトがあって、わたしを欲してくれるならば、わたしをサポートする準備ができているならば、わたしのほうは準備できている
- イングランドではチームの個性が試合をいきいきとさせている。深みがある。教会のように
- わたしはサン・セバスチャン生まれでマイチームはレアル・ソシエダだ
- わたしの心のなかにはいまもその気持ちがあり、イングランドで見せたものだ。素晴らしかった。最高に愛すべきことがそこにはあった
以上。
どうだい。若干モヤッとする部分があるようなないような。
ウナイ氏が過去の愚痴言うだけで次のリクルートにもマイナス要因になってるだけな気が
まぁ2連続失敗でビッグクラブはもう無いでしょうけど
どこぞの首相のように言い訳すればするほど自分の首をしめる結果になるんじゃないですかね。
エメリ氏こそアーセナルを守ってくれなかったどころかドン底の最下層クラスまで叩き落としてくれましたよ。
???「笑わせるぜ」
おそらくヴェンゲルのせいだろう –
この訳は作為的だなぁ。lol
ま、実際そういうつもりで言ってたのかもしれないが。
何にしてもエメリナイスには特にがっかりもしない。ディスガスティングな言い訳がミントクールにすら感じられる。
もはやパーソナリティイスューだよね。あの醜態であそこまで延命をゆるされてなおもこれ。エミレーツでの失敗を元カノのせいにしたってのも実話か。コシはもちろんだがラムが出てったのもお前のせいだっつーの。自覚ないところがフライトニング。
エメリナイスよ、まぁがんばれ。俺たちには聖ミケルがおるけん。こっち見ぃひんといてくれる?
まあエメリはまだ若めだし、待遇こだわらなきゃまた次見れるでしょ
その時ですよ これらのコメントが恨み節なのか、違うのかわかるのが
ただとにかくアルテタをひき止められて良かった。。
自分より優れている(または自分より大成する可能性のある)人材、得手してまぁ彼らはプライドも高いわけですが、
彼らをどう束ねるか、どうやって一つの方向を向かせるか、どうやって自分の考えを反映させるか、、、
サッカーに限ったことでなく、とても難しいミッションと思います。
エメリ氏のアーセナルでの旅路の結末には同情できないのですが、なんといいますか、
リーダー論?的な感じのことを考えさせられますね。
ヴェンゲルさんが連れてきた選手やし育てた選手やし、クラブのボスだったヴェンゲルさんから引き継ぐのはどの監督であっても難しかったとは思う。アルテタであってもその違いで苦しんだのかもしれないけど、今の選手との関係性を考えると(エジルもあんなに走ってたし)、その違いを乗り越えて監督として選手と信頼関係が築けてたんじゃないかなぁと思ってしまいます。
あと日本人的な感覚なんだろうけど、前クラブにこういう批判的なことコメントしてるのにまだそのクラブをフォロウしてるとか言えちゃうところが八方美人な感じで好きになれないなぁ。